有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100L0GG (EDINETへの外部リンク)
株式会社クラレ 研究開発活動 (2020年12月期)
当社グループにおける研究開発活動は、私たちの使命「私たちは、独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与します。」に基づいて、社内カンパニー・事業部・連結子会社に所属するディビジョン研究開発とコーポレート研究開発との緊密な連携の下に推進されています。
ディビジョン研究開発は、社内カンパニー・事業部・連結子会社が各事業所に研究開発部署を有しています。
コーポレート研究開発体制としては、研究開発本部において、新事業テーマの企画・提案・推進を目的にくらしき研究センターとつくば研究センターの2拠点を設置しています。オープンイノベーション推進を目的に、米国にはKAI Corporate R&Dを有しています。事業化段階として、機能製品開発部及びベクスター事業推進部・ベクスター生産開発部を擁しています。生産技術に関しては、技術本部 技術開発センターにおいてシミュレーション技術を活用した原理原則に基づく生産技術開発を推進しています。また、デジタル技術を活用した生産効率、及び品質向上への取り組みを進めています。
ディビジョン研究開発とコーポレート研究開発を合わせた当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発人員数は1,030人です。
当連結会計年度のセグメントごとの研究開発費は、ビニルアセテート6,935百万円、イソプレン2,093百万円、機能材料3,217百万円、繊維2,034百万円、トレーディング128百万円、その他811百万円、全社共通(コーポレート研究開発)5,381百万円、合計20,603百万円になります。
セグメントごと及びコーポレートの研究開発活動を示すと次のとおりです。
[ビニルアセテート]
・ポバール樹脂、ポバールフィルム、PVBフィルム、(樹脂、フィルム)の酢酸ビニルチェーンについては、世界のリーディングカンパニーとして、国内外の研究開発部署が連携し、新規用途開発、新商品開発、新規生産技術開発も併せて、研究開発活動を推進しています。
・ポバール樹脂は、当社ビニルアセテートチェーンの根幹に位置する事業として、これまで培った技術開発力をベースに自消・外販両面で高品質かつ差別化された製品を提供します。日米欧亜の6工場をベースとしたグローバルネットワークを強みとして、ポバール樹脂の安全かつ環境に優しい特徴に注目し、新たな用途、ビジネス機会を提案します。
・ポバールフィルムは、液晶ディスプレイ向け光学フィルムの構成部材の一つとして、さらなる高性能化・高品質化に顧客と一体となって取り組んでいます。また、洗剤包装用途を中心にますます拡大する水溶性フィルムについても、ポバール樹脂メーカーである強みを活かし、原料まで遡った高性能化・多機能化を加速させます。
・PVBフィルムは、自動車・建築向け合わせガラス用中間膜の高付加価値品の開発を進めています。その一環として、アイオノマー樹脂をシート化したの更なる高付加価値化やPVBフィルムとのシナジー効果の発現、新規用途開発を推進しています。
・樹脂は、世界規模で食品廃棄ロスの削減や環境負荷の低減が求められるなか、日米欧の3拠点を中心に世界各地のニーズを把握しながら、バリア材料の新技術開発・用途開発を推進しています。またフィルムは、省エネルギー・地球環境保全に貢献する用途へ積極的に展開していきます。さらにバイオマス由来のガスバリア材料については、CO2排出削減効果とガスバリア性を融合した新素材として、用途開発に取り組んでいます。
[イソプレン]
・エラストマー関連では、熱可塑性エラストマー及び液状ゴムの差別化・高付加価値化に取り組んでいます。植物由来原料のファルネセンを用いた液状ゴムは、高機能タイヤの改質剤として国内外のタイヤメーカーへ採用が広がっています。ファルネセンを用いた熱可塑性エラストマーの開発も進めており、更なる差別化製品の開発と市場拡大に向けて研究開発、マーケティング活動を推進しています。
・イソプレンケミカル関連では、独自性の高いC4ケミストリーを展開しており、溶剤やウレタン原料、香粧品原料などを中心に材料・市場開発を推進しています。また、精密有機合成技術を基盤にした新規材料開発を行い、社会のニーズに応える機能性化学品の創出に取り組んでいます。
・耐熱性ポリアミド樹脂では、5G通信コネクタ及び高電圧用コネクタ等に適した電気・電子用途向けのグレード開発に注力するとともに、自動車の環境規制強化やCASEの加速に対応するためサーマルマネジメント部品や車載電装部品に適した材料の開発を加速しており、部品メーカー各社で評価が進んでいます。またPEEK代替をターゲットとし、さらに耐熱性及び耐久性に優れた新規ポリアミドの開発にも取り組んでいます。
[機能材料]
・メタクリル樹脂については、差別化ポリマーの拡充とメタアクリル系樹脂を活用した新規用途開発、新商品開発を主体に研究開発活動を行っています。
・メディカル事業では、クラレノリタケデンタル株式会社の無機/有機の技術の融合による新規歯科材料の開発に注力し、CAD/CAM用ジルコニア、高強度レジン等のデジタル化の流れにも対応した開発、商品化を行っています。また、人工骨インプラント、吸収性骨再生用材料は、配向連通孔技術を特長に、多面的な展開を進めています。
・環境ソリューション事業では、「水・環境・エネルギー」分野を重点戦略領域に、飲用水浄化材、オートモーティブ関連部材、蓄電材料において、活性炭及び吸着分野のイノベーションを創出、新たな商品群展開を推進しています。
[繊維]
・高強力繊維は、極低温域までの広い温度領域において、高強度、低誘電損失、低線膨張であることに加え、ほとんど吸水することがない特質を有していることから、海洋資材、光ファイバー等電材の他、医療用分野など高機能、高性能であることが求められる分野で広がっており、今年度もフル生産が続きました。また、火星探査車「スピリット」の着陸用エアバックの採用に続いて、小惑星探査機「はやぶさ2」では弾丸発射後にサンプルを集める筒状のホーンの一部に採用されています。
・ビニロン(PVA繊維)は、ゴム補強用フィラメントや防護材料の拡大に応じて、革新プロセス(VIP)を用いた生産機台の増設を完了し、順調に稼働しています。
・人工皮革は、環境や健康意識の高まりを背景として、環境調和型革新プロセス(CATS)を使ったスポーツ向け製品が急速に回復しており、RCS認証を取得した環境対応銘柄を開発、販売を開始しました。また、欧州ラグジュアリー用途向けにも、バイオマス原料を使った新規開発商品を投入予定です。
・不織布は、メルトブローン技術とスパンレース技術を融合した革新プロセスの建設(岡山工場)が完了し稼働を開始しました。これにより、新型コロナウイルス禍で需要が逼迫している高性能マスクフィルター用不織布の生産拡大にも寄与しています。
[トレーディング]
・ポリエステル長繊維では、①熱水に溶解し、生分解性をも有する特殊水溶性樹脂を用いた水溶性繊維、②要求性能に応じた多様な断面構造で高い帯電防止性能を持つ導電性繊維、③バイオEGを用いたやPETボトル再生糸、④吸汗性と耐久性に優れた銀イオン練込み十字断面抗菌繊維など地球環境に配慮した原糸や機能性の高い原糸の開発を推進しています。
[その他]
・アクア事業推進本部では、中空糸ろ過膜を用いた様々な水の製造・回収、ポリビニルアルコール(PVA)ゲルを用いた産業排水の処理・回収などを通して、「高品質で安全な水の提供」と「環境負荷の低減」に貢献する素材・装置・プラント・技術開発に取り組んでいます。
・クラレプラスチックス株式会社では、スチレン系エラストマーを使用した機能性コンパウンド及び同コンパウンドを原料とした不織布等二次製品や新規フィルム、をコーティング加工した特殊フィルム、成型加工技術によるスマートハウス向け換気・空調ダクト、高強力繊維 を使用した土木・産業廃棄物用途向け繊維複合ホースの開発を推進しています。
[コーポレート研究開発]
研究開発本部では、以下3点を通じて、クラレグループ全体の業容拡大・収益向上に資することを目指しています。
①新事業の創出:素材事業あるいはそれらに加工技術を付加した部材事業をターゲットとし、早期創出を目指します。種々の施策・改革を進め、当社の強み(技術・商流・市場)を活かした新規事業開発テーマの発掘・推進を継続します。
② 既存事業の強化・拡大:コーポレート機能の抜本的見直しのもと、カンパニー・グループ会社との協働・支援を強化し、全社事業の盤石化を図るとともに、既存事業の拡大に貢献します。また当社事業の急速なグローバル化に対応し、グループ海外拠点との連携を強化しています。
③ 基盤技術の構築・深耕:新事業の創出及び既存事業の強化・拡大を通じて、必要とする基盤技術を構築し、深 化・深耕を図ります。
以下、研究開発活動を示します。
・酢酸ビニルチェーンの更なる業容拡大を目指し、保有コア技術と内外から取り込んだ技術で新たな機能を有する酢ビ系素材の開発を進めています。酢ビ系高分子の精密な構造制御技術や高機能化プロセスを追及して、顧客ニーズに合致した新素材を提案し続け、世界のリーディングカンパニーとして確固たる地位を確立します。
・触媒開発技術を基盤技術と捉え、これまで長年培った均一系触媒技術のみならず固体触媒技術開発を進めています。これら技術開発を通じ、イソプレン事業、ビニルアセテート事業にかかわる既存事業の強化並びに新規材料開発を展開していきます。
・カンパニー・グループ会社との連携を通じて、高分子化合物の設計・重合・変性に関する基盤技術を拡充・深耕し、既存技術の強化・拡大と新事業の創出に資するための新規技術・新規高分子材料を開発します。
・自社素材や高分子材料の成形・加工に関する基盤技術を拡充・深耕し、カンパニー・グループ企業と連携して、成形材料・成形体・シート・フィルムなどの機能性素材・部材に関する研究開発を推進しています。
・リチウムイオン二次電池の高性能化、及び開発が進む次世代電池に向け、植物を原料とした高容量負極材用ハードカーボンの開発を加速します。また、全社の電池材料開発の中心としてカンパニー・グループ企業と連携し、当社独自素材の電池部材への応用展開を進めます。
・高周波回路基板用途の液晶ポリマーフィルムは、車載用ミリ波レーダーや5Gアンテナなど高周波による高速伝送の需要が高まる中、フレキシブルプリント配線基板として高周波領域での伝送損失が低く、加工性に優れる点が評価されています。さらにフィルムに加え片面銅張板を開発、上市しました。需要は今後も伸びると見られ積極的に事業拡大を進めていきます。
・半導体用研磨パッド(CMPパッド)は、独自のポリウレタン設計及び製造技術を駆使し、従来に無い高硬度ポリウレタンを原料にしています。当社CMPパッドの特長は、高硬度なため研磨するデバイスを平坦にする能力が優れること、高硬度でありながら研磨傷が少ないこと、耐磨耗性が優れるため長時間使えることなどで、複数の顧客・複数プロセスで採用されています。今後、各顧客のニーズに合った製品をタイムリーに提案することで、顧客の製品機能と品質の向上、コスト削減に貢献し、半導体市場の発展に寄与していきます。
・先進的かつ豊富な分析・解析技術を駆使し、社内カンパニー・事業部・連結子会社に様々な技術ソリューションを提供しています。
・機械学習など、デジタル技術の研究開発分野での応用を進めています。
ディビジョン研究開発は、社内カンパニー・事業部・連結子会社が各事業所に研究開発部署を有しています。
コーポレート研究開発体制としては、研究開発本部において、新事業テーマの企画・提案・推進を目的にくらしき研究センターとつくば研究センターの2拠点を設置しています。オープンイノベーション推進を目的に、米国にはKAI Corporate R&Dを有しています。事業化段階として、機能製品開発部及びベクスター事業推進部・ベクスター生産開発部を擁しています。生産技術に関しては、技術本部 技術開発センターにおいてシミュレーション技術を活用した原理原則に基づく生産技術開発を推進しています。また、デジタル技術を活用した生産効率、及び品質向上への取り組みを進めています。
ディビジョン研究開発とコーポレート研究開発を合わせた当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発人員数は1,030人です。
当連結会計年度のセグメントごとの研究開発費は、ビニルアセテート6,935百万円、イソプレン2,093百万円、機能材料3,217百万円、繊維2,034百万円、トレーディング128百万円、その他811百万円、全社共通(コーポレート研究開発)5,381百万円、合計20,603百万円になります。
セグメントごと及びコーポレートの研究開発活動を示すと次のとおりです。
[ビニルアセテート]
・ポバール樹脂、ポバールフィルム、PVBフィルム、(樹脂、フィルム)の酢酸ビニルチェーンについては、世界のリーディングカンパニーとして、国内外の研究開発部署が連携し、新規用途開発、新商品開発、新規生産技術開発も併せて、研究開発活動を推進しています。
・ポバール樹脂は、当社ビニルアセテートチェーンの根幹に位置する事業として、これまで培った技術開発力をベースに自消・外販両面で高品質かつ差別化された製品を提供します。日米欧亜の6工場をベースとしたグローバルネットワークを強みとして、ポバール樹脂の安全かつ環境に優しい特徴に注目し、新たな用途、ビジネス機会を提案します。
・ポバールフィルムは、液晶ディスプレイ向け光学フィルムの構成部材の一つとして、さらなる高性能化・高品質化に顧客と一体となって取り組んでいます。また、洗剤包装用途を中心にますます拡大する水溶性フィルムについても、ポバール樹脂メーカーである強みを活かし、原料まで遡った高性能化・多機能化を加速させます。
・PVBフィルムは、自動車・建築向け合わせガラス用中間膜の高付加価値品の開発を進めています。その一環として、アイオノマー樹脂をシート化したの更なる高付加価値化やPVBフィルムとのシナジー効果の発現、新規用途開発を推進しています。
・樹脂は、世界規模で食品廃棄ロスの削減や環境負荷の低減が求められるなか、日米欧の3拠点を中心に世界各地のニーズを把握しながら、バリア材料の新技術開発・用途開発を推進しています。またフィルムは、省エネルギー・地球環境保全に貢献する用途へ積極的に展開していきます。さらにバイオマス由来のガスバリア材料については、CO2排出削減効果とガスバリア性を融合した新素材として、用途開発に取り組んでいます。
[イソプレン]
・エラストマー関連では、熱可塑性エラストマー及び液状ゴムの差別化・高付加価値化に取り組んでいます。植物由来原料のファルネセンを用いた液状ゴムは、高機能タイヤの改質剤として国内外のタイヤメーカーへ採用が広がっています。ファルネセンを用いた熱可塑性エラストマーの開発も進めており、更なる差別化製品の開発と市場拡大に向けて研究開発、マーケティング活動を推進しています。
・イソプレンケミカル関連では、独自性の高いC4ケミストリーを展開しており、溶剤やウレタン原料、香粧品原料などを中心に材料・市場開発を推進しています。また、精密有機合成技術を基盤にした新規材料開発を行い、社会のニーズに応える機能性化学品の創出に取り組んでいます。
・耐熱性ポリアミド樹脂では、5G通信コネクタ及び高電圧用コネクタ等に適した電気・電子用途向けのグレード開発に注力するとともに、自動車の環境規制強化やCASEの加速に対応するためサーマルマネジメント部品や車載電装部品に適した材料の開発を加速しており、部品メーカー各社で評価が進んでいます。またPEEK代替をターゲットとし、さらに耐熱性及び耐久性に優れた新規ポリアミドの開発にも取り組んでいます。
[機能材料]
・メタクリル樹脂については、差別化ポリマーの拡充とメタアクリル系樹脂を活用した新規用途開発、新商品開発を主体に研究開発活動を行っています。
・メディカル事業では、クラレノリタケデンタル株式会社の無機/有機の技術の融合による新規歯科材料の開発に注力し、CAD/CAM用ジルコニア、高強度レジン等のデジタル化の流れにも対応した開発、商品化を行っています。また、人工骨インプラント、吸収性骨再生用材料は、配向連通孔技術を特長に、多面的な展開を進めています。
・環境ソリューション事業では、「水・環境・エネルギー」分野を重点戦略領域に、飲用水浄化材、オートモーティブ関連部材、蓄電材料において、活性炭及び吸着分野のイノベーションを創出、新たな商品群展開を推進しています。
[繊維]
・高強力繊維は、極低温域までの広い温度領域において、高強度、低誘電損失、低線膨張であることに加え、ほとんど吸水することがない特質を有していることから、海洋資材、光ファイバー等電材の他、医療用分野など高機能、高性能であることが求められる分野で広がっており、今年度もフル生産が続きました。また、火星探査車「スピリット」の着陸用エアバックの採用に続いて、小惑星探査機「はやぶさ2」では弾丸発射後にサンプルを集める筒状のホーンの一部に採用されています。
・ビニロン(PVA繊維)は、ゴム補強用フィラメントや防護材料の拡大に応じて、革新プロセス(VIP)を用いた生産機台の増設を完了し、順調に稼働しています。
・人工皮革は、環境や健康意識の高まりを背景として、環境調和型革新プロセス(CATS)を使ったスポーツ向け製品が急速に回復しており、RCS認証を取得した環境対応銘柄を開発、販売を開始しました。また、欧州ラグジュアリー用途向けにも、バイオマス原料を使った新規開発商品を投入予定です。
・不織布は、メルトブローン技術とスパンレース技術を融合した革新プロセスの建設(岡山工場)が完了し稼働を開始しました。これにより、新型コロナウイルス禍で需要が逼迫している高性能マスクフィルター用不織布の生産拡大にも寄与しています。
[トレーディング]
・ポリエステル長繊維では、①熱水に溶解し、生分解性をも有する特殊水溶性樹脂を用いた水溶性繊維、②要求性能に応じた多様な断面構造で高い帯電防止性能を持つ導電性繊維、③バイオEGを用いたやPETボトル再生糸、④吸汗性と耐久性に優れた銀イオン練込み十字断面抗菌繊維など地球環境に配慮した原糸や機能性の高い原糸の開発を推進しています。
[その他]
・アクア事業推進本部では、中空糸ろ過膜を用いた様々な水の製造・回収、ポリビニルアルコール(PVA)ゲルを用いた産業排水の処理・回収などを通して、「高品質で安全な水の提供」と「環境負荷の低減」に貢献する素材・装置・プラント・技術開発に取り組んでいます。
・クラレプラスチックス株式会社では、スチレン系エラストマーを使用した機能性コンパウンド及び同コンパウンドを原料とした不織布等二次製品や新規フィルム、をコーティング加工した特殊フィルム、成型加工技術によるスマートハウス向け換気・空調ダクト、高強力繊維 を使用した土木・産業廃棄物用途向け繊維複合ホースの開発を推進しています。
[コーポレート研究開発]
研究開発本部では、以下3点を通じて、クラレグループ全体の業容拡大・収益向上に資することを目指しています。
①新事業の創出:素材事業あるいはそれらに加工技術を付加した部材事業をターゲットとし、早期創出を目指します。種々の施策・改革を進め、当社の強み(技術・商流・市場)を活かした新規事業開発テーマの発掘・推進を継続します。
② 既存事業の強化・拡大:コーポレート機能の抜本的見直しのもと、カンパニー・グループ会社との協働・支援を強化し、全社事業の盤石化を図るとともに、既存事業の拡大に貢献します。また当社事業の急速なグローバル化に対応し、グループ海外拠点との連携を強化しています。
③ 基盤技術の構築・深耕:新事業の創出及び既存事業の強化・拡大を通じて、必要とする基盤技術を構築し、深 化・深耕を図ります。
以下、研究開発活動を示します。
・酢酸ビニルチェーンの更なる業容拡大を目指し、保有コア技術と内外から取り込んだ技術で新たな機能を有する酢ビ系素材の開発を進めています。酢ビ系高分子の精密な構造制御技術や高機能化プロセスを追及して、顧客ニーズに合致した新素材を提案し続け、世界のリーディングカンパニーとして確固たる地位を確立します。
・触媒開発技術を基盤技術と捉え、これまで長年培った均一系触媒技術のみならず固体触媒技術開発を進めています。これら技術開発を通じ、イソプレン事業、ビニルアセテート事業にかかわる既存事業の強化並びに新規材料開発を展開していきます。
・カンパニー・グループ会社との連携を通じて、高分子化合物の設計・重合・変性に関する基盤技術を拡充・深耕し、既存技術の強化・拡大と新事業の創出に資するための新規技術・新規高分子材料を開発します。
・自社素材や高分子材料の成形・加工に関する基盤技術を拡充・深耕し、カンパニー・グループ企業と連携して、成形材料・成形体・シート・フィルムなどの機能性素材・部材に関する研究開発を推進しています。
・リチウムイオン二次電池の高性能化、及び開発が進む次世代電池に向け、植物を原料とした高容量負極材用ハードカーボンの開発を加速します。また、全社の電池材料開発の中心としてカンパニー・グループ企業と連携し、当社独自素材の電池部材への応用展開を進めます。
・高周波回路基板用途の液晶ポリマーフィルムは、車載用ミリ波レーダーや5Gアンテナなど高周波による高速伝送の需要が高まる中、フレキシブルプリント配線基板として高周波領域での伝送損失が低く、加工性に優れる点が評価されています。さらにフィルムに加え片面銅張板を開発、上市しました。需要は今後も伸びると見られ積極的に事業拡大を進めていきます。
・半導体用研磨パッド(CMPパッド)は、独自のポリウレタン設計及び製造技術を駆使し、従来に無い高硬度ポリウレタンを原料にしています。当社CMPパッドの特長は、高硬度なため研磨するデバイスを平坦にする能力が優れること、高硬度でありながら研磨傷が少ないこと、耐磨耗性が優れるため長時間使えることなどで、複数の顧客・複数プロセスで採用されています。今後、各顧客のニーズに合った製品をタイムリーに提案することで、顧客の製品機能と品質の向上、コスト削減に貢献し、半導体市場の発展に寄与していきます。
・先進的かつ豊富な分析・解析技術を駆使し、社内カンパニー・事業部・連結子会社に様々な技術ソリューションを提供しています。
・機械学習など、デジタル技術の研究開発分野での応用を進めています。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00876] S100L0GG)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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