有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OD4N (EDINETへの外部リンク)
カヤバ株式会社 事業等のリスク (2022年3月期)
当社グループの経営成績および財政状態のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクには、以下のようなものがあります。当社グループでは「リスク管理規程」に基づき、取締役会の下部組織であるリスク管理委員会において、全社的に対策を講じる必要のある重点リスクと責任部署を決定し、各責任部署がリスク管理活動を行うとともに、全社BCPプロジェクト活動により大規模災害に対処しております。また、事業リスクに関しては当該リスクを抱える事業部が責任をもって取り扱う一方、リスク管理委員会はモニタリングを行います。
さらに環境対応に関しては、ESG推進室及びCN推進室の新設に加え、2022年3月にサステナビリティ委員会を設置して、カーボンニュートラル等に向けた取組みを強化して推進しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社および連結会社)が判断したものであります。
(1) 事業活動に関するリスク
① 需要動向
当社グループのAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業・HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業の主要製品は自動車、建設機械および産業車両メーカー等(以下、お客様といいます)へ供給する組付用部品であり、世界的な自動車生産台数や建設機械生産台数に大きく依拠しています。世界的な景気悪化による自動車ならびに建設機械需要の減退、半導体等主要部材の需給状況によるお客様の生産調整等、この部門の収益性に大きな影響を与えます。特に欧州域においてはロシア・ウクライナ情勢による製品や主要部材の供給制限によるお客様の生産調整や生産稼働停止で、欧州拠点等の収益性に大きな影響を与える可能性があります。また補修市場向けではロシア・ウクライナ地域での製品輸入の制限、販売活動の停止による事業活動停止など事業継続に影響する可能性があります。航空機器事業、特装車両事業の製品は、国内を中心に展開しております。特にコンクリートミキサ車を主力とする特装車両は、景気の先行きと相関の深い建設工事の増減により需要が変動する可能性があります。当社グループでは、グローバルで情報収集・分析を行い、状況に応じた対応を図っております。
② 価格・品質
価格に関しては、国内・海外市場共に熾烈な価格競争にさらされており、お客様からのコスト低減、価格引下げ要請が常に存在します。当社グループでは、高品質・高付加価値製品を提供することによる競合優位を目指すと共に、生産性向上などを通じた継続的な原価低減によるコスト競争力向上に努めております。品質に関しては、自動車では操縦安定性を支えるショックアブソーバや操舵力を補助するパワーステアリング等の重要な部品を供給しており、建設機械・産業車両等では母機を駆動させるシリンダ、モータ等の主要な機能部品を供給していることから、仮に当社グループが供給した製品に品質不良が発生した場合、その損害賠償をお客様から求められる等で多額の費用が発生する可能性があります。補修市場向けの四輪車用ショックアブソーバについては、販売数量や価格に関して、その地域の経済状況や競合他社の影響を受けることが予想されます。当社グループでは、品質経営を基盤に品質管理体制強化など品質向上を継続して追求しております。また、グループ全体での不正防止活動への取組やコンプライアンス教育を通じ、問題が発生した際には対応が迅速且つ確実に行われるよう体制を整備しています。
③ 原材料・部品等の調達
当社グループは、原材料、構成部品等を多数の取引先から購入しておりますが、調達する原材料等は国際商品市況等の影響を大きく受けます。複数購買の実施や購買機能の集約等による原価低減を図っておりますが、原材料等の価格上昇を当社の販売価格に十分に反映出来ない場合、あるいは、販売価格引下げを原材料および構成部品価格に十分に反映出来ない場合、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。④ 資金調達
当社グループは、主に国内外の金融機関等より設備資金ならびに運転資金の借入を実施しております。金融市場の動向には十分留意しておりますが、全般的な市況および景気の後退、金融収縮、当社グループの信用力の低下等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性もあります。その結果、当社グループの財政状況や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 経営状況の悪化
海外展開をしております生産拠点並びに販売拠点が受注量の減少や採算悪化等により経営が破綻した場合には、当社グループの経営成績に大きな影響を与える可能性があります。⑥ 取引先の信用リスク
当社グループは、自動車並びに建設機械メーカー各社をはじめ多くのお客様と取引を行っております。客先の予期せぬ信用リスクにより、経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、取引先の信用リスクについては細心の注意を払い、与信管理や取引先との関係強化等を通じてリスク管理を行っています。(2) 建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について
当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)は、建築物用の免震・制振部材としてオイルダンパーを製造・販売してまいりましたが、その一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実(以下、「本件」といいます。)が判明し、国土交通省に報告を行うとともに、対応状況について、2018年10月16日に公表いたしました。(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。
本問題に関する再発防止策および対応についての進捗状況は、2019年7月5日以降、以下の当社ホームページ上で3か月に1回、公表しておりますのでご参照ください。
なお、2022年3月末時点で、再発防止策の具体策全67項目の内、全項目を「完了」しており、引き続きその維持・定着の取り組みを継続しております。
再発防止策の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/prevent.html
対応の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/exchange_progress.html
本件に関し、現時点において収集可能な情報、及びその情報が合理的な事実に基づくものであると判断された免震・制振用オイルダンパーの製作費用、交換工事に要する費用、及び補償等について製品保証引当金を計上しております。一方、現時点においては、本件に関する訴訟等の費用について、その費用を信頼性のある合理的な見積りを行うことが困難なものは引当金を計上しておりません。
このことから、今後の進捗により、追加で引当金を計上することとなった場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 情報セキュリティに係るリスク
当社グループは、情報資産の保護のために「情報セキュリティ基本方針」を定め、「情報セキュリティ管理責任者」を設置し情報セキュリティの確保を図っています。定期的に全役員・従業員を対象にした教育・訓練を実施、管理体制の評価と見直しを行い、最新のセキュリティ・ソフトウェアの導入を図る等、継続的な改善に努めております。しかしながら、近年の情報システム環境の進化・複雑化に加え、テレワークの普及による従業員の外部からのアクセス機会が増える一方、サイバー攻撃は急増し、複雑・高度化しており、情報セキュリティに係るリスクが高まっています。これらにより、情報漏えいやシステム障害等が発生した場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 新型コロナウイルス等の感染拡大によるリスク
2020年来の新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的感染拡大による各国政府・自治体等の外出禁止や移動制限等の措置により、当社グループの主要顧客の減産による経営成績の悪化影響が生じております。また、収束に向かった地域においても変異株による数次の再拡大があり、先行きが不透明な状況が続いています。このため、当社グループの経営成績や財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループ各社は、各国政府・自治体等の感染拡大防止の規制、ガイドラインに従い、衛生管理の徹底、国内外の出張制限、テレワークやWeb会議の拡大展開等を実施、感染拡大防止を図っております。
(5) 災害・事故等によるリスク
国内外の当社グループは全社BCPプロジェクト活動により大規模災害や事故に対処しておりますが、生産拠点での地震や風水害、火災等の災害、戦争、テロ等が起こった場合、当社グループの生産能力が著しく低下する可能性があります。当社の国内の主要工場及び取引先の多くが中部地区に所在しております。従って中部地区で大規模な地震や風水害、その他の操業を妨げる事象が発生した場合、当社グループの生産能力が著しく低下する可能性があります。災害発生時の被害を最小化する活動や災害発生時の復旧訓練の実施など生産能力早期復旧のための対策をとっております。
また、当社グループの多くの工場では、油の特性を利用した油圧製品の生産を行っており、有機溶剤を使用する塗装設備、作動油・化学薬品等を貯蔵するタンク等が設置されていることから、火災の発生や有害物質が流出する可能性があり、万が一、事故が発生した場合には生産活動が一時的に停止する可能性があります。作動油などのタンクの周りへの防護壁の設置や火災リスクのある箇所への消火器配置などの対策をとっております。
(6) 為替相場と金利上昇リスク
当社グループは、海外売上高が57.6%と海外市場に大きく依存しているため日本からの輸出はもとより在外関係会社の経営成績等も為替の影響を大きく受けます。このような為替変動リスクに対してはグローバルに生産拠点を配置してリスクの軽減を図っておりますが、想定を超えた為替相場の変動は、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは有利子負債を有しており、固定金利での調達により金利変動リスクの軽減に努めておりますが、日本および海外における将来の金利上昇は、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
(7) 重要な訴訟等の発生によるリスク
当社グループを相手とした訴訟が起こされ、当社の主張と相違する結果となった場合には、その請求内容等によっては、当社グループの経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。国内外の弁護士と連携し、事案の内容に応じて適切に対応しております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02147] S100OD4N)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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