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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100KZV2 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 カルナバイオサイエンス株式会社 研究開発活動 (2020年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社は、主にキナーゼ(*)タンパク質を標的とした低分子の分子標的薬(*)であるキナーゼ阻害薬(*)の創製研究(*)及び医薬品候補化合物の開発を行うため、研究開発へ積極的に先行投資を行っております。さらに、キナーゼ阻害薬等を創製するための基盤となる技術である「創薬基盤技術」をさらに強化するための研究開発を行うとともに、長年培ってきたこの創薬基盤技術を駆使し、他の製薬企業やアカデミア等からのニーズが高いキナーゼ関連製品・サービスを開発するための研究開発も行っております。
当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は1,474,452千円であり、セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。

(1) 創薬事業
当社は、がん、免疫・炎症疾患を重点領域としてキナーゼ阻害薬を中心に創薬研究開発を行なっています。2020年12月末現在で、がん領域においては4つの創薬プログラムを自社で研究開発しており、2つのプログラムについて導出先である製薬企業等が研究開発を進めております。免疫・炎症疾患領域では2つの創薬プログラムの研究開発を実施しており、重点領域以外にも2つの創薬プログラムの研究を実施しております。この他、次世代パイプラインの構築を目的として探索研究を複数実施しています。
主な創薬プログラムの研究開発の概況は以下のとおりです。

BTK阻害剤 AS-0871
BTKは血液がんだけでなく、自己免疫疾患やアレルギー疾患の治療標的分子としても注目されていますが、これまでに同適応疾患を対象として承認されたBTK阻害薬はありません。AS-0871は当社が創製した非共有結合型BTK阻害剤で、BTKに対して非常に高い選択性を示すことから、現在、免疫・炎症疾患を対象に開発を進めています。
AS-0871の臨床試験はオランダで実施しており、2020年8月にフェーズ1試験における被験者への投与を開始しました。健常人を対象としたフェーズ1試験の単回投与用量漸増試験(SAD)パートにおいて、計画していた投与が2020年中にすべて完了しており、2021年第1四半期に当該試験に関する結果が得られる予定です。この試験結果を基に、2021年下期から新製剤を用いたフェーズ1試験の反復投与用量漸増試験(MAD)パートを開始する計画にしており、2022年上半期に同試験の終了を予定しています。

BTK阻害剤 AS-1763
イブルチニブを代表とする第1世代の共有結合型BTK阻害薬は、慢性リンパ性白血病(CLL)を含む成熟B細胞腫瘍の有効な治療薬として幅広く使われていますが、これらBTK阻害剤に対する薬剤耐性が深刻な問題となってきています。近年、耐性患者においてC481S変異したBTKが高頻度に見い出され、この変異が第1世代BTK阻害剤の共有結合を妨げ阻害活性を低下させることが主な薬剤耐性の原因と考えられています。このような背景からBTK C481S耐性変異に対する新しい治療方法の開発が非常に望まれています。当社が創製した非共有結合型AS-1763は野生型BTKだけでなく、変異型BTKにも高い阻害効果を示すことから、第1世代の共有結合型BTK阻害薬耐性患者を対象とした次世代型BTK阻害剤として開発を進めています。2021年2月にオランダ当局および倫理委員会によりCTA(欧州における臨床試験許認可申請)に関する承認が得られたことから、2021年上期中に健康成人を対象としたフェーズ1試験を開始する計画です。また、AS-1763の開発を加速することを目的として、2020年3月に、中華圏(中華人民共和国および台湾)における開発・商業化の権利を中国バイオノバ社に供与する契約を締結しております。バイオノバ社が中国において臨床試験を実施することで、当社はバイオノバ社が実施したAS-1763に関するより多くの臨床試験データを収集・利用することができ、AS-1763の臨床開発を加速できると考えております。当社は、中華圏における今後のAS-1763の開発進捗に伴い、バイオノバ社から最大で約205百万ドル(約215億円)を受け取ることができ、さらに、AS-1763の中華圏における上市後の売上高に応じた最大2桁の料率の段階的ロイヤリティを受け取ります。

CDC7阻害剤 AS-0141
AS-0141は、当社が創製した選択的で強力にCDC7キナーゼを阻害する経口投与可能な低分子化合物です。様々ながん種の細胞の増殖を強く阻害し、各種ヒト腫瘍移植動物モデルにおいて優れた抗腫瘍効果を示しています。2016年にシエラ社に開発権をライセンスし、その後、同社が米国においてIND申請を完了させました。シエラ社の開発方針変更に伴い、2020年6月に同剤に関する全権利を当社が再取得し、シエラ社が実施したすべての前臨床試験データ、原薬および治験薬等を譲り受けました。他社先行品の臨床試験成績の解析および科学的エビデンスに基づき、より成功確度の高い新たな開発戦略を策定し、2021年上期中に日本国内で臨床試験を開始する準備を進めています。

ギリアド社に導出した低分子阻害薬の創薬プログラム
2019年6月に米国のギリアド社と、当社の創薬部門が創製した新規がん免疫療法の低分子阻害薬およびその創薬プログラムの開発・商業化にかかる全世界における独占的な権利を供与する契約を締結いたしました。契約一時金として20百万ドル(約21億円)を2020年12月期に受領しており、当社は今後、開発状況や上市などの進捗に応じて追加的に最大で450百万ドル(約472億円、1ドル105円換算)のマイルストーンペイメントを受け取ることになり、さらに、本プログラムにより開発された医薬品の上市後の売上高に応じたロイヤリティを受け取ります。

大日本住友製薬との共同研究プログラム
2018年3月に大日本住友製薬株式会社と精神神経疾患を標的とした共同研究契約を締結し、現在、順調に共同研究を進めています。本共同研究により見出されたキナーゼ阻害剤については、同社が、がんを除く全疾患を対象とした臨床開発および販売を全世界で独占的に実施する権利を有します。その対価として、当社は契約一時金および研究マイルストーンとして、最大8千万円を受領し、その後の研究開発の進展に伴い、進捗に応じて追加的に最大で約106億円のマイルストーンペイメントおよび売上高に応じたロイヤリティを受け取ることができます。

その他の探索段階にある創薬研究プログラム
Wnt-Signalを標的としたプログラムに関しては、開発の難易度等の判断から中止いたしました。しかしながら、当該プログラムの研究から非常に興味深い知見・化合物が見出されましたので、今後、新たな創薬研究プログラムとして研究を継続してまいります。また、上記以外の創薬研究プログラムにつきましても、画期的な新薬創製に向けて様々な創薬研究プログラムを実施しております。これらの創薬プログラムにつきましても、早期ステージアップを目指して研究を継続してまいります。

上記に加え、将来のパイプラインを継続的に生み出せるよう次世代の研究テーマの準備を進め、有望な研究テーマが同定された場合は、限られたリソースで効率的に研究開発が行なえるよう、テーマの選択と集中も随時行なっていく予定です。当事業に係る研究開発費は、1,370,678千円であります。

(2) 創薬支援事業
創薬支援事業の研究開発では、新たなキナーゼタンパク質製品の開発ならびにキナーゼタンパク質およびプロファイリング(*)・スクリーニング(*)サービスの品質および作業効率の向上が主要なテーマとなっております。当社製キナーゼタンパク質およびそれを用いた受託試験サービスは顧客から高品質との評価を得ており、今後さらなる信頼を獲得し売上拡大を図るため、一層の品質の向上に取り組むとともに、顧客ニーズに基づく新製品の開発にも取り組んでまいります。また、収益力の強化を目指した作業工程の改善にも取り組んでおります。
当事業に係る研究開発費は、103,774千円であります。

(注) *を付している専門用語については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に用語解説を設け、説明しております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00987] S100KZV2)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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