有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LL3T (EDINETへの外部リンク)
大日本印刷株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)
DNPグループは、新規事業の創出・新製品開発から生産技術の開発に至るまで、幅広い研究開発活動を続けており、その活動は事業活動の原動力として機能しております。
DNPグループの研究開発は、研究開発センター、技術開発センター及び各事業分野の開発部門に加え、全社横断で新規事業開発を推進するAB(アドバンストビジネス)センターを中心に推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は32,623百万円であり、3つの事業部門に関する研究開発費が11,305百万円、各事業部門に配分することができない本社開発部門等の費用が21,318百万円であります。
当連結会計年度における各事業部門の主な研究開発とその成果は次のとおりであります。
(1) 情報コミュニケーション部門
出版印刷分野では、デジタルメディアを活用して読者への提供価値を拡大することが課題になっています。そのため、出版のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める一環として、出版社がコンテンツをWEB記事として提供する月額課金制会員サービスを開発しました。本サービスでは、会員が登録した悩みや好みのデータを基に、AI(人工知能)が診断し、会員一人ひとりに最適な記事を抽出して提供します。
セールスプロモーション分野では、企業による各種発行物の校正・校閲、契約書・申込書の審査等の業務の負荷軽減が課題になっています。そのため、これら業務の負荷をAIの活用で軽減するSaaS型の「DNP AI審査サービス」を開発しました。デジタル化したワークフローで進捗等を管理するため、テレワーク対応など企業の働き方改革を推進します。
カード・セキュリティ分野では、新型コロナウイルスの影響で、衛生管理に対するニーズの高まりから、従来からの抗菌性能に加え、国内初となる抗ウイルス性能を兼ね備えた非接触ICカードを開発しました。新しい生活様式に対応したカード決済を実現するとともに、社員証や入館証を利用する従業員や施設利用者等の安全・安心を実現します。
BPO分野では、業務効率の向上と社員のビジネススキルの平準化が課題になっています。そのため、企業の業務文書を自然言語処理AIを用いて知識グラフ化し、これを活用する「DNP業務知識活用プラットフォーム」を開発しました。保険会社や金融機関等の加入申込審査やコールセンターのオペレーション業務を支援できるため、業務経験の浅い担当者でも専門的な業務知識を容易に導き出すことができます。
イメージングコミュニケーション分野では、感染リスクに対応した社会でも楽しい体験や感動をフォトで提供するため、センサーやタッチパネルを活用し、一人では撮影できない位置などから自動撮影し、利用者に体験価値の高いフォトを提供する自動撮影ソリューションを開発しました。アミューズメントパークやイベント施設等にこれらのサービスを販売していきます。
当部門に係る研究開発費は2,184百万円であります。
(2) 生活・産業部門
包装分野では、環境に配慮したパッケージのニーズの高まりから、単一素材(モノマテリアル)で構成した「DNPモノマテリアル包材」の新グレードを開発しました。これまではなかったボイルやレトルトに対応ができるもので、今後もリサイクルしやすい包装容器のラインアップを拡充していきます。また、バリア性を有し、かつ、再生可能資源である紙を使用してプラスチック量を削減した「DNPスーパーハイバリア紙包材」を開発しました。
生活空間分野では、建装材・フィルム製品として抗菌製品技術評議会(SIAA)から抗菌・抗ウイルス性能認証を得たEB(電子線硬化)オレフィンシートや不燃塩ビ壁装材を開発しました。EBオレフィンシートに簡単に貼り直しができる粘着加工を施し、デスク等を抗菌・抗ウイルス化できるデスクトップシートの提供を開始しました。今後、これまでの「健康」と「環境」に加え、「衛生」に配慮した空間提供を推進していきます。
高機能マテリアル分野では、新型コロナウイルス用のワクチンなどを対象として、電源を必要とせず、超低温を長時間保持した輸送に対するニーズが高まっています。近年、酸素等の気体を通しにくいバリアフィルムを使った高い断熱性能を持つ真空断熱材が使われており、DNPの「ハイバリアフィルム」等も使用されています。今回、DNPは真空断熱材を使った「va-Q-tec(バキュテック)」社製の医薬品専用断熱ボックスの日本国内での販売を開始しました。本製品の提供により非電源で長距離超低温輸送が可能となり、新型コロナウイルス用のワクチン等の安全な輸送を支援していきます。
モビリティ分野では、スマートフォンを自動車のドア施錠等の操作に用いるデジタルキー導入の流れが加速していますが、電池切れにより機能しなくなるという課題がありました。そのため、ワイヤレス充電機能を一体化したデジタルキー認証モジュールを開発しました。近距離無線通信の国際規格の通信機能と、ワイヤレス充電の標準規格に準拠した充電機能を組合せ、2つの機能を集約したことで自動車の限られたスペースに組み込んで使用することができます。
当部門に係る研究開発費は1,610百万円であります。
(3) エレクトロニクス部門
コロナ禍でオンライン診療のニーズが高まる中、患者の画像はカメラや撮影環境から色調等が異なるため、医療現場のモニターに正確な情報を表示することが課題になっていました。これに対し、DNPは小型のカラーチャートを被写体と同時に撮影し、専用サーバー上で色調を整えることで、一定水準の色調に補正し表示するシステムを開発しました。今後は様々なカラーチャートを用いた色調調整に関するシステムをオンライン医療で役立てるため国際標準化を進め、サービスの質の向上と普及を加速します。
また、感染防止のマスクやフェイスシールドにより、医療・接客・手話通訳等の現場で表情が伝わりにくいことが課題になっています。そのため、ディスプレイ用のフィルムを活用し、反射による映り込みが少ない「DNP超低反射フェイスシールド」を開発しました。今後、同様の課題を有する業界に幅広く提供していきます。
当部門に係る研究開発費は7,510百万円であります。
(4) 飲料部門
該当事項はありません。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00693] S100LL3T)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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