有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LM6Z (EDINETへの外部リンク)
株式会社日本触媒 事業等のリスク (2021年3月期)
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあり、当社グループは、当該リスクの発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応には最大限努力してまいります。
なお、文中にある将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1) 国内外の政治・経済・景気動向に関するリスク
当社グループは、化学品の製造販売事業をグローバルに展開しており、海外売上収益は売上収益の約55%を占めております。さらに製品は主に中間原料として様々な国・地域において多様な用途製品に使用されていることから、特定の国・地域や用途製品市場に大きく依存せず、それらの動向が経営成績及び財務状況に与える影響を抑えられる反面、各国・地域の政治・経済・景気の悪化及びそれに伴う製品需要の減少によって様々な製品の販売に影響が波及する可能性があります。また、当社グループは、日本・アジア・欧州・北米にアクリル酸、アクリル酸エステル、高吸水性樹脂等の生産拠点を有しているため、当該地域では販売に加えて設備稼働にも影響を及ぼす可能性があります。生産拠点の分散により、特定の生産拠点における設備の稼働停止・低下による影響を軽減することが期待できるものの、このようなリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(2) 原油・ナフサの市場変動に関するリスク
当社グループが調達している主原料は原油・ナフサ価格との連動性が高いため、中東地域の地政学リスク、米国シェールオイルの生産状況及び為替の変動等により原油・ナフサ価格が急激に変動した場合、原料価格の上昇分全てを製品価格に転嫁できない、又は遅れる可能性があります。一部の製品や取引先との間では、国産ナフサ価格の変動を製品価格に反映させるフォーミュラ方式による製品価格を設定すること等により当該リスクを7~8割程度軽減しておりますが、全ての製品及び取引先に設定していないため、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(3) 財務上のリスク
① 在外連結子会社等の業績当社グループでは、在外連結子会社等の資産及び負債は期末日レート、収益及び費用は期中平均為替レートにより円換算しているため、為替レートの変動により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 外貨建債権・債務
当社グループでは、グローバルに事業を展開しているため、米ドルやユーロ等の外貨建の債権・債務があり、短期的な為替レート変動に対して為替予約によるリスクヘッジを行っておりますが、為替レートの変動により円換算額が影響を受けることで、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 外貨ベースの円貨建債権・債務
当社グループでは、一部の主原料調達において、米ドル建の原油・ナフサ価格の円換算値を指標として主原料価格(円貨建)を決定しているため、為替レートの変動により当該調達原料価格が変動し、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
詳細は、「第5 経理の状況1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 28. 金融商品」をご参照ください。
(4) 海外展開に関するリスク
当社グループは、最適地での生産・販売を目的とした海外展開により、アジア・欧州・北米に生産・販売拠点を有しており、アクリル酸・高吸水性樹脂の海外拠点生産能力はグループ全体の約4割を占めています。海外事業においては、通常では予期し得ない法律や規則の変更、自然災害、産業基盤の脆弱性及び人材の採用・確保難、並びにテロ、戦争その他の社会的又は政治的混乱といったリスクが存在します。これらのリスクに対して、専門家や政府関係機関等から情報を収集した上で適宜対策を講じておりますが、これらのリスクが顕在化することによって、海外の事業活動に支障が生じ、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(5) 新規製品の研究開発・新規事業に関するリスク
当社グループは、これまでに触媒技術やプロセス技術を応用した無機・触媒関連技術、様々な機能を有するポリマーを設計・製造する高分子関連技術、及び特異な機能を発揮するユニークな化合物を設計・製造する有機合成関連技術等を蓄積してきました。これらの技術力を活かして、シーズを創出する基礎研究から顧客の真のニーズに迅速かつ的確に応える応用研究まで、多層的な研究開発を行っています。また、新しいシーズや技術の創出のために、国内外の大学を含めた第三者パートナーとの研究開発や事業提携等のオープンイノベーションを積極的に推進しています。しかしながら、新規製品の開発と新規事業の創出は、研究開発の失敗、あるいは予測の範囲を超えた市場ニーズの急変といった予期し得ない事象が発生するおそれが常にあり、結果として、計画どおりに新規製品の上市や新規事業の創出ができないことにより、当社グループの競争力が低下するリスクがあります。上記のようなリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 知的財産権をとりまく潜在的なリスク
当社グループは、他社が当社の特許を侵害している場合には、警告・訴訟提起等の対策を講じておりますが、他社が当社グループの特許や製品を調査解析して類似の技術や製品を開発することを完全には防止できない可能性があります。一方、当社グループの新たな事業展開を目指した新規製品分野においては、他社の知的財産権を十分に調査解析した上で独自の技術や新製品を開発しておりますが、将来的に他社の知的財産権について紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性があります。上記のようなリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(7) 情報セキュリティ及びデジタル技術活用に関するリスク
当社グループは、これまでの研究開発活動で培った独自の技術・ノウハウ、販売製品・顧客等の営業情報、製造活動で蓄積した生産データ及び会計データ等の機密情報を電子データ等として保有しております。これらの機密情報は当社グループの事業活動の基礎であると共に競争力の源泉でもあり、外部への情報漏洩や情報の喪失等によって、競合他社に対する事業の優位性低下や類似品の出現等当社グループの事業活動に大きな支障が生じる可能性があります。このようなリスクに対して、当社グループでは、情報セキュリティポリシーを定めた上で、情報システム、インフラのセキュリティ高度化、データセンターの複数化、アクセス権の設定、機密情報の表示、運用マニュアルの整備等の対策に加えて、社員のモラルやセキュリティに対する意識を高める教育も実施しながら情報管理の徹底に努めております。また、当社グループが、急速に進歩するITやデジタル技術に適応できず、それらを研究開発、製造、販売等の事業活動に有効に活用できない場合、将来的に競合他社に対する事業の優位性が低下する可能性があります。このようなリスクに対して、当社グループでは基幹システムの刷新や研究開発・製造におけるデータ及びデジタル技術活用に向け、専門部署を中心に組織横断的に取り組んでおります。
しかしながら、上記のようなリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 自然災害・事故等の発生リスク
当社グループは、レスポンシブル・ケア(RC)の推進を公約し、全社で環境保全、化学品安全、保安防災等の活動を積極的に展開し、顧客や地域社会からの高い信頼を獲得するよう努力しております。また、大災害を想定した事業継続計画を立て対策を適宜講じております。しかしながら、自然災害や停電・電力不足、感染症の流行、製造所における事故災害等により、生産活動の継続が困難となる可能性を完全に解消することは不可能であります。たとえば当社の基幹工場である姫路製造所及び川崎製造所の所在地区において、大規模な地震や津波、事故その他操業を中断せざるをえない事象が発生した場合には、主要製品の生産能力が著しく低下する可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症に対しては、従業員の健康確保及び生産活動の継続のため、感染予防策の従業員への周知、フレックスタイム制度を活用した時差出勤や在宅勤務、オンライン会議の推奨、出張の自粛等対策を講じていますが、更なる感染拡大や収束の遅れの影響により、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 気候変動、環境に関するリスク
当社グループは、環境保全に寄与する技術・製品を提供することで社会に貢献するとともに、サプライチェーンを含めた事業活動に伴う環境負荷を低減するために、省エネや資源有効利用等の環境活動、化学品安全等のレスポンシブル・ケア(RC)活動を積極的に展開しております。しかしながら、当社グループが事業展開する国・地域の環境規制の強化や環境保全に対する時流の変化による新たな法的、社会責任の発生、法整備以前の過去の行為に起因する環境汚染等が今後発生する可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、法令遵守等のための対策費用の増加や当局の指導・監督等による製造販売の制限により経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
特に、気候変動については解決すべき重要な社会課題と認識し、事業活動に伴って発生する温室効果ガスを継続的に削減するとともに、事業を通してお客様の製品やサービスにおける温室効果ガスの削減に貢献する取り組みを推進していますが、気候変動に伴う天災のリスクや、脱炭素社会への移行に伴う事業リスクが顕在化した場合には、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しており、TCFDのフレームワークに基づくリスク分析を行い、情報開示を進めてまいります。
(10) 資産の減損損失に関するリスク
当社グループは、製造設備等の有形固定資産を多数所有しており、資産合計の約41%を占めております。また、棚卸資産については、資産合計の約12%に相当します。そのため、急激な需給悪化等により製品市況が著しく下落した場合には、固定資産の減損損失や棚卸資産の評価減により、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(11) 企業買収、資本提携等に関するリスク
当社グループは、事業の拡大や競争力の強化等を目的として、国内外において企業買収や資本提携などを実施することがあります。これらを行う際には、対象企業の調査を十分に行い、リスクを検討することとしておりますが、当社グループや対象企業を取り巻く事業環境の変化等により、当初期待していたシナジー効果や新規事業創出その他のメリットを得られない場合や出資先企業の業績不振により「のれん」や「株式簿価」等の減損損失を計上する場合には、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00811] S100LM6Z)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。