有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100NSRN (EDINETへの外部リンク)
井関農機株式会社 事業等のリスク (2021年12月期)
経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいる所存であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
1)経済情勢及び農業環境の変化
当社グループは、農業機械の開発・製造・販売を主な事業内容としております。主な事業基盤である国内農業においては、農業従事者の高齢化、担い手不足による農家戸数の減少等の構造的な課題を抱えています。また、政府による農業政策転換等の影響に加え、天候に左右されやすい農作物の価格次第では農家の購買意欲に影響を及ぼします。
こうした農業機械市場特有の構造に加え、国内外の景気の低迷等により農業機械需要が減少し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2)為替レートの変動
当社グループは、海外事業を展開し、当連結会計年度の連結売上高における海外売上高比率は25.8%です。当社グループが国内で生産し輸出する事業においては、円高の進行により価格競争力の低下を招く可能性があります。また、当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、現地通貨で作成される海外関連会社の財務諸表を円換算しているため、現地通貨における価値が変わらなくても、為替レートの変動による影響を受けます。
当社グループでは、輸出における外貨と円貨の為替折半取引や為替予約に加え、海外生産においての現地調達比率の向上等により、為替リスクの軽減を図っておりますが、外国為替相場の急激な変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3)原材料の価格高騰、調達難、サプライチェーンの混乱
当社グループは、多数の取引先から原材料や部品を調達しており、調達価格が予想を大きく上回る急激な高騰や供給逼迫の長期化、サプライチェーンの停滞等のリスクがあります。また、生産品の出荷・運搬に際し、輸送用コンテナやトラックの不足等から出荷が停滞するリスクがあります。
このようなリスクを回避するため、調達および出荷の両面で取引先を複数とすることや複数の輸送手段等の確保を図っていますが、リスクを完全に払拭できるものではなく、リスクが顕在化した場合、サプライチェーンの停滞に起因する生産減や出荷の停滞、製造コストの上昇による収益性の低下等が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4)特定の取引先、調達先への依存
当社グループの連結売上高のうち、主要販売先上位3社の占める割合は、当連結会計年度において約21%となっております。また、当社製の製品に使用している原材料や購入部品には、調達先が特定されているものがあります。
当社グループと特定の販売先や調達先の取引関係は、安定的に継続しており、今後とも良好な関係を維持していく予定ですが、特定の販売先や調達先の方針変更や業績不振、倒産等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5)他社との競争
当社グループが属する国内農業機械市場においては、現在2025年までに担い手農家のほとんどがデータを活用する「スマート農業の社会実装」が政策目標として掲げられ、先端技術の導入・実証が進んでいます。市場では、スマート農業に対応する高機能製品の開発や、農業資材低減ニーズを受けた低価格化等の面で、知的財産権の獲得を含め競合他社との厳しい競争が展開されております。
海外では、地域ごとに環境は異なりますが、多様なニーズや環境意識の高まりなど、事業環境は常に変化しております。
こうした環境や競争に、当社グループがアフターサービスを含めた商品競争力を強化できなければ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
6)商品やサービスの重大な瑕疵や欠陥の発生
当社グループは、お客さまに満足いただける商品を提供するための品質管理・品質保証体制 を構築し、社内で定められたプロセスに沿って製品の開発・生産・アフターサービスを行っております。また、品質問題の発生に備え、生産物賠償責任保険の加入等によりリスクをヘッジしています。
しかしながら、製品の開発・製造等における品質上のすべてのリスクを排除することは困難であり、商品やサービスに重大な瑕疵や欠陥が発生した場合、または当社グループおよび当社製品への信頼が失われた場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
7)株式市場の動向、土地およびその他の固定資産の価値下落
当社グループは、有価証券で時価のあるもの、および事業用の土地等を保有しております。当連結会計年度末における有価証券で時価のあるものが4,790百万円、土地が44,475百万円となっております。そのため、株価や地価が大きく下落した場合には、減損損失、評価損または売却損等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は有価証券のうち保有目的が純投資目的である投資株式は保有しておりません。当社が保有する政策保有株式については、毎年、取締役会において個別の銘柄ごとに保有に伴う便益やリスク等について、定性と定量の両面から総合的に勘案のうえ、保有の意義を検証しております。検証の結果、保有意義が希薄となった有価証券については、売却検討対象としています。
また、当社グループが保有するその他の固定資産等については、経営環境の著しい悪化等に伴う収益性の低下や、市場価格の下落等により減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
8)環境問題等の公的規制や問題の発生
当社グループは、事業活動をするうえで大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理、有害物質の排除等に関する国内外の環境規制を受けており、規制に対応するために必要な経営資源を投入しています。現状では、環境負荷軽減に対応する商品の生産や事業活動における対応をしておりますが、規制や市場の要求が厳格化した場合のコスト負担や、環境問題発生時の是正措置、訴訟等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
9)国際的な事業活動に伴うリスク
当社グループは、アジアをはじめとして海外にも生産拠点を持ち、また国内の生産拠点において海外の取引先から原材料や部品を調達して生産し、製品を内外の顧客に供給しています。こうした国際的な事業活動をする上で、各国の税・法制度や貿易政策の予期せぬ変化に加え、米中関係等の国際関係の変化や東欧地域をはじめとする紛争等により、サプライチェーンや生産・営業活動が制限を受け、顧客への製品供給に支障をきたす場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループはアジア地域への事業展開に注力しておりますが、主に同地域における人材確保の困難性、未成熟な技術水準や不安定な労使関係などが、当社グループの事業展開を阻害する可能性があります。
これらに対応するため、当社グループでは各国の税制・輸出規制や雇用情勢等の情報収集と分析、関係先との情報共有を行い、必要に応じ操業形態やサプライチェーンの見直し等を行うことにより、事業への影響の低減を図っています。
10)法令違反リスク
当社グループは、法令順守と倫理に基づいた「井関グループ倫理行動規範」を定め、内部統制の体制を整え、グループ一丸となって法令順守及び倫理行動規範の徹底に努めております。それにもかかわらず、当社グループの役職員が法令に違反する行為を行った場合には、当社グループの事業活動が制限され、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
11)自然災害や予期せぬ事故、感染症の拡大等に関するリスク
当社グループの国内外の主要拠点において、地震、台風、水害等の自然災害、予期せぬ事故、感染症等が発生した場合、当社グループの事業活動に直接的または間接的に影響を受ける場合があります。
そのような場合に備え、被害を極小化し、事業の継続を図るべく、火災や風水害の各種保険の付保に加え、事業継続計画を整備しその対応に努めておりますが、実際に発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、従業員への安全面・健康面への配慮を優先しつつ、政府や地方自治体の指針にしたがい、出張制限や勤務形態の見直しをはじめ、Webを活用した各種施策の継続的な実施により、事業活動への影響の低減を図っております。しかしながら、感染拡大の事態が深刻化、長期化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
12)他社との業務提携、合弁事業及び戦略的投資
当社グループは、必要に応じて他社との業務提携、合弁事業、戦略的投資を行うことがあります。これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに開発、生産、販売するうえで有効な手段であると当社グループは考えております。
しかしながら、業務提携や合弁事業において、財政状態やその他の理由により、当事者間で利害の不一致が生じた場合には、提携を維持できなくなる可能性があります。また、買収等戦略的投資については、事業、技術、商品及び人材などの統合において、期待する成果や効果が得られない可能性があり時間や費用などが想定以上にかかる可能性があります。従って、これらの施策の成否は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
13)借入金のリスク
当社は、取引金融機関とシンジケート・ローン契約及びコミットメント・ライン契約を締結しており、これらの契約に付されている財務制限条項に抵触した場合には、借入金の繰上返済義務が生じる可能性があり、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当連結会計年度末における当社グループの借入金の連結貸借対照表計上額は、54,939百万円と、総資産の29.3%を占めております。そのため、借入金利の上昇により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループでは、固定金利等の種々の借入条件を適宜組み合わせることで、急激な金利変動に備えております。
14)人材の確保、人材不足
当社グループが持続的成長と企業価値の向上を果たしていくためには、それを実現する優秀な人材が必要です。そのため、従業員の離職や、事業に必要な人材の確保・育成が進まなかった場合は、長期的に当社グループの競争力が低下し、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
これらに対応するため、当社グループは、従業員エンゲージメント向上に向けた取り組みを強化するとともに、国籍や性別を問わず、優れた知識・能力・経験を有する人材の採用・育成を進めています。また、人材の適正配置や業務効率化などを通じて従業員がより働きやすい職場づくりを進めるとともに、事業のグローバル化や技術革新に伴う専門性の深化に対応するため、設計基本技術トレーニングセンター(IETC)、ヰセキテクニカルトレーニングセンター(ITTC)、ISEKIグローバルトレーニングセンター(IGTC)を設置し、研修の充実により、開発・生産・営業サービス等の「人づくり」を強化しています。
15)情報セキュリティのリスク
当社グループは、業務上必要となる個人情報を含む各種の情報を情報システム上で管理しております。これらの情報管理につきましては取扱規程の整備やコンピュータウイルス対策の実施、データセンタやクラウドサービス等を活用し、セキュリティ対策の強化に努めております。
しかしながら、サイバー攻撃による不正アクセスやコンピュータウイルス感染等により、情報漏洩及びシステム停止・破損等が発生した場合、当社グループの信用が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
16)気候変動のリスク
気候変動は、当社グループの事業基盤である農業においては、作物体系の変化や農地の減少などにより需給が変動し、当社グループの商品構成や販売量をはじめ事業活動全般に大きな影響を及ぼし、適切な対応ができなければ業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
気温上昇を+2℃未満に抑えるシナリオ(主として移行リスク)においては、脱炭素化に向けた政府等の規制強化による運営コストや脱炭素化の進展に伴う調達コストの増加、脱炭素需要に対応できないことによる事業機会の損失等が、業績に影響を与える可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループは、再生可能エネルギーの活用、エネルギー消費の低減等により、影響の抑制を図っていきます。一方、脱炭素化に向けた農業機械や農法の変化は、当社グループにとって事業展開の機会でもあると分析しています。例をあげますと、農業機械の電動化や効率的な農作業や施肥の最適化のためのロボット農機・スマート農機の導入、また農業分野のGHG排出の一定割合を占める水田のメタン排出量削減に資する農法の普及が進み、それらへのソリューションの需要拡大が想定されます。
また、気温上昇が+4℃となるシナリオ(主として物理的リスク)においては、風水害の甚大化によるサプライチェーンを含む生産・販売拠点などの被災影響、また、平均気温上昇に伴う稲作可能地域の減少や米の品質低下等を受け稲作用の農機需要の減少が懸念され、業績に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは、事業継続計画の継続的見直し、商品構成や販売網の見直し等により、影響の抑制を図っていきます。一方、自然環境の変化に対応するため、ロボット農機による農作業の代替関連技術、AIによる気象データ・生育データの分析の自律化等、持続可能な農業生産基盤の構築に資するソリューションの需要拡大が見込まれ、これらは当社グループにとって事業展開の機会でもあると分析しています。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいる所存であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
1)経済情勢及び農業環境の変化
当社グループは、農業機械の開発・製造・販売を主な事業内容としております。主な事業基盤である国内農業においては、農業従事者の高齢化、担い手不足による農家戸数の減少等の構造的な課題を抱えています。また、政府による農業政策転換等の影響に加え、天候に左右されやすい農作物の価格次第では農家の購買意欲に影響を及ぼします。
こうした農業機械市場特有の構造に加え、国内外の景気の低迷等により農業機械需要が減少し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2)為替レートの変動
当社グループは、海外事業を展開し、当連結会計年度の連結売上高における海外売上高比率は25.8%です。当社グループが国内で生産し輸出する事業においては、円高の進行により価格競争力の低下を招く可能性があります。また、当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、現地通貨で作成される海外関連会社の財務諸表を円換算しているため、現地通貨における価値が変わらなくても、為替レートの変動による影響を受けます。
当社グループでは、輸出における外貨と円貨の為替折半取引や為替予約に加え、海外生産においての現地調達比率の向上等により、為替リスクの軽減を図っておりますが、外国為替相場の急激な変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3)原材料の価格高騰、調達難、サプライチェーンの混乱
当社グループは、多数の取引先から原材料や部品を調達しており、調達価格が予想を大きく上回る急激な高騰や供給逼迫の長期化、サプライチェーンの停滞等のリスクがあります。また、生産品の出荷・運搬に際し、輸送用コンテナやトラックの不足等から出荷が停滞するリスクがあります。
このようなリスクを回避するため、調達および出荷の両面で取引先を複数とすることや複数の輸送手段等の確保を図っていますが、リスクを完全に払拭できるものではなく、リスクが顕在化した場合、サプライチェーンの停滞に起因する生産減や出荷の停滞、製造コストの上昇による収益性の低下等が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4)特定の取引先、調達先への依存
当社グループの連結売上高のうち、主要販売先上位3社の占める割合は、当連結会計年度において約21%となっております。また、当社製の製品に使用している原材料や購入部品には、調達先が特定されているものがあります。
当社グループと特定の販売先や調達先の取引関係は、安定的に継続しており、今後とも良好な関係を維持していく予定ですが、特定の販売先や調達先の方針変更や業績不振、倒産等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5)他社との競争
当社グループが属する国内農業機械市場においては、現在2025年までに担い手農家のほとんどがデータを活用する「スマート農業の社会実装」が政策目標として掲げられ、先端技術の導入・実証が進んでいます。市場では、スマート農業に対応する高機能製品の開発や、農業資材低減ニーズを受けた低価格化等の面で、知的財産権の獲得を含め競合他社との厳しい競争が展開されております。
海外では、地域ごとに環境は異なりますが、多様なニーズや環境意識の高まりなど、事業環境は常に変化しております。
こうした環境や競争に、当社グループがアフターサービスを含めた商品競争力を強化できなければ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
6)商品やサービスの重大な瑕疵や欠陥の発生
当社グループは、お客さまに満足いただける商品を提供するための品質管理・品質保証体制 を構築し、社内で定められたプロセスに沿って製品の開発・生産・アフターサービスを行っております。また、品質問題の発生に備え、生産物賠償責任保険の加入等によりリスクをヘッジしています。
しかしながら、製品の開発・製造等における品質上のすべてのリスクを排除することは困難であり、商品やサービスに重大な瑕疵や欠陥が発生した場合、または当社グループおよび当社製品への信頼が失われた場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
7)株式市場の動向、土地およびその他の固定資産の価値下落
当社グループは、有価証券で時価のあるもの、および事業用の土地等を保有しております。当連結会計年度末における有価証券で時価のあるものが4,790百万円、土地が44,475百万円となっております。そのため、株価や地価が大きく下落した場合には、減損損失、評価損または売却損等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は有価証券のうち保有目的が純投資目的である投資株式は保有しておりません。当社が保有する政策保有株式については、毎年、取締役会において個別の銘柄ごとに保有に伴う便益やリスク等について、定性と定量の両面から総合的に勘案のうえ、保有の意義を検証しております。検証の結果、保有意義が希薄となった有価証券については、売却検討対象としています。
また、当社グループが保有するその他の固定資産等については、経営環境の著しい悪化等に伴う収益性の低下や、市場価格の下落等により減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
8)環境問題等の公的規制や問題の発生
当社グループは、事業活動をするうえで大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理、有害物質の排除等に関する国内外の環境規制を受けており、規制に対応するために必要な経営資源を投入しています。現状では、環境負荷軽減に対応する商品の生産や事業活動における対応をしておりますが、規制や市場の要求が厳格化した場合のコスト負担や、環境問題発生時の是正措置、訴訟等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
9)国際的な事業活動に伴うリスク
当社グループは、アジアをはじめとして海外にも生産拠点を持ち、また国内の生産拠点において海外の取引先から原材料や部品を調達して生産し、製品を内外の顧客に供給しています。こうした国際的な事業活動をする上で、各国の税・法制度や貿易政策の予期せぬ変化に加え、米中関係等の国際関係の変化や東欧地域をはじめとする紛争等により、サプライチェーンや生産・営業活動が制限を受け、顧客への製品供給に支障をきたす場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループはアジア地域への事業展開に注力しておりますが、主に同地域における人材確保の困難性、未成熟な技術水準や不安定な労使関係などが、当社グループの事業展開を阻害する可能性があります。
これらに対応するため、当社グループでは各国の税制・輸出規制や雇用情勢等の情報収集と分析、関係先との情報共有を行い、必要に応じ操業形態やサプライチェーンの見直し等を行うことにより、事業への影響の低減を図っています。
10)法令違反リスク
当社グループは、法令順守と倫理に基づいた「井関グループ倫理行動規範」を定め、内部統制の体制を整え、グループ一丸となって法令順守及び倫理行動規範の徹底に努めております。それにもかかわらず、当社グループの役職員が法令に違反する行為を行った場合には、当社グループの事業活動が制限され、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
11)自然災害や予期せぬ事故、感染症の拡大等に関するリスク
当社グループの国内外の主要拠点において、地震、台風、水害等の自然災害、予期せぬ事故、感染症等が発生した場合、当社グループの事業活動に直接的または間接的に影響を受ける場合があります。
そのような場合に備え、被害を極小化し、事業の継続を図るべく、火災や風水害の各種保険の付保に加え、事業継続計画を整備しその対応に努めておりますが、実際に発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、従業員への安全面・健康面への配慮を優先しつつ、政府や地方自治体の指針にしたがい、出張制限や勤務形態の見直しをはじめ、Webを活用した各種施策の継続的な実施により、事業活動への影響の低減を図っております。しかしながら、感染拡大の事態が深刻化、長期化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
12)他社との業務提携、合弁事業及び戦略的投資
当社グループは、必要に応じて他社との業務提携、合弁事業、戦略的投資を行うことがあります。これらの施策は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに開発、生産、販売するうえで有効な手段であると当社グループは考えております。
しかしながら、業務提携や合弁事業において、財政状態やその他の理由により、当事者間で利害の不一致が生じた場合には、提携を維持できなくなる可能性があります。また、買収等戦略的投資については、事業、技術、商品及び人材などの統合において、期待する成果や効果が得られない可能性があり時間や費用などが想定以上にかかる可能性があります。従って、これらの施策の成否は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
13)借入金のリスク
当社は、取引金融機関とシンジケート・ローン契約及びコミットメント・ライン契約を締結しており、これらの契約に付されている財務制限条項に抵触した場合には、借入金の繰上返済義務が生じる可能性があり、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当連結会計年度末における当社グループの借入金の連結貸借対照表計上額は、54,939百万円と、総資産の29.3%を占めております。そのため、借入金利の上昇により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループでは、固定金利等の種々の借入条件を適宜組み合わせることで、急激な金利変動に備えております。
14)人材の確保、人材不足
当社グループが持続的成長と企業価値の向上を果たしていくためには、それを実現する優秀な人材が必要です。そのため、従業員の離職や、事業に必要な人材の確保・育成が進まなかった場合は、長期的に当社グループの競争力が低下し、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
これらに対応するため、当社グループは、従業員エンゲージメント向上に向けた取り組みを強化するとともに、国籍や性別を問わず、優れた知識・能力・経験を有する人材の採用・育成を進めています。また、人材の適正配置や業務効率化などを通じて従業員がより働きやすい職場づくりを進めるとともに、事業のグローバル化や技術革新に伴う専門性の深化に対応するため、設計基本技術トレーニングセンター(IETC)、ヰセキテクニカルトレーニングセンター(ITTC)、ISEKIグローバルトレーニングセンター(IGTC)を設置し、研修の充実により、開発・生産・営業サービス等の「人づくり」を強化しています。
15)情報セキュリティのリスク
当社グループは、業務上必要となる個人情報を含む各種の情報を情報システム上で管理しております。これらの情報管理につきましては取扱規程の整備やコンピュータウイルス対策の実施、データセンタやクラウドサービス等を活用し、セキュリティ対策の強化に努めております。
しかしながら、サイバー攻撃による不正アクセスやコンピュータウイルス感染等により、情報漏洩及びシステム停止・破損等が発生した場合、当社グループの信用が低下し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
16)気候変動のリスク
気候変動は、当社グループの事業基盤である農業においては、作物体系の変化や農地の減少などにより需給が変動し、当社グループの商品構成や販売量をはじめ事業活動全般に大きな影響を及ぼし、適切な対応ができなければ業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
気温上昇を+2℃未満に抑えるシナリオ(主として移行リスク)においては、脱炭素化に向けた政府等の規制強化による運営コストや脱炭素化の進展に伴う調達コストの増加、脱炭素需要に対応できないことによる事業機会の損失等が、業績に影響を与える可能性があります。このようなリスクに対し、当社グループは、再生可能エネルギーの活用、エネルギー消費の低減等により、影響の抑制を図っていきます。一方、脱炭素化に向けた農業機械や農法の変化は、当社グループにとって事業展開の機会でもあると分析しています。例をあげますと、農業機械の電動化や効率的な農作業や施肥の最適化のためのロボット農機・スマート農機の導入、また農業分野のGHG排出の一定割合を占める水田のメタン排出量削減に資する農法の普及が進み、それらへのソリューションの需要拡大が想定されます。
また、気温上昇が+4℃となるシナリオ(主として物理的リスク)においては、風水害の甚大化によるサプライチェーンを含む生産・販売拠点などの被災影響、また、平均気温上昇に伴う稲作可能地域の減少や米の品質低下等を受け稲作用の農機需要の減少が懸念され、業績に影響を与える可能性があります。これらのリスクに対して、当社グループは、事業継続計画の継続的見直し、商品構成や販売網の見直し等により、影響の抑制を図っていきます。一方、自然環境の変化に対応するため、ロボット農機による農作業の代替関連技術、AIによる気象データ・生育データの分析の自律化等、持続可能な農業生産基盤の構築に資するソリューションの需要拡大が見込まれ、これらは当社グループにとって事業展開の機会でもあると分析しています。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01563] S100NSRN)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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