シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OH0V (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社三越伊勢丹ホールディングス 事業等のリスク (2022年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動


本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。但し、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。

(当社グループのリスクマネジメント推進体制について)
当社グループでは、外部環境の変化により事業を取り巻くリスクが多様化・複雑化する今日において、事業活動に負の影響を及ぼすような事象と、企業の持続的な成長を妨げる要因をリスクとして幅広く定義し、分析・評価を行い一層の対応の強化を図ることで、レジリエンスの高い企業経営を実現してまいります。
平時におけるリスクへの備えと発生時の適切な対応によるリスクの低減のための組織の構築、事業の対応計画を策定し推進することでグループとしてのリスクマネジメント力を強化しております。
当社グループの掲げる事業計画を達成し、将来にわたって持続的な成長を可能にするとともにお客さま、お取組先、従業員の安心、安全を最優先としてリスクマネジメントを推進してまいります。

※リスクマネジメント体制



当社グループではリスクの管理体制の枠組みとして3つのディフェンスラインを整備し、さらに各組織を5つのレイヤーに分類した上でリスクマネジメントにおける役割と責任を明確化し、実効性のあるリスクマネジメント体制の実現を図っております。その実践のための最高機関として、当社グループCEOを議長とするコンプライアンス・リスクマネジメント推進会議を設置するとともに、具体的な対策の立案と推進、検証のPDCAサイクルを回すための部会として、リスク対策部会、コンプライアンス推進部会、サイバーリスク対策プロジェクトと新型感染症(コロナ)対策本部会議の4つの部会を設置し、当社グループの統合的なリスクマネジメントの体制を構築しております。

(リスクの分析・評価について)
リスクを分析・評価するに際し、日々変化する外部環境、当社グループの事業特性と事業戦略を考慮し、多角的かつ多面的なリスクの把握に努めております。事業を取り巻く事象を5つのカテゴリー(①災害・外部リスク、②経営戦略リスク、③財務リスク、④人事・労務リスク、⑤オペレーショナルリスク)に分類し、リスクの分析と評価を行います。そしてリスクが顕在化した際には、物的損害、人的損害、財務・経営戦略遂行の阻害、レピュテーション毀損などの損害を被ると捉えております。
以下の記載においては、主要な事業領域(百貨店事業)を中心とする当社グループ経営全体への影響度と発生可能性を想定した主要なリスクを記載しております。


区分リスク項目影響度物的損害人的損害財務、経営戦略遂行の阻害レピュテーション毀損
災害・外部リスク自然災害・事故
感染症
情報セキュリティ
経営戦略リスクデジタル社会への対応
サステナビリティ経営の推進
ビジネスモデルの変化への対応
海外事業におけるリスク
財務リスク企業(被)買収
資金調達
人事・労務リスク人材確保の激化
オペレーショナルリスク商品取引上のリスク
個人情報の漏洩・紛失等


(1,災害・外部リスク)

(1) 自然災害・事故:影響度 大
(リスク)
当社グループは、百貨店事業を中心として店舗による事業展開を行っております。このため、地震、台風といった自然災害により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。
特に、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に基幹店が集中している当社グループは、お客さま、従業員及び建物等に甚大な損害を受ける恐れがあり、それにより当社グループの業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、大規模災害が当社グループの営業活動に影響を及ぼす可能性があります。
更に近年の地球環境の変化に伴い、台風や集中豪雨といった災害規模と被害が甚大化するケースが増加しております。洪水や浸水、強風によりお客さま、従業員及び建物等に被害や営業停止による営業損失を与える可能性があります。また全国各地からの供給網により成り立っている百貨店事業において商品供給や物流にも影響を与える可能性があり、当社グループの事業活動全体に影響を及ぼす可能性があります。
そして、当社グループでは消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っております。しかし、店舗にて火災が発生した場合、お客さま、従業員の罹災による人命の危機の発生および人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、そして被害者に対する損害賠償責任等が発生します。さらに、これらの被害以外にも法令違反が発覚した際の罰則処分、営業停止に伴う営業損失により当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(対 応)
・当社グループでは、地震、台風等の今後想定される大規模災害への対応計画及び発生後におけるBCPを策定しており、これらの計画とBCPに基づいた災害時の組織体制の策定と対策、訓練を実施しております。
・防災・減災対策と災害発生時の初動・復旧・復興にむけた行動想定や実効性向上のための各店舗および事業所での定期的な訓練、安否確認システムの導入、ITツールを活用した情報共有を実施しております。
・複数のリスクに対応したBCPを策定しどのような災害が起きても継続すべき業務を重要継続業務と定め、そのガイドラインの策定と更新を随時行っております。
・各店舗にて消防署と協力の上、火災を想定した消防訓練の実施や設備点検、更には自衛消防隊設置による平時からの安全管理を実施しております。

(2) 感染症:影響度 大

(リスク)
2020年度より新型コロナウィルス感染症の発生により、感染拡大防止のための特別措置法の改正および措置等が行われ、主要な経済活動地域に対して度重なる人流の制限や政府から4度の緊急事態宣言が発令されました。更に変異株の発生や感染状況等に対して、解除の延長および各地方自治体によるまん延防止措置が実施されました。当社グループでは、お客さまと従業員の安心、安全を第一に感染対策を実施して営業を継続しておりますが、今後感染状況が長期化した場合、国内の消費マインドの低迷やインバウンド需要の回復の遅れ等により当社グループの業績や財務に影響を与える可能性があります。
(対 応)
・日本百貨店協会等の業界ガイドラインに基づいた対応基準の適用を行っております。
・基礎的な感染症対策の重要性を強く認識し、グループ全店舗等に繰り返し周知徹底を行っております。
・各店舗にて体温検査・消毒といったお客さまの安全確保のための感染防止対策と従業員の活動エリアでの感染対策を徹底しております。
・感染者確認の際には該当従業員の最終出勤日および行動範囲を把握した上で、当該範囲に対する適時消毒を実施し各店舗のホームページ等への感染者発生情報等の速やかな情報開示手続きに務めております。
・グループ全体の感染対策の一元化と連携を図るべく一連の拡大防止対応プロセスを集中管理し、コロナ対策本部会議への報告と感染状況に応じた対策の更新を随時実施しております。

(3) 情報セキュリティ:影響度 大

(リスク)
当社グループは多岐にわたる事業活動やサービス提供の中で、お客さま、お取組先の様々な情報を日々お預かりし管理しております。昨今、日本企業が国内外からのサイバー攻撃を受ける事例が増加しており、当社グループでも情報セキュリティガバナンスの更なる強化は急務となっております。サイバー攻撃等によるシステムの破壊や停止、そして不正アクセス犯罪等による個人情報や機密情報の漏洩が発生した場合、システムの停止と復旧に時間を要することにより広範な業務に支障をきたすことを余儀なくされます。加えて、社会的信用の失墜による売上の減少や賠償金等の支払い負担など、当社グループの業績や財務に影響を与える可能性があります。
(対 応)
・当社グループでは、情報セキュリティガバナンス強化としてサイバーリスク対策プロジェクトを設置し、日常の業務活動の中で技術的及び人的・組織的な対策の強化を図っております。
・技術的対策では、サイバー攻撃を防御、監視、検知、駆除するためのセキュリティツールの導入・運用を強化しております。
・人的・組織的対策では、情報セキュリティに関する従業員のリテラシー向上策として、システム部門における専門的なセキュリティ人材の育成や、従業員へのセキュリティ教育及び訓練を適時実施しております。

(グループ連携組織CSIRTについて)
二次被害防止の範囲を含めたリスクの局限化のため、初動と組織連携による十分な対応ができるよう、CSIRT(Computer security incident response team)の設置、迅速な行政等への報告、外部専門機関との情報連携などの体制を構築したことに加えて、定期的に訓練を実施する等、さらに実効性を向上させる取り組みを行い、情報資産の保全を強化しております。

(2,経営戦略リスク)

(1) デジタル社会への対応:影響度 大
(リスク)
当社グループでは、デジタル社会への変化に対応するために、店舗とオンラインをシームレスにつなぐオンラインサイト・アプリの提供や、デジタルツールを利用した業務効率化を進めております。また、事業活動を通じて蓄積したデータを使ってお客さまやお取組先への新たな価値提供を目指すなど、デジタルテクノロジーを活用したビジネスの変革(DX)に取り組んでおります。一方で、デジタル社会への対応には内部リスクと外部リスクが存在しております。
内部リスクとしては、DXを実行する社内リソースの不足により、デジタル社会を前提としたお客さまのご要望に迅速に対応できないことや、業務効率化、経営効率化が進まずに事業全体の業績や財務状況、今後の経営計画の実行への悪影響を与える可能性があります。また、新システム導入や更改、日々のシステム運用の中で不測の障害が発生することで、実店舗およびオンライン上の営業活動に支障をきたす可能性があります。
外部リスクとしては、デジタル社会の負の側面としてオンライン上での詐欺犯罪が増加しております。当社グループのECサイトにおいても不正利用の発生件数の増加傾向が見られ、対応が不十分な場合は財務に損失を与える可能性があります。

(対 応)
・デジタルテクノロジーやデータの活用に長けた専門組織の設置と人材育成や、各部門へのデジタル人材の配置を行い、グループ全体としてDXを実行する社内リソースの強化を図っております。
・システム部門による障害発生の事前防止活動とともに、システム部門と営業部門が一体となり障害発生時の損失を極小化する対応力向上を図っております。
・オンライン上の不正な行為を抑止する技術的対策の導入を、より一層強化してまいります。
・仮想空間プラットフォーム、AIを組み合わせた顧客データ分析など、新しいデジタルテクノロジーを活用したビジネス価値創造に持続的に取り組み、デジタル社会の発展に適応してまいります。

(2) サステナビリティ経営の推進:影響度 大

(リスク)
昨今世界各地において気候変動による自然災害の頻発・甚大化や格差の拡大等、様々な環境・社会課題が顕在化してきております。そのような背景から各企業はサーキュラーエコノミー社会の推進、人権の尊重、地域社会への貢献、ESG経営、SDGsへの取り組みといったような社会的責任の追及に根差したビジネスモデルを推進しております。しかし、このような社会の潮流に対して当社グループの対応が不十分であり、且つ遅れをとった際には、時代とともに地域とお客さまと進化してきた百貨店事業の根幹を否定することとなり、社会的な信用の失墜や資金調達が困難となることから企業経営の存続と財務状況に悪影響を与える可能性があります。
そして、気候変動による環境規制の強化やエネルギー価格高騰による設備費増や商品価格への影響は、当社グループビジネスの財務に影響を与える可能性があります。
(対 応)
・当社グループではサステナビリティを推進するにあたり基本方針を策定し、CEOを議長とするサステナビリティ推進会議を組織し定例会議を実施しております。また、従業員に向けた教育を実施し、当社グループを取り巻く環境への理解を深め、社内での様々な環境や社会に対する課題解決への取り組み施策を実施しております。
・当社グループはTCFDへ賛同しており、気候変動拡大によるリスクの把握と当社の財務への影響を分析し、情報開示を行っております。そして「三越伊勢丹グループ2030年環境中期目標」及び「三越伊勢丹グループ2050年環境長期目標」を設定し、低炭素社会の実現に向けた様々な取り組みを推進しております。
・当社グループのサステナビリティの基本方針に適合した各店舗での商品・サービスの提供及び建物への新技術の導入を進め環境負荷削減を推進しております。
・責任ある調達を実現するためにお取組先に対し「サステナビリティ調達に関するアンケート」を実施しサプライチェーン上の課題抽出を図っております。

(3) ビジネスモデルの変化への対応:影響度 大
(リスク)
当社グループの主要事業である百貨店事業は、マスマーケティング型のビジネスモデルに重きを置いておりましたが、近年のデジタル化の加速と情報化社会の進化によりお客さまの価値観、消費行動は大きく変化を遂げております。このような時代の変化に対応したビジネスモデルへの転換が遅れますと、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
更に、同業・異業態の小売業他社との競争があり、現在では業界外部・内部からの業界再編の動きが活発化しております。また、業界自体の需要は事業展開する国内・海外各国における気候状況や政治状況、景気動向・消費動向等の経済情勢、少子高齢化といった人口動態の変化や所得の二極化といった社会情勢に大きな影響を受けます。従って、これらの要因や不測な社会情勢の変化に対し当社グループの対応が不十分でありますと業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(対 応)
・当社グループは中期経営計画にて上記のリスクを加味した上で新しいビジネスモデルの確立が必須であるという認識のもと、多岐にわたる事業の強化を図ってまいります。
・基本戦略として "高感度上質"戦略を策定し、生活にこだわりを持ち上質で豊かな生活を求めるお客さまに向けた実店舗の構築や外商改革を進めるとともに、全国のお客さまに向けた、デジタル技術を駆使した、新たな購買体験等の提供を促進しております。
・百貨店事業以外のビジネスとして首都圏及び地域の保有不動産の再開発や新興国での不動産プロジェクトへの参入といった事業の強化を行っております。

(4) 海外事業におけるリスク:影響度 中

(リスク)
当社グループでは、百貨店事業では東南アジア、中国、台湾、米国での店舗の営業の他、不動産事業においても海外に参画しております。これらの売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されており為替変動の影響を受けております。また事業展開をする各国において、事業・投資の許可、税制等、さまざまな政府規制や法制度の適用を受けております。
そして海外での事業展開には、従業員の安全管理上の問題、海外現地法規制への対応不備による違反金の支払い義務の発生、コミュニケーション不足、テロ・戦争・政治・宗教その他の要因による政治・経済的情勢不安や社会的混乱、現地のガバナンス不全等の地政学リスクが内在しております。
これらのリスクにより、当社財務への損害だけでなく、海外実店舗の物的・人的損害の発生や事業の停止・撤退を余儀なくされる可能性があります。また、商品供給網においても、現地法人やお取組先を介してのグローバルな取引が多くあり、商品供給の停滞、遅延が発生する可能性がございます。
特に、直近のウクライナ情勢による影響は、商品価格の高騰及び商品供給のリードタイムの長期化や停滞、エネルギーコストの高騰、海外駐在員の安全等、当面の間、注視する必要があると捉えております。
(対 応)
・当社グループ従業員の海外赴任前教育等による安全教育機会の提供を実施しております。
・海外拠点とのリモート会議やタイムリーな現地リスク情報の共有等、定期的なコミュニケーションを実施し連携を図っております。
・事件事故や有事の発生時におけるレポートラインの確立と、日本と海外拠点が一体となった組織的対応の実施計画を策定しております。
・資金管理等においては銀行のシステムを利用し日本側からのモニタリング体制を構築しております。
・ガバナンス強化の一環として、海外拠点を対象に内部通報制度を導入し社外の通報窓口を設置し運用しております。

(3,財務リスク)
(1) 企業(被)買収:影響度 大
(リスク)
外部環境として、事業の多角化や再構築を図る企業が増加傾向にあることや業界再編の動きが活発化しており、企業買収・合併はグローバルに増加しております。当社グループの取り巻く様々な状況及び理由から、企業価値や株価向上に繋がらない短期的な視点での敵対的買収や中長期的な価値向上に資さない買収が発生する可能性がございます。
(対 応)
・事業ポートフォリオの明確化とIRポリシーを制定し、お客さま・株主の皆様への情報公開を積極的に行っております。
・企業価値向上を目的とした経営戦略、財務の具体的なKPI、収支構造改革を公表し実行に移しており、財務戦略としては「事業の収益性」、「バランスシートの内容の最適化」、「資本の効率性」の3要素を推進し、さらなる営業キャッシュ・フローの創出を図ってまいります。

(2) 資金調達:影響度 中
(リスク)
当社グループでは、多角化した事業を展開しております。今後の経営計画として不動産事業の強化を目指しており国内不動産の有効活用や海外不動産案件の参画を目指しております。そのため、保有不動産の建て替え、改修等で今後多くの資金需要が発生する可能性がございます。当社グループの業績の悪化や格付けの変更、更には政策の転換による金融市場における資金調達コストの上昇等により資金調達が困難になった場合は、当社グループの財務状況への悪影響と事業計画の実行の遅延及び戦略の変更を余儀なくされる可能性がございます。

(対 応)
・将来の投資への備えと不測の事態にも対応しうる財務基盤の強化に努めており、具体的には純有利子負債÷EBITDAの具体的な目標数値を設定し、その実現を目指すと共に営業キャッシュ・フロー、投資キャッシュ・フロー、有利子負債削減、株主還元のバランスの取れたキャッシュアロケーションを実施してまいります。
・潤沢な資金調達を可能とするために、資金調達手法の多角化を推進しております。

(4,人事・労務リスク)
(1) 人材確保の激化:影響度 大
(リスク)
人材獲得競争の激化が国内のみならずグローバルに発生しており、当社グループにおいても昨今のデジタル技術の進化に伴うデジタル人材や新規事業を始める際に各分野の専門的知見をもつ人材の育成、確保は急務と認識しております。更に、ダイバーシティ&インクルージョンの推進としてハイブリッド勤務の導入を実施するなど個人のライフスタイル、ライフステージに対応した人事制度の設計を行っております。しかし、当社グループが、競争が激化する中で人事制度の設計不備等により、高度なスキルを有する人材の確保が図れなかった際には当社グループの目指す経営目標の達成や事業の存続に影響を及ぼす可能性があります。
(対 応)
・全従業員が部署や事業を通して従来の縦割り型から脱却を図り協業しやりがいと誇りを持てる風土を醸成することを当社の人事制度の方向性として定めております。
・定期的な人事制度の見直し及び、従業員のモチベーションの向上を図るべく教育制度やグループ内出向及び外部出向を拡充しており、自己啓発や公募制度を通した社内外での人材交流の活発化を行うことで人材強化を達成する制度設計を実施しております。
・ライフワークバランスを尊重し個人のライフスタイルに合わせた多種多様な働き方を認める各種制度を実施しております。

(5,オペレーショナルリスク)
(1) 商品取引上のリスク:影響度 大
(リスク)
当社グループは、百貨店事業を中心として事業展開を行っております。当該事業は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律を始めとする経済法や各種消費者保護法、また営業許認可に関わる各種業法の適用を受け、お取組先との取引においても、消費者との取引においても、競争力や情報量の格差に乗じた不当な拘束等を排除し公正な取引を行うことが求められています。これらの法規制を遵守できなかった場合、社会的信用の失墜、行政処分による当社グループの活動の制限、売上の減少や損害賠償金の支払い、罰金・課徴金の支払い等による財務上の損失が発生するなど、当社グループの事業継続に大きな影響が生じることが考えられます。
なかでも食料品販売から飲食サービスまで多岐にわたる食品衛生に関わる事業においては、アレルギー表記の不備等が原因となる食物アレルギー有症事故や、調理者の健康管理不良や食材管理不良等に伴う食中毒が発生した場合、お客さまへの重篤な健康被害、営業停止や罰則などの行政処分、社会的信用の失墜による売上の減少や損害賠償金等の支払いが発生し財務状況に悪影響を与える可能性がございます。
(対 応)
・グループ全体の商品取引における法令遵守体制を構築するために、下請代金支払遅延等防止法や不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引に関する法律に則したガイドラインやマニュアルを整備し、法改正やオペレーションの見直し等時宜に適った改定を行い、社内に周知しております。
・コンプライアンス推進部会を組織しており定例会議を開催し、法改正等への対応の指針の策定と社内懸念事項の報告及び解決に向けた取り組みを強化しております。
・従業員やお取組先から派遣いただく社員に対し、法令、社内規程、倫理観を重視したコンプライアンスカルチャーを醸成するため様々な教育実施と、法令違反や社内規程に反する行為がないかの定期的な点検の実施を行っております
・万が一、事件・事故が発生した際には各ガイドラインとレポートラインに則った関連部署間での連携による解決を図り、その後事例を社内にて共有し再発防止に努めております
・食品衛生の基本となるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画書を策定し、お取組先まで共有することで食品衛生確保の網羅性を図っております。計画書に基づいた日々の記録と保管を徹底し、定期的な点検を実施することで、法令遵守と食中毒予防の両面からお客さまの安全確保に取り組んでおります。
・アレルギー有症事故を予防するため、正しいアレルギー情報を提供するためのマニュアルと社内体制を整備しております。アレルギー情報が正しく提供されていることを定期的に点検すると共に、お客さまとも積極的なリスクコミュニケーションを日々推進しております。

(2) 個人情報の漏洩・紛失等:影響度 大
(リスク)
昨今、旧来の個人情報保護の観点のみならず、個人情報を用いたビジネスの拡大や新規ビジネスの創出に伴う個人情報の漏洩・不適切利用事案の増加から、消費者の個人情報保護への意識と利用状況への関心が高まっております。また個人情報に関する各国法も相次いで整備される中、越境移転も踏まえた、厳重な管理体制や厳格な目的内利用の仕組みの構築が、企業に求められております。
当社グループでは百貨店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、多くのお客さまの個人情報をお預かりし管理しておりますが、犯罪等により外部に漏洩した場合や管理体制の不備により紛失した場合、また個人情報の保護に関する法律等の法令違反が発覚した場合には、損害賠償費用や罰金などの費用の発生、さらには当社グループの社会的信用の失墜による売上の減少が考えられ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(対 応)
・適切な個人情報の取得及び利用のための自主基準やマニュアルを策定し、これらに基づいて管理システム・社内管理体制を整備し、実店舗からオンライン環境に至る全ての事業環境において日々厳重に個人情報の管理を実施しております。
・個人情報を含む情報セキュリティ体制の策定と周知の徹底を行い、さらに継続的な見直しとモニタリングを実施しております。
・対応スキルの維持向上を目的として従業員に向けた教育を実施しリテラシーと意識の向上を図っております。
・行政によるデジタル社会の形成に向けた法整備状況、個人情報の保護に関する法律を始めとした法規制やガイドライン等への対応を図っております。
・外部の専門団体に加盟し、他社発生事象の情報共有を含め専門的な知見からなる指摘を受けながら外部環境変化に即した制度設計を図っております。

従業員の状況研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03521] S100OH0V)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。