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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LTFE (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社免疫生物研究所 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループは、製品開発型のバイオベンチャー企業として経営資源を医薬品研究開発へ積極的に投資しております。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は267,111千円であり、各事業の研究開発費については、診断・試薬事業は92,889千円、遺伝子組換えカイコ事業は172,722千円、検査事業は1,499千円となりました。各事業における研究開発活動の内容等は次のとおりであります。

事業別の研究開発活動
① 遺伝子組換えカイコ事業
当社は、遺伝子組換えカイコの繭から抗体等のタンパク質を発現させる技術を用いて、種々のタンパク質の産業利用に向けた研究を進めており、研究用試薬から診断薬原料、化粧品原料、さらに、ヒト及び動物向け医薬品としての開発を推進してまいります。
イ 医薬品原料の生産
当社は、いままで、遺伝子組換えカイコの繭により産生されるフィブリノゲンや抗HIV抗体を開発し、医薬品原料の生産を目指し研究開発を行なってまいりましたが、いずれも生産コストの問題等により生産を断念することになりました。当社は、生産コストの問題を解決することは、今後の遺伝子組換えカイコ事業最大の挑戦と捉え、ひとつの繭から獲得できる抗体やタンパク質の生産コストを1/10 程度に低減にするための基礎研究に集中してまいります。この問題を解決することが出来れば、医薬品原料生産の可能性を大きく高めることが出来ます。
ロ 動物用医薬品原料の生産
当社は、動物用医薬品メーカーと共同で、遺伝子組換えカイコによって動物用医薬品原料となるタンパク質の生産を進めております。遺伝子組換えカイコ生産技術の利点を最大限に生かし、高い安全性および有効性が要求される動物用医薬品の原料として活用することを目指しております。
ハ 研究用試薬および体外診断用医薬品原料としての抗体
当社は、研究用試薬や体外診断用医薬品に使用する抗体を、遺伝子組換えカイコにより生産する技術を開発しております。なお、この技術を活用して、当社の製品であるアミロイドβ測定キットに用いている抗体を、遺伝子組換えカイコ生産抗体に切り替えたほか、大手体外診断用医薬品メーカーへも、抗体の供給を行っております。

② 診断・試薬事業(医薬用関連)
当事業では、今までに研究用試薬として販売していたEIA測定キットのうち、診断に向け測定価値の認められるものを体外診断用医薬品登録に向けて開発を行ってまいります。既に国内外での登録を視野に入れ、海外他社との連携も開始しており、今後、キットの生産量に応じた収益を見込んでまいります。
イ 学校法人埼玉医科大学が所有する、難聴・めまいの原因を生化学的に診断できる世界初のバイオマーカー「CTP(cochlintomo-protein)」に関する発明に関して、株式会社コスミックコーポレーションに日本国内での薬事申請・販売の権利を譲渡しております。現在、株式会社コスミックコーポレーションは、体外診断用医薬品製造販売承認を取得し、現在、保険適用の申請を行っております。さらに、当社は、学校法人埼玉医科大学と簡便性・迅速性に優れたイムノクロマト法によるCTP測定試薬の開発を共同で行っております。
ロ クロウ・深瀬(POEMS)症候群は、骨髄の中にある形質細胞という細胞の異常増殖によっておこる疾患で、国の難病に指定されています(指定難病16)。この疾患においては、血清中VEGF(血管内皮増殖因子)値が異常に高値となることが示されており、血清中VEGF値の測定が疾患の診断補助及び治療、経過モニタリングとして有用であることが報告されています。当社は、製薬企業と共同で、血清中VEGF値を測定する体外診断用医薬品の開発を行い、終了しております。現在、藤本製薬株式会社は、製造販売承認の取得し、保険適用の申請が完了しております。なお、本製品の安定的な製造、供給は、当社が担当してまいります。
ハ グルカゴンは、膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌されるホルモンで、血糖調節因子として知られていますが、ELISA法による測定は類似ペプチドの交叉による影響を受けやすく、正確な測定が難しいとされてきました。両断端に特異的な2抗体を用いた膵グルカゴン特異的測定系の開発により、血中グルカゴン濃度の正確な評価が可能となり、今後、糖尿病の病態や病気を診断するための独立した新しい指標となる可能性が示唆されています。当社は、群馬大学と共同で、血清中グルカゴン値を測定する体外診断用医薬品の開発を行っております。
二 筋ジストロフィー患者の尿中に存在するタイチンというタンパク質に対する、筋ジストロフィーの病気診断・病態のモニタリングマーカーとして測定系を開発し、研究用試薬として販売を開始しておりますが、2022年3月期中に体外診断用医薬品製造販売承認申請を予定しており、現在、申請準備中であります。
ホ 赤痢アメーバ症は赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)という寄生性の原虫が原因となって引き起こされる病気で、日本国内において、2012年以降、感染症法に基づく報告数は900例を超えてきており、増加傾向にあります。そこで当社は、簡便な血液検査で赤痢アメーバ感染の有無をチェックできる体外診断用医薬品の開発を行っております。なお、2022年3月期第4四半期に体外診断用医薬品製造販売承認申請を予定しております。

③ 診断・試薬事業(研究用関連)
研究用関連では、将来、診断に役立つ事を目指した抗体開発、及びそれを用いた測定キットの新製品の開発に取り組んでおります。分野として、当社の強みであるアルツハイマー病、がん・炎症及び糖・脂質代謝関連疾患の領域に特化した開発を行っております。
イ 老化関連分子に対する抗体・測定系の開発
この領域においては、既に可溶性α-Klotho測定キットを製品化し、国内外を問わず広く使用されております。2016年7月にはマウス版を製品化し、研究用試薬として販売を開始してから、現在でも数多くのユーザーから求められております。また、本分子以外にも老化に関連する分子に対する抗体・測定系の開発を進めております。
ロ アルツハイマー型認知症(AD)関連タンパク質に対する抗体・測定系の開発
アミロイドβを中心とした種々のタンパク質に対する抗体・測定系の開発を進めています。これまでもアミロイドβ、及びその前駆体蛋白であるAPPなどに対する製品を広くラインアップしておりますが、新規の分子に対する開発も進めております。
ハ メタボリックシンドローム・生活習慣病関連分子に対する抗体・測定系の開発
これまでにも糖代謝、脂質代謝、及び血圧調節などに関連する分子に対して特異的な測定系を開発、製品化しておりますが、その中で、血糖値をコントロールするインスリンに対する高感度測定系を開発し上市いたしました。
これらの脂質代謝関連タンパク質における体外診断薬への展開も視野に入れ、研究開発を推進して参ります。
これらの脂質代謝関連タンパク質は、いわゆるメタボリックシンドロームといわれる疾患の中でも、特に脂質異常症に関連する因子であり、これらの測定キットはこの領域での基礎的な研究及び治療薬の研究開発などに有効なものになると考えます。今後の研究成果によっては、研究用試薬に終わることなく、体外診断薬への展開も期待できます。また、検査事業におけるLipoSEARCHの測定サービスの提供と並行してプロモーションしていくことで、相乗効果を上げることが期待できます。これらの測定キット、測定サービスなどにより、この領域における当社の製品ラインアップを充実させ、当社の存在意義を確立し、販売促進に努めてまいります。
二 Muse細胞に関する開発
株式会社生命科学インスティテュート(以下「LSII」という)とMuse細胞を用いた再生医療事業に関して共同研究を実施し、Muse細胞のマーカーであるSSEA-3という物質に対する抗体の作製に成功し、研究用試薬として販売を開始いたしました。本抗体は世界で初めてのIgGクラスのモノクローナル抗体であり、本抗体を用いた再生医療研究が飛躍的に進歩することが期待されます。

(注) 用語解説については、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00986] S100LTFE)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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