有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100N9S1 (EDINETへの外部リンク)
クミアイ化学工業株式会社 研究開発活動 (2021年10月期)
当社グループは、農薬及び農業関連事業セグメントにおいて、国内外の農業用及び非農耕地における除草剤、殺虫剤、殺菌剤及び植物成長調整剤の研究を通して、食糧生産に貢献しうる新製品の開発に注力しております。また、研究領域および事業領域の拡大を促進し、持続可能な社会の実現に資する技術・製品の開発にも積極的に取組んでおります。
自社開発水稲用殺菌剤「ディザルタ」(農薬一般名:ジクロベンチアゾクス)は、現在までに東日本向け「ブーンパディート箱粒剤」、「ブーンレパード箱粒剤」、西日本向け「ブーンゼクテラ箱粒剤」を開発上市してまいりました。2022年にはいもち病及び広範囲害虫を対象とした全国向け「ブーンアレス箱粒剤」の上市を計画し、「ディザルタ」を含有する水稲用殺虫殺菌箱粒剤のラインナップの充実を図ります。また、「ディザルタ」を含有する水稲用殺虫殺菌箱粒剤は他社からも販売が計画されるなど、今後も新たな混合剤の開発を見込んでおり、水稲用箱粒剤の混合母剤である「ディザルタ」の普及拡大に向けた開発を強化してまいります。海外では、韓国においても「ディザルタ」の農薬登録を取得しております。韓国では提携各社によって「ディザルタ」を含有する水稲用箱剤の開発が進められており、「ディザルタ」ブランドの確立および普及促進を進めます。
自社開発水稲用除草剤「エフィーダ」(農薬一般名:フェンキノトリオン)は、水田広葉雑草に対して幅広く除草活性を示すだけでなく、薬剤抵抗性が発達したイヌホタルイなどにも有効な水稲用除草剤です。国内水稲栽培の移植、湛水直播などの各種栽培体系において、食用米だけでなく、飼料用米や多収米などの新規需要米品種を含めた多くの品種に対して高い水稲安全性を示す特長を有しています。2021年6月時点でエフィーダ混合剤は他社も含めて47剤が販売されており、本剤の日本国内での普及面積は2019年に52,464 ha、2020年には136,751 haとなっています(日植調データより)。さらに、国内だけでなく、欧州のムギ類を対象とした開発も行われており、世界の作物生産への貢献が期待されています。
自社開発畑作用除草剤「アクシーブ」(農薬一般名:ピロキサスルホン)は、米国、ブラジル、オーストラリア、アルゼンチンなどの主要穀物生産国においてダイズ、トウモロコシ、コムギ等で販売が好調です。また、これらの国での適用作物拡大及び混合剤開発も進んでおります。さらに、2021年には国内向けの「アクシーブ」含有混合剤の開発に成功し、北海道コムギ用除草剤として「キタシーブフロアブル」を上市しました。今後も南米、アジア、東欧および国内での開発を進め、「アクシーブ」のグローバルブランドの確立および販売・普及促進を推進します。
当社は、2019年にCorteva Agriscience社から中国を除くアジア・太平洋地域における「ベンスルフロンメチル」事業を譲受いたしました。「ベンスルフロンメチル」は水稲における広葉、カヤツリグサ科雑草に広く効果を示し、移植、直播栽培のいずれにも適用可能な水稲用除草剤として農業の発展に大きな貢献をしてきました。当社においても2020年に上市した「トップガンR」をはじめとして、本剤を含有する水稲用除草剤を数多く開発、販売しており、新たな混合剤の開発もすすめております。また、2020年にGowan社より殺菌剤「ペンシクロン」の日本国内の独占販売権を獲得し、当社は2021年から販売会社に製品を供給しております。「ペンシクロン」はリゾクトニア病害に卓効を示し、水稲を中心とした農耕地およびゴルフ場を主とした非農耕地にて使用される主要殺菌剤で、今後も、安定供給と新たな製品開発をすすめてまいります。
当社は研究開発型企業として、自社で農薬の創製、開発から販売までを一貫して行っており、今後も農家の方々のニーズにこたえる新規農薬の創製に注力してまいります。
さらに当社では環境負荷低減型農薬の開発に積極的に取組んでおります。そのひとつとして、水稲用の水面施用製剤「豆つぶ剤」があります。「豆つぶ剤」は当社独自の製剤技術を生かした軽量・省力的な剤型であり、簡便な散布が可能で、手撒き、ひしゃく、無人ヘリコプターでの散布に加え、新たな散布方法として注目されている「ドローン」での散布にも相性が優れております。商品ラインナップとして、除草剤では「トップガン剤」、「エンペラー剤」、「ツイゲキ剤」をはじめとする多くの製品をそろえ、殺菌剤「オリブライト剤」、「コラトップ剤」、殺虫剤「スタークル剤」、殺虫殺菌混合剤「ワイドパンチ剤」などの「豆つぶ剤」も販売しております。また、「豆つぶ剤」を水溶性フィルムでパックした「ジャンボ剤」もあわせて販売しております。化学製品以外では、環境にやさしい微生物農薬として水稲用種子処理剤「エコホープDJ」、園芸殺菌剤「エコショット剤」などの「エコシリーズ」剤を開発し、さらに新しい微生物農薬やバイオスティミュラントの研究開発を進めております。
また、研究開発型企業として最先端技術を開発・導入する目的で、大学や国立研究開発法人などとの共同研究に積極的に取り組んでまいります。その一例として、経済産業省のエネルギー・環境新技術先導プログラム「ファインケミカルズ製造のためのフロー精密合成の開発」、「ライフインテリジェンスコンソーシアム」などのプロジェクトに参画し、外部研究機関から新たな技術の導入など、共同研究によって研究開発力の向上に努めております。
さらには、農薬開発で培った周辺技術を活用し、温室効果ガス低減技術の開発(農地からのメタン生成を抑制する資材)やゲノム編集技術を応用した環境ストレス及び病害虫耐性作物の研究開発も積極的に行っております。
以上のように、当社では従来の研究成果の蓄積を活用し、応用することによって、日本政府が策定した持続可能な食料生産戦略である「みどりの食料システム戦略」にも対応した環境にやさしく自然と調和した新たな製品および技術の創出への取り組みを、今後も継続してまいります。
当社の国内研究拠点については、生物科学研究所内に農薬研究センター、生命・環境研究センター、化学研究所内にプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターとあわせて5研究センターを設置して、より専門性の高い技術集団による効率的な研究開発を進めております。また、2023年初に完成予定である新化学研究所は、現在、静岡県内に分散しているプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターを当社発祥の地である静岡市清水区の旧自社工場敷地内に統合し、そのシナジー効果で、新農薬創製、製品化研究のスピードアップと更なる研究開発分野の拡大を目指してまいります。
当社グループは、完全子会社となりました株式会社理研グリーンのグリーン研究所も加え、新規薬剤の探索合成から生物評価、安全性・環境科学評価、製剤技術開発、工業的製造法確立まで一貫した研究開発体制を敷き、よりスピーディに効率的な研究開発を進めてまいります。
また、米国におきましてはK-I CHEMICAL U.S.A. INC.が農薬の現地評価を行うミシシッピー試験場を配し、韓国では子会社のKUMIKA KOREA CO., LTD.が韓国での開発業務を担っております。これら各研究開発拠点の有機的かつ効率的な運営により、自社新規農薬、自社独自製剤技術を用いた新製品の開発のスピードアップと品質保証を含む当社グループの研究開発技術の更なる向上を図ってまいります。
化成品事業セグメントにおいては、2021年度より3D-NAND(三次元記憶ディバイス)への用途が見込まれる半導体向けのCOS(硫化カルボニル)の販売を開始しました。また、従前からのクロロトルエン・クロロキシレン系化学品、農薬原体製造で培った有機合成技術を駆使した医農薬中間体や電子材料、高耐熱樹脂等に使用されるビスマレイミド類をはじめとする精密化学品、様々な分野で使用されているウレタン樹脂製工業製品の原料であるウレタン硬化剤、産業用薬剤、環境衛生薬剤、医療用殺菌剤原体等の産業薬品、発泡スチロールを主体とした化成品について、当社グループの保有原料及び独自の技術・設備を生かした市場競争力のある製品開発に取り組んでおります。
その他セグメントにおいては、酵素類、生菌剤、ファフィア酵母(飼料添加剤)等のバイオ製品について、当社グループの技術力を生かした高付加価値製品の開発に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,948百万円であり、各セグメント毎の内訳は以下のとおりであります。
①農薬及び農業関連事業 4,500百万円
②化成品事業 432百万円
③その他 16百万円
自社開発水稲用殺菌剤「ディザルタ」(農薬一般名:ジクロベンチアゾクス)は、現在までに東日本向け「ブーンパディート箱粒剤」、「ブーンレパード箱粒剤」、西日本向け「ブーンゼクテラ箱粒剤」を開発上市してまいりました。2022年にはいもち病及び広範囲害虫を対象とした全国向け「ブーンアレス箱粒剤」の上市を計画し、「ディザルタ」を含有する水稲用殺虫殺菌箱粒剤のラインナップの充実を図ります。また、「ディザルタ」を含有する水稲用殺虫殺菌箱粒剤は他社からも販売が計画されるなど、今後も新たな混合剤の開発を見込んでおり、水稲用箱粒剤の混合母剤である「ディザルタ」の普及拡大に向けた開発を強化してまいります。海外では、韓国においても「ディザルタ」の農薬登録を取得しております。韓国では提携各社によって「ディザルタ」を含有する水稲用箱剤の開発が進められており、「ディザルタ」ブランドの確立および普及促進を進めます。
自社開発水稲用除草剤「エフィーダ」(農薬一般名:フェンキノトリオン)は、水田広葉雑草に対して幅広く除草活性を示すだけでなく、薬剤抵抗性が発達したイヌホタルイなどにも有効な水稲用除草剤です。国内水稲栽培の移植、湛水直播などの各種栽培体系において、食用米だけでなく、飼料用米や多収米などの新規需要米品種を含めた多くの品種に対して高い水稲安全性を示す特長を有しています。2021年6月時点でエフィーダ混合剤は他社も含めて47剤が販売されており、本剤の日本国内での普及面積は2019年に52,464 ha、2020年には136,751 haとなっています(日植調データより)。さらに、国内だけでなく、欧州のムギ類を対象とした開発も行われており、世界の作物生産への貢献が期待されています。
自社開発畑作用除草剤「アクシーブ」(農薬一般名:ピロキサスルホン)は、米国、ブラジル、オーストラリア、アルゼンチンなどの主要穀物生産国においてダイズ、トウモロコシ、コムギ等で販売が好調です。また、これらの国での適用作物拡大及び混合剤開発も進んでおります。さらに、2021年には国内向けの「アクシーブ」含有混合剤の開発に成功し、北海道コムギ用除草剤として「キタシーブフロアブル」を上市しました。今後も南米、アジア、東欧および国内での開発を進め、「アクシーブ」のグローバルブランドの確立および販売・普及促進を推進します。
当社は、2019年にCorteva Agriscience社から中国を除くアジア・太平洋地域における「ベンスルフロンメチル」事業を譲受いたしました。「ベンスルフロンメチル」は水稲における広葉、カヤツリグサ科雑草に広く効果を示し、移植、直播栽培のいずれにも適用可能な水稲用除草剤として農業の発展に大きな貢献をしてきました。当社においても2020年に上市した「トップガンR」をはじめとして、本剤を含有する水稲用除草剤を数多く開発、販売しており、新たな混合剤の開発もすすめております。また、2020年にGowan社より殺菌剤「ペンシクロン」の日本国内の独占販売権を獲得し、当社は2021年から販売会社に製品を供給しております。「ペンシクロン」はリゾクトニア病害に卓効を示し、水稲を中心とした農耕地およびゴルフ場を主とした非農耕地にて使用される主要殺菌剤で、今後も、安定供給と新たな製品開発をすすめてまいります。
当社は研究開発型企業として、自社で農薬の創製、開発から販売までを一貫して行っており、今後も農家の方々のニーズにこたえる新規農薬の創製に注力してまいります。
さらに当社では環境負荷低減型農薬の開発に積極的に取組んでおります。そのひとつとして、水稲用の水面施用製剤「豆つぶ剤」があります。「豆つぶ剤」は当社独自の製剤技術を生かした軽量・省力的な剤型であり、簡便な散布が可能で、手撒き、ひしゃく、無人ヘリコプターでの散布に加え、新たな散布方法として注目されている「ドローン」での散布にも相性が優れております。商品ラインナップとして、除草剤では「トップガン剤」、「エンペラー剤」、「ツイゲキ剤」をはじめとする多くの製品をそろえ、殺菌剤「オリブライト剤」、「コラトップ剤」、殺虫剤「スタークル剤」、殺虫殺菌混合剤「ワイドパンチ剤」などの「豆つぶ剤」も販売しております。また、「豆つぶ剤」を水溶性フィルムでパックした「ジャンボ剤」もあわせて販売しております。化学製品以外では、環境にやさしい微生物農薬として水稲用種子処理剤「エコホープDJ」、園芸殺菌剤「エコショット剤」などの「エコシリーズ」剤を開発し、さらに新しい微生物農薬やバイオスティミュラントの研究開発を進めております。
また、研究開発型企業として最先端技術を開発・導入する目的で、大学や国立研究開発法人などとの共同研究に積極的に取り組んでまいります。その一例として、経済産業省のエネルギー・環境新技術先導プログラム「ファインケミカルズ製造のためのフロー精密合成の開発」、「ライフインテリジェンスコンソーシアム」などのプロジェクトに参画し、外部研究機関から新たな技術の導入など、共同研究によって研究開発力の向上に努めております。
さらには、農薬開発で培った周辺技術を活用し、温室効果ガス低減技術の開発(農地からのメタン生成を抑制する資材)やゲノム編集技術を応用した環境ストレス及び病害虫耐性作物の研究開発も積極的に行っております。
以上のように、当社では従来の研究成果の蓄積を活用し、応用することによって、日本政府が策定した持続可能な食料生産戦略である「みどりの食料システム戦略」にも対応した環境にやさしく自然と調和した新たな製品および技術の創出への取り組みを、今後も継続してまいります。
当社の国内研究拠点については、生物科学研究所内に農薬研究センター、生命・環境研究センター、化学研究所内にプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターとあわせて5研究センターを設置して、より専門性の高い技術集団による効率的な研究開発を進めております。また、2023年初に完成予定である新化学研究所は、現在、静岡県内に分散しているプロセス化学研究センター、製剤技術研究センター、創薬研究センターを当社発祥の地である静岡市清水区の旧自社工場敷地内に統合し、そのシナジー効果で、新農薬創製、製品化研究のスピードアップと更なる研究開発分野の拡大を目指してまいります。
当社グループは、完全子会社となりました株式会社理研グリーンのグリーン研究所も加え、新規薬剤の探索合成から生物評価、安全性・環境科学評価、製剤技術開発、工業的製造法確立まで一貫した研究開発体制を敷き、よりスピーディに効率的な研究開発を進めてまいります。
また、米国におきましてはK-I CHEMICAL U.S.A. INC.が農薬の現地評価を行うミシシッピー試験場を配し、韓国では子会社のKUMIKA KOREA CO., LTD.が韓国での開発業務を担っております。これら各研究開発拠点の有機的かつ効率的な運営により、自社新規農薬、自社独自製剤技術を用いた新製品の開発のスピードアップと品質保証を含む当社グループの研究開発技術の更なる向上を図ってまいります。
化成品事業セグメントにおいては、2021年度より3D-NAND(三次元記憶ディバイス)への用途が見込まれる半導体向けのCOS(硫化カルボニル)の販売を開始しました。また、従前からのクロロトルエン・クロロキシレン系化学品、農薬原体製造で培った有機合成技術を駆使した医農薬中間体や電子材料、高耐熱樹脂等に使用されるビスマレイミド類をはじめとする精密化学品、様々な分野で使用されているウレタン樹脂製工業製品の原料であるウレタン硬化剤、産業用薬剤、環境衛生薬剤、医療用殺菌剤原体等の産業薬品、発泡スチロールを主体とした化成品について、当社グループの保有原料及び独自の技術・設備を生かした市場競争力のある製品開発に取り組んでおります。
その他セグメントにおいては、酵素類、生菌剤、ファフィア酵母(飼料添加剤)等のバイオ製品について、当社グループの技術力を生かした高付加価値製品の開発に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,948百万円であり、各セグメント毎の内訳は以下のとおりであります。
①農薬及び農業関連事業 4,500百万円
②化成品事業 432百万円
③その他 16百万円
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