有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OE5V (EDINETへの外部リンク)
レイズネクスト株式会社 研究開発活動 (2022年3月期)
当社グループの研究開発活動は、当社が顧客に提供するソリューション・サービスに係る技術力の強化を目指して取り組んでいるものであります。
当連結会計年度は第2次中期経営計画の初年度として、「メンテナンス事業の強化」をキーワードに活動を展開しました。具体的には、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化、および現場業務のIT化を踏まえ、DX(Digital Transformation)の推進を目指し、各種先進技術の活用・導入を図ってまいりました。
なお、当期の研究開発費の総額は85百万円であり、主な取組みは次のとおりです。
(1)メンテナンス作業の機械化
既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化および安全性の向上を目的とした作業の機械化に取り組みました。
①熱交換器のメンテナンスに関連する技術
熱交換器のカバー類の脱着について、狭所における支保工材を活用した工法の改善策としてより軽量で取扱いが容易な部材の採用や冶具の開発を行いました。また、熱交換器の開放作業において、高温高圧の環境下で使用される事によって発生するボルトの焼き付き、かじりの対応策として、従来の火気によるボルトの溶断や手作業による切断に代わり、より安全で効率的な工法として既存製品を応用した無火気切断工法を確立しました。今後は現場での実績を蓄積し、これらの標準化を図ってまいります。
さらに、技術者不足の懸念がある熱交換機チューブバンドルのリチュービング作業や内面洗浄の非熟練化や機械化への取組みを開始しました。当期においては、既存製品の作業性の評価を中心に活動を実施し、来期以降は当社オリジナル製品の開発も視野に活動を進めてまいります。
②配管切断技術
以前より活動を実施しているウォータージェットを利用した切断機に関して、配管の外径に限定されていた工具をフレキシブルに対応すべく専用機材の設計を行いました。来期は設計した機材の製作と現場への適用実績を蓄積し、更なる改良を重ね、既存の技術を含むコールドカッティング技術全体のメニュー化を図ってまいります。
③自動溶接の適用範囲拡大
当期においてはタンク側板自動溶接の適用範囲を縦継手まで拡大すべく、溶接条件の検討並びに実験を行ってまいりました。板厚による溶接条件の確立や安定した溶接の品質確保を目標に、来期も当期で得られた知見を元に、現場への適用を目指してまいります。
④溶接士不足への対応
将来的に溶接士の不足が懸念されることから、前期に引き続き、自動溶接機による配管の溶接実験を継続して行いました。現場適用を目標に進めておりましたが、溶接条件や機材の特性から現場への適用は難易度が高い事が分かり、導入には至っておりません。今後は現場適用だけではなく、弊社工場での活用も視野にいれ、検討を継続してまいります。
今後も、メンテナンス技術力の強化を目標にメンテナンス作業の機械化を進めてまいります。
(2)現場業務のIT化
現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化するとともに業務品質を向上させることを目指して、ITツールの開発とその活用法に取り組みました。
①工事情報共有化・工事進捗管理システム
当社が自社開発した工事情報共有化・工事進捗管理システム(SPIRIT)は、多くの定期修理工事現場においてお客様や他の元請会社にご活用いただいております。当該システムの開発、運用から7年が経過したことから、最新のIT技術を活用してこれまで以上にユーザーフレンドリーなシステムにすべく抜本的に見直し、再構築するためにPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施いたしました。このPoCによって、新たに開発する機能等の実現性が検証できたことを受け、前期より社内外のユーザーをメンバーとするプロジェクト体制を組んで開発を実施してまいりました。その結果、計画通り開発を完了し、2022年1月に現場への初回導入を実施いたしましたが、社内外から高い評価を得ることができました。来期以降も継続して必要な機能の開発を行いつつ、並行して定期修理工事現場へ積極的に導入してまいります。
②位置情報管理技術の開発
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を用いて現場機器等の管理を行うため、位置情報管理システムの開発を進めておりますが、近距離無線通信の活用によって位置測位精度の向上を図ることができました。これをGPS技術と組み合わせることで広域における大まかな位置情報と狭域における精度の高い位置情報の取得が可能となりました。今後は、現場での適用拡大を図り、標準化を目指してまいります。
③VR(Virtual Reality:バーチャル・リアリティ、仮想現実)映像の現場活用
前期は安全体感VRの有効性を検証し、現場での安全教育へ導入、運用を実施いたしました。当期は以前より開発しておりました、熱交換器チューブバンドルの抜出、挿入に使用するハイドロエキストラクターの操作VRの制作を完了させました。来期には弊社内の教育に生かすべく、活用ならびに展開を図ってまいります。
④AI(Artificial Intelligence:人工知能)
AIを現場管理業務に適用するため、「予測系AI」「認識系AI」「対話系AI」によってどのような現場業務に効果が見出せるか、の検討を開始しました。また、AIを活用した各種ツールが急速に普及しておりますが、その有効性と現場活用について調査を実施しました。
これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく、働き方改革にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指して継続的に推進してまいります。
(3)その他の技術等
①溶接技術の確立
溶接補修により溶接熱影響部のクリープ寿命に著しい影響を及ぼすといわれている材料について、適切な溶接技術を確立するための材料評価を実施してまいりました。基礎データの採取を経て、溶接補修を施した試験片の製作と硬度およびクリープ試験によるデータ採取しました。さらに基礎データと比較することで溶接欠陥への対処に関する知見を獲得し、リスクを回避した溶接施工方法を確立、目標の一つであった電気事業法への対応も完了した事から、当社の補修技術として展開を図ってまいります。
②FREND検査™
当社は、熱交換器、ボイラチューブの内・外面腐食検査を高精度かつ迅速に行うことができる、独自の検査技術(FREND検査™)を有しております。この技術をUベンドを有する熱交換器チューブに適用すべく、曲率半径の小さなUベンド部を通過できるセンサの開発に着手し、良好な結果を得ることができました。さらに異なる型式の熱交換器チューブへの適用を目指して開発を進めておりましたが、当期において十分な実績と知見を得られましたので、対応範囲を拡大し、顧客の拡大に努めてまいります。
③ドローンの活用
活用法が急拡大しているドローン技術について、点検・検査に止まらずメンテナンス現場やエンジニアリング分野での活用について検討を実施しました。プラント設備内や配管内の点検、メンテナンスを中心に検討を行いましたが、マルチパスと呼ばれる電波干渉の影響で、機器内部で墜落するリスクがある事から、導入には至りませんでした。今後は屋外飛行による施工記録、外面検査等への適用に向けて調査、検証を継続します。
④Liderの活用
新型iPhoneに実装されたLider(レーザー光を照射し、物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定する技術)を活用した、現場採寸業務と設計図への反映について検討を開始しました。測定精度の問題から設計業務への活用は困難であると分かりましたが、その他業務への活用を含めて検証を継続してまいります。
当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラント設備の老朽化が進み、安全・安定操業に対するニーズの高まりや経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス請負企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が早急に求められております。
当社グループはこれからも、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発活動を実施してまいります。研究開発のテーマ選定にあたっては、これまでどおり国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、第2次中期経営計画に掲げたDXの推進に向けて、2021年6月に発足した当社新組織「DX推進室」を中心に、他部署との連携を強化し、デジタル技術や先進技術を活用したテーマを積極的に推進してまいります。
当連結会計年度は第2次中期経営計画の初年度として、「メンテナンス事業の強化」をキーワードに活動を展開しました。具体的には、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化、および現場業務のIT化を踏まえ、DX(Digital Transformation)の推進を目指し、各種先進技術の活用・導入を図ってまいりました。
なお、当期の研究開発費の総額は85百万円であり、主な取組みは次のとおりです。
(1)メンテナンス作業の機械化
既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化および安全性の向上を目的とした作業の機械化に取り組みました。
①熱交換器のメンテナンスに関連する技術
熱交換器のカバー類の脱着について、狭所における支保工材を活用した工法の改善策としてより軽量で取扱いが容易な部材の採用や冶具の開発を行いました。また、熱交換器の開放作業において、高温高圧の環境下で使用される事によって発生するボルトの焼き付き、かじりの対応策として、従来の火気によるボルトの溶断や手作業による切断に代わり、より安全で効率的な工法として既存製品を応用した無火気切断工法を確立しました。今後は現場での実績を蓄積し、これらの標準化を図ってまいります。
さらに、技術者不足の懸念がある熱交換機チューブバンドルのリチュービング作業や内面洗浄の非熟練化や機械化への取組みを開始しました。当期においては、既存製品の作業性の評価を中心に活動を実施し、来期以降は当社オリジナル製品の開発も視野に活動を進めてまいります。
②配管切断技術
以前より活動を実施しているウォータージェットを利用した切断機に関して、配管の外径に限定されていた工具をフレキシブルに対応すべく専用機材の設計を行いました。来期は設計した機材の製作と現場への適用実績を蓄積し、更なる改良を重ね、既存の技術を含むコールドカッティング技術全体のメニュー化を図ってまいります。
③自動溶接の適用範囲拡大
当期においてはタンク側板自動溶接の適用範囲を縦継手まで拡大すべく、溶接条件の検討並びに実験を行ってまいりました。板厚による溶接条件の確立や安定した溶接の品質確保を目標に、来期も当期で得られた知見を元に、現場への適用を目指してまいります。
④溶接士不足への対応
将来的に溶接士の不足が懸念されることから、前期に引き続き、自動溶接機による配管の溶接実験を継続して行いました。現場適用を目標に進めておりましたが、溶接条件や機材の特性から現場への適用は難易度が高い事が分かり、導入には至っておりません。今後は現場適用だけではなく、弊社工場での活用も視野にいれ、検討を継続してまいります。
今後も、メンテナンス技術力の強化を目標にメンテナンス作業の機械化を進めてまいります。
(2)現場業務のIT化
現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化するとともに業務品質を向上させることを目指して、ITツールの開発とその活用法に取り組みました。
①工事情報共有化・工事進捗管理システム
当社が自社開発した工事情報共有化・工事進捗管理システム(SPIRIT)は、多くの定期修理工事現場においてお客様や他の元請会社にご活用いただいております。当該システムの開発、運用から7年が経過したことから、最新のIT技術を活用してこれまで以上にユーザーフレンドリーなシステムにすべく抜本的に見直し、再構築するためにPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施いたしました。このPoCによって、新たに開発する機能等の実現性が検証できたことを受け、前期より社内外のユーザーをメンバーとするプロジェクト体制を組んで開発を実施してまいりました。その結果、計画通り開発を完了し、2022年1月に現場への初回導入を実施いたしましたが、社内外から高い評価を得ることができました。来期以降も継続して必要な機能の開発を行いつつ、並行して定期修理工事現場へ積極的に導入してまいります。
②位置情報管理技術の開発
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を用いて現場機器等の管理を行うため、位置情報管理システムの開発を進めておりますが、近距離無線通信の活用によって位置測位精度の向上を図ることができました。これをGPS技術と組み合わせることで広域における大まかな位置情報と狭域における精度の高い位置情報の取得が可能となりました。今後は、現場での適用拡大を図り、標準化を目指してまいります。
③VR(Virtual Reality:バーチャル・リアリティ、仮想現実)映像の現場活用
前期は安全体感VRの有効性を検証し、現場での安全教育へ導入、運用を実施いたしました。当期は以前より開発しておりました、熱交換器チューブバンドルの抜出、挿入に使用するハイドロエキストラクターの操作VRの制作を完了させました。来期には弊社内の教育に生かすべく、活用ならびに展開を図ってまいります。
④AI(Artificial Intelligence:人工知能)
AIを現場管理業務に適用するため、「予測系AI」「認識系AI」「対話系AI」によってどのような現場業務に効果が見出せるか、の検討を開始しました。また、AIを活用した各種ツールが急速に普及しておりますが、その有効性と現場活用について調査を実施しました。
これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく、働き方改革にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指して継続的に推進してまいります。
(3)その他の技術等
①溶接技術の確立
溶接補修により溶接熱影響部のクリープ寿命に著しい影響を及ぼすといわれている材料について、適切な溶接技術を確立するための材料評価を実施してまいりました。基礎データの採取を経て、溶接補修を施した試験片の製作と硬度およびクリープ試験によるデータ採取しました。さらに基礎データと比較することで溶接欠陥への対処に関する知見を獲得し、リスクを回避した溶接施工方法を確立、目標の一つであった電気事業法への対応も完了した事から、当社の補修技術として展開を図ってまいります。
②FREND検査™
当社は、熱交換器、ボイラチューブの内・外面腐食検査を高精度かつ迅速に行うことができる、独自の検査技術(FREND検査™)を有しております。この技術をUベンドを有する熱交換器チューブに適用すべく、曲率半径の小さなUベンド部を通過できるセンサの開発に着手し、良好な結果を得ることができました。さらに異なる型式の熱交換器チューブへの適用を目指して開発を進めておりましたが、当期において十分な実績と知見を得られましたので、対応範囲を拡大し、顧客の拡大に努めてまいります。
③ドローンの活用
活用法が急拡大しているドローン技術について、点検・検査に止まらずメンテナンス現場やエンジニアリング分野での活用について検討を実施しました。プラント設備内や配管内の点検、メンテナンスを中心に検討を行いましたが、マルチパスと呼ばれる電波干渉の影響で、機器内部で墜落するリスクがある事から、導入には至りませんでした。今後は屋外飛行による施工記録、外面検査等への適用に向けて調査、検証を継続します。
④Liderの活用
新型iPhoneに実装されたLider(レーザー光を照射し、物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定する技術)を活用した、現場採寸業務と設計図への反映について検討を開始しました。測定精度の問題から設計業務への活用は困難であると分かりましたが、その他業務への活用を含めて検証を継続してまいります。
当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラント設備の老朽化が進み、安全・安定操業に対するニーズの高まりや経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス請負企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が早急に求められております。
当社グループはこれからも、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発活動を実施してまいります。研究開発のテーマ選定にあたっては、これまでどおり国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、第2次中期経営計画に掲げたDXの推進に向けて、2021年6月に発足した当社新組織「DX推進室」を中心に、他部署との連携を強化し、デジタル技術や先進技術を活用したテーマを積極的に推進してまいります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01577] S100OE5V)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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