有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OJ4M (EDINETへの外部リンク)
株式会社三井E&S 研究開発活動 (2022年3月期)
当社グループは、4事業分野に対応した研究開発セグメントを設定し、それぞれの事業分野の中核技術を基軸として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、2,100百万円であります。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。
(1)船舶
・省エネ船を得意とする当社グループの強みを維持・向上させるため、新船型や省エネ技術の開発を継続的に進めております。当社グループの環境対応船“neoシリーズ”の新ルール対応を進め、中国における合弁会社江蘇揚子三井造船有限公司(YAMIC)においてneo66BCを受注しました。引き続き、市場ニーズにマッチした船型開発を精力的に進め、neoシリーズの更なる受注拡大とラインナップ拡充を図ってまいります。また、商船エンジニアリング事業の受注に繋がる技術開発にも注力します。
・自動船位保持装置(DPS)や統合操船システムMMSをはじめとした操船システムの開発を継続的に続けております。製品化を目指して開発を進めている自律操船システムについては、「無人運航船プロジェクトMEGURI2040」において、公益財団法人日本財団の助成を受けて、大型カーフェリー、749GT型コンテナ船、小型旅客船を用いて、ハンズオフによる自動航海の実証実験を2021年夏から2022年2月にかけ実施しました。
・2021年10月1日付で艦艇事業等を三菱重工業株式会社に譲渡したことに伴い、当該事業に関する研究開発も併せて譲渡しております。
当事業に係る研究開発費は、234百万円であります。
(2)海洋開発
・海洋開発では、新規事業分野での既存技術活用による開発、及びFPSO運用上の課題を解決するための開発を行っております。
・新規事業分野としては、洋上風力発電事業を新たな事業分野とするべく、当社グループの浮体設備や係留技術の強みを生かした独自の浮体・係留システムの開発を進めております。この他、これまでに蓄積した技術を応用し、日本近海の海底海洋鉱物資源であるメタンハイドレートの回収に関する研究開発を推進しております。
・FPSO運用上の課題解決としては、経年劣化した船体構造に対し、炭素繊維の適用により、火気工事を伴わず少人数・短期間で安全に施工可能な新しい補修法を開発しABS船級協会の認証を得て、実用化の段階に進んでおります。
当事業に係る研究開発費は、335百万円であります。
(3)機械
・舶用ディーゼルエンジン関連では、ゼロエミッション船実現のため、燃焼時にCO2を排出しないアンモニア・水素燃料が注目されており、当社グループにおいては、アンモニア燃料船向けに、主機関及び燃料供給装置などの関連機器の開発を進めております。燃料供給装置など一部の製品開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金の補助事業として採択されています。また、水素燃料船の開発についても、ダイハツディーゼル株式会社と共同で国土交通省の海事産業集約連携促進技術開発支援事業に採択され、水素を燃料とするエンジン開発に着手しております。
従来燃料にも利用できる温室効果ガス(GHG)削減技術としては、エンジンの排ガスを有効活用し、エネルギー効率を改善する自社開発製品である次世代型油圧式廃熱回収システム Turbo Hydraulic System type2(THS2)やCII(Carbon Intensity Index)規制対応技術として着目されているEPL(Engine Power Limitation)関連製品を開発し、市場投入しております。
デジタルトランスフォーメーション(DX)関連技術開発としては、陸上試運転の自動計測システムを導入し、陸上試運転期間の短縮とCO2削減に取り組んでおります。また、現在主流である電子制御機関の制御関連の不具合防止を目的とし、電子制御エンジンのリアルタイムシミュレータを新たに導入しました。試運転の一部検証が本シミュレータ上で実施できるようになり、陸上試運転期間の短縮が可能となりました。
今後も顧客ニーズに沿った環境対応・GHG削減技術及びDX関連技術開発を優先的に進めてまいります。
・産業機械関連では、従来、石油精製、石油化学市場向けを中心に事業展開してきましたが、近年の産業界の急速な脱炭素化への流れに対応し、当社の連結子会社である株式会社加地テックと協同で水素関連市場向け往復動圧縮機の開発に着手しました。これまで同関連市場のパイロット設備に多くの小容量圧縮機を供給してきた株式会社加地テックと連携することで同社が保有する高圧技術やノウハウを活用し、将来の高圧・大容量化の市場要求に応えるため、新型圧縮機フレームの開発も行い、商品ラインナップの拡充を進め、市場・顧客ニーズに適合した商品を継続的に提供してまいります。
・運搬機システム関連では、CO2やディーゼル排気有害物質の排出を当社グループ従来のハイブリッド型よりも更に低減した新しいNZE(Near Zero Emission)トランステーナ(トランスファークレーン)を開発し、販売を開始しました。また、将来の水素供給インフラ普及を見据え、水素燃料電池搭載トランステーナの開発にも着手しました。この開発はNEDOの事業に採択されており、2022年に大分工場での実証試験を、2024年からは米国ロサンゼルス港での実使用環境下での運用を行う計画です。
また、コンテナターミナルの労働環境改善や安全性向上へのニーズに応え、遠隔操作が可能なトランステーナの開発を完了し、大分工場内に整備したテスト用トランステーナとヤード荷役テストエリアを活用して、システム検証や更なる荷役効率向上を進めております。ポーテーナ(岸壁クレーン)の遠隔自働運転についても各要素技術の開発を進めており、クレーン下の作業者等との安全性確保の検討を行っております。
これらハード面の開発と並行して、自動化ターミナル設備の運用・管理を行うシステムACCS (Automated Container terminal Control System)、コンテナ管理及び荷役作業の指示を効率的に行うシステムCTMS (Container Terminal Management System)などのソフトウェア製品とも連携させ、自動化コンテナターミナルを構成する全ての要素に一括して対応できるトータルソリューションパッケージ製品群を構築しております。
・アフターサービス関連では、国土交通省港湾局が進めている荷役機械の予防保全的維持管理手法の高度化に合わせて、ビッグデータを活用するクラウド型遠隔監視システムCARMS (Crane Advanced Remote Monitoring System) を三井E&Sシステム技研株式会社と共同で製品化し、顧客の要望に応じて機能向上を実施し、より良いサービスを提供することを目指しております。本システムは、プラットフォームとしての機能を有しており、荷役機械の完全DX化を目指し、AIを用いた高度予防保全などの開発も進めております。
また、従来目視で行っていた点検作業をドローンに置き換えるシステムを株式会社ゼンリンデータコムと共同で開発しております。本システムは、3Dモデル上での設定による自動飛行と撮影に加えて、遠隔地からリアルタイムでの飛行映像の確認及び遠隔地からの自動飛行を実現しており、更にAIによる錆の自動検出や人による評価のばらつきをなくすためにAIによる定量評価システムを構築し、CARMSと連携させて経年変化観察も実現するべく開発を進めております。
・ロボティクス関連では、2019年に開設した遠隔システムデモルームにおいて、遠隔操作の高度化技術及び予兆検知技術の開発、センサレス技術の研究開発など、実機を用いた遠隔操作検証を実施しております。2021年には新たに高耐放射線性ロボットTELBOTを本デモルームに追加し、操作体験・運転訓練・保守訓練サービスの更なる拡充を図っております。
・レーダ関連では、株式会社野村総合研究所と開発したAI・クラウドを利用した非破壊検査データの自動解析技術を、当社グループの道路探査・トンネル探査・計測業務での総合的なサービスに展開してまいります。また、国土交通省総合政策局が進めている設計データの3D化に合わせ、当社グループ独自のマルチパスレーダ装置で取得した三次元データを3D CAD用データに変換する技術を開発・製品化するなど、顧客ニーズに適合したデジタル化による総合サービス提供に向け開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は、1,223百万円であります。
(4)エンジニアリング
該当事項はありません。
(5)その他
・三井E&Sシステム技研株式会社の主力製品である勤怠管理システム「TIME-3X」の機能強化を継続的に進めております。また、三次元自動計測分野では、これまでの自動車業界向け車体三次元計測システムの機能強化に加え、新たな取組みとしてX線CT装置と三次元解析ソフトウェアを用い、アルミ鋳造品の欠陥を非破壊で検査するシステムの開発に向けて、自動車部品を対象としPoC(Proof of Concept)を実施しました。
当事業に係る研究開発費は、306百万円であります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、2,100百万円であります。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。
(1)船舶
・省エネ船を得意とする当社グループの強みを維持・向上させるため、新船型や省エネ技術の開発を継続的に進めております。当社グループの環境対応船“neoシリーズ”の新ルール対応を進め、中国における合弁会社江蘇揚子三井造船有限公司(YAMIC)においてneo66BCを受注しました。引き続き、市場ニーズにマッチした船型開発を精力的に進め、neoシリーズの更なる受注拡大とラインナップ拡充を図ってまいります。また、商船エンジニアリング事業の受注に繋がる技術開発にも注力します。
・自動船位保持装置(DPS)や統合操船システムMMSをはじめとした操船システムの開発を継続的に続けております。製品化を目指して開発を進めている自律操船システムについては、「無人運航船プロジェクトMEGURI2040」において、公益財団法人日本財団の助成を受けて、大型カーフェリー、749GT型コンテナ船、小型旅客船を用いて、ハンズオフによる自動航海の実証実験を2021年夏から2022年2月にかけ実施しました。
・2021年10月1日付で艦艇事業等を三菱重工業株式会社に譲渡したことに伴い、当該事業に関する研究開発も併せて譲渡しております。
当事業に係る研究開発費は、234百万円であります。
(2)海洋開発
・海洋開発では、新規事業分野での既存技術活用による開発、及びFPSO運用上の課題を解決するための開発を行っております。
・新規事業分野としては、洋上風力発電事業を新たな事業分野とするべく、当社グループの浮体設備や係留技術の強みを生かした独自の浮体・係留システムの開発を進めております。この他、これまでに蓄積した技術を応用し、日本近海の海底海洋鉱物資源であるメタンハイドレートの回収に関する研究開発を推進しております。
・FPSO運用上の課題解決としては、経年劣化した船体構造に対し、炭素繊維の適用により、火気工事を伴わず少人数・短期間で安全に施工可能な新しい補修法を開発しABS船級協会の認証を得て、実用化の段階に進んでおります。
当事業に係る研究開発費は、335百万円であります。
(3)機械
・舶用ディーゼルエンジン関連では、ゼロエミッション船実現のため、燃焼時にCO2を排出しないアンモニア・水素燃料が注目されており、当社グループにおいては、アンモニア燃料船向けに、主機関及び燃料供給装置などの関連機器の開発を進めております。燃料供給装置など一部の製品開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金の補助事業として採択されています。また、水素燃料船の開発についても、ダイハツディーゼル株式会社と共同で国土交通省の海事産業集約連携促進技術開発支援事業に採択され、水素を燃料とするエンジン開発に着手しております。
従来燃料にも利用できる温室効果ガス(GHG)削減技術としては、エンジンの排ガスを有効活用し、エネルギー効率を改善する自社開発製品である次世代型油圧式廃熱回収システム Turbo Hydraulic System type2(THS2)やCII(Carbon Intensity Index)規制対応技術として着目されているEPL(Engine Power Limitation)関連製品を開発し、市場投入しております。
デジタルトランスフォーメーション(DX)関連技術開発としては、陸上試運転の自動計測システムを導入し、陸上試運転期間の短縮とCO2削減に取り組んでおります。また、現在主流である電子制御機関の制御関連の不具合防止を目的とし、電子制御エンジンのリアルタイムシミュレータを新たに導入しました。試運転の一部検証が本シミュレータ上で実施できるようになり、陸上試運転期間の短縮が可能となりました。
今後も顧客ニーズに沿った環境対応・GHG削減技術及びDX関連技術開発を優先的に進めてまいります。
・産業機械関連では、従来、石油精製、石油化学市場向けを中心に事業展開してきましたが、近年の産業界の急速な脱炭素化への流れに対応し、当社の連結子会社である株式会社加地テックと協同で水素関連市場向け往復動圧縮機の開発に着手しました。これまで同関連市場のパイロット設備に多くの小容量圧縮機を供給してきた株式会社加地テックと連携することで同社が保有する高圧技術やノウハウを活用し、将来の高圧・大容量化の市場要求に応えるため、新型圧縮機フレームの開発も行い、商品ラインナップの拡充を進め、市場・顧客ニーズに適合した商品を継続的に提供してまいります。
・運搬機システム関連では、CO2やディーゼル排気有害物質の排出を当社グループ従来のハイブリッド型よりも更に低減した新しいNZE(Near Zero Emission)トランステーナ(トランスファークレーン)を開発し、販売を開始しました。また、将来の水素供給インフラ普及を見据え、水素燃料電池搭載トランステーナの開発にも着手しました。この開発はNEDOの事業に採択されており、2022年に大分工場での実証試験を、2024年からは米国ロサンゼルス港での実使用環境下での運用を行う計画です。
また、コンテナターミナルの労働環境改善や安全性向上へのニーズに応え、遠隔操作が可能なトランステーナの開発を完了し、大分工場内に整備したテスト用トランステーナとヤード荷役テストエリアを活用して、システム検証や更なる荷役効率向上を進めております。ポーテーナ(岸壁クレーン)の遠隔自働運転についても各要素技術の開発を進めており、クレーン下の作業者等との安全性確保の検討を行っております。
これらハード面の開発と並行して、自動化ターミナル設備の運用・管理を行うシステムACCS (Automated Container terminal Control System)、コンテナ管理及び荷役作業の指示を効率的に行うシステムCTMS (Container Terminal Management System)などのソフトウェア製品とも連携させ、自動化コンテナターミナルを構成する全ての要素に一括して対応できるトータルソリューションパッケージ製品群を構築しております。
・アフターサービス関連では、国土交通省港湾局が進めている荷役機械の予防保全的維持管理手法の高度化に合わせて、ビッグデータを活用するクラウド型遠隔監視システムCARMS (Crane Advanced Remote Monitoring System) を三井E&Sシステム技研株式会社と共同で製品化し、顧客の要望に応じて機能向上を実施し、より良いサービスを提供することを目指しております。本システムは、プラットフォームとしての機能を有しており、荷役機械の完全DX化を目指し、AIを用いた高度予防保全などの開発も進めております。
また、従来目視で行っていた点検作業をドローンに置き換えるシステムを株式会社ゼンリンデータコムと共同で開発しております。本システムは、3Dモデル上での設定による自動飛行と撮影に加えて、遠隔地からリアルタイムでの飛行映像の確認及び遠隔地からの自動飛行を実現しており、更にAIによる錆の自動検出や人による評価のばらつきをなくすためにAIによる定量評価システムを構築し、CARMSと連携させて経年変化観察も実現するべく開発を進めております。
・ロボティクス関連では、2019年に開設した遠隔システムデモルームにおいて、遠隔操作の高度化技術及び予兆検知技術の開発、センサレス技術の研究開発など、実機を用いた遠隔操作検証を実施しております。2021年には新たに高耐放射線性ロボットTELBOTを本デモルームに追加し、操作体験・運転訓練・保守訓練サービスの更なる拡充を図っております。
・レーダ関連では、株式会社野村総合研究所と開発したAI・クラウドを利用した非破壊検査データの自動解析技術を、当社グループの道路探査・トンネル探査・計測業務での総合的なサービスに展開してまいります。また、国土交通省総合政策局が進めている設計データの3D化に合わせ、当社グループ独自のマルチパスレーダ装置で取得した三次元データを3D CAD用データに変換する技術を開発・製品化するなど、顧客ニーズに適合したデジタル化による総合サービス提供に向け開発を進めております。
当事業に係る研究開発費は、1,223百万円であります。
(4)エンジニアリング
該当事項はありません。
(5)その他
・三井E&Sシステム技研株式会社の主力製品である勤怠管理システム「TIME-3X」の機能強化を継続的に進めております。また、三次元自動計測分野では、これまでの自動車業界向け車体三次元計測システムの機能強化に加え、新たな取組みとしてX線CT装置と三次元解析ソフトウェアを用い、アルミ鋳造品の欠陥を非破壊で検査するシステムの開発に向けて、自動車部品を対象としPoC(Proof of Concept)を実施しました。
当事業に係る研究開発費は、306百万円であります。
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