有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LL3T (EDINETへの外部リンク)
大日本印刷株式会社 事業等のリスク (2021年3月期)
DNPグループは、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」の3つを企業として果たすべき責任(CSR)としており、その達成に向けた重点テーマを設定し、PDCAの観点で常に改善を行っています。また、企業理念に基づいて新しい価値を提供し続けていくために、環境(E=Environment)・経済及び社会(S=Social)に関する課題と、変動要素としてのリスクを正しく認識し、統合的なリスクマネジメントの取り組みを推進しています。さらに、企業統治(G=Governance)の強化に努め、迅速かつ的確な経営の意思決定や業務執行及び監督・監査の体制構築を進めています。
このようにCSRやESGを重視し、持続可能な社会の実現に向けた経営を通じて、リスクによるマイナスの影響を抑制するとともに、事業機会(チャンス)の拡大につなげていきます。DNPグループ独自の「P&I」の強みを掛け合わせ、社外のパートナーとも連携を深めて、事業環境の急激な変化に対応するだけでなく、より良い未来に向けて自らが主体となって変化を起こしながら、新しい価値の創出に取り組んでいきます。
直近では、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が、国内外の経済・社会に大きな影響を与えるなか、「DNPグループ安全衛生憲章」に基づいて、社員と家族の健康と安全を最優先として、企業活動を推進しています。引き続き、政府・自治体の方針やDNPグループの対応方針に基づき、社内外での感染の抑止に努め、ニューノーマル(新常態)に即した働き方の推進など、必要な対応を迅速かつ的確に実施していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてDNPグループが判断したものであります。
(1)環境関連のリスク
○脱炭素社会/循環型社会/自然共生社会の実現に関する変化及び施策の加速
・地球環境の変動/気候の変動への対策の変化(規制・緩和・適応など)
・異常気象や自然災害による被害の顕在化・増大
・温室効果ガスの排出量削減の加速
・エネルギー関連施策の見直し、再生可能エネルギー使用の拡大、エネルギー価格の急激な変動
・各種感染症等の世界的な流行
・プラスチックによる海洋汚染や土壌等の汚染の悪化、水リスクの増大
・生物多様性の喪失/生態系の劣化/天然資源の枯渇の加速 (その他)
DNPグループは、事業活動と地球環境の共生に絶えず取り組んでいます。2020年3月には、長期を見据えた“2050年のありたい姿”を示すものとして、「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定し、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを加速させています。社員一人ひとりが、環境との関わりを強く意識して、あらゆる企業活動を行うことで、「環境の保全と持続可能な社会の実現」に取り組んでいきます。
自然災害等への対応としては、製造設備その他の主要施設に防火・耐震・水害対策等を施すとともに、製造拠点や原材料調達先の分散を図り、生産活動の停止や製品供給の混乱を最小化する事業継続計画(BCP)を策定し、その適切なマネジメント(BCM)を推進しています。また、各種保険によるリスク移転も図っています。しかしながら、甚大な自然災害や各種感染症の流行など、社会インフラの大規模な損壊や機能低下、生産活動の停止にもつながるような予想を超える事態が発生した場合は、業績に大きな影響を与える可能性があります。
またDNPグループは、印刷用紙など森林資源からの原材料調達や、水・エネルギーを使用する製造工程など、事業活動のさまざまな場面で自然からの恩恵を受けています。さらに、多様な人財や資源の確保、グローバルなサプライチェーンの構築など、社会と密接に関係しながら事業活動を展開しています。こうした状況をグループ全体で明確に認識し、環境の持続性を確保しつつ、社会とともに持続的に成長するための取り組みを進めています。
国内外では、気候変動への対応や生物多様性の保全などに関する法的規制や国際規範の強化が進み、社会課題の解決に取り組む企業の姿勢を重視して企業価値を判断する傾向が高まっています。特に「脱炭素社会」への移行は、世界的な緊急課題となっており、各種インフラや事業構造の変革が求められています。こうした変化に遅れないようにするだけでなく、持続可能な社会・環境の実現に向けて主体的に変化を起こすことによって、業績や企業活動により良い影響を与えるように努めていきます。
(2)社会関連のリスク
○企業の社会的責任の遂行とレピュテーションリスクの回避
・コンプライアンス違反、大規模なデータの不正利用や漏えい、製品・サービスの品質不備の発生など
○人的資本の確保及び拡大・ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)の推進:人財の多様性を強みとして活かす施策、女性の社会進出、多様な国や地域・シニア・障がい者等の雇用促進ほか
・社員の健康管理・安全衛生の確保
・人財の流出・人財獲得状況の悪化などによる人財不足
・不適切な労働環境・労働条件などの発生
○社会やメガトレンドの大幅な変化にともなう課題の拡大・社会的・政治的混乱、カントリーリスクの増大
・人口動態の変化(先進国等の少子化・高齢化、新興国の人口増大など)
・都市と地方、国や地域などにおける格差の拡大
・フードロス、安全・安心な食の確保
・情報化社会や共有経済(シェアリングエコノミー)などの社会変化の加速
・公衆衛生の確保の重要性拡大 (その他)
DNPグループは、社会を構成する多様な人々に望まれる多様な価値を開発・提供していくため、社員一人ひとりの多様性を強みとしていく「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)」を推進しています。個々の多様性を尊重して価値創造の基盤づくりを進めるとともに、人財の確保・育成に向けて、組織風土や人事諸制度の改革に取り組んでいます。
またDNPグループは常に、国連の「国際人権章典」「グローバル・コンパクト」「ビジネスと人権に関する指導原則」及び国際労働機関(ILO)の「労働の基本原則および権利に関する宣言」に基づいた企業活動を推進しています。2020年3月には、こうした取り組みをあらためて周知・徹底していくため、「DNPグループ人権方針」を策定しました。人類の尊厳を何よりも大切なものと考え、あらゆる人が固有に持つ文化・国籍・人種・民族・言語・宗教・価値観・性別・年齢・性自認・性的指向・障がいの有無などの多様性を尊重し、規律ある行動を取るという前提に立ち、社員の多様性に配慮した働き方と、健康で安全な活力ある職場の実現を目指します。しかしながら、雇用情勢の急激な変化にともない、高い専門性を有する人財や、変化に柔軟に対応しながら業務を遂行できる人財の確保・育成ができない場合、競争優位性の高い組織体制の構築が難しくなる可能性があります。
海外での事業活動については特に、多様な社会的・政治的・経済的変動要素が存在します。環境・社会関連等の法律や規制の予期しない変更、カントリーリスク、人財の採用や確保の困難さのほか、人権や紛争などにも関連する多様なリスクが顕在化することによって、欧米や東南アジア等を中心としたDNPグループの海外での事業活動に支障が生じ、業績に影響を与える可能性があります。
また、グループ全体で企業倫理の浸透、徹底を図り、すべての企業活動において社員一人ひとりが法令を守るだけでなく、社会の期待に応える高い倫理観を持ち、常に公正・公平な態度で、秩序ある自由な競争市場の維持・発展に寄与することで、社会からの信頼を得るべく努めています。しかしながら、国内外で訴訟が提起され、その結果罰金などを科される場合やレピュテーションが低下した場合などにおいては、業績に影響を与える可能性があります。
(3)経済関連のリスク
○ニューノーマル(新常態)構築への取り組み:デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速、働き方・消費行動・教育環境・グローバルサプライチェーン等の変化の加速
○国内外の景気・消費動向・為替等の変化
・情報インフラ/社会インフラの老朽化、物流問題
・原材料調達の需給バランスの変化など
○技術革新の迅速化・多様化への対応、開発競争の激化・知的財産の流出や侵害
・提携先における業績低下や内部統制の不備
・サイバー攻撃の増大 (その他)
国内外の景気と消費動向に関連し、DNPグループは、多様な業種の数万社に及ぶ企業等と取引を行っており、特定の業種や企業に偏らない事業基盤のもとで安定的な事業活動を展開しています。世界経済の動向とも連動して国内外の景気が変動し、個人消費などの内需が想定以上に低迷した場合には、生産量の減少や単価の下落など、業績等に影響を与える可能性があります。特に、エレクトロニクス関連の業界では、新興国での生産や需要の変化、世界規模での単価の下落などが起きやすく、大幅な市場動向の変化によってDNPグループの業績に影響を与える可能性があります。
世界各地での事業を推進していくなかで、為替の影響は、次第にその比重が増大していきます。現地生産化や為替予約などにより、相場の変動リスクをヘッジしていますが、急激な為替変動があった場合には、業績に影響を与える可能性があります。
DNPグループは、印刷技術や情報技術を応用・発展させ、社外のパートナーの強みとも組み合わせることで、新しい製品・サービスを提供しています。その開発においては、ニーズが多様化するなかで、今後、国内外でのさらなる開発競争の激化や新常態への対応の遅れ、予想を上回る商品サイクルの短期化、市場動向の変化などが業績に影響を与える可能性があります。
また、戦略的な事業・資本提携や企業買収については、提携先や買収先の企業、対象事業などを取り巻く事業環境が悪化し、当初想定していたような相乗効果が得られない場合、業績に影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけの一つとして、デジタルトランスフォーメーション(DX)がさらに進展し、人々の働き方や消費行動、教育や医療、グローバルサプライチェーンなどの変化が加速しており、これらへの対応が遅れた場合には、業績に影響を与える可能性があります。
原材料等の調達については、国内外の複数のメーカーから印刷用紙やフィルム材料を購入して安定的な数量の確保と最適な調達価格の維持に努めています。しかしながら、石油価格の大幅な変動や新興国市場での急激な需要の増加、天然資源の枯渇、気候変動の影響、サプライチェーンの労働環境における人権の問題などにより、需給バランスが崩れる懸念もあります。その際は、DNPグループの顧客企業や取引先との交渉を通じて対応していきますが、原材料等の調達が極めて困難になった場合や購入価格が著しく上昇した場合などは、業績に影響を与える可能性があります。
また、事業活動において、世界規模のコンピュータネットワークや情報システムを活用するなかで、ソフトウェアやハードウェアの不具合のほか、日々変化していくサイバー攻撃やコンピュータウイルスへの感染、個人情報の漏えいなどの発生リスクが高まっています。DNPグループは、情報セキュリティ及び個人情報を含む重要情報の保護を経営の最重要課題のひとつとして捉え、体制の強化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理に万全を尽くしていますが、万一、悪意のあるサイバー攻撃や重要情報に関連する事故などが発生した場合には、事業活動に影響を与える可能性があります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00693] S100LL3T)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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