有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100L03K (EDINETへの外部リンク)
大倉工業株式会社 研究開発活動 (2020年12月期)
当社グループにおける研究開発の基本方針は、「要素技術を通じて新たな価値を創造し、お客様から選ばれるソリューションパートナー」を目指し、お客様の価値向上と社会課題の解決に貢献し、事業を通じて社会・環境価値を創出することでグループの持続的成長を果たすことであります。
この基本方針のもと、当社グループの強みである押出・延伸等のプラスチック加工技術を基礎に、より競争力のある製品を生み出すべく経営資源を集中し、グループ一体となって取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、R&Dセンターを中心に各事業部門が密接に連携を取りながら、短期的成果の実現と中期的先行開発のバランスに配慮し、効率的に新たな技術や製品開発に取り組んでおります。
また、各種研究機関、大学、企業とのプロジェクト、共同研究もR&Dセンターを中心に推進しております。
当連結会計年度における主な活動内容は次のとおりであります。
[R&Dセンター]
市場の伸長が期待される「環境・エネルギー」「ライフサイエンス」「情報通信」に加え、3つの領域を横断するモビリティ領域を注力分野とし、新しい要素技術の獲得に取り組み、事業に繋がる新製品を開発するべく取り組んでおります。
「環境・エネルギー」分野では、2019年1月に新設しました「環境・エネルギー開発部」において、プラスチック製品の資源循環、海洋プラスチック問題等の対策に取り組んでおります。市場から回収した廃棄プラスチックや当社内でプラスチックフィルムを製造する過程で発生する樹脂を再利用した環境負荷低減製品への技術検討を行い、一部を事業化しました。継続して、従来使用できなかったリサイクル樹脂を使用した新しい用途の開拓も行ってまいります。
「ライフサイエンス」分野では、今後の拡大が期待される細胞培養関連部材の開発を継続し、試作品を用いてマーケティング活動を行っております。また、植物の有効成分の含有量や生育効率を高める栽培方法を確立するため、香川県仲多度郡多度津町に試験農場を開設し、ヘルスケアや健康食品の原料になる植物由来の機能性成分を抽出する技術検討を開始しました。
「情報通信」分野では、次世代通信規格5Gで要求される高周波低損失基板用部材の開発を継続してまいりました。次のステップとして、当連結会計年度に抽出した加工安定性などの課題を解決するため、また量産化を見据えた試験設備を導入することとしました。
[合成樹脂事業]
食品パッケージの市場でも環境問題を意識したパッケージングが要求されるようになり、バイオマス原料を使用したフィルム、更には生分解機能を有したフィルムの開発を進めてまいりました。当連結会計年度は、バイオマス原料を使用したシュリンクフィルムが飲料パッケージングで採用となり、更なる用途展開が検討されております。
また、食品ロス削減の観点から食品の消費期限が延長できるMAP(Modified Atmosphere Packaging)の採用が増加しており、その生産能力を増強しました。更なる延長を目的として欧米ではすでに市場で採用されているスキンパック包装が日本でも検討されており、その開発も開始しております。
[新規材料事業]
モバイル機器向けディスプレイ市場では、新たなディスプレイアプリケーションとして、フレキシブル・ローラブルディスプレイの開発が活発化しております。
また車載ディスプレイ市場においては、CID(センターインフォメーションディスプレイ)の標準搭載化が進むと共に、ドライバーの安全運転支援を目的とした各種アプリケーションの開発が行われております。
当事業では、高精度製膜延伸技術・ファインコーティング技術・各種二次加工技術・評価技術を用いた新たなディスプレイ向けアプリケーションの開発を進めております。
[建材事業]
当事業では引き続き、木材の循環型リサイクル製品であるパーティクルボードを、当社ESG経営上の重要な製品と位置づけ、パーティクルボードの建築構造用途、土木用途等の分野で、製品開発を進めております。
また、持続可能な材料を基材に、建築担い手の高齢化に対応した材料として、環境配慮型軽量コンクリート型枠パネルを開発し、2021年4月に発売を予定しております。木造軸組住宅向け省施工パネルの開発の継続、さらに当社合成樹脂事業で発生する廃棄ロスと木材との複合材料について研究開発を進めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は949百万円であり、各セグメントに配分できないR&Dセンターの研究開発費用606百万円が含まれております。
なお、当連結会計年度末における特許権及び実用新案権の総数は166件であります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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