有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LN0R (EDINETへの外部リンク)
住友ファーマ株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)
当社グループは、精神神経領域、がん領域および再生・細胞医薬分野を研究重点領域として、自社研究に加え、技術導入、ベンチャー企業やアカデミアとの共同研究など、あらゆる方法で最先端の技術を取り入れて、研究開発活動に取り組んでおり、優れた医薬品の継続的な創製を目指しています。また、感染症領域にも取り組み、グローバルヘルスへの貢献を目指しています。さらに、医薬品以外のヘルスケア領域において、社会課題の解決のための新たなソリューションを提供することを目的として、フロンティア事業の立ち上げを目指しています。
当連結会計年度における主な開発の進捗状況は、次のとおりです。
(1)精神神経領域
①「キンモビ」(一般名:アポモルヒネ塩酸塩水和物)
米国において、成人のパーキンソン病に伴うオフ症状の改善を適応症とした承認を2020年5月に取得し、同年9月に発売しました。
②「ロナセン」(一般名:ブロナンセリン)
日本において、統合失調症における小児の用法・用量を追加する一部変更承認を2021年3月に取得し、本剤は日本で初めての統合失調症の小児適応を持つ非定型抗精神病薬となりました。
③ SEP-363856
日本および中国において、統合失調症を対象とした国際共同フェーズ2/3試験を開始しました。
(2)がん領域
①「オルゴビクス」(一般名:レルゴリクス)
米国において、成人の進行性前立腺がんを適応症とした承認を2020年12月に取得しました。また、欧州において、2021年3月に進行性前立腺がんを対象とした承認申請を行いました。
② ナパブカシン(開発コード:BBI608)
米国、日本等において、結腸直腸がんを対象とした国際共同フェーズ3試験を実施していましたが、同試験の解析結果において主要評価項目を達成しませんでした。この結果を受けて、実施中の臨床試験を順次中止しました。
③ alvocidib(開発コード:DSP-2033)
米国において、急性骨髄性白血病(AML)を対象としたフェーズ2試験等を実施していましたが、競合状況およびこれまでに得られた知見を踏まえ、これらの試験を中止することにしました。
(3)再生・細胞医薬分野
① RVT-802
デューク大学と連携して開発中のRVT-802について、米国において、小児先天性無胸腺症を対象とした再申請の準備を行いました。
② 他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞
京都大学において実施されているパーキンソン病を対象とした医師主導治験の4例目から、当社が製造したドパミン神経前駆細胞が移植されています。
③ 他家iPS細胞由来網膜シート
神戸市立神戸アイセンター病院において網膜色素変性に対する臨床研究が開始され、予定されていた全2例に対して、当社が製造した網膜シートが移植されました。
(4)感染症領域
① 薬剤耐性菌感染症治療薬
北里研究所との共同研究を推進しました。なお、本共同研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)に係る研究開発課題として採択されており、AMEDからの委託研究開発費を活用しています。
② マラリアワクチン
愛媛大学とのマラリア発病阻止ワクチンの共同研究ならびに愛媛大学および米国PATHとのマラリア伝搬阻止ワクチンおよびマラリア感染阻止ワクチンの共同研究を推進しました。なお、これら3つのプロジェクトについては、それぞれグローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)の助成案件に選定されています。
③ ユニバーサルインフルエンザワクチン
医薬基盤・健康・栄養研究所との共同研究を推進しました。
(5)その他の領域
①「ジェムテサ」(一般名:ビベグロン)
米国において、成人の切迫性尿失禁、尿意切迫感および頻尿の症状を伴う過活動膀胱(OAB)を適応症とした承認を2020年12月に取得しました。
② レルゴリクス配合剤
米国において、2020年5月に子宮筋腫を対象とした承認申請を行いました。また、子宮内膜症を対象とした2本のフェーズ3試験において良好な解析結果を得ました。
③ イメグリミン塩酸塩(開発コード:PXL008)
日本において、2020年7月に2型糖尿病を対象とした承認申請を行いました。
(6)フロンティア事業
① 2020年6月に、サノビオン社とBehaVR, Inc.(ビヘイビア社)との間で、社交不安障害を緩和するVR機器のコンテンツに関する共同研究開発契約を締結しました。
② 2020年7月に、損害保険ジャパン株式会社および株式会社Aikomiとの間で、認知症・介護関連のデジタル機器の研究開発および事業化に向けた連携を開始しました。
③ 2020年8月に、株式会社Save Medicalとの間で、2型糖尿病管理指導用モバイルアプリケーション(開発コード:SMC-01)の共同開発契約を締結し、日本において、フェーズ3試験を開始しました。
④ 2020年10月に、ドローブリッジ・ヘルス・インクとの間で、生活習慣病を対象とした自動採血・保存機器に関する共同研究開発契約を締結しました。
このような研究開発活動の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,327億円(前連結会計年度比15.3%増)となりました。なお、当該金額は当連結会計年度に計上した減損損失356億円を含んでいることから、これを除いたコアベースの研究開発費は971億円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。また、当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分していません。
当社グループにおける開発状況は以下のとおりであります。
1.精神神経領域 | (2021年5月12日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
SEP-363856 | 統合失調症 | 米国 | フェーズ3 |
日本・中国 | フェーズ2/3 (国際共同試験) | ||
パーキンソン病に伴う精神病症状 | 米国 | フェーズ2 | |
ラツーダ (ルラシドン塩酸塩) | (新効能)双極Ⅰ型障害うつ | 中国 | フェーズ3 |
(新用法:小児)統合失調症 | 日本 | フェーズ3 | |
EPI-589 | パーキンソン病 | 米国 | フェーズ2 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS) | 米国 | フェーズ2 | |
日本 | フェーズ1 | ||
SEP-4199 | 双極Ⅰ型障害うつ | 米国・日本 | フェーズ2 (国際共同試験) |
DSP-6745 | パーキンソン病に伴う精神病症状 | 米国 | フェーズ1 |
SEP-378608 | 双極性障害 | 米国 | フェーズ1 |
DSP-3905 | 神経障害性疼痛 | 米国 | フェーズ1 |
SEP-378614 | 治療抵抗性うつ | 米国 | フェーズ1 |
SEP-380135 | アルツハイマー病に伴うアジテーション | 米国 | フェーズ1 |
DSP-1181 | 強迫性障害 | 日本 | フェーズ1 |
DSP-0038 | アルツハイマー病に伴う精神病症状 | 米国 | フェーズ1 |
2.がん領域 | (2021年5月12日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
レルゴリクス | 前立腺がん | 欧州 | 申請(2021/3) |
DSP-7888 (アデグラモチド酢酸塩/ ネラチモチドトリフルオロ 酢酸塩) | 膠芽腫 | 米国 | フェーズ3 (国際共同試験) |
日本 | フェーズ2 (注) (国際共同試験) | ||
固形がん | 米国 | フェーズ1/2 | |
TP-0903 (dubermatinib) | 急性骨髄性白血病(AML) | 米国 | フェーズ1/2 (外部研究機関主導 治験) |
DSP-0509 | 固形がん | 米国 | フェーズ1/2 |
TP-0184 | 骨髄異形成症候群に伴う貧血 | 米国 | フェーズ1/2 |
TP-1287 | 固形がん | 米国 | フェーズ1 |
TP-3654 | 骨髄線維症 | 米国 | フェーズ1 |
TP-1454 | 固形がん | 米国 | フェーズ1 |
DSP-0390 | 固形がん | 米国 | フェーズ1 |
(注)DSP-7888は、2021年5月に、日本において膠芽腫を対象とした国際共同フェーズ3試験を開始しました。
3.再生・細胞医薬分野 | (2021年5月12日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
RVT-802 | 小児先天性無胸腺症 | 米国 | 申請(2019/4)、 審査結果通知(CRL)受領(2019/12)、 再申請(2021/4) |
他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞 | パーキンソン病 | 日本 | フェーズ1/2 (医師主導治験) |
HLCR011 (他家iPS細胞由来網膜色素 上皮) | 加齢黄斑変性 | 日本 | 治験開始に向けて準備中 |
4.その他の領域 | (2021年5月12日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
レルゴリクス | 子宮筋腫(注)1 | 欧州 | 申請(2020/3) |
米国 | 申請(2020/5) | ||
子宮内膜症 | 米国 | フェーズ3 (国際共同試験) | |
PXL008 (イメグリミン塩酸塩) | 2型糖尿病(注)2 | 日本 | 申請(2020/7) |
ジェムテサ(ビベグロン) | (新効能)前立腺肥大症を伴う過活動 膀胱 | 米国 | フェーズ3 |
rodatristat ethyl | 肺動脈性肺高血圧症(PAH) | 米国 | フェーズ2 |
MVT-602 | 不妊症 | ドイツ | フェーズ2 |
URO-902 | 過活動膀胱 | 米国 | フェーズ2 |
(注)1 レルゴリクスの子宮筋腫の適応症について、米国では2021年5月に承認を取得しました(製品名「マイフェンブリー」)。また、欧州では2021年5月に欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会 (CHMP)から承認勧告を受領しました(製品名「ライエクオ」)。
2 PXL008(イメグリミン塩酸塩)については、日本で2021年6月に承認を取得しました(製品名「ツイミーグ」)。
5.フロンティア事業 | (2021年5月12日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
SMC-01 (2型糖尿病管理指導用モバイルアプリケーション) | 2型糖尿病 | 日本 | フェーズ3 ((株)Save Medicalとの共同開発) |
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00922] S100LN0R)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。