有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LLYC (EDINETへの外部リンク)
理研ビタミン株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)
研究開発活動は、当社の本社開発部門が中心となり、当社の各工場に設置されている研究部門及び連結子会社の研究部門と密接な連携のもとに、当社の得意分野における基礎研究及び応用研究、新市場創出に繋がる新商品開発を行っています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、3,094百万円で売上高に対する比率は、4.0%です。
セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりです。
(国内食品事業)
ここ数年、食品市場は、生活防衛型商品と価値訴求型商品の二極化傾向の市場環境となっていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により私たちの食生活は大きく変化しました。外食の機会が減り、家庭内消費、中食市場が拡大しました。テレワークに代表される働き方改革の加速や学校休校の影響は大きく、新型コロナウイルス感染症の収束後も今回の自粛生活で体験した食生活は、ある程度残っていくと考えております。
このような環境の中で、家庭用食品は、既存商品の強化を行いました。ドレッシングは、『くせになるうま塩』のシリーズ商品として、シビレる辛みとうまみがくせになる『くせになるうま辛』、夏にぴったりの爽やかな季節限定商品『青じそ梅』、セレクティシリーズからは『芳醇仕立て黒ごま』を発売いたしました。海藻商品は、わかめの品質に徹底的に拘り、40周年を迎える『わかめスープ』の全面リニューアルを行いました。調味料は、かつお風味を更に進化させた『素材力だし® 本かつおだし』のリニューアルと『中華百選® 名古屋味 マボちゃん® 台湾麻婆用』を発売いたしました。
業務用商品は、当社の主力カテゴリーである海藻、ドレッシングの強化を行いました。海藻商品は、沖縄産もずくを三杯酢で味付けしたシャキシャキ食感が特徴の『味付美ら海もずく三杯酢』を発売いたしました。ドレッシングは、学校給食向けに『笑顔でランチ減塩和風』、外食、産業給食向けに沖縄県産シークァーサー果汁を使用した『ノンオイルドレッシング 琉球シークァーサー』を発売いたしました。
○海藻養殖の生産安定化に向けて
2017年7月、当社の国内子会社である理研食品㈱は、宮城県名取市にわかめ加工と種苗の生産・研究拠点として「ゆりあげファクトリー」を開設しました。
近年のわかめ養殖産業を取り巻く課題として、①気候変動による生産量低下、②生産者の方々の高齢化、③寒冷期の過酷な労働条件などが挙げられます。特に、水温が不安定な年は、海上での養殖初期段階で「芽落ち」と呼ばれる生長不良が起こり、わかめ生産量低下の原因のひとつとなっています。
こうした環境下、「わかめの苗」ともいえる種苗を養殖水槽を用いて、高生長種苗、早生(わせ)・晩生(おくて)種苗など優良系統の選抜技術を開発・実用化するとともに、環境変動に対応したわかめ養殖の安定生産、労働の軽減化及び年に複数回の養殖による生産量の増加など生産性向上を目指した研究を行っています。
稼働3シーズン目となった2019年度は、約28,000mの優良系統種苗を生産しました。種苗は主に宮城県、岩手県、北海道の生産者に活用頂き、収量の増大や収穫期間の延長にともなう生産性の向上に役立っています。また、わかめの他にも海藻類の基礎研究と事業化に向けた技術開発にも取り組んでいます。
当社の「ときめき海藻屋」というブランドを通じて海藻の魅力を発信し、わかめ・海藻の需要創出や産地の課題に対して、研究開発の視点から多面的に提案を行い、海藻養殖産業全体の活性化に貢献していきます。
「ゆりあげファクトリー」は、東日本大震災において甚大な被害を受けた閖上地区の復興と地域水産業の活性化を目的とした名取市の水産業共同利用施設復興整備事業でもあります。
健康機能食品への取組みでは、天然系色素の機能性開発及び海藻由来の機能性開発や応用研究を推進しました。その中で、パプリカ由来のカロテノイドの骨に対する影響を検討する臨床試験を実施し、パプリカ由来のカロテノイドを摂取することで、骨吸収マーカー値が改善されて、骨の健康維持に役立つことを発表しました。
食品用改良剤事業部門では、2019年10月に千葉工場内にアプリケーション&イノベーションセンター(A&Iセンター)を開設し、これまで各工場にあった技術グループ、アプリケーションセンターを集約し、基礎研究から応用研究、市場調査、提案活動までが一貫して実施できる組織となりました。
当初は、取引先である加工食品メーカーが多く来場されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、来場を制限せざるを得ませんでした。主にリモート等による提案活動を実施してまいりました。
また、海外のアプリケーションセンターとの連携も、新型コロナウイルスの影響を受けて、十分に推進ができませんでしたが、リモートによる情報交換、共有化を積極的に進めました。
食品用改良剤の対象食品は、パン、麺、豆腐、和菓子、洋菓子、飲料、製菓、加工油脂など多岐にわたっています。当社では、それぞれの食品に対して食品用改良剤の効果を検証し、加工食品メーカーへの新商品の提案や加工食品メーカーが抱える課題に対する問題解決、新しい価値の提案を実施しています。しかし、今期は取引先である加工食品メーカーでも、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、新商品開発が滞る状況も散見されました。
ビタミン関係では、当社のキーマテリアルである天然ビタミンEを中心に、その生産技術の向上のほか、食品の安定性向上に寄与する酸化防止剤としての機能開発を実施しています。また、ビタミンの安定化技術の開発を行い、加工食品メーカーへビタミンミックスの提案を実施しています。昨今の健康意識向上を背景に、ビタミンミックスのご要望が増えています。
天然系色素では、天然物である色素原料の調査のほか、生産技術の向上に取り組むとともに、加工食品メーカーへの提案を実施しました。
マイクロカプセルでは、医薬・食品用途への応用検討を実施し、それぞれの用途における展開を進めています。
当事業に係る研究開発費は、2,606百万円です。
(国内化成品その他事業)
化成品用改良剤では、ユーザーニーズに対応して、プラスチック、ゴム、化粧品、トイレタリー、塗料、インキなどの化学品業界への改良剤の新規商材開発、機能開発及び応用研究を行っています。
安全性の高い化成品用改良剤の開発、新規機能を有するプラスチック改良剤の研究開発に加え、環境問題を考慮し持続可能な社会に対応したバイオベースマテリアルの応用研究に取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は、235百万円です。
(海外事業)
海外市場における研究開発活動は、食品用改良剤と化成品用改良剤についての展開を行っています。
食品用改良剤では、アプリケーションセンターをシンガポールと中国上海に設置して、海外市場に密着した、顧客視点での研究開発活動を推進しています。
RIKEVITA(SINGAPORE)PTE LTD内に設置されたアプリケーションセンターでは、パン、ケーキ、麺、冷菓、飲料、加工油脂、冷凍食品などの製造及び実験設備を備え、国内外の理研ビタミングループで製造している製品に関して、海外市場(特に東南アジア)の地域特性に対応した応用開発、新規製剤開発、取引先に対する技術サービスとその提案活動及び応用開発等を行っています。
理研維他精化食品工業(上海)有限公司内に設置されたアプリケーションセンターは上海中心部に立地し、末端市場及び顧客の視点から、よりそのニーズに対応したソリューションを提供できる体制を整備しています。パン、ケーキ、和菓子、麺、冷凍食品等の製造及び実験設備を備え、理研ビタミングループで長年培った知見、経験を生かし、中国国内顧客の製品の改良、工程改善、コストリダクション、新製品の開発などに貢献し、加工食品分野の情報発信基地となっています。
化成品用改良剤においては理研維他精化食品工業(上海)有限公司内に化成品アプリケーションセンターを設置し、中国市場の地域特性に対応した製品開発、応用開発及び取引先への技術サービスを行い、さらに、その活動を世界市場に向けて展開を進めています。
これら海外アプリケーションセンターと国内の関連研究開発部門との連携をさらに強化し、人的交流、情報の共有化を進め、日本国内の知見、経験を取り込み、海外ユーザーのみならず日本国内ユーザーの海外展開への情報サービス提供活動を展開し、海外の食品用改良剤及び化成品用改良剤の研究機能の充実と強化に向けて積極的に取り組んでいます。
今期は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、ユーザーの来場、訪問が制限されましたが、リモートによる提案活動を実施しました。また、国内外の連携はリモートにより積極的に実施しました。
当事業に係る研究開発費は、252百万円です。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、3,094百万円で売上高に対する比率は、4.0%です。
セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりです。
(国内食品事業)
ここ数年、食品市場は、生活防衛型商品と価値訴求型商品の二極化傾向の市場環境となっていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により私たちの食生活は大きく変化しました。外食の機会が減り、家庭内消費、中食市場が拡大しました。テレワークに代表される働き方改革の加速や学校休校の影響は大きく、新型コロナウイルス感染症の収束後も今回の自粛生活で体験した食生活は、ある程度残っていくと考えております。
このような環境の中で、家庭用食品は、既存商品の強化を行いました。ドレッシングは、『くせになるうま塩』のシリーズ商品として、シビレる辛みとうまみがくせになる『くせになるうま辛』、夏にぴったりの爽やかな季節限定商品『青じそ梅』、セレクティシリーズからは『芳醇仕立て黒ごま』を発売いたしました。海藻商品は、わかめの品質に徹底的に拘り、40周年を迎える『わかめスープ』の全面リニューアルを行いました。調味料は、かつお風味を更に進化させた『素材力だし® 本かつおだし』のリニューアルと『中華百選® 名古屋味 マボちゃん® 台湾麻婆用』を発売いたしました。
業務用商品は、当社の主力カテゴリーである海藻、ドレッシングの強化を行いました。海藻商品は、沖縄産もずくを三杯酢で味付けしたシャキシャキ食感が特徴の『味付美ら海もずく三杯酢』を発売いたしました。ドレッシングは、学校給食向けに『笑顔でランチ減塩和風』、外食、産業給食向けに沖縄県産シークァーサー果汁を使用した『ノンオイルドレッシング 琉球シークァーサー』を発売いたしました。
○海藻養殖の生産安定化に向けて
2017年7月、当社の国内子会社である理研食品㈱は、宮城県名取市にわかめ加工と種苗の生産・研究拠点として「ゆりあげファクトリー」を開設しました。
近年のわかめ養殖産業を取り巻く課題として、①気候変動による生産量低下、②生産者の方々の高齢化、③寒冷期の過酷な労働条件などが挙げられます。特に、水温が不安定な年は、海上での養殖初期段階で「芽落ち」と呼ばれる生長不良が起こり、わかめ生産量低下の原因のひとつとなっています。
こうした環境下、「わかめの苗」ともいえる種苗を養殖水槽を用いて、高生長種苗、早生(わせ)・晩生(おくて)種苗など優良系統の選抜技術を開発・実用化するとともに、環境変動に対応したわかめ養殖の安定生産、労働の軽減化及び年に複数回の養殖による生産量の増加など生産性向上を目指した研究を行っています。
稼働3シーズン目となった2019年度は、約28,000mの優良系統種苗を生産しました。種苗は主に宮城県、岩手県、北海道の生産者に活用頂き、収量の増大や収穫期間の延長にともなう生産性の向上に役立っています。また、わかめの他にも海藻類の基礎研究と事業化に向けた技術開発にも取り組んでいます。
当社の「ときめき海藻屋」というブランドを通じて海藻の魅力を発信し、わかめ・海藻の需要創出や産地の課題に対して、研究開発の視点から多面的に提案を行い、海藻養殖産業全体の活性化に貢献していきます。
「ゆりあげファクトリー」は、東日本大震災において甚大な被害を受けた閖上地区の復興と地域水産業の活性化を目的とした名取市の水産業共同利用施設復興整備事業でもあります。
健康機能食品への取組みでは、天然系色素の機能性開発及び海藻由来の機能性開発や応用研究を推進しました。その中で、パプリカ由来のカロテノイドの骨に対する影響を検討する臨床試験を実施し、パプリカ由来のカロテノイドを摂取することで、骨吸収マーカー値が改善されて、骨の健康維持に役立つことを発表しました。
食品用改良剤事業部門では、2019年10月に千葉工場内にアプリケーション&イノベーションセンター(A&Iセンター)を開設し、これまで各工場にあった技術グループ、アプリケーションセンターを集約し、基礎研究から応用研究、市場調査、提案活動までが一貫して実施できる組織となりました。
当初は、取引先である加工食品メーカーが多く来場されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、来場を制限せざるを得ませんでした。主にリモート等による提案活動を実施してまいりました。
また、海外のアプリケーションセンターとの連携も、新型コロナウイルスの影響を受けて、十分に推進ができませんでしたが、リモートによる情報交換、共有化を積極的に進めました。
食品用改良剤の対象食品は、パン、麺、豆腐、和菓子、洋菓子、飲料、製菓、加工油脂など多岐にわたっています。当社では、それぞれの食品に対して食品用改良剤の効果を検証し、加工食品メーカーへの新商品の提案や加工食品メーカーが抱える課題に対する問題解決、新しい価値の提案を実施しています。しかし、今期は取引先である加工食品メーカーでも、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、新商品開発が滞る状況も散見されました。
ビタミン関係では、当社のキーマテリアルである天然ビタミンEを中心に、その生産技術の向上のほか、食品の安定性向上に寄与する酸化防止剤としての機能開発を実施しています。また、ビタミンの安定化技術の開発を行い、加工食品メーカーへビタミンミックスの提案を実施しています。昨今の健康意識向上を背景に、ビタミンミックスのご要望が増えています。
天然系色素では、天然物である色素原料の調査のほか、生産技術の向上に取り組むとともに、加工食品メーカーへの提案を実施しました。
マイクロカプセルでは、医薬・食品用途への応用検討を実施し、それぞれの用途における展開を進めています。
当事業に係る研究開発費は、2,606百万円です。
(国内化成品その他事業)
化成品用改良剤では、ユーザーニーズに対応して、プラスチック、ゴム、化粧品、トイレタリー、塗料、インキなどの化学品業界への改良剤の新規商材開発、機能開発及び応用研究を行っています。
安全性の高い化成品用改良剤の開発、新規機能を有するプラスチック改良剤の研究開発に加え、環境問題を考慮し持続可能な社会に対応したバイオベースマテリアルの応用研究に取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は、235百万円です。
(海外事業)
海外市場における研究開発活動は、食品用改良剤と化成品用改良剤についての展開を行っています。
食品用改良剤では、アプリケーションセンターをシンガポールと中国上海に設置して、海外市場に密着した、顧客視点での研究開発活動を推進しています。
RIKEVITA(SINGAPORE)PTE LTD内に設置されたアプリケーションセンターでは、パン、ケーキ、麺、冷菓、飲料、加工油脂、冷凍食品などの製造及び実験設備を備え、国内外の理研ビタミングループで製造している製品に関して、海外市場(特に東南アジア)の地域特性に対応した応用開発、新規製剤開発、取引先に対する技術サービスとその提案活動及び応用開発等を行っています。
理研維他精化食品工業(上海)有限公司内に設置されたアプリケーションセンターは上海中心部に立地し、末端市場及び顧客の視点から、よりそのニーズに対応したソリューションを提供できる体制を整備しています。パン、ケーキ、和菓子、麺、冷凍食品等の製造及び実験設備を備え、理研ビタミングループで長年培った知見、経験を生かし、中国国内顧客の製品の改良、工程改善、コストリダクション、新製品の開発などに貢献し、加工食品分野の情報発信基地となっています。
化成品用改良剤においては理研維他精化食品工業(上海)有限公司内に化成品アプリケーションセンターを設置し、中国市場の地域特性に対応した製品開発、応用開発及び取引先への技術サービスを行い、さらに、その活動を世界市場に向けて展開を進めています。
これら海外アプリケーションセンターと国内の関連研究開発部門との連携をさらに強化し、人的交流、情報の共有化を進め、日本国内の知見、経験を取り込み、海外ユーザーのみならず日本国内ユーザーの海外展開への情報サービス提供活動を展開し、海外の食品用改良剤及び化成品用改良剤の研究機能の充実と強化に向けて積極的に取り組んでいます。
今期は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、ユーザーの来場、訪問が制限されましたが、リモートによる提案活動を実施しました。また、国内外の連携はリモートにより積極的に実施しました。
当事業に係る研究開発費は、252百万円です。
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