有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OB0D (EDINETへの外部リンク)
岩谷産業株式会社 研究開発活動 (2022年3月期)
当連結会計年度の研究開発は、「ガス&エネルギー」を基軸に当社の基幹事業である総合エネルギー、産業ガスからマテリアル、自然産業まですべての事業領域を対象として取り組むとともに、「水素のイワタニ」としての地位を強固なものにするべく水素サプライチェーンの構築に向けた技術開発、さらには脱炭素に向けた新技術開発に注力しました。
研究開発活動の中心となる中央研究所(兵庫県尼崎市)は、グループ全体の成長ビジョンを見据え、営業部門との連携を強化しながら新事業・新商品の開発に繋がる研究開発に取り組みました。また、お客さまへの技術サービス、当社取扱製品の品質管理、商品開発効率を高めるため分析を主体とした基盤技術の強化にも力を入れました。
中央研究所で開発を進めている水素技術をさらに発展させるために、2021年10月1日、「岩谷水素技術研究所」を設立しました。最先端の水素試験研究設備を活用し、極低温の液化水素や超高圧圧縮水素ガスに適合した材料や機器の評価を行いながら、水素ステーション建設コストの低減や保安強化につながる研究開発を加速しました。さらに、グリーン水素の製造技術や、水素と二酸化炭素からプロパンなどの炭化水素燃料を合成する研究にも着手しました。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は1,917百万円となります。そのうち、当社の研究開発費は1,627百万円であります。
主な研究開発内容は水素関連のもので、その金額は175百万円です。その他の研究開発費用をセグメント別に分けると、総合エネルギー事業429百万円、産業ガス・機械事業46百万円、マテリアル事業89百万円、自然産業事業11百万円、その他1,165百万円となっております。その他セグメントが多いのは研究開発拠点である当社中央研究所の共有費用が含まれるためです。
なお、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。
(水素エネルギー関連)
水素・燃料電池戦略ロードマップ及び水素基本戦略に基づき、水素ステーションの整備や新たな水素エネルギー・アプリケーションの開発等の水素エネルギーの利用拡大に繋がる活動に取り組みました。さらに、水素エネルギー社会の実現を見据えたCO2フリー水素サプライチェーンの構築にも重点を置き研究開発を推進しました。
具体的には、経済産業省/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との取り組みにおいて、豪州の未利用褐炭を用いた大規模水素サプライチェーンを構築する実証事業(HySTRA)に参画し、世界初となる褐炭から製造した水素を液化水素運搬船で日豪間を海上輸送・荷役する実証試験を完遂しました。また、2025年に開催予定の大阪・関西万博での商用運航を目指し、水素燃料電池船及び船舶用水素ステーションの開発に取り組んでいます。さらに、2020年3月に完成した「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」(福島県浪江町)では、「Power-to-Gas」の実用化技術の確立に向けた取り組みを推進し、東京2020オリンピック・パラリンピックでの聖火燃料として供給するとともに、商用水素ステーションへの供給も開始しました。
主な研究開発案件は、①水素ステーションの建設コスト削減と保安技術の強化に繋がる水素適合性材料評価の推進、②水素ステーションにおける水素ガス計量や水素ガス品質の管理技術の開発、③バス・トラック等の大型車に対応した水素ガス供給に関わる計量管理技術の開発、④水素大量消費社会を見据えた液化水素流量計や水素導管供給技術の開発、⑤液化水素燃料FCバス・トラックを見据えた液化水素充填技術の検討、⑥廃プラスチックからの水素製造技術の実用化開発等となります。
(総合エネルギー事業)
カーボンニュートラル社会の実現に向けた国の取り組みの一環として、LPガスの脱炭素化につながるグリーンLPガスの製造技術に関する調査研究を進め、岩谷水素技術研究所にてラボ試験に着手しました。また、NEDO委託事業として、相馬ガスホールディングス株式会社、相馬ガス株式会社と共同で、既存インフラを利用した水素混合LPガスの導管供給の実証試験に向けたF/Sを進めています。
さらに、当社主力のコンシューマープロダクツであるカセットガスの拡販に繋がる新商品の開発に向け、熱電発電素子や燃料電池を使った発電機能を生かした試作・評価を進めています。
(産業ガス・機械事業)
再生医療分野に力点を置き、大阪大学との共同研究講座で得られた細胞凍結・解凍プロセスの最適化研究成果を活かし、細胞保管輸送容器の開発や凍結装置の開発を進めました。また、中央研究所内にバイオ研究専用のクリーンルームを設置し、細胞培養設備や凍結保存設備を導入し「再生医療・バイオ研究開発拠点」として研究開発インフラを整えました。
中央研究所で確立した重水素ガス製造技術を発展させ、岩谷瓦斯株式会社三重工場内に重水素量産プラントを立ち上げ半導体製造向けを中心に出荷を開始しました。引き続き中央研究所では、製造ロスの削減やガス精製技術の更なる向上に努めるとともに、品質管理体制の強化や海外への重水素ガスの拡販に向け支援しております。また、SDGsの観点から賞味期限の延長を実現するガスを利用した食品鮮度保持技術を追究し、徐々に採用実績を増やしております。
(マテリアル事業)
携帯電話やパソコン向けに需要が拡大する積層セラミックコンデンサー(MLCC)に使われるナノニッケルの合成技術に取り組みました。基本的な製造技術や品質評価技術を確立し、大手ユーザー向けにサンプル出荷を開始しました。さとうきびの搾りかすから精製した植物性原料を用いて製造したバイオPET樹脂(低環境負荷PET樹脂)を商品化していますが、現状のPET樹脂成分の植物由来原料比率30%を100%にすることを目指しタイアップ企業と開発に取り組んでいます。
(自然産業事業)
当社の扱う食品中の微生物分析、残留農薬分析、抗生物質分析技術を高め品質管理を強化しました。また、イワタニ・ケンボロー株式会社の種豚農場などの家畜糞尿からのバイオガス製造、さらには水素やLPガス合成にも着目し実用化に向け調査を開始しました。
研究開発活動の中心となる中央研究所(兵庫県尼崎市)は、グループ全体の成長ビジョンを見据え、営業部門との連携を強化しながら新事業・新商品の開発に繋がる研究開発に取り組みました。また、お客さまへの技術サービス、当社取扱製品の品質管理、商品開発効率を高めるため分析を主体とした基盤技術の強化にも力を入れました。
中央研究所で開発を進めている水素技術をさらに発展させるために、2021年10月1日、「岩谷水素技術研究所」を設立しました。最先端の水素試験研究設備を活用し、極低温の液化水素や超高圧圧縮水素ガスに適合した材料や機器の評価を行いながら、水素ステーション建設コストの低減や保安強化につながる研究開発を加速しました。さらに、グリーン水素の製造技術や、水素と二酸化炭素からプロパンなどの炭化水素燃料を合成する研究にも着手しました。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は1,917百万円となります。そのうち、当社の研究開発費は1,627百万円であります。
主な研究開発内容は水素関連のもので、その金額は175百万円です。その他の研究開発費用をセグメント別に分けると、総合エネルギー事業429百万円、産業ガス・機械事業46百万円、マテリアル事業89百万円、自然産業事業11百万円、その他1,165百万円となっております。その他セグメントが多いのは研究開発拠点である当社中央研究所の共有費用が含まれるためです。
なお、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。
(水素エネルギー関連)
水素・燃料電池戦略ロードマップ及び水素基本戦略に基づき、水素ステーションの整備や新たな水素エネルギー・アプリケーションの開発等の水素エネルギーの利用拡大に繋がる活動に取り組みました。さらに、水素エネルギー社会の実現を見据えたCO2フリー水素サプライチェーンの構築にも重点を置き研究開発を推進しました。
具体的には、経済産業省/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との取り組みにおいて、豪州の未利用褐炭を用いた大規模水素サプライチェーンを構築する実証事業(HySTRA)に参画し、世界初となる褐炭から製造した水素を液化水素運搬船で日豪間を海上輸送・荷役する実証試験を完遂しました。また、2025年に開催予定の大阪・関西万博での商用運航を目指し、水素燃料電池船及び船舶用水素ステーションの開発に取り組んでいます。さらに、2020年3月に完成した「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」(福島県浪江町)では、「Power-to-Gas」の実用化技術の確立に向けた取り組みを推進し、東京2020オリンピック・パラリンピックでの聖火燃料として供給するとともに、商用水素ステーションへの供給も開始しました。
主な研究開発案件は、①水素ステーションの建設コスト削減と保安技術の強化に繋がる水素適合性材料評価の推進、②水素ステーションにおける水素ガス計量や水素ガス品質の管理技術の開発、③バス・トラック等の大型車に対応した水素ガス供給に関わる計量管理技術の開発、④水素大量消費社会を見据えた液化水素流量計や水素導管供給技術の開発、⑤液化水素燃料FCバス・トラックを見据えた液化水素充填技術の検討、⑥廃プラスチックからの水素製造技術の実用化開発等となります。
(総合エネルギー事業)
カーボンニュートラル社会の実現に向けた国の取り組みの一環として、LPガスの脱炭素化につながるグリーンLPガスの製造技術に関する調査研究を進め、岩谷水素技術研究所にてラボ試験に着手しました。また、NEDO委託事業として、相馬ガスホールディングス株式会社、相馬ガス株式会社と共同で、既存インフラを利用した水素混合LPガスの導管供給の実証試験に向けたF/Sを進めています。
さらに、当社主力のコンシューマープロダクツであるカセットガスの拡販に繋がる新商品の開発に向け、熱電発電素子や燃料電池を使った発電機能を生かした試作・評価を進めています。
(産業ガス・機械事業)
再生医療分野に力点を置き、大阪大学との共同研究講座で得られた細胞凍結・解凍プロセスの最適化研究成果を活かし、細胞保管輸送容器の開発や凍結装置の開発を進めました。また、中央研究所内にバイオ研究専用のクリーンルームを設置し、細胞培養設備や凍結保存設備を導入し「再生医療・バイオ研究開発拠点」として研究開発インフラを整えました。
中央研究所で確立した重水素ガス製造技術を発展させ、岩谷瓦斯株式会社三重工場内に重水素量産プラントを立ち上げ半導体製造向けを中心に出荷を開始しました。引き続き中央研究所では、製造ロスの削減やガス精製技術の更なる向上に努めるとともに、品質管理体制の強化や海外への重水素ガスの拡販に向け支援しております。また、SDGsの観点から賞味期限の延長を実現するガスを利用した食品鮮度保持技術を追究し、徐々に採用実績を増やしております。
(マテリアル事業)
携帯電話やパソコン向けに需要が拡大する積層セラミックコンデンサー(MLCC)に使われるナノニッケルの合成技術に取り組みました。基本的な製造技術や品質評価技術を確立し、大手ユーザー向けにサンプル出荷を開始しました。さとうきびの搾りかすから精製した植物性原料を用いて製造したバイオPET樹脂(低環境負荷PET樹脂)を商品化していますが、現状のPET樹脂成分の植物由来原料比率30%を100%にすることを目指しタイアップ企業と開発に取り組んでいます。
(自然産業事業)
当社の扱う食品中の微生物分析、残留農薬分析、抗生物質分析技術を高め品質管理を強化しました。また、イワタニ・ケンボロー株式会社の種豚農場などの家畜糞尿からのバイオガス製造、さらには水素やLPガス合成にも着目し実用化に向け調査を開始しました。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02567] S100OB0D)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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