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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LLB7 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 東レ株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社は「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」という企業理念のもと、技術センターにすべての研究・技術開発機能を集約し、当社グループの総合力を結集してイノベーション創出に取り組んでおります。
当社グループの研究・技術開発は、有機合成化学、高分子化学、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーをコア技術とし、これらの技術をベースに、重合、製糸、繊維高次加工、製膜など要素技術の深化と融合を進め、繊維、フィルム、ケミカル、樹脂、さらには電子情報材料、炭素繊維複合材料、医薬、医療機器、水処理事業とさまざまな事業分野で、先端材料を創出し事業化を実現しております。
中期経営課題“プロジェクト AP-G 2022”では「成長分野でのグローバルな拡大」と「競争力強化」という基本戦略を維持しつつ、将来の大型テーマにリソースを配分し、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」実現に貢献すると共に基盤技術と固有技術を融合した総合力の強化を推進していきます。

当連結会計年度のセグメント別の研究・技術開発の概要は以下のとおりです。

(1) 繊維事業

アパレル用新製品に向けたポリマー、紡糸の要素技術の深化に加え、環境調和型の新規繊維の創出や、極限技術追求による高機能製品や繊維先端材料の創出・拡大に主眼を置いた研究・技術開発を推進しております。その成果として、複合繊維の断面形状を任意にかつ高精度に制御する革新複合紡糸技術「NANODESIGN®」を用いて、手すき和紙のようなぬくもりや触感を実現するポリエステル長繊維テキスタイル「Camifu®」(カミフ)を開発しました。「Camifu®」は構成するポリマーの一部をリサイクルポリマーとした環境にも配慮した素材です。また、優れた洗濯耐久性と着用快適性を有する抗ウイルステキスタイル「MAKSPEC®V」(マックスペック®V)を開発しました。さらに、快適性を追求する使い切り保護服「LIVMOA®」(リブモア®)シリーズにおいて、粉じんや水の浸入を防ぎつつ、衣服内の蒸れを軽減する通気性を有する「LIVMOA®4000」(リブモア®4000)を開発しました。

(2) 機能化成品事業

樹脂・ケミカル、フィルム、電子情報材料の新製品開発、及び既存製品の高性能・高機能化を目指した研究・技術開発に取り組んでおります。その成果として、ポリアミド6樹脂が持つ高い耐熱性、剛性、強度を維持しながら、繰り返し折り曲げ疲労耐久性を従来の15倍まで飛躍的に高めた新規ポリマー材料「しなやかなタフポリマー」を創出しました。今後、自動車、家電製品、スポーツ用品など疲労耐久性が必要な用途への展開が期待できます。また、金属リチウムを負極に使用したリチウムイオン二次電池(LiB)のリチウムデンドライトの抑制とイオン伝導性の両立に貢献する無孔セパレータを創出し、LiBの超高容量化と高安全化を実現しました。さらに、世界で初めて毒性元素を含まない環境に調和した有機発光材料を用いることで、液晶ディスプレイの高色域化を実現したSCOシート(Spectrum Conversion by Organic phosphor sheet)が、国際情報ディスプレイ学会(The Society for Information Display)における“Display Industry Award : Display Component of the Year”を受賞しました。

(3) 炭素繊維複合材料事業

炭素繊維の高性能化と品質信頼性の追求により世界ナンバーワンを堅持すると共に、地球温暖化問題に貢献する複合材料事業の拡大を目指した研究・技術開発に取り組んでおります。そのような中、ドイツのLilium(リリウム)社と、同社が開発中のUAM「リリウム・ジェット(Lilium Jet)」に使用する炭素繊維複合材料の供給契約を締結しました。UAMは、都市部の交通が抱える渋滞・騒音・大気汚染といった課題の解決に繋がる新交通システムとして期待されるとともに、「空飛ぶ車」とも呼ばれ、垂直離着陸が可能な小型電動機を主流に開発が進んでいます。当社はUAM特有の諸課題に応える炭素繊維複合材料の開発を通して、都市部における環境問題の解決に貢献していきます。また、三井海洋開発㈱と、浮体式海洋石油・ガス生産/貯蔵積出設備向けに、炭素繊維複合材料を用いた補修技術を共同で開発し、腐食による減肉部への補修法として、アメリカ船級協会の承認を取得しました。

(4) 環境・エンジニアリング事業

水処理膜とエンジニアリングを軸に成長分野での事業拡大を目指し、研究・技術開発に取り組んでおります。その成果として、水処理に用いられるPVDF (ポリフッ化ビニリデン)製限外ろ過(Ultrafiltration : UF)膜について、高ウイルス除去性と高透水性を兼ね備えた新たなUF膜を開発しました。ウイルスを効果的に除去し、かつ透水性が低下しないため、食品・飲料から下廃水再利用など幅広い分野の水処理において、安全・安心な処理水を省エネルギー、低コストで提供することが期待できます。

(5) ライフサイエンス事業

ライフイノベーション事業拡大のため医薬品、医療機器、バイオツールの研究・技術開発に取り組んでおります。その一例として、多くのがん種で薬効が期待できる新しいコンセプトの抗体医薬「TRK-950」は、2017年3月にフェーズⅠの臨床試験を米国とフランスで開始し、これまでに100例以上に投与しましたが、安全性への問題は出ておりません。さらに安全性や有効性を確認中であり、がん治療薬として早期の申請を目指します。

上記セグメントに属さない基礎研究、基盤技術開発として、カーボンニュートラルの実現を目指した新たな事業創出に向け、電解質膜、電極基材などの水電解・水素圧縮や燃料電池向け材料の開発を進めております。山梨県甲府市米倉山の電力貯蔵技術研究サイトにおいて、山梨県、東京電力ホールディングス㈱と、P2G (Power to Gas)システムの技術開発を進めており、今後、共同事業体の設立に向けた検討を進めることについて合意しました。この取り組みを通じて、カーボンニュートラルを可能とする水素製造(水電解)、水素インフラ(圧縮・貯蔵)及び水素利用(燃料電池)技術の発展に貢献していきます。

当連結会計年度の当社グループの研究開発費総額は、628億円(このうち東レ㈱の研究開発費総額は470億円)です。セグメント別には繊維事業に約10%、機能化成品事業に約28%、炭素繊維複合材料事業に約14%、環境・エンジニアリング事業に約7%、ライフサイエンス事業に約4%、本社研究・技術開発に約37%の研究開発費を投入しました。
当連結会計年度の当社グループの特許出願件数は、国内で1,373件、海外で3,504件、登録された件数は国内で442件、海外で1,676件です。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00873] S100LLB7)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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