有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ODM3 (EDINETへの外部リンク)
日本化薬株式会社 事業等のリスク (2022年3月期)
当社グループは、事業を運営していく限り発生する様々なリスクに対し、発生防止、分散等のリスクの低減化を図るよう努めております。
当社グループの経営状況(経営成績、株価及び財政状態等)に重要な影響を与えうるリスクには重要項目ごとに以下のようなものがあります。但し、これらは当連結会計年度末現在において当社グループが判断したもので、将来的に予想を超える事態が発生する場合もあり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
① 経営戦略に係るリスク
当社グループの経営戦略に係るリスクには、次に示すような経営状況(経営成績、株価及び財政状態等)に直接影響を与える可能性のあるものがあります。
番号 | リスク区分 | リスク内容 | 主な対策 |
1 | 原材料の調達のリスク | 当社グループでは顧客要求に応えるため、国内外を問わず品質・コストなどを考慮して安定的な調達に努めております。しかしながら紛争等による地政学的リスク、当該国政府方針変更、感染症、異常気象及び委託先の事故等による影響により、原材料価格の高騰や入手困難な状況が発生した場合、当社グループの経営状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。 | 主要原材料や隘路原料などのサプライヤーとの情報交換を密に行い市況の把握に努めております。サプライヤーの監査により品質・生産能力等を確認し、部品等の供給途絶の発生の防止に努めております。国内外を問わず複数購買化を推進しております。これにより価格面だけではなく、調達のリスクを低減しております。また安定的な生産を維持することができるように、予め調達リスクの高い原材料の予防的な在庫を確保しております。 |
2 | 製品の品質に係るリスク | 当社グループはグローバルに製品供給を行っており、市場に流通した製品において瑕疵や品質不良等が発生し、事故、健康被害、製品供給途絶、リコールや製造物賠償責任が発生する可能性があり、当社グループの経営状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。 特に医薬品事業は医療を支える為に高度な品質要求に応えた製品を安定供給する責任があります。 | 当社グループでは、社長を委員長とする環境・安全・品質保証経営委員会を中心とした品質保証体制を敷き、全社品質方針のもと品質改善、品質向上活動に取組んでおります。また、品質保証の国際規格であるISO9001・ISO13485・IATF16949などの認証を取得する等、品質経営を推進し高い品質水準の確保に努めております。さらに、FMEA等の教育研修を推進し、原料・原薬サプライヤーの監査等を行い、その品質・生産能力等を確認するなど品質リスクマネジメント強化を進め、健康被害や品質問題の発生防止に努めております。製造物責任賠償に関しては、当社グループ全体をカバーする保険の付与等の対策を行っております。 |
3 | 事故発生リスク | 当社グループは、国内外多数の生産拠点があり、グローバルな生産活動を行っております。生産拠点の工場においては、安全操業を最優先に運営致しております。しかしながら生産拠点の工場においては、設備トラブルやヒューマンエラー等により事故が発生する可能性は常に存在すると考えております。もし生産拠点で事故が起こった場合には、周辺地域への被害、操業停止などによる販売機会逸失や顧客への供給責任不履行を起こす可能性があり、当社グループの社会的信用失墜や経営状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。セイフティシステムズ事業においては、火薬類を製品に使用しており、火薬類に起因した事故等が発生するリスクがあります。 | 工場内教育(環境安全品質)を充実させ、ヒューマンエラーの削減に努めるとともに、技術の継承を重視し技術者を社内で独自に育成するなど技術レベルの向上による安全の確保につなげております。また安全審査等を実施し、潜在的不安全箇所を抽出し設備更新を継続する等により事故の発生防止に努めております。 火薬事故対策に関しては、火薬技術者を社内で育成し、独自の安全基準を構築しております。物流事故対策に関しては、製品漏洩・回収に関する対応マニュアルを予め定め、物流会社とのコミュニケーション・教育を通じて、リスクを低減しております。 |
番号 | リスク区分 | リスク内容 | 主な対策 |
4 | 研究開発に係るリスク | 新製品開発は当社グループにとって事業競争力の源泉です。新技術・新製品開発の遅れや他社による技術革新のため、顧客ニーズに合致した、競争力ある新製品をタイムリーに提供できない場合、当社グループの経営状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。 特に機能化学品事業では主要分野である情報・通信領域の技術革新が速く、製品のライフサイクルが短くなる傾向にあります。 | 将来の市場・技術動向を見据えた新たな価値創造のための研究・技術開発を推進しており、企画部門や営業部門と一体となったマーケティング活動により、顧客ニーズを先取りした研究開発に取組んでおります。また、国内外の研究機関等、社外との共同研究を積極的に実施することで、先端技術の導入や新規研究テーマの充実を図っております。加えて機械学習・AIなどの最新ITツールを活用した研究開発ができる人材の育成も進めております。 |
5 | 規制・政策の変更に係るリスク | 当社グループは、事業を営む各国の法令等に従って事業活動を行っております。危険物・化学物質に関する規制や、医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン、火薬や農薬の取扱いに関する法令など、将来における法令・規制、政策等の変更による当社グループの事業活動の制限やコストの増加により、当社グループの経営状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。 特にアグロ事業では「みどり戦略」、「Farm to Fork戦略」等の農業政策により、農薬削減と有機農業の拡大に向けたイノベーションが推進されることで、既存農薬が減少する可能性があります。 | 当社グループは、法令情報データベースを導入・利用しており、また、顧問弁護士やコンサルティング会社との緊密な相談を通じて、法令や政策の制定・改正に係る情報を迅速に入手可能な環境を整備しており、法令順守に応じた組織体制の構築・改革、適正な人員配置並びに新しい政策に合致した製品の開発を行っております。また、従業員啓発の研修を通じたコンプライアンスの推進により、従業員の法令違反や社会規範に反した行為の発生可能性を最小化するように努めております。 |
6 | 為替変動に係るリスク | 当社グループでは、海外での事業や輸出入に関連した取引において、為替レートの急激な変動により、為替差損が発生するリスクがあります。また在外連結子会社の財務諸表項目は、連結財務諸表作成のために円換算されているため為替レートの変動により、当社グループの経営状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。 | 外貨建債権債務のバランスを取り、必要に応じて為替予約を活用しリスク低減に努めております。 |
7 | 知的財産に係るリスク | 知財権の侵害係争により開発中止、製品回収、損害賠償発生、研究開発投資回収の逸失、製品の競争優位性の低下などにより、当社グループの経営状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。 | 「グローバルパテントデータベース」等の特許情報DBを活用し、リアルタイムでの調査・監視を行っております。懸案特許出願が見出された場合には、その無効化、権利化阻止及び回避策など対応案を立案し、必要に応じ弁護士等と共に適切に対処しております。 |
8 | 情報の漏洩に係るリスク | 当社は事業活動において、機密データを含む財務情報、技術情報、個人情報等について、電子情報を含む様々な形式で蓄積・利用しております。そのため、ハッカーやコンピューターウイルスによる攻撃、情報を管理するシステム及びネットワークにアクセスできる者による不正使用・誤用等によって、機密データの漏洩、業務の中断、それに伴う法的請求、訴訟、賠償責任等が発生し、経営状況に重要な影響を及ぼし、当社の企業価値が毀損される可能性があります。 | 最新のサイバーリスクに関する情報をもとに、アンチウイルスソフトの導入や、ファイアウォール等の設置による不正なアクセスの防止、外部からの不審なメールをチェックし排除するシステムの導入等リスクの低減に努めております。また、企業情報管理規程及び機密情報取扱細則を制定し、当社の従業員に対し情報の取り扱いに関する教育を進め、セキィリティ意識の向上に努めております。 |
9 | コンピュータシステムの停止に係るリスク | 当社は、コンピュータシステムを使用して、購買・生産・出荷及び決算の業務を行っております。そのため、コンピュータシステムの予期せぬ障害やコンピューターウイルスへの感染、外部からの不正なアクセスにより、コンピュータシステムが一時的に使用不能な状態になってしまう恐れがあります。その場合、購買・生産・出荷・決算の業務が滞り、当社グループの経営状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。 | 当社のコンピュータシステムは、ハードウェアを専用のデータセンターに設置し、二重化や仮想化及び遠隔地へのデータ退避等により可用性を高め、万が一システム障害が発生した場合でも、コンピュータシステムに大きな影響を与えないようリスク管理に努めております。 |
② 事業継続(危機管理)に係るリスク
当社グループの事業継続(危機管理)に係るリスクには、次に示すような事業継続に影響を与え、経営の妨げとなる可能性があるものがあります。
番号 | リスク区分 | リスク内容 | 主な対策 |
10 | 自然災害に係るリスク | 当社グループでは、国内外に生産拠点を設けております。大地震や洪水等の自然災害が発生すると当社グループの生産設備への甚大な影響や原材料の確保を含めたサプライチェーンへの大きな影響が想定されます。特に国内では東海・南海トラフ地震の発生により、山口県、広島県、兵庫県にある当社工場が被害を受ける可能性があります。また昨今、台風の大型化、集中豪雨の影響によって、各自治体のハザードマップ上、山口県厚狭地区や東京都足立区・北区の工場・事業場が洪水に見舞われる危険性があります。これらは当社グループの経営状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。 | 自然災害のリスクが高い国内事業所においては、災害防止のための中期的マスタープランを作成し対策を進めております。また、被害を最小限に食い止めるため事業継続のためのマニュアルの整備と訓練を行っております。海外グループ会社では、中国各社の事業継続のためのマニュアルの策定とBCP訓練を行っております。その他の国でも事業継続のための取組みを実施しております。 またサプライチェーンの途絶を防ぐため、定期的なサプライヤーの監査を行うとともに、複数の購買先から原材料を仕入れる等、安定した原材料の確保に取組んでおります。 |
11 | 感染症に係るリスク | 新型コロナウイルス等の感染症は、感染が拡大した場合に企業活動が大きく制限され、当社グループの事業運営に影響を及ぼします。特に従業員に感染者が出た場合には、出勤者が制限されるなど労働力の確保に影響し、生産活動や営業活動に支障をきたす可能性があります。その結果サプライチェーンに大きな影響を与えることによる事業計画の未達や会社の信用失墜など、当社グループの経営状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。 | 当社グループは「生命と健康を守り、豊かな暮らしを支える最良の製品・技術・サービスを提供し続ける」を事業ビジョンとし、社会貢献はもちろんのこと従業員の生命と健康を守ることを最優先に取組んでおります。このような中、感染症が拡大した場合には、社長を本部長とする中央災害対策本部を設置し、当社グループ全体の感染拡大防止対策を実行します。当社グループで働く従業員の安全を確保し、事業運営、顧客への影響を最小限にする取組みを行っております。 |
12 | 気候変動対応に係るリスク | 気候変動(地球温暖化)対応における動きとして、世界的に広がりを見せております炭素税導入による原材料費高騰や外部支払費用のアップ、CO2削減義務の強化に伴う設備投資費アップ、化石燃料の価格上昇による利益圧縮などによって、当社グループの経営状況に影響をもたらす可能性があります。また気候変動対応に関する顧客からの要望に応えられないことによる信用失墜や、取組み不足との投資家判断によるイメージダウンを招く可能性があります。 | 気候変動に関する国際的な最新の動向を把握するとともに、CO2の明確な削減目標を設定し、投入資源のムダや、使用エネルギーのムダを見える化し削減するための手法(MFCA)を展開して、温室効果ガスの排出の削減を進めます。 原料面では、サプライヤーに気候変動対策の目標設定及び実施状況のアンケートを行うとともに、データベースを作成し、炭素税導入を見据えたサプライヤー選定を推進しております。また同時に、環境負荷低減と製品の付加価値の増大を図るため、グリーン調達を推進します。また成果の大きい改善対策について海外グループ会社への水平展開を図っております。 また、当社の気候変動対応を適切に開示するため、TCFDの提言に賛同し、要求事項に沿った開示を推進します。 |
③ コンプライアンスに係るリスク
当社グループのコンプライアンスに係るリスクには、次に示すような予期せぬ損失や信用の失墜を招き、経営の妨げとなる可能性のあるものがあります。
番号 | リスク区分 | リスク内容 | 主な対策 |
13 | 法令違反等コンプライアンスに係るリスク | 当社グループでは、事業活動を行う上で、製品の品質・安全性、化学物質管理、環境保全、会計基準や税法、労務等や薬事行政上の様々な法規制や適応を受けております。一方、事業環境の厳しさにより、製品の差別化、販売スケジュール、製品納期の遵守、業績目標達成圧力等に関連した不正を働く要因が高まることが懸念されます。また、世代間や社員の多様性による価値観の相違により、ハラスメント等のリスクが増加する可能性もあります。これらにより、当社グループ及び委託先等で不正行為を含め重大な法令違反が発生した場合、経営成績、財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 | 当社グループは、倫理委員会やコンプライアンス・ホットラインの設置、コンプライアンス研修の実施、コンプライアンス意識調査の実施等、事業活動に関連する法規制が遵守されるよう徹底しております。昨年度お取引先からのコンプライアンス・ホットラインを設置しました。また、監査役監査や監査部監査など事業活動のモニタリングを実施し、不適切な活動を早期発見し、適切に対応するよう努めております。 |
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00836] S100ODM3)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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