有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LMSK (EDINETへの外部リンク)
古河電気工業株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)
当社グループは、新商品、新技術開発による新規事業の創出と展開を図るべく、国内の当社研究所等(サステナブルテクノロジー研究所、自動車・エレクトロニクス研究所、情報通信・エネルギー研究所、インキュベーター統括部、デジタルイノベーションセンター)及び海外の OFS Laboratories, LLC (米国)、 Furukawa Electric Institute of Technology Ltd.(ハンガリー)、SuperPower Inc.(米国)、 Silicon Valley Innovation Laboratories, Furukawa Electric (米国)を中心とした研究体制を有し、積極的に研究開発へ取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費は、前連結会計年度比6.6%減の20,217百万円とし、各セグメントの主な成果等は次のとおりであります。
②光ファイバ及び光ファイバケーブルについては、長距離用途におけるさらなる高性能化・低コスト化を進めております。また、データセンタや大都市ネットワーク用途で光ファイバネットワークの大容量化・多心化が求められていることから、省スペース化が可能な「ローラブルリボンを搭載した光ファイバケーブル」のさらなる高密度化を推し進めております。国立研究開発法人情報通信研究機構からの委託研究である「空間多重フォトニックノード基板技術の研究開発」及び「マルチコアファイバの実用化加速に向けた研究開発」、並びに総務省からの委託研究である「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」を活用し、将来の超大容量光通信における空間多重技術の長距離幹線系・加入者アクセス系への適用に向けて、光ファイバ及び光ファイバケーブルの製造技術やこれらの性能検証、光ファイバの接続技術並びにマルチコア光増幅技術の検討を行っております。
③ファイバレーザの製品群として、12kWのマルチモードファイバレーザを製品化しております。ビーム品質を良好に維持しつつ高出力化を行うことで、金属の厚板溶接や薄板の高速溶接が可能となり、高付加価値加工の実現及び製造コスト削減に大きく貢献しております。かねてより開発を進めているビームモード制御技術を活用することで、10kW超の高出力レーザを用いた厚板溶接で課題となるスパッタ飛散の抑制、自動車用亜鉛めっき鋼板やアルミニウム合金の高速かつ高品質な溶接を可能としております。また、日亜化学工業株式会社と共同開発した高輝度青色レーザダイオードモジュールを搭載したBlue-IRハイブリッドレーザ「BRACE™」を開発しました。本製品は、電動モビリティ向け主要部品であるリチウムイオン電池、モータ、インバータ等の導体となる銅の溶接工程の生産性向上(品質・加工速度の向上)や製造工程の省人化に貢献することができます。これまで、光反射率が極めて高い純銅は難加工素材とされておりましたが、本製品は銅加工において高水準の品質・深度・加工速度を実現しました。さらに、溶接品質管理のためのモニタリング技術等の開発も引き続き進めております。これらの研究開発により、自動車や船舶における難接合材の溶接等、高度な加工技術でものづくり競争力を支援し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
④国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「高温超電導高安定磁場マグネットシステム技術開発」に参画し、国立研究開発法人産業技術研究機構と共同で高温超電導線と低温超電導線の接続の開発を実施しました。高温超電導線ではMRI マグネットで要求される10 -12Ω 以下の抵抗を達成し、超電導コイルの永久電流実現に成功いたしました。また、低温超電導線と高温超電導線を組み合わせたNMRコイルにおいても永久電流実現に向けた検証を実施しております。今後も、低温超電導と高温超電導を融合した応用開発を進めてまいります。
⑤情報/エネルギー/モビリティが融合した次世代の新しいインフラを考案し社会実装を目指す組織として設立した次世代インフラ創生センターでは、「古河電工グループ ビジョン2030」を具現化するため、安全・安心・快適で地球環境にやさしい社会基盤の創出、さらに社会的受容性のあるコストでのスマートコミュニティの実現を目指し、パートナーの皆様との共創により活動を行っております。再生可能エネルギーにより発電した電力の安定供給に貢献するため、バイポーラ型蓄電池の開発を推進しております。本製品は、シンプルな構造のため電池の高容量化が実現でき、稼働時に空調レスとすることも可能であり電力貯蔵用リチウムイオン蓄電池と比してトータルコストを2分の1以下に抑制できる高い経済性も持ち合わせた電力貯蔵用蓄電池です。また、グリーントラフを地表面に配置し歩車共存の実現に貢献する「インテリジェント歩道®」を自動車技術に関する展示会で出展いたしました。
以上、当該事業に係る研究開発費は10,396百万円であります。
②自動車用バッテリ状態検知センサについて、過充電抑制による燃費向上及び過放電によるバッテリ上がり防止等に貢献しており、拡販及び受注活動とともに、高機能化に向けた開発を継続しております。また、今後予測される車載電子機器の増加やソフトウェアアップデート、自動車の電動化、自動運転化に対して、電源品質を維持する電源マネジメントシステムに関連した製品の開発を行っております。
③雨、雪等の環境下でも安定して物体検知可能な車載用の 24GHz 帯周辺監視レーダの量産を行っております。先進安全運転支援システム高度化に適応するため、後方監視だけでなく前方監視まで機能を拡張した次世代品の量産開始を予定しております。また、建機・農機等向け周辺監視レーダの量産開始も予定しており、作業エリアの安全性向上に貢献する周辺監視レーダの開発も進めてまいります。
④新しいワイヤレス電力伝送方法として期待される電界共振結合方式を用いて、世界で初めて 4.7kW の電力の伝送に成功しております。本方式は、軽量かつ金属異物を加熱し難い特徴を有しており、次世代の電動小型モビリティ、ロボット、無人搬送車などへのワイヤレス給電の適用を想定しております。今後は、窒化ガリウム(GaN)パワーデバイス開発の経験を活かし、さらなる小型・軽量化と大電力・高効率化により、モビリティの電動化に貢献してまいります。
⑤シミュレーション技術及び分析技術を有効活用し、研究開発の効率化を推進しております。ワイヤハーネスなどの自動車用部品は変形・応力シミュレーション、電子機器開発は振動・熱流体シミュレーション、レーダ開発は電磁界シミュレーションを活用したほか、車載ソフト用のアルゴリズム構築についてのモデルベース開発等を行いました。また、触媒等の新材料に対しては、反応器設計のための流体計算や、先端電子顕微鏡を活用しております。 Furukawa Electric Institute of Technology Ltd. (ハンガリー)では、先進的なシミュレーション技術開発に取り組んでおり、車載バッテリの環境負荷を考慮した基礎シミュレーションの構築や触媒構造解析のための分子動力学シミュレーションを実施しました。引き続き、シミュレーション技術及び分析技術を活用し、メカニズムの解明や設計の最適化に加え、試作代替による環境負荷低減への取組みを推進してまいります。
⑥高強度・高導電な銅合金及び貴金属めっきの開発を引き続き行っております。本開発により、電子機器における小型化・大容量化に伴う接続部品(コネクタ、端子等)の多極化・高密度化、発熱の制御、自動車の電動化や車載電子機器の増加に伴う電装品(ワイヤハーネス等)の高電圧化・大電流化への対応が可能となります。
以上、当該事業に係る研究開発費は4,350百万円であります。
②ヒートシンク・ヒートパイプを活用した熱マネジメント(均熱・熱輸送・熱交換)技術により、情報/エネルギー/モビリティ分野の製品(データセンタ、スマートフォン、太陽光発電システム、鉄道、自動車等)の薄型化・軽量化を可能とする研究開発を進めております。エレクトロニクス機器の薄型化、軽量化、高発熱化に対応する製品や、次世代モビリティに向けた熱技術を応用した製品の開発に注力しております。
③通信ネットワークの高速化、高周波数化に対応するインフラ用大型高速サーバー・ルーター向けのプリント基板の需要の高まりから、さらなる高速化に対応した次世代高周波基板用銅箔F1N-WSを開発いたしました。今後、高周波基板用銅箔の製品群を拡充し、高速通信ネットワークの需要に対応してまいります。
以上、当該事業に係る研究開発費は2,051百万円であります。
②研究開発子会社である SuperPower Inc.(米国)において、イットリウム高温超電導線材の研究開発を継続しております。高温超電導線材は、当社製低温超電導線材と併せて用いることにより、次世代エネルギー源と期待される核融合炉や、新素材や先端医薬の開発に欠かせない高磁場マグネットなど、各方面への応用が期待されます。また、顧客の旺盛な需要に応えるため、現工場の近隣地区に新工場を建設、2020年8月に再稼働し、増産体制の構築を行っております。
③オープン・イノベーションによる新事業創出を目的に営業部門と研究部門の連携組織として設立した先行開発センター(現 ソーシャルデザイン統括部)では、VOC(Voice Of Customer)から顧客ニーズを捉え迅速にコンセプトサンプルを作製し、新たな価値を提案する活動を推進しております。新事業の創出に繋げるべく、エネルギーインフラ・モビリティインフラ・ヘルスケア分野などにおいて、当社の技術を活かした実証実験を行っております。
④米国カリフォルニア州のシリコンバレーに開設したSilicon Valley Innovation Laboratories, Furukawa Electricでは、「古河電工グループ ビジョン2030」の実現につながる新技術を獲得することを目的として、スタートアップ企業とのオープン・イノベーションを積極的に推進しております。シリコンバレーを拠点とするアクセラレータや自動車技術協議会などが主催するイベントを通じて、スタートアップ企業情報や最新の技術動向を調査し、実証実験を実施しております。
⑤地球規模の社会課題である温室効果ガス削減に向けて北海道大学との共同研究を進めており、バイオガスをLPガスに変換する技術の開発に取り組んでおります。家畜のふん尿から得られる二酸化炭素とメタンから貯蔵・輸送しやすいLPガスへの創出によって、一般家庭や酪農場等でのエネルギーとしての利用や、災害時用のエネルギーとしての利用も可能となります。本技術は脱炭素社会への貢献に加え、エネルギーの地産地消を促す社会基盤の創出にもつながり、地域循環共生圏の形成にも貢献が期待されます。本技術を社会実装すべく、今後は実証試験を進めていく予定であります。
以上、当該事業に係る研究開発費は3,419百万円であります。
当連結会計年度における研究開発費は、前連結会計年度比6.6%減の20,217百万円とし、各セグメントの主な成果等は次のとおりであります。
(1)インフラ
①次世代の大容量光デジタルコヒーレント通信向け超小型狭線幅制御回路付信号光源(Nano ITLA)の製品化を進めております。本製品は、大幅な小型化と低消費電力化に対応し、かつ超高速光通信に用いられる多値変調の光デジタルコヒーレント通信に要求される狭線幅の特性を有しております。また、光ファイバ通信の伝送特性向上及び伝送距離拡大に有効なインコヒーレント光を用いたラマン増幅用の新しい励起光源FRSi4XXシリーズの製品化も進めております。これらの技術は、5G時代の急激なトラフィックの増大を見据えて世界的に開発が進む600Gbps超の光デジタルコヒーレント通信を支えるキーデバイスです。引き続き次世代光ファイバ通信システムの高速化・大容量化・長距離化を支える技術開発を進め、5Gなど人々の生活利便性の向上に大きく貢献してまいります。②光ファイバ及び光ファイバケーブルについては、長距離用途におけるさらなる高性能化・低コスト化を進めております。また、データセンタや大都市ネットワーク用途で光ファイバネットワークの大容量化・多心化が求められていることから、省スペース化が可能な「ローラブルリボンを搭載した光ファイバケーブル」のさらなる高密度化を推し進めております。国立研究開発法人情報通信研究機構からの委託研究である「空間多重フォトニックノード基板技術の研究開発」及び「マルチコアファイバの実用化加速に向けた研究開発」、並びに総務省からの委託研究である「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」を活用し、将来の超大容量光通信における空間多重技術の長距離幹線系・加入者アクセス系への適用に向けて、光ファイバ及び光ファイバケーブルの製造技術やこれらの性能検証、光ファイバの接続技術並びにマルチコア光増幅技術の検討を行っております。
③ファイバレーザの製品群として、12kWのマルチモードファイバレーザを製品化しております。ビーム品質を良好に維持しつつ高出力化を行うことで、金属の厚板溶接や薄板の高速溶接が可能となり、高付加価値加工の実現及び製造コスト削減に大きく貢献しております。かねてより開発を進めているビームモード制御技術を活用することで、10kW超の高出力レーザを用いた厚板溶接で課題となるスパッタ飛散の抑制、自動車用亜鉛めっき鋼板やアルミニウム合金の高速かつ高品質な溶接を可能としております。また、日亜化学工業株式会社と共同開発した高輝度青色レーザダイオードモジュールを搭載したBlue-IRハイブリッドレーザ「BRACE™」を開発しました。本製品は、電動モビリティ向け主要部品であるリチウムイオン電池、モータ、インバータ等の導体となる銅の溶接工程の生産性向上(品質・加工速度の向上)や製造工程の省人化に貢献することができます。これまで、光反射率が極めて高い純銅は難加工素材とされておりましたが、本製品は銅加工において高水準の品質・深度・加工速度を実現しました。さらに、溶接品質管理のためのモニタリング技術等の開発も引き続き進めております。これらの研究開発により、自動車や船舶における難接合材の溶接等、高度な加工技術でものづくり競争力を支援し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
④国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「高温超電導高安定磁場マグネットシステム技術開発」に参画し、国立研究開発法人産業技術研究機構と共同で高温超電導線と低温超電導線の接続の開発を実施しました。高温超電導線ではMRI マグネットで要求される10 -12Ω 以下の抵抗を達成し、超電導コイルの永久電流実現に成功いたしました。また、低温超電導線と高温超電導線を組み合わせたNMRコイルにおいても永久電流実現に向けた検証を実施しております。今後も、低温超電導と高温超電導を融合した応用開発を進めてまいります。
⑤情報/エネルギー/モビリティが融合した次世代の新しいインフラを考案し社会実装を目指す組織として設立した次世代インフラ創生センターでは、「古河電工グループ ビジョン2030」を具現化するため、安全・安心・快適で地球環境にやさしい社会基盤の創出、さらに社会的受容性のあるコストでのスマートコミュニティの実現を目指し、パートナーの皆様との共創により活動を行っております。再生可能エネルギーにより発電した電力の安定供給に貢献するため、バイポーラ型蓄電池の開発を推進しております。本製品は、シンプルな構造のため電池の高容量化が実現でき、稼働時に空調レスとすることも可能であり電力貯蔵用リチウムイオン蓄電池と比してトータルコストを2分の1以下に抑制できる高い経済性も持ち合わせた電力貯蔵用蓄電池です。また、グリーントラフを地表面に配置し歩車共存の実現に貢献する「インテリジェント歩道®」を自動車技術に関する展示会で出展いたしました。
以上、当該事業に係る研究開発費は10,396百万円であります。
(2)電装エレクトロニクス
①自動車用ワイヤハーネスについて、環境対応、性能向上及び車両軽量化へのニーズに応えるため、アルミ電線のさらなる適用部位拡大を進めております。また、 CASE (Connected:つながる化、 Autonomous:自動運転、 Shared & Services:シェアリング、 Electric:電動化)の進展に対応するため、次世代製品の開発を行っております。②自動車用バッテリ状態検知センサについて、過充電抑制による燃費向上及び過放電によるバッテリ上がり防止等に貢献しており、拡販及び受注活動とともに、高機能化に向けた開発を継続しております。また、今後予測される車載電子機器の増加やソフトウェアアップデート、自動車の電動化、自動運転化に対して、電源品質を維持する電源マネジメントシステムに関連した製品の開発を行っております。
③雨、雪等の環境下でも安定して物体検知可能な車載用の 24GHz 帯周辺監視レーダの量産を行っております。先進安全運転支援システム高度化に適応するため、後方監視だけでなく前方監視まで機能を拡張した次世代品の量産開始を予定しております。また、建機・農機等向け周辺監視レーダの量産開始も予定しており、作業エリアの安全性向上に貢献する周辺監視レーダの開発も進めてまいります。
④新しいワイヤレス電力伝送方法として期待される電界共振結合方式を用いて、世界で初めて 4.7kW の電力の伝送に成功しております。本方式は、軽量かつ金属異物を加熱し難い特徴を有しており、次世代の電動小型モビリティ、ロボット、無人搬送車などへのワイヤレス給電の適用を想定しております。今後は、窒化ガリウム(GaN)パワーデバイス開発の経験を活かし、さらなる小型・軽量化と大電力・高効率化により、モビリティの電動化に貢献してまいります。
⑤シミュレーション技術及び分析技術を有効活用し、研究開発の効率化を推進しております。ワイヤハーネスなどの自動車用部品は変形・応力シミュレーション、電子機器開発は振動・熱流体シミュレーション、レーダ開発は電磁界シミュレーションを活用したほか、車載ソフト用のアルゴリズム構築についてのモデルベース開発等を行いました。また、触媒等の新材料に対しては、反応器設計のための流体計算や、先端電子顕微鏡を活用しております。 Furukawa Electric Institute of Technology Ltd. (ハンガリー)では、先進的なシミュレーション技術開発に取り組んでおり、車載バッテリの環境負荷を考慮した基礎シミュレーションの構築や触媒構造解析のための分子動力学シミュレーションを実施しました。引き続き、シミュレーション技術及び分析技術を活用し、メカニズムの解明や設計の最適化に加え、試作代替による環境負荷低減への取組みを推進してまいります。
⑥高強度・高導電な銅合金及び貴金属めっきの開発を引き続き行っております。本開発により、電子機器における小型化・大容量化に伴う接続部品(コネクタ、端子等)の多極化・高密度化、発熱の制御、自動車の電動化や車載電子機器の増加に伴う電装品(ワイヤハーネス等)の高電圧化・大電流化への対応が可能となります。
以上、当該事業に係る研究開発費は4,350百万円であります。
(3)機能製品
①セルロース繊維の高剛性及び軽量性の特長を活かし、自動車分野など様々な用途での活用が期待されるセルロース繊維強化樹脂の高効率製造法の実用化に向けた検証を行っております。また、プラスチック海洋汚染の対策やCO2排出量削減に取り組むべく、プラスチックパッケージごみをセルロース繊維強化材料にし、当社ケーブル関連商品に使用しております。さらに家庭用消費財の材料に関する開発も行い、環境省の「プラスチック・スマート」にも取り組んでおります。②ヒートシンク・ヒートパイプを活用した熱マネジメント(均熱・熱輸送・熱交換)技術により、情報/エネルギー/モビリティ分野の製品(データセンタ、スマートフォン、太陽光発電システム、鉄道、自動車等)の薄型化・軽量化を可能とする研究開発を進めております。エレクトロニクス機器の薄型化、軽量化、高発熱化に対応する製品や、次世代モビリティに向けた熱技術を応用した製品の開発に注力しております。
③通信ネットワークの高速化、高周波数化に対応するインフラ用大型高速サーバー・ルーター向けのプリント基板の需要の高まりから、さらなる高速化に対応した次世代高周波基板用銅箔F1N-WSを開発いたしました。今後、高周波基板用銅箔の製品群を拡充し、高速通信ネットワークの需要に対応してまいります。
以上、当該事業に係る研究開発費は2,051百万円であります。
(4)サービス・開発等
①超電導製品部では、高機能低温超電導線材の開発・量産化を進めており、お客様の巻線後にコイルを固定するプロセスを不要にする新商品の量産化を開始しております。また、SuperPower Inc.(米国)と連携し、低温超電導線材及び高温超電導線材の新製品の開発を進めております。②研究開発子会社である SuperPower Inc.(米国)において、イットリウム高温超電導線材の研究開発を継続しております。高温超電導線材は、当社製低温超電導線材と併せて用いることにより、次世代エネルギー源と期待される核融合炉や、新素材や先端医薬の開発に欠かせない高磁場マグネットなど、各方面への応用が期待されます。また、顧客の旺盛な需要に応えるため、現工場の近隣地区に新工場を建設、2020年8月に再稼働し、増産体制の構築を行っております。
③オープン・イノベーションによる新事業創出を目的に営業部門と研究部門の連携組織として設立した先行開発センター(現 ソーシャルデザイン統括部)では、VOC(Voice Of Customer)から顧客ニーズを捉え迅速にコンセプトサンプルを作製し、新たな価値を提案する活動を推進しております。新事業の創出に繋げるべく、エネルギーインフラ・モビリティインフラ・ヘルスケア分野などにおいて、当社の技術を活かした実証実験を行っております。
④米国カリフォルニア州のシリコンバレーに開設したSilicon Valley Innovation Laboratories, Furukawa Electricでは、「古河電工グループ ビジョン2030」の実現につながる新技術を獲得することを目的として、スタートアップ企業とのオープン・イノベーションを積極的に推進しております。シリコンバレーを拠点とするアクセラレータや自動車技術協議会などが主催するイベントを通じて、スタートアップ企業情報や最新の技術動向を調査し、実証実験を実施しております。
⑤地球規模の社会課題である温室効果ガス削減に向けて北海道大学との共同研究を進めており、バイオガスをLPガスに変換する技術の開発に取り組んでおります。家畜のふん尿から得られる二酸化炭素とメタンから貯蔵・輸送しやすいLPガスへの創出によって、一般家庭や酪農場等でのエネルギーとしての利用や、災害時用のエネルギーとしての利用も可能となります。本技術は脱炭素社会への貢献に加え、エネルギーの地産地消を促す社会基盤の創出にもつながり、地域循環共生圏の形成にも貢献が期待されます。本技術を社会実装すべく、今後は実証試験を進めていく予定であります。
以上、当該事業に係る研究開発費は3,419百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01332] S100LMSK)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。