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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OK1N (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 ニチコン株式会社 研究開発活動 (2022年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、アルミ電解コンデンサ、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、小形リチウムイオン二次電池等の電子デバイスと、各種電源、機能モジュール、応用関連機器等の回路製品を主力製品とし、コンデンサと回路製品設計のコア技術を用いて「エネルギー・環境・医療機器」、「自動車・車両関連機器」、「白物家電・産業用インバータ機器」、「情報通信機器」の4市場を重点分野と定め、高信頼性、高安全性、高機能性を追求し、競争力に優れる新製品開発を展開しています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は5,544百万円です。
製品区分毎の研究開発状況は、次のとおりです。
(1)コンデンサ事業
①アルミ電解コンデンサは、電極箔や電解液といった主要部材を自社で研究開発する強みを活かし、重点分野向け製品の研究開発に取り組みました。電動化が進む「自動車・車両関連機器」、5Gやサーバーといった「情報通信機器」の需要が拡大する導電性高分子アルミ固体電解コンデンサおよび導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ、各種電源装置やエアコンインバータ等の白物家電・産業用インバータ機器、情報通信機器に加え、EVの世界的な普及に伴ってOBC(車載充電器)などの自動車・車両関連機器が伸長するアルミ電解コンデンサにおいて、小形・高容量化、高温度対応、長寿命化といった商品力強化に取り組みました。
これらの研究成果として、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサは、従来よりさらに高容量化を達成した新シリーズ「GYEシリーズ」を開発、またこれまでφ10x10Lまでのサイズ対応であった「GYA,GYB,GYCシリーズ」にφ10x12.5Lを追加することで、小形・高容量化ニーズへの対応強化を図りました。アルミ電解コンデンサにおいては、5Gサービス提供エリア拡大に伴い、小形通信基地局がビルや地下街、街灯や電柱、屋根裏など温度や湿度環境が過酷でメンテナンス困難な場所にも設置されることから、基板自立形アルミ電解コンデンサは、従来の「LGNシリーズ(105℃3000時間保証)」を125℃対応にした「LHTシリーズ」、チップ形アルミ電解コンデンサは125℃5000時間保証の「UYAシリーズ」を市場投入し、高温度、長寿命ニーズへの対応を図りました。
②小形リチウムイオン二次電池「SLBシリーズ」は、異常時にも発煙発火の可能性が極めて低い特長を活かした開発を進めました。これまでの単セル提案に加え、複数セルをモジュール化した公称電圧12Vと14.4Vの電池パックを第14回オートモーティブワールドに参考出品しました。セル直列数を変更することで、用途に合わせた電圧仕様にカスタマイズ可能であり、過充電、過放電等に対する保護機能やセルバランス機能なども搭載しています。安全性の高い長所を活かした電源バックアップ、応答性の高い特性を活かした瞬低対策等の需要を見込みます。
③フィルムコンデンサは、基本材料である金属蒸着フィルムを自社開発し、自動車・車両関連機器分野、産業機器・電子機器まで幅広く採用されています。今後カーボンニュートラルに向けて電動自動車の流れが益々加速し、EV、HV、PHVなどのモーター駆動用インバータ回路向け平滑用フィルムコンデンサの対応車種を広げ、市場投入しています。これらの駆動用インバータユニットに用いられるフィルムコンデンサは、高周波特性・耐電流性能に優れ、長寿命で高信頼、高安全性に加え、顧客要求に応じたフレキシブルな対応が可能であることから、国内外の自動車メーカーへの採用が拡大しています。今後の技術トレンドとしてパワー半導体の進化による高電圧化、高温度化に対応する誘電体や蒸着パターン技術の開発、システムトータルで小形化に寄与するフィルムモジュール化技術といった製法やライン開発、生産技術開発にも注力しています。
また、風力発電、太陽光発電などの再生可能エネルギー分野や汎用インバータなどの産機分野でも長寿命、高信頼の直流フィルタ用コンデンサが強く求められています。こうした市場ニーズに応える直流フィルタ用・平滑用コンデンサとして乾式樹脂モールド形「EJシリーズ」や円筒形「ERシリーズ」を取り揃えています。また当社のフィルムコンデンサは、金属蒸着フィルムに保安機構を採用することで高い安全性を確保するとともに長寿命化を実現しています。
④電力・機器用コンデンサでは、防災形進相コンデンサ「GeoDRY®」をはじめ、受変電高圧側、または末端低圧負荷側に設置される用途に各種進相コンデンサとその附属機器をラインアップしています。進相コンデンサは、製品の安全性を重視し、誘電体絶縁破壊時に自己回復する信頼性の高い「金属蒸着電極(SH)コンデンサ」を全機種に採用しています。附属機器は、インバータ機器などによる発生高調波電流を起因とする電力系統の電圧ひずみや、お客さまの配電系統における高調波電流障害から設備や電気機器を保護するための高調波継電器を市場投入しました。この高調波継電器は、一般的な高調波に対する保護モードに加え、コンデンサ回路に特化した保護モードなど、保護対象に応じた保護モードの選定ができるほか、保護方式においても電圧ひずみ率、電流ひずみ率、電流値の3種類の保護方式に対応でき、高調波障害から電気機器を守ります。加えて、電力のバックアップや安定化に寄与する瞬時電圧低下/停電補償装置などの関連装置を取り揃え、BCP対策をはじめ総合的に高品位な電力の安定化を提案しています。
(2)NECST事業
当社グループは、「価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献」することを経営理念に掲げ、その具現化を目指して、再生可能エネルギーの普及、エネルギーの地産地消、EVやPHVなどの次世代自動車とそのインフラの普及を目指した取り組みを進めています。
2020年10月に日本政府が発表した方針において、2050年にカーボンニュートラルを実現することを掲げ、環境関連政策を重視する姿勢を明確にしました。さらに国内外の機関投資家がESGを投資基準として各企業との対話姿勢を強く示したことから、企業の投資行動も変化を見せており、それを後押しする国の支援策も多くなってきました。この社会の動向を先取りする製品として、公共・産業用蓄電システムのパワーコンディショナーに複数台のV2X(EV用充放電器)を直流(DC)で接続するDCリンク型産業用蓄電システムを開発し、既に自社工場のニチコン亀岡株式会社などに設置しました。また、当社独自の製品として好評をいただいている「トライブリッド蓄電システム®(太陽光発電+蓄電池+V2H)」の新製品を開発し、2022年4月から発売しています。
もう一つの潮流として世界の自動車メーカーがEVの開発を加速させる動きを見せており、ガソリン車からEVに大きくシフトを始めました。日本においても高速道路のサービスエリアでEV・PHV用急速充電器の前に行列ができる状況(充電渋滞)が発生しており、EV・PHV用急速充電器の設置拡充が喫緊の課題になってきています。当社は、充電サービスの提供と充電インフラの整備・拡充を行う株式会社e-Mobility Power様と共同で高速道路のサービスエリア向けに複数の充電ポートを持ち、それぞれの充電ポートの充電電力を可変できる新型200kW出力EV・PHV用マルチ急速充電器を開発し、首都高速道路の大黒パーキングエリアに納入しました。
一方、地球温暖化の影響と考えられる大型台風や豪雨災害において、公共・産業用蓄電システムや、EVを独立電源として電力を供給する外部給電器「パワー・ムーバー®」は、被災地の避難所などで電気を供給することを可能にし、被災した方々のスマートフォンの充電や、避難所での照明などに活用されています。
医療関係分野では、がん治療として注目されている粒子線(陽子線・重粒子線)治療向けの医療用加速器電源の性能向上や、小型化など次世代の粒子線治療装置に求められる電源の開発に取り組みました。研究用途の加速器電源では、東北地方に新たに建設される日本国内初の高輝度中型3GeV級放射光施設「NanoTerasu(ナノテラス)」向けに電源を開発し、納入しました。
事務機器向けスイッチング電源関連では、環境関連であるLED用電源など新たな分野への展開を目指して技術開発を進めています。
(3)産学連携による研究開発
当社は、産学連携を技術開発の重要な要素と位置づけ、積極的な活用を進めております。最先端技術を社内の開発に取り入れることや、その過程において当社技術者の成長にもつながるよう配慮した産学連携プログラムを実施しています。その中でも2016年9月に締結した東京大学生産技術研究所と包括的な産学連携研究協力協定では、一定額のファンドを拠出し、それを原資として複数の教授陣との共同研究をフレキシブルに実施できる体制を構築しています。当社技術者を派遣し、コンデンサの素材基礎開発からNECSTの次世代ビジネスに関わるシミュレーションまで、多岐にわたる開発テーマを展開しており、当社技術者の育成にも効果を発揮しています。一方、次世代半導体として期待され、一部に実用化が進んでいるSiCのモジュール化の開発においては、大阪大学などと共同開発を継続的に行っており、NECST製品やサービスの要素開発やプラットフォーム構築、および商品開発に寄与しています。こうした産学連携を数年来継続しており、大学の教員と当社社員との交流も深まり、当社技術者に対する教育効果を含めて研究開発力強化が図られつつあります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01904] S100OK1N)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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