有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LGS5 (EDINETへの外部リンク)
日本特殊陶業株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)
当社グループにおける研究開発活動は、企業理念に立脚し、最善の技術と蓄積した経験を活かした新たな価値の創造に向けて行われています。その活動の主体は、本社機構である研究開発本部及び各事業部技術部門で行っており、国内外の学会・協会への積極的な参画、大学・公的研究機関との共同研究等により最新技術を入手・導入することでレベルアップを図っています。
なお、当連結会計年度における研究開発に係る費用は総額26,115百万円であり、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。
自動車エンジンの開発は、環境への配慮とそれに伴う低燃費・低エミッションの規制に対応すべく加速的に進化しており、自動車メーカー各社は、エンジンの小排気量化・直噴化・過給化・希薄燃焼化・バイオエタノール等の多種燃料対応化等燃費向上に向けた技術開発を積極的に進めています。当社はそれに応えるべく、スパークプラグの分野では耐熱性・耐電圧性・着火性を高めるとともに、より一層の小径・長尺化を推し進め、材料開発から製品設計、製造方法まで一貫して開発を行っています。当連結会計年度においては、エンジンの燃焼速度を高速化し燃費向上に貢献することを目的としたプレチャンバープラグの開発を進めています。
センサの分野では、環境保全の見地から益々厳しくなる排気ガス規制に対応すべく、高温、熱衝撃、振動、被水等の環境耐久性を向上するとともに、環境に配慮した省資源タイプのセンサ開発を行っています。当連結会計年度においては、今後の環境規制を見据えた4輪向け酸素センサ・NOxセンサの性能改善及び最新製品の開発を進めました。また、新規センサの分野では、自動車業界で培ったコア技術を応用し、非自動車への事業領域の拡大を進めています。
なお、当セグメントの研究開発に係る費用の金額は、11,054百万円です。
機械工具の分野では、自動車部品、航空機や発電機のエンジン、電子機器、医療用ネジ等に用いられる切削工具の開発を行っています。当連結会計年度においては、ギヤやシャフト等の焼入鋼や高硬度鋼を高速、高能率に加工できる工具の新材種の発売、及び炭素鋼、合金鋼の高速加工を実現する工具材種の開発を行いました。産業用セラミックの分野では、半導体製造装置用部品や、超音波振動子等の開発・製品化を行っています。当連結会計年度においては、半導体製造装置用部品における製品の性能向上に取り組んだほか、超音波振動子等において、環境・エネルギー分野、医療分野への新しい用途での製品化を進めています。
なお、当セグメントの研究開発に係る費用の金額は、4,923百万円です。
医療分野では人工骨・手術用機器、在宅医療用酸素濃縮装置の開発を行っています。当連結会計年度においては、人工骨に関してポリエチレン製のカスタムメイド頭蓋骨を開発、上市しました。
なお、当セグメントの研究開発に係る費用の金額は、1,337百万円です。
新規事業関連では、エネルギークリーン化への対応として期待の大きなテーマである燃料電池関連の開発に取り組んでいます。現在、独自の機能性セラミックスの材料技術とプロセス技術を活かし、高効率でクリーンな発電システムとして期待される固体酸化物形燃料電池(SOFC)の開発を進めております。当連結会計年度においては、森村グループ4社による合弁会社「森村SОFCテクノロジー株式会社」にて、4社協業によるシナジー効果として、従来他社より小型・軽量・高効率のホットモジュールの開発に成功し、今後、システムメーカーに紹介を行い、新規採用につなげていきます。また、業務・産業用のSOFCセルスタックの量産を開始し、業務用にて市場に参入しました。現在、システムメーカーと協力して、販売拡大に向けた活動をしております。円筒セルスタックは三菱パワー株式会社(三菱日立パワーシステムズ株式会社より社名変更)との合弁会社「CECYLLS株式会社」にて設備搬入が完了し量産体制が整いました。また、車載や通信関連、LED用セラミックパッケージ、半導体検査装置に使用される大型プローブカード用基板等、幅広い製品の開発を行っています。当連結会計年度においては、セラミックの特徴を生かした大型のセラミックパッケージ、5Gアンテナモジュールの開発を行いました。
なお、当セグメントの研究開発に係る費用の金額は、8,798百万円です。
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