有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LKW8 (EDINETへの外部リンク)
ハリマ化成グループ株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)
当社グループは松から得られる植物資源であるトールロジンとガムロジンの2種類のロジンを、日本国内をはじめブラジル、アルゼンチン、ニュージーランド等においてグローバルに生産する唯一のメーカーです。この強みを更に活かす為に、ロジンや脂肪酸の成分や純度をコントロールできる技術開発や、松に含まれる天然資源の生成に関する代謝経路の解明やその仕組みを活かした生産技術を外部機関と連携しながら推進しています。
新規分野については、環境対応への関心の高まりから有機溶剤から水に代替する技術の必要性がさらに加速すると予想しています。そこで当社が有する乳化技術、分散技術を活かすべく研究に取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発費は、2,598百万円、特許の登録件数は国内9件、海外が25件、国内の出願件数は5件でした。
(1)樹脂化成品
当事業においては、塗料用樹脂、印刷インキ用樹脂、粘接着剤用樹脂、機能性樹脂、合成ゴム用乳化剤及び脂肪酸誘導体の研究開発を行っています。今年度前半はコロナ禍により市場は低調に推移、後半は持ち直していますが計画未達成に終わっています。現行市場に対する新製品投入に注力するとともに、近年の環境意識の高まりもあり、当社の材料・技術で環境に貢献できる新製品の開発に注力しています。
塗料用樹脂においては、建築外壁用の環境配慮型弱溶剤系樹脂の開発を進めるとともに、より環境に配慮した水系塗料用の樹脂開発に取り組みました。高光沢で高付着性、耐水性を併せ持つとともに、建築外装だけでなく鉄部等に適した耐久性を持つ樹脂の開発を進めています。
印刷インキ用樹脂においては、環境意識の高まりを受け、プラスチック基材に高い密着性を示す水系樹脂を開発しました。従来の平版用途ではなく、フィルム用グラビア・フレキソインキ向けを目指すとともに、その高い密着性を活かした用途展開を図るべく開発を進めています。当社の強みであるロジン、脂肪酸を使用しており、バイオマス樹脂としても高い機能を発現しています。
粘接着剤用樹脂に関しては、より高温などの使用環境下への適用も可能とする耐熱性を高めた新規タッキファイヤーを開発中です。ゴム用添加剤については、自然災害が年々増加する中、ビル、建物を守る制振ゴム用の添加剤を開発しました。これは従来以上に揺れに対する減衰性を示しており、今後の拡大が見込まれます。また各ゴム製品に求められる性能を最大化するように機能発現のメカニズムを踏まえながら新しい添加剤の開発を進めています。
機能性樹脂分野では、光学フィルム用の屈折率調整ハードコート剤の製品改良を進めており、顧客へ提案しています。また、同フィルム裏面に塗布するハードコート剤の開発も進めており、表裏とも当社品での採用を目指しています。自動車の塗装を保護する目的で貼られるペイントプロテクションフィルムと呼ばれるフィルムに、傷・汚れ防止機能を付与するコート剤については開発を完了し、顧客へ提案、最終的に耐候性を確認中です。加えて、ナノ粒子を分散する技術を光学フィルムだけではなく、他の用途に展開するテーマに着手しており、顧客評価を進めながら製品の高機能化に挑戦しています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は537百万円でありました。
(2)製紙用薬品
当事業においては、水性樹脂の合成をコア技術として、段ボール等に使用される板紙の強度を高めるポリアクリルアミド系紙力増強剤、紙や板紙の吸水性を制御して水性インクのにじみ防止や耐水性を付与するロジン系サイズ剤、紙や板紙の表面に塗ることで印刷適性や撥水性を付与する表面紙力増強剤や表面サイズ剤といった、主に製紙工程で使用される機能性薬剤に関する開発を行っています。
日本国内における紙・板紙の内需は、2011年以降マイナスで推移しています。電子化等の影響によって出版・広告向けの印刷用紙が減少していましたが、コロナ禍の影響を受けた2020年は減少ペースが加速、リーマン・ショック直後の2009年(9.2%減)を上回るマイナス幅となりました。一方、ネット通販等の普及や、コロナ禍における衛生意識の高まりによる衛生用紙の需要増といったプラス面も出てきています。また、脱プラスチックによる紙化の動きも期待され、国内の製紙会社は、引き続き、海外事業、エネルギー事業、ケミカル事業、ヘルスケア事業やパッケージ事業といった分野への事業展開を加速させています。
このような業界の動向を踏まえ、研究開発では、ポリアクリルアミド系紙力増強剤やロジン系サイズ剤を中心に、パッケージング用途で使用される板紙の中性抄紙化(Alum使用量の削減)や軽量化(紙力効果および操業性の改善)に対応できる製品やアプリケーションの開発を進めています。また、紙の原料となるパルプを生産する工程において、操業性や生産性を改善する工程薬剤(ピッチコントロール剤)でも、薬剤と併せて適切な使用方法を提案しています。これにより、高品質パルプの生産に欠かせない薬剤として認めていただき、大手製紙会社様での実績に繋がっています。さらに、脱プラスチックの動きの中で、紙製素材の利用を推進できるバリアコート剤の開発にも取り組んでいます。耐水性や耐油性に加え、ヒートシール性や水蒸気バリア性を付与できるコート剤の開発により、紙製素材の普及に貢献していきます。
これら製品開発においては、世界中で安心してご使用いただくことを目的に、安心で安全な製品(間接食品添加物として海外法規制に対応可能な製品)の拡充を進めています。ロジン系エマルションサイズ剤『NeuRoz CF50』は、米国のFDA、ドイツのBfR、中国のGB9685といった認証を取得しています。また近年では、FDAの認証を取得したPAM系乾燥紙力増強剤『ハーマイド KSシリーズ』および ピッチコントロール剤『ASシリーズ』のGB9685の認可に加え、FDAとBfRの認証を取得した新たなPAM系乾燥紙力増強剤を開発しました。現在は、新規開発品のGB9685の申請を進めています。
海外市場においては、南北アメリカ、中国、東南アジア地域における市場拡大に注力しています。紙・板紙の生産量が世界一位(1億867万トン/2019年)の中国では、浙江省の杭州杭化哈利瑪化工有限公司を中心として、広東省の東莞市杭化哈利瑪造紙化学品有限公司、山東省の山東杭化哈利瑪化工有限公司の三拠点にて事業展開を進めています。また世界二位(6,913万トン/2019年)の米国では、プラズミン・テクノロジー,Inc.によるFDA認証取得製品を軸とした事業展開、東南アジアやオセアニア地域では、日本からの技術支援による事業展開に取り組んでいます。今後は、これら諸外国における最適なアプリケーションや必要となる法規制に対応できる製品を加速させることにより、更なるグローバル展開を進めていきます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は803百万円でありました。
(3)電子材料
当事業においては、主として自動車業界と電子機器・情報産業向けのはんだ付け材料、及び自動車用熱交換器等の組み立てに用いるろう付け材料を展開し、お客様に安心してご使用いただけるように地球環境への配慮と信頼性を重視した製品の開発を推進しています。
2020年の自動車の生産台数は新型コロナウィルス感染の拡大の影響を大きく受け前年比1455万台減の7762万台に留まりました。2021年に入り中国市場で回復基調が見られる一方、日本、米国、欧州域では新型コロナウィルスの再拡大や世界的な半導体不足の影響など非常に厳しい市場環境に置かれています。このような動向の中で研究開発においては、より一層の電子機器の高機能化や精細な電子制御が推進でき、安全で快適な運転を実現するはんだ材料の開発に注力しています。
これらの電子機器においては、はんだ接合部に従来よりも大きなストレスがかかるため高い耐久性を有する材料が必要なことから、当社ではこの市場要求に応える高耐久性鉛フリーソルダペースト開発を完了し2021年度からの販売開始に向けた準備を進めています。
熱交換器等に用いられるろう付け材料においては、自動車用アルミニウム熱交換器接合用材料の海外展開を推進しています。更なる軽量化、低燃費化に貢献すると共に、環境負荷を低減するため有機溶剤成分を含まない無溶剤型材料の開発と、これまでに培った技術を活かし、給湯器などへの搭載が拡大しているステンレス熱交換器を接合するろう付け材料の開発にも注力し商品群の拡充を図ります。
半導体製造に用いられるレジスト用樹脂は、企業において在宅勤務、リモート会議が普及し、教育現場でも同様の動きが起こった中、大きく成長しました。当社の得意である有機合成技術を更に磨き、今後も半導体産業に貢献していきます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は718百万円でありました。
(4)ローター
当事業においては、印刷インキ用樹脂、粘接着剤用樹脂、路面標示塗料用樹脂、合成ゴム用乳化剤及びアロマケミカルなどの研究開発を行っています。
出版印刷インキ市場は、コロナ禍の影響で昨年の春から夏にかけて世界的に大きく生産量が落ち込みました。欧州においては、当社が出資するスウェーデンのサンパイン社で製造されたトールロジンを活用し、安定した品質で価格面でも優位性を持たせた樹脂の開発を推進しています。枚葉印刷インキ用途では、特に食品包装関連の法規制が年々厳しくなってきており、製品の品質だけでなく、製造工程や、原材料の選別、保管管理に関しても対応できる生産体制が必要になってきております。当分野においては、インキ成分が紙を通じて食品に移行せず、食品の安全性や味覚に影響を与えないような低マイグレーション性の機能を有し、かつ低臭気のインキ用ワニス(商品名:PacksetTM)の開発に成功し、販売を開始しております。
フレキソ、グラビアインキ市場は、主に新興国の食品包装材料需要と電子商取引の伸張により、今後も成長が期待されています。特に、水系フレキソインキでは、持続可能な社会の創造をめざす顧客からは、包装容器に使用されるインキ、コーティング剤にも天然由来成分を原料とした製品を使用したいとの要望が高くなっており、ロジンをベースにしたフレキソインキ用樹脂ディスパーパージョン(商品名:SnowpackTM)は一部の顧客に採用され、今後の展開が期待されています。このような顧客からの要求に応えるべく、当社では、独自のロジン変性技術と水分散技術によって、高性能でかつ環境にやさしい包装インキ用樹脂の開発を進めています。
粘接着剤用樹脂の分野は、水系粘着付与剤樹脂の高いグローバルシェアを維持しつつ、得意とする汎用紙ラベル用途だけでなく、産業用テープ向け粘着付与剤樹脂市場への拡大を目指しています。今後も高性能な水系粘接着剤用樹脂の需要拡大が見込まれており、特に、自動車などの部品に供される当分野の製品については、顧客からBCP(事業継続計画)策定を強く求められるようになっており、ハリマ化成の日本国内拠点とローターのグローバル拠点において、共通の製品づくりができる体制へ向けた研究開発を推進しています。
さらに、イノベーション部門では、ロジンや脂肪酸などバイオマス原料の機能を追求し、石油化学品を代替できるグリーンな製品の開発、今後市場伸長が見込める事業への新規開発投資を推し進め、ハリマ化成の研究開発カンパニーと連携の上、戦略的な技術開発、マーケティングを進めております。
当セグメントに係る研究開発費の金額は539百万円でありました。
新規分野については、環境対応への関心の高まりから有機溶剤から水に代替する技術の必要性がさらに加速すると予想しています。そこで当社が有する乳化技術、分散技術を活かすべく研究に取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発費は、2,598百万円、特許の登録件数は国内9件、海外が25件、国内の出願件数は5件でした。
(1)樹脂化成品
当事業においては、塗料用樹脂、印刷インキ用樹脂、粘接着剤用樹脂、機能性樹脂、合成ゴム用乳化剤及び脂肪酸誘導体の研究開発を行っています。今年度前半はコロナ禍により市場は低調に推移、後半は持ち直していますが計画未達成に終わっています。現行市場に対する新製品投入に注力するとともに、近年の環境意識の高まりもあり、当社の材料・技術で環境に貢献できる新製品の開発に注力しています。
塗料用樹脂においては、建築外壁用の環境配慮型弱溶剤系樹脂の開発を進めるとともに、より環境に配慮した水系塗料用の樹脂開発に取り組みました。高光沢で高付着性、耐水性を併せ持つとともに、建築外装だけでなく鉄部等に適した耐久性を持つ樹脂の開発を進めています。
印刷インキ用樹脂においては、環境意識の高まりを受け、プラスチック基材に高い密着性を示す水系樹脂を開発しました。従来の平版用途ではなく、フィルム用グラビア・フレキソインキ向けを目指すとともに、その高い密着性を活かした用途展開を図るべく開発を進めています。当社の強みであるロジン、脂肪酸を使用しており、バイオマス樹脂としても高い機能を発現しています。
粘接着剤用樹脂に関しては、より高温などの使用環境下への適用も可能とする耐熱性を高めた新規タッキファイヤーを開発中です。ゴム用添加剤については、自然災害が年々増加する中、ビル、建物を守る制振ゴム用の添加剤を開発しました。これは従来以上に揺れに対する減衰性を示しており、今後の拡大が見込まれます。また各ゴム製品に求められる性能を最大化するように機能発現のメカニズムを踏まえながら新しい添加剤の開発を進めています。
機能性樹脂分野では、光学フィルム用の屈折率調整ハードコート剤の製品改良を進めており、顧客へ提案しています。また、同フィルム裏面に塗布するハードコート剤の開発も進めており、表裏とも当社品での採用を目指しています。自動車の塗装を保護する目的で貼られるペイントプロテクションフィルムと呼ばれるフィルムに、傷・汚れ防止機能を付与するコート剤については開発を完了し、顧客へ提案、最終的に耐候性を確認中です。加えて、ナノ粒子を分散する技術を光学フィルムだけではなく、他の用途に展開するテーマに着手しており、顧客評価を進めながら製品の高機能化に挑戦しています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は537百万円でありました。
(2)製紙用薬品
当事業においては、水性樹脂の合成をコア技術として、段ボール等に使用される板紙の強度を高めるポリアクリルアミド系紙力増強剤、紙や板紙の吸水性を制御して水性インクのにじみ防止や耐水性を付与するロジン系サイズ剤、紙や板紙の表面に塗ることで印刷適性や撥水性を付与する表面紙力増強剤や表面サイズ剤といった、主に製紙工程で使用される機能性薬剤に関する開発を行っています。
日本国内における紙・板紙の内需は、2011年以降マイナスで推移しています。電子化等の影響によって出版・広告向けの印刷用紙が減少していましたが、コロナ禍の影響を受けた2020年は減少ペースが加速、リーマン・ショック直後の2009年(9.2%減)を上回るマイナス幅となりました。一方、ネット通販等の普及や、コロナ禍における衛生意識の高まりによる衛生用紙の需要増といったプラス面も出てきています。また、脱プラスチックによる紙化の動きも期待され、国内の製紙会社は、引き続き、海外事業、エネルギー事業、ケミカル事業、ヘルスケア事業やパッケージ事業といった分野への事業展開を加速させています。
このような業界の動向を踏まえ、研究開発では、ポリアクリルアミド系紙力増強剤やロジン系サイズ剤を中心に、パッケージング用途で使用される板紙の中性抄紙化(Alum使用量の削減)や軽量化(紙力効果および操業性の改善)に対応できる製品やアプリケーションの開発を進めています。また、紙の原料となるパルプを生産する工程において、操業性や生産性を改善する工程薬剤(ピッチコントロール剤)でも、薬剤と併せて適切な使用方法を提案しています。これにより、高品質パルプの生産に欠かせない薬剤として認めていただき、大手製紙会社様での実績に繋がっています。さらに、脱プラスチックの動きの中で、紙製素材の利用を推進できるバリアコート剤の開発にも取り組んでいます。耐水性や耐油性に加え、ヒートシール性や水蒸気バリア性を付与できるコート剤の開発により、紙製素材の普及に貢献していきます。
これら製品開発においては、世界中で安心してご使用いただくことを目的に、安心で安全な製品(間接食品添加物として海外法規制に対応可能な製品)の拡充を進めています。ロジン系エマルションサイズ剤『NeuRoz CF50』は、米国のFDA、ドイツのBfR、中国のGB9685といった認証を取得しています。また近年では、FDAの認証を取得したPAM系乾燥紙力増強剤『ハーマイド KSシリーズ』および ピッチコントロール剤『ASシリーズ』のGB9685の認可に加え、FDAとBfRの認証を取得した新たなPAM系乾燥紙力増強剤を開発しました。現在は、新規開発品のGB9685の申請を進めています。
海外市場においては、南北アメリカ、中国、東南アジア地域における市場拡大に注力しています。紙・板紙の生産量が世界一位(1億867万トン/2019年)の中国では、浙江省の杭州杭化哈利瑪化工有限公司を中心として、広東省の東莞市杭化哈利瑪造紙化学品有限公司、山東省の山東杭化哈利瑪化工有限公司の三拠点にて事業展開を進めています。また世界二位(6,913万トン/2019年)の米国では、プラズミン・テクノロジー,Inc.によるFDA認証取得製品を軸とした事業展開、東南アジアやオセアニア地域では、日本からの技術支援による事業展開に取り組んでいます。今後は、これら諸外国における最適なアプリケーションや必要となる法規制に対応できる製品を加速させることにより、更なるグローバル展開を進めていきます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は803百万円でありました。
(3)電子材料
当事業においては、主として自動車業界と電子機器・情報産業向けのはんだ付け材料、及び自動車用熱交換器等の組み立てに用いるろう付け材料を展開し、お客様に安心してご使用いただけるように地球環境への配慮と信頼性を重視した製品の開発を推進しています。
2020年の自動車の生産台数は新型コロナウィルス感染の拡大の影響を大きく受け前年比1455万台減の7762万台に留まりました。2021年に入り中国市場で回復基調が見られる一方、日本、米国、欧州域では新型コロナウィルスの再拡大や世界的な半導体不足の影響など非常に厳しい市場環境に置かれています。このような動向の中で研究開発においては、より一層の電子機器の高機能化や精細な電子制御が推進でき、安全で快適な運転を実現するはんだ材料の開発に注力しています。
これらの電子機器においては、はんだ接合部に従来よりも大きなストレスがかかるため高い耐久性を有する材料が必要なことから、当社ではこの市場要求に応える高耐久性鉛フリーソルダペースト開発を完了し2021年度からの販売開始に向けた準備を進めています。
熱交換器等に用いられるろう付け材料においては、自動車用アルミニウム熱交換器接合用材料の海外展開を推進しています。更なる軽量化、低燃費化に貢献すると共に、環境負荷を低減するため有機溶剤成分を含まない無溶剤型材料の開発と、これまでに培った技術を活かし、給湯器などへの搭載が拡大しているステンレス熱交換器を接合するろう付け材料の開発にも注力し商品群の拡充を図ります。
半導体製造に用いられるレジスト用樹脂は、企業において在宅勤務、リモート会議が普及し、教育現場でも同様の動きが起こった中、大きく成長しました。当社の得意である有機合成技術を更に磨き、今後も半導体産業に貢献していきます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は718百万円でありました。
(4)ローター
当事業においては、印刷インキ用樹脂、粘接着剤用樹脂、路面標示塗料用樹脂、合成ゴム用乳化剤及びアロマケミカルなどの研究開発を行っています。
出版印刷インキ市場は、コロナ禍の影響で昨年の春から夏にかけて世界的に大きく生産量が落ち込みました。欧州においては、当社が出資するスウェーデンのサンパイン社で製造されたトールロジンを活用し、安定した品質で価格面でも優位性を持たせた樹脂の開発を推進しています。枚葉印刷インキ用途では、特に食品包装関連の法規制が年々厳しくなってきており、製品の品質だけでなく、製造工程や、原材料の選別、保管管理に関しても対応できる生産体制が必要になってきております。当分野においては、インキ成分が紙を通じて食品に移行せず、食品の安全性や味覚に影響を与えないような低マイグレーション性の機能を有し、かつ低臭気のインキ用ワニス(商品名:PacksetTM)の開発に成功し、販売を開始しております。
フレキソ、グラビアインキ市場は、主に新興国の食品包装材料需要と電子商取引の伸張により、今後も成長が期待されています。特に、水系フレキソインキでは、持続可能な社会の創造をめざす顧客からは、包装容器に使用されるインキ、コーティング剤にも天然由来成分を原料とした製品を使用したいとの要望が高くなっており、ロジンをベースにしたフレキソインキ用樹脂ディスパーパージョン(商品名:SnowpackTM)は一部の顧客に採用され、今後の展開が期待されています。このような顧客からの要求に応えるべく、当社では、独自のロジン変性技術と水分散技術によって、高性能でかつ環境にやさしい包装インキ用樹脂の開発を進めています。
粘接着剤用樹脂の分野は、水系粘着付与剤樹脂の高いグローバルシェアを維持しつつ、得意とする汎用紙ラベル用途だけでなく、産業用テープ向け粘着付与剤樹脂市場への拡大を目指しています。今後も高性能な水系粘接着剤用樹脂の需要拡大が見込まれており、特に、自動車などの部品に供される当分野の製品については、顧客からBCP(事業継続計画)策定を強く求められるようになっており、ハリマ化成の日本国内拠点とローターのグローバル拠点において、共通の製品づくりができる体制へ向けた研究開発を推進しています。
さらに、イノベーション部門では、ロジンや脂肪酸などバイオマス原料の機能を追求し、石油化学品を代替できるグリーンな製品の開発、今後市場伸長が見込める事業への新規開発投資を推し進め、ハリマ化成の研究開発カンパニーと連携の上、戦略的な技術開発、マーケティングを進めております。
当セグメントに係る研究開発費の金額は539百万円でありました。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01020] S100LKW8)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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