有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100O9A6 (EDINETへの外部リンク)
株式会社タダノ 研究開発活動 (2022年3月期)
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動のほとんどは、当社の開発部門及び技術研究部門で行われており、両部門では国内及び海外の市場ニーズに即したクレーン車、高所作業車及びそれらの応用製品、新技術・先端技術の研究開発活動を行っております。開発部門では近年、国内外での次期排ガス規制対応と脱炭素化に向けた研究・開発に取組んでおります。一方、技術研究部門では大学や他企業との共同研究等を通じ、AI等の最新ICT技術を活用して、作業容易化、自動化、省力化等に関する技術開発に取組むことで、より安全で迅速、効率的な作業の実現を目指しております。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動に要した金額は、研究材料費、人件費等、総額7,976百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な研究開発活動は、次のとおりであります。
(1)日本
①技術研究部門の取り組み
技術研究部門は、当社製品が使われる建設業現場でのより安全な作業環境確保の要請や、少子高齢化による生産年齢人口の減少を背景に、建設施工の安全性と生産性の向上を目指し、未来を見据えた新技術開発に取り組んでおります。その取り組みの一部として、次のようなものがあります。
研究開発を加速させるために、従来の構造解析に加え、油圧・空圧の流体解析、制御シミュレーションや安全解析に注力しています。対象領域も、機械自体の状態検出という内界センシングから機械周囲の外界センシング、さらに環境認識へと範囲を広げた研究開発に取り組んでおります。
また、建設業界で適用が進むBIM(Building Information Modeling:建設、建築、土木エンジニアリングにおいて、コンピューター上に作成した3次元モデルを活用し、建物やインフラをより効率的に計画、設計、施工、管理する取り組み)に対し、安全性と生産性の向上のため、機械とBIMを連携させる技術の開発に取り組み、当社の建設用クレーンについてのBIMデータを公開しています。加えて、APIを介したFMS(Fleet Management System)へのテレマティクスデータの提供や、クレーン性能提供サービスといったLift APIも展開してまいります。これにより、当社のクレーンを用いた施工計画や機械の保守をより容易に行っていただくことが可能となります。
大学との共同研究においては、包括連携共同研究を行っている京都大学との間で、その対象分野をこれまでの工学/情報学から人文分野へと広げるとともに、クレーン操作にAIを適用するコンペティションを開催する等、オープンイノベーションへも積極的に取り組んでおります。
②日本市場向けラフテレーンクレーン GR-130NL/N(2W)の開発、発売
・特長
1)従来の1ウインチ仕様に加え、新たに2ウインチ仕様を設定
2)旋回後端半径を40mm短縮し1,560mmとすることで、狭所での作業も可能なコンパクトなクレーンを実現
3)従来機から継続する俯瞰映像表示装置「ワイドサイトビュー」に加えて、新たに作業用後方監視カメラとウインチドラム監視カメラをオプション設定
4)運転席からは確認しづらい車両左前方の歩行者や自転車などに乗った人物を検知し、ドライバーへ警報を出す人物検知警報装置「ヒューマンアラートシステム」を標準装備
5)ディーゼル特殊自動車2014年排ガス規制適合エンジンを搭載、「燃料消費モニタ」や「エコ・モード」機能を搭載し、CO2排出削減や低騒音作業など環境に配慮した操作をサポート
6)テレマティクスWeb情報サービス「HELLO-NET」、スマートフォン対応アプリ「HELLO-DATA LINK」を標準装備
③日本市場向けラフテレーンクレーン GR-160Nの開発、発売
・特長
1)従来機の車両寸法・重量を維持したまま、最大ブーム長さ28.0mとし、従来機から0.5m延長
2)クレーン操作レバーの操作量に応じて適切なエンジン回転に制御する「オートアクセル」、クレーン非操作時に油圧ポンプを停止する「ポンプオートストップ」を搭載し、作業効率と環境に配慮した操作をサポート
3)運転席内のカラー・タッチパネルディスプレイを12.1インチへ大型化、クレーンの作業情報や各種操作設定の機能を集約
4)新たに左後方カメラ、旋回台後方カメラ及び旋回台左後方カメラを追加し、計5台のカメラを標準装備
5)テレマティクスWeb情報サービス「HELLO-NET」、スマートフォン対応アプリ「HELLO-DATA LINK」を標準装備
④日本市場向けラフテレーンクレーン GR-250Nの開発、発売
・特長
1)環境性能に優れた次世代ディーゼルエンジンを搭載
2)クレーン操作レバーの操作量に応じて適切なエンジン回転に制御する「オートアクセル」、クレーン非操作時に油圧ポンプを停止する「ポンプオートストップ」を搭載し、作業効率と環境に配慮した操作をサポート
3)運転席内のカラー・タッチパネルディスプレイを12.1インチへ大型化、クレーンの作業情報や各種操作設定の機能を集約
4)新たに左前方カメラ、旋回台後方カメラ及び旋回台左後方カメラを追加し、計7台のカメラを標準装備
5)テレマティクスWeb情報サービス「HELLO-NET」、スマートフォン対応アプリ「HELLO-DATA LINK」を標準装備
⑤日本市場向けラフテレーンクレーンGR-250N用電動パワーユニットE-PACKの開発、市場投入
・特長
1)太平電業株式会社とラフテレーンクレーン用電動パワーユニットを共同開発し、太平電業株式会社に先行導入
2)外部電源により電動機駆動の油圧ポンプを作動させることで、エンジンを始動させることなくクレーン作業が可能
3)クレーン作業中の燃料消費がなくなりCO2排出量ゼロを実現(約15t/年のCO2排出量削減)
⑥日本市場向け高所作業車 ハイパーデッキAT-530CGの開発、発売
・特長
1)車両総重量25t未満新規格車の機動性で、国産最大の最大地上高52.8m、最大作業半径26.8m(積載荷重120kg時)を実現
2)上部(バスケット)操作部、下部(旋回台)操作部に当社として初めてカラー液晶モニタ(LCD)を搭載
3)進化した制御システムにより、スムーズで効率の良い移動や作業が可能
4)アクセル無段階制御の採用により、無駄なエンジン回転の上昇を抑制し、環境に配慮した操作をサポート
5)テレマティクスWeb情報サービス「HELLO-NET」、スマートフォン対応アプリ「HELLO-DATA LINK」を標準装備
⑦海外向け大型トラック搭載型クレーンTM-ZX1200シリーズの開発、発売
・特長
1)お客様の幅広い要望に応えられるよう最大吊上能力12t、最大クレーン容量22t・mの製品を追加し、ラインナップを拡充
2)マニュアル(MH)仕様に加え、先進の過負荷防止装置を搭載したHRS/HS仕様を設定
3)HRS/HS仕様では、クレーン作業時にトラックの荷台積載状態の変化によって生じる安定度の変化を監視する機能を備えた、セーフティアイズを安全装置として標準装備
4)HRS仕様には、実荷重表示などを行うカラー液晶ラジコン、バスケットモードを標準装備、安全な高所作業を可能にし、クレーンの汎用性を向上
当事業セグメントに係る研究開発費は4,742百万円であります。
(2)欧州
①海外市場向けオールテレーンクレーン AC 5.120-1、AC 4.110-1の開発、発売
・特長
1)現在、世界で最も厳しい排ガス規制のひとつである欧州排ガス規制EU Stage V対応エンジンを搭載
2)実用域であるブーム全長(60m)時の吊上げ性能を従来機比で大幅に向上
3)車軸レイアウト(軸間の寸法)の変更により、米国の広いエリアで通行許可取得を容易化
②海外市場向けオールテレーンクレーン AC 4.080-1の開発、発売
・特長
1)現在、世界で最も厳しい排ガス規制のひとつである欧州排ガス規制EU Stage V対応エンジンを搭載
2)コンパクトな車両にクラス最長の7段60mブームを搭載
3)ブーム全伸長(60m)時には上位クラスをも上回る最大吊上げ性能を発揮
4)新採用の安全装置IC-1 Plusにより、任意のアウトリガ張出長さへの対応が可能
当事業セグメントに係る研究開発費は2,755百万円であります。
(3)米州
海外市場向けテレスコピックブームクローラクレーン GTC-1450EX/1600の開発、販売
・特長
1)タダノマンティスでは最大機となる145t吊のテレスコピックブームクローラクレーン
2)クラス最長の6段61mブームを搭載
3)作業現場への搬送性確保のため、分解/組立の作業性と分割寸法に配慮
当事業セグメントに係る研究開発費は248百万円であります。
(4)その他
当事業セグメントに係る研究開発費は229百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01613] S100O9A6)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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