有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LTXX (EDINETへの外部リンク)
王子ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)
当社グループの研究開発活動は、全体の研究開発を統括するイノベーション推進本部と各事業会社の研究開発部門、各工場の研究技術部等が連携しながら取り組んでいます。イノベーション推進本部は、新事業の創出並びに既存事業の競争力強化を念頭に、技術革新のシーズ開発から、よりビジネスに密着した新市場の開拓と新製品開発を行っています。
グループ全体の既存事業の競争力強化として、植林、パルプ、抄紙、塗工の各分野で蓄積・体系化された技術と、海外拠点との連携、新製品開発及び既存製品の品質改善に取り組んでいます。国内外の工場では、品質向上・操業の安定化、コストダウンの推進を図っています。
当連結会計年度末における当社グループの保有特許権・実用新案権・意匠権の総数は国内2,348件、海外719件です。また保有商標権の総数は国内874件、海外968件です。
当連結会計年度の研究開発費の総額は9,704百万円となっています。なお、当連結会計年度における各セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりです。
(1)生活産業資材
産業資材事業では、古紙利用拡大、抄紙条件、薬品の最適化によるコストダウン、品質・操業性改善を推進してきました。これらの国内で培った基盤技術を活用して新製品開発を進めるとともに、カンパニーの枠を越え、当社グループ会社の各海外拠点へ水平展開を進めています。
パッケージング関係では、紙容器関連事業のさらなる発展のため、国内原紙の抄紙から飲料パッケージングまでの国内一貫生産システムを構築しています。同事業は石塚硝子株式会社(以下、「石塚硝子」といいます。)と合弁にて参画することにより、当社グループの原紙製造技術と石塚硝子の充填機・メンテナンス技術が融合し、新たな事業分野を構築することが可能になります。これら日本国内での一貫した生産体制を基盤に、大きな需要が期待される海外での事業も拡大していきます。
段ボール事業では、インターネット通販市場の急速な拡大に伴うさまざまな業界での梱包・物流に関する課題解決に向けて、次世代の包装ソリューション「OJI FLEX PACK’AGE」の提供を行っています。「OJI FLEX PACK’AGE」では、当社グループの連続段ボールシート「らくだん」を使用した、商品のサイズにあわせた梱包を可能とする「3辺可変システム」等のラインナップを取り揃えており、梱包作業の省人化や配送料削減など物流におけるコスト全般の削減をサポートします。この取り組みは、日本包装技術協会主催の2020年日本パッケージングコンテストにおいて、最高位にあたる経済産業大臣賞を受賞しています。
さらに、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みの一貫で、紙素材を活用した仮設施工の生産性向上技術を「KAMIWAZA」として、清水建設株式会社と共同開発しています。従来から仮設資材に利用されていた鋼材や木材の代替として、取り扱いが容易な紙素材を使用することにより、作業員の負担を軽減し、仮設施工の生産性を向上することが可能となります。この取り組みは、日刊工業新聞社主催の第49回日本産業技術大賞において、審査員特別賞を受賞しています。
当事業に係る研究開発費は404百万円です。
(2)機能材
機能材事業では、海洋プラスチック問題への解決策として、環境配慮型製品を積極的に開発しています。また、当社グループのコア技術であるシートの製造・加工技術を活用した新製品開発も進めています。
環境配慮型製品としては、酸素や水蒸気の侵入を防ぎ、内容物の劣化を抑えることができるバリア性紙素材として、プラスチックに代わる紙素材「SILBIO BARRIER」を製品化しました。一般的なバリアフィルムより高い、蒸着フィルム並みのバリア性を有する高性能品や、高透明グレード品を開発する等、さらなる機能向上にも取り組んでいます。
また、生分解性プラスチックとセルロースの複合材は、量産体制を構築し、さまざまなユーザーでのテストを進めています。滑らかな表面と自由な立体成形性が特徴のパルプモールド製品「PaPiPress」(iFデザインアワード2021受賞)は、プラスチックの代替パッケージとして様々な分野のお客様からの引き合いに対応しています。
特殊紙事業では、バイオマスプラスチックを利用した特殊紙シート、あるいは医薬用包材やヘルスケア関連素材など、成長市場に向けた製品開発を進めています。また、半導体や二次電池などの製造工程で使用される各種高機能フィルター用素材として、より高性能かつ環境に配慮した無機繊維ペーパーを開発しています。
粘着事業では、機能進化するタッチパネルに対応した各種粘着シートや高機能フィルム開発に注力しています。タッチペン適性を向上させる粘着シート、性能劣化を抑制する粘着シート、画面の見やすさを向上させるフィルム等の製品は、スマートフォンやノートPC、ゲーム機などへ新規採用が進んでいます。進化する車載ディスプレイ向け製品でも、高度な耐久性を有しながら、高級感も付与できる粘着シートなどが好評を得て採用実績が拡大しているほか、軽量化に寄与する粘着シートも開発しています。今後も新たな市場開拓を目指した製品開発に取り組んでいきます。
フィルム事業では、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの技術によるコンデンサ用フィルムの開発や、高機能フィルムの開発を進めています。ハイブリッド車や電気自動車の電気駆動系に用いられるフィルムコンデンサは、その主力材料である高性能ポリプロピレンフィルムの厚みが薄いほど小型化が可能になります。当社グループは高耐電圧ポリプロピレンフィルムの超薄型化技術の開発を推進し、世界的な需要拡大が見込まれる電動車両向けの電子部品の小型軽量化に貢献しています。高機能フィルムでは、コンデンサ用フィルムの技術を活かし、バイオプラスチックフィルム等の開発を開始しています。
当事業に係る研究開発費は2,144百万円です。
(3)資源環境ビジネス
資源環境ビジネス事業では、王子製紙株式会社米子工場で生産している溶解パルプに関する技術開発を行っています。溶解パルプは、レーヨン、医薬品や食品の添加剤、セルロース誘導体などの原料として使用され、今後は世界的な人口増加により需要拡大が期待されています。既に繊維原料メーカーや医薬品原料メーカーへの販売を行っており、現在は高価格品の生産性アップやコストダウンによる収益向上を進めています。
当事業に係る研究開発費は337百万円です。
(4)印刷情報メディア
印刷情報メディア事業では、パルプ製造工程から紙製造工程までの製紙工程全般に関する技術開発に取り組んでいます。使用薬品や操業条件の最適化によるコストダウン、欠点・断紙削減等の操業性改善、代替薬品の利用促進によるBCP(事業継続計画)対応強化を推進し、収益向上に繋げています。
当事業に係る研究開発費は966百万円です。
(5)その他の研究開発活動
グループ内の関連部門と強く連携しながら、イノベーション推進本部を中心に機動的かつ効率的な研究開発活動を実施しています。セルロースナノファイバー(CNF)や、水処理技術をはじめ、木材成分のヘミセルロースを利用した医薬品原薬、セルロースからのバイオマスプラスチック開発等の多角的な革新的価値創造に取り組んでいます。
次世代素材として注目をされているセルロースナノファイバー(CNF)については、引き続き用途開発に精力的に取り組んでいます。CNFスラリー「アウロ・ヴィスコ」については、個々のお客様のニーズに応じてスラリーの特性である透明性や粘度などをカスタマイズした開発を推進し、より幅広い分野での適用を目指します。用途開発の具体例としては、これまでにおける生コンクリートの圧送先行剤への採用に加え、化粧品原料「アウロ・ヴィスコ CS」は、国内外の化粧品メーカーでの採用が進んでいます。さらに、グローバルに大きな市場を持つ工業用製品にも採用されています。
また、自動車の窓ガラス用途での開発を進めているCNFとポリカーボネートを複合した樹脂ガラスは、無機ガラスに比べて軽量なため、大幅な自動車重量の低減効果が期待され、今後も製品化に向けた開発を継続していきます。さらに当社グループ独自のCNFシート「アウロ・ヴェール」につきましても、個々のお客様のニーズに応じ、シートの特性である強度やフレキシブル性などをカスタマイズした開発を進め、様々な産業分野における適用性検討を継続しています。反発力や弾力を両立したCNFシートが採用された卓球ラケットは、卓球専門誌のアンケートにおいてグランプリ(ペンホルダーラケット部門)を受賞しました。2021年度も新たな卓球ラケットに採用されています。
今後も上記の用途に加え、樹脂、ゴムの補強等、より幅広い分野での用途開発を進め、CNFの実用化を牽引し、市場普及を積極的にリードしていきます。
水処理技術の分野では、当社グループが長年培ってきた製紙技術を通じて蓄積された用水製造・排水処理のノウハウを多様なニーズと組み合わせることにより、あらゆる水環境に適した水処理システムを提供しています。水質分析・ラボ試験・パイロット試験などの現地調査を実施し、より適切な設備の設計・施工を進めるための体制を確立しています。具体的には水資源を有効活用するため膜ろ過装置を用いた工業・生活用水の製造設備や排水基準値を大幅に下回る排水処理設備が東南アジアでも採用されています。またこれらの設備はIoTを導入した遠隔監視システムを組み込み、設備全体を遠隔でサポートするサービスにも対応しています。今後も、水処理システムの技術革新を進めながら普及拡大を目指し、日本国内のみならず東南アジアをはじめとする新興国の水環境発展に貢献していきます。
新規開発分野として、独自の微細構造形成技術「ナノドットアレイ」を用いて、ライフサイエンス分野への展開を進めており、iPS創薬や再生医療開発などに役立つ微細構造つき細胞培養基材を開発し、培養シャーレを2020年5月に製品化しています。その他、反射防止構造体や光取出し構造体等、各種光学材料分野の開発も行っています。
また、木質資源由来のヘミセルロースは、化学合成した「硫酸化ヘミセルロース」の医薬品化を進めています。医薬事業への参入に向けた取り組みを加速するため、2020年4月に王子ファーマ株式会社を設立し、大学や製薬企業とのコラボレーションを推進しています。
パルプを原料としたプラスチックの製造についても目下開発中です。従来の石油を原料としたプラスチックを、持続可能なバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックに置き換えることにより、化石燃料由来のCO2排出を抑制し、地球温暖化防止に貢献することを目指します。一般的なバイオマスプラスチックはトウモロコシなどの可食原料から製造されますが、当社グループのバイオマスプラスチックは非可食である樹木由来のパルプを原料とすることにより食品資源との競合を無くすことができます。これにより、持続可能な社会にさらに深く貢献できる非可食バイオマスプラスチックの普及を目指すことができます。本開発は環境省の委託事業「2019年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に採択され、研究を進めています。
その他の研究開発活動に係る研究開発費は5,850百万円です。
なお、(1)~(4)の各セグメントに関わる研究開発活動のうち、事業化段階に無い、探索段階及び開発段階の研究開発活動の研究開発費が含まれます。
グループ全体の既存事業の競争力強化として、植林、パルプ、抄紙、塗工の各分野で蓄積・体系化された技術と、海外拠点との連携、新製品開発及び既存製品の品質改善に取り組んでいます。国内外の工場では、品質向上・操業の安定化、コストダウンの推進を図っています。
当連結会計年度末における当社グループの保有特許権・実用新案権・意匠権の総数は国内2,348件、海外719件です。また保有商標権の総数は国内874件、海外968件です。
当連結会計年度の研究開発費の総額は9,704百万円となっています。なお、当連結会計年度における各セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりです。
(1)生活産業資材
産業資材事業では、古紙利用拡大、抄紙条件、薬品の最適化によるコストダウン、品質・操業性改善を推進してきました。これらの国内で培った基盤技術を活用して新製品開発を進めるとともに、カンパニーの枠を越え、当社グループ会社の各海外拠点へ水平展開を進めています。
パッケージング関係では、紙容器関連事業のさらなる発展のため、国内原紙の抄紙から飲料パッケージングまでの国内一貫生産システムを構築しています。同事業は石塚硝子株式会社(以下、「石塚硝子」といいます。)と合弁にて参画することにより、当社グループの原紙製造技術と石塚硝子の充填機・メンテナンス技術が融合し、新たな事業分野を構築することが可能になります。これら日本国内での一貫した生産体制を基盤に、大きな需要が期待される海外での事業も拡大していきます。
段ボール事業では、インターネット通販市場の急速な拡大に伴うさまざまな業界での梱包・物流に関する課題解決に向けて、次世代の包装ソリューション「OJI FLEX PACK’AGE」の提供を行っています。「OJI FLEX PACK’AGE」では、当社グループの連続段ボールシート「らくだん」を使用した、商品のサイズにあわせた梱包を可能とする「3辺可変システム」等のラインナップを取り揃えており、梱包作業の省人化や配送料削減など物流におけるコスト全般の削減をサポートします。この取り組みは、日本包装技術協会主催の2020年日本パッケージングコンテストにおいて、最高位にあたる経済産業大臣賞を受賞しています。
さらに、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みの一貫で、紙素材を活用した仮設施工の生産性向上技術を「KAMIWAZA」として、清水建設株式会社と共同開発しています。従来から仮設資材に利用されていた鋼材や木材の代替として、取り扱いが容易な紙素材を使用することにより、作業員の負担を軽減し、仮設施工の生産性を向上することが可能となります。この取り組みは、日刊工業新聞社主催の第49回日本産業技術大賞において、審査員特別賞を受賞しています。
当事業に係る研究開発費は404百万円です。
(2)機能材
機能材事業では、海洋プラスチック問題への解決策として、環境配慮型製品を積極的に開発しています。また、当社グループのコア技術であるシートの製造・加工技術を活用した新製品開発も進めています。
環境配慮型製品としては、酸素や水蒸気の侵入を防ぎ、内容物の劣化を抑えることができるバリア性紙素材として、プラスチックに代わる紙素材「SILBIO BARRIER」を製品化しました。一般的なバリアフィルムより高い、蒸着フィルム並みのバリア性を有する高性能品や、高透明グレード品を開発する等、さらなる機能向上にも取り組んでいます。
また、生分解性プラスチックとセルロースの複合材は、量産体制を構築し、さまざまなユーザーでのテストを進めています。滑らかな表面と自由な立体成形性が特徴のパルプモールド製品「PaPiPress」(iFデザインアワード2021受賞)は、プラスチックの代替パッケージとして様々な分野のお客様からの引き合いに対応しています。
特殊紙事業では、バイオマスプラスチックを利用した特殊紙シート、あるいは医薬用包材やヘルスケア関連素材など、成長市場に向けた製品開発を進めています。また、半導体や二次電池などの製造工程で使用される各種高機能フィルター用素材として、より高性能かつ環境に配慮した無機繊維ペーパーを開発しています。
粘着事業では、機能進化するタッチパネルに対応した各種粘着シートや高機能フィルム開発に注力しています。タッチペン適性を向上させる粘着シート、性能劣化を抑制する粘着シート、画面の見やすさを向上させるフィルム等の製品は、スマートフォンやノートPC、ゲーム機などへ新規採用が進んでいます。進化する車載ディスプレイ向け製品でも、高度な耐久性を有しながら、高級感も付与できる粘着シートなどが好評を得て採用実績が拡大しているほか、軽量化に寄与する粘着シートも開発しています。今後も新たな市場開拓を目指した製品開発に取り組んでいきます。
フィルム事業では、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの技術によるコンデンサ用フィルムの開発や、高機能フィルムの開発を進めています。ハイブリッド車や電気自動車の電気駆動系に用いられるフィルムコンデンサは、その主力材料である高性能ポリプロピレンフィルムの厚みが薄いほど小型化が可能になります。当社グループは高耐電圧ポリプロピレンフィルムの超薄型化技術の開発を推進し、世界的な需要拡大が見込まれる電動車両向けの電子部品の小型軽量化に貢献しています。高機能フィルムでは、コンデンサ用フィルムの技術を活かし、バイオプラスチックフィルム等の開発を開始しています。
当事業に係る研究開発費は2,144百万円です。
(3)資源環境ビジネス
資源環境ビジネス事業では、王子製紙株式会社米子工場で生産している溶解パルプに関する技術開発を行っています。溶解パルプは、レーヨン、医薬品や食品の添加剤、セルロース誘導体などの原料として使用され、今後は世界的な人口増加により需要拡大が期待されています。既に繊維原料メーカーや医薬品原料メーカーへの販売を行っており、現在は高価格品の生産性アップやコストダウンによる収益向上を進めています。
当事業に係る研究開発費は337百万円です。
(4)印刷情報メディア
印刷情報メディア事業では、パルプ製造工程から紙製造工程までの製紙工程全般に関する技術開発に取り組んでいます。使用薬品や操業条件の最適化によるコストダウン、欠点・断紙削減等の操業性改善、代替薬品の利用促進によるBCP(事業継続計画)対応強化を推進し、収益向上に繋げています。
当事業に係る研究開発費は966百万円です。
(5)その他の研究開発活動
グループ内の関連部門と強く連携しながら、イノベーション推進本部を中心に機動的かつ効率的な研究開発活動を実施しています。セルロースナノファイバー(CNF)や、水処理技術をはじめ、木材成分のヘミセルロースを利用した医薬品原薬、セルロースからのバイオマスプラスチック開発等の多角的な革新的価値創造に取り組んでいます。
次世代素材として注目をされているセルロースナノファイバー(CNF)については、引き続き用途開発に精力的に取り組んでいます。CNFスラリー「アウロ・ヴィスコ」については、個々のお客様のニーズに応じてスラリーの特性である透明性や粘度などをカスタマイズした開発を推進し、より幅広い分野での適用を目指します。用途開発の具体例としては、これまでにおける生コンクリートの圧送先行剤への採用に加え、化粧品原料「アウロ・ヴィスコ CS」は、国内外の化粧品メーカーでの採用が進んでいます。さらに、グローバルに大きな市場を持つ工業用製品にも採用されています。
また、自動車の窓ガラス用途での開発を進めているCNFとポリカーボネートを複合した樹脂ガラスは、無機ガラスに比べて軽量なため、大幅な自動車重量の低減効果が期待され、今後も製品化に向けた開発を継続していきます。さらに当社グループ独自のCNFシート「アウロ・ヴェール」につきましても、個々のお客様のニーズに応じ、シートの特性である強度やフレキシブル性などをカスタマイズした開発を進め、様々な産業分野における適用性検討を継続しています。反発力や弾力を両立したCNFシートが採用された卓球ラケットは、卓球専門誌のアンケートにおいてグランプリ(ペンホルダーラケット部門)を受賞しました。2021年度も新たな卓球ラケットに採用されています。
今後も上記の用途に加え、樹脂、ゴムの補強等、より幅広い分野での用途開発を進め、CNFの実用化を牽引し、市場普及を積極的にリードしていきます。
水処理技術の分野では、当社グループが長年培ってきた製紙技術を通じて蓄積された用水製造・排水処理のノウハウを多様なニーズと組み合わせることにより、あらゆる水環境に適した水処理システムを提供しています。水質分析・ラボ試験・パイロット試験などの現地調査を実施し、より適切な設備の設計・施工を進めるための体制を確立しています。具体的には水資源を有効活用するため膜ろ過装置を用いた工業・生活用水の製造設備や排水基準値を大幅に下回る排水処理設備が東南アジアでも採用されています。またこれらの設備はIoTを導入した遠隔監視システムを組み込み、設備全体を遠隔でサポートするサービスにも対応しています。今後も、水処理システムの技術革新を進めながら普及拡大を目指し、日本国内のみならず東南アジアをはじめとする新興国の水環境発展に貢献していきます。
新規開発分野として、独自の微細構造形成技術「ナノドットアレイ」を用いて、ライフサイエンス分野への展開を進めており、iPS創薬や再生医療開発などに役立つ微細構造つき細胞培養基材を開発し、培養シャーレを2020年5月に製品化しています。その他、反射防止構造体や光取出し構造体等、各種光学材料分野の開発も行っています。
また、木質資源由来のヘミセルロースは、化学合成した「硫酸化ヘミセルロース」の医薬品化を進めています。医薬事業への参入に向けた取り組みを加速するため、2020年4月に王子ファーマ株式会社を設立し、大学や製薬企業とのコラボレーションを推進しています。
パルプを原料としたプラスチックの製造についても目下開発中です。従来の石油を原料としたプラスチックを、持続可能なバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックに置き換えることにより、化石燃料由来のCO2排出を抑制し、地球温暖化防止に貢献することを目指します。一般的なバイオマスプラスチックはトウモロコシなどの可食原料から製造されますが、当社グループのバイオマスプラスチックは非可食である樹木由来のパルプを原料とすることにより食品資源との競合を無くすことができます。これにより、持続可能な社会にさらに深く貢献できる非可食バイオマスプラスチックの普及を目指すことができます。本開発は環境省の委託事業「2019年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に採択され、研究を進めています。
その他の研究開発活動に係る研究開発費は5,850百万円です。
なお、(1)~(4)の各セグメントに関わる研究開発活動のうち、事業化段階に無い、探索段階及び開発段階の研究開発活動の研究開発費が含まれます。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00642] S100LTXX)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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