有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100NQB5 (EDINETへの外部リンク)
株式会社INPEX 研究開発活動 (2021年12月期)
当社グループでは、従来より「長期的視野に立った石油・天然ガスの探鉱・開発の技術レベルの維持・向上」と「持続可能なエネルギー供給システム構築の推進」の観点から研究開発活動に取り組んでまいりました。ネットゼロカーボン社会の実現に向けて、エネルギー開発・安定供給の責任を果たしつつ、エネルギー構造の変革への取り組みを強化する経営の基本方針を2021年1月に策定、公表し、同方針に沿って①上流事業のCO2低減(CCUS推進)、②水素事業の展開、③再生可能エネルギーの取組強化と重点化、④カーボンリサイクルの推進と新分野事業の開拓、⑤森林保全によるCO2吸収の推進、のネットゼロ5分野の関連技術の獲得を目指した活動を実施しています。
ネットゼロカーボン社会に向けた変革を加速させるべく、エネルギーのクリーン化に繋がる各取組を現中期経営計画期間(2022年~2024年)内に重点的に実施し、研究開発を着実に進めてまいります。
このため、当社技術研究所に「INPEX Research Hub for Energy Transformation」(略称「I-RHEX(アイレックス)」)を設立し、CO2貯留・回収技術、低コスト水素製造技術等のクリーンエネルギー技術の研究開発を推進します。
エネルギー構造の変革期においても引き続きエネルギーの安定供給の責任を果たすため、「既存E&P技術と先進技術の融合でエネルギートランジションをリードし、上流事業の強靭化とエネルギーのクリーン化を進める」を目標に掲げて研究開発活動を実施しており、当連結会計年度の研究活動費の合計は409百万円となりました。主な研究活動内容は以下の通りです。
(1) 先進技術の獲得・開発 (CO2貯留・回収技術、低コスト水素製造技術等)
CCS/CCUS事業の検討・実証を通じて、事業推進に必要な技術の強化を図ります。
2021年度から、新潟県阿賀野市においてCO2を用いた原油回収効率改善技術(EOR)のための研究を独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構と共同で実施しています。本技術は、CO2と水を混合し泡状流体(フォーム)の状態にして地下に圧入するものであり、従来のCO2 EORで弱点とされてきた地層間の浸透性の違いに起因する不均一な圧入とそれに伴う地下の原油の取り残しの発生を軽減し、原油の回収効率を改善させることが期待されています。また、原油回収後、CO2の一部は地下に残留するため、温室効果ガスの一つであるCO2削減効果についても検証することを予定しております。
CO2の分離回収・貯留(CCS)技術に関しては、2016年度から二酸化炭素地中貯留技術研究組合に参画し、大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の開発・実証に取り組んでおります。また、CO2-EOR(CCUS)を含むCO2地下貯留の国際基準(ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に日本CCS調査株式会社の株主として日本国内に おける実証プロジェクトに参加しております。
さらに、低コスト水素製造技術については、ケミカルルーピング技術などの非在来型を含む種々の水素製造プロセスの探索と評価を行い、Life Cycleで評価して低コストで水素を製造できるような技術の開発を目指し、研究開発に取り組んでおります。
(2) E&P技術の高度化・効率化・低炭素化による上流事業の強靭化
エネルギー構造の変革期においても引き続きエネルギーの安定供給の責任を果たし、事業の強靭化・クリーン化を推進するため、既存上流事業について以下の研究開発を進めてまいります。
①在来型油ガス田の開発・生産に関する既保有技術の維持・向上の為に、国内外の大学・研究機関・企業と連携を図りつつ、具体的には油層中で生産障害となるアスファルテンの制御技術、生産プラントへのダメージや環境問題を引き起こす水銀の制御・管理技術、油井管やパイプラインの腐食防食技術の研究開発を実施しています。また、当社は国内企業と連携し、セラミック膜を利用した随伴水処理技術を開発・実証し、国内操業現場において試験運転を実施すると共に、国外油田への適用に向けた検討を行っております。
②イクシスLNGプロジェクトの開発や直江津LNG基地の操業経験を通じて獲得したLNG技術について、その経験と知識をLessons Learntデータベースを構築し社内で共有しました。また、新潟やカナダのプロジェクトなどを通じて獲得したタイト貯留層開発技術については、2019年にオペレーターとして権益を取得した米国イーグルフォードアセットにおいて、数値モデルを用いた生産量予測モデルの作成や地下の貯留岩のフラクチャ―形状を把握するマイクロサイスミック等の研究開発を進めてまいります。
③次世代のEOR技術としての低塩分濃度水攻法や難条件下の研究開発も進めております。
(3) 再生可能エネルギーへの取組
2050年ネットゼロカーボン社会の実現に向け、カーボンリサイクル、再生可能エネルギー開発等、当社グループがこれまで上流事業を通じて培った経験と知識を活用した研究開発を実施しております。
低炭素化に向けた「炭素循環」技術の中で、2017年以降、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「CO2有効利用技術開発事業」を受託して取り組んでまいりましたCO2からメタンを生成するメタネーションの技術開発については、合成メタン製造コストの低減、設備の大規模化等実用化に向けた更なる検証を進めてまいります。当社長岡鉱場から回収した二酸化炭素を用いて合成メタンを製造する実証試験を2024年から2025年に実施し、製造した合成メタンを都市ガスパイプラインへ注入する予定です。本事業で設置する実証設備の合成メタン製造能力は約400Nm3/hを予定しており、これは現時点で世界最大級の規模となります。
また、経済産業省及びNEDOが主導する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参加し、太陽エネルギーを利用した光触媒の水分解による水素の生成、並びに、生成された水素とCO2からプラスチック原料等基幹化学品の製造を目指す研究開発プロジェクトに継続して取り組んでいます。
さらに、再生可能エネルギー事業への取り組みを促進し、太陽光発電、地熱発電及び洋上風力発電事業の推進に必要な技術の強化を図ります。
(4) デジタル技術の活用促進
当社グループが関与する事業においてデジタル技術を最大限に活用し、デジタルエネルギー会社としての基礎を確立することで、供給エネルギー及び内外のステークホルダーに新たな付加価値を提供してまいります。具体的には以下の取組を実施してまいります。
①油ガス田開発分野では、地震探査データ解釈の自動化、岩相・化石種の自動判定等の取り組みを通じて作業効率の最大化を促進すると共に、掘削における逸泥や抑留といった早期障害検知AIモデルの検証を進めています。
油ガス・LNG処理施設及び再生可能エネルギー設備の操業・保全分野では、省人化・無人化等による全体最適化を目指し、AI活用・ロボット・ドローンの技術検証に取り組んでおります。
②CCS/CCUS分野では事業機会創出にあたり、デジタルによる貯留適地スクリーニングの省力化・自動化の取り組み等を進めております。
③データ管理・データサイエンスの面では、当社グループの保有する膨大な技術データをクラウド上で一元管理化を一層進め、それらのデータの高度活用を促進いたします。
ネットゼロカーボン社会に向けた変革を加速させるべく、エネルギーのクリーン化に繋がる各取組を現中期経営計画期間(2022年~2024年)内に重点的に実施し、研究開発を着実に進めてまいります。
このため、当社技術研究所に「INPEX Research Hub for Energy Transformation」(略称「I-RHEX(アイレックス)」)を設立し、CO2貯留・回収技術、低コスト水素製造技術等のクリーンエネルギー技術の研究開発を推進します。
エネルギー構造の変革期においても引き続きエネルギーの安定供給の責任を果たすため、「既存E&P技術と先進技術の融合でエネルギートランジションをリードし、上流事業の強靭化とエネルギーのクリーン化を進める」を目標に掲げて研究開発活動を実施しており、当連結会計年度の研究活動費の合計は409百万円となりました。主な研究活動内容は以下の通りです。
(1) 先進技術の獲得・開発 (CO2貯留・回収技術、低コスト水素製造技術等)
CCS/CCUS事業の検討・実証を通じて、事業推進に必要な技術の強化を図ります。
2021年度から、新潟県阿賀野市においてCO2を用いた原油回収効率改善技術(EOR)のための研究を独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構と共同で実施しています。本技術は、CO2と水を混合し泡状流体(フォーム)の状態にして地下に圧入するものであり、従来のCO2 EORで弱点とされてきた地層間の浸透性の違いに起因する不均一な圧入とそれに伴う地下の原油の取り残しの発生を軽減し、原油の回収効率を改善させることが期待されています。また、原油回収後、CO2の一部は地下に残留するため、温室効果ガスの一つであるCO2削減効果についても検証することを予定しております。
CO2の分離回収・貯留(CCS)技術に関しては、2016年度から二酸化炭素地中貯留技術研究組合に参画し、大規模CO2圧入・貯留の安全管理技術の開発・実証に取り組んでおります。また、CO2-EOR(CCUS)を含むCO2地下貯留の国際基準(ISO/TC265)策定活動に積極的に貢献すると共に日本CCS調査株式会社の株主として日本国内に おける実証プロジェクトに参加しております。
さらに、低コスト水素製造技術については、ケミカルルーピング技術などの非在来型を含む種々の水素製造プロセスの探索と評価を行い、Life Cycleで評価して低コストで水素を製造できるような技術の開発を目指し、研究開発に取り組んでおります。
(2) E&P技術の高度化・効率化・低炭素化による上流事業の強靭化
エネルギー構造の変革期においても引き続きエネルギーの安定供給の責任を果たし、事業の強靭化・クリーン化を推進するため、既存上流事業について以下の研究開発を進めてまいります。
①在来型油ガス田の開発・生産に関する既保有技術の維持・向上の為に、国内外の大学・研究機関・企業と連携を図りつつ、具体的には油層中で生産障害となるアスファルテンの制御技術、生産プラントへのダメージや環境問題を引き起こす水銀の制御・管理技術、油井管やパイプラインの腐食防食技術の研究開発を実施しています。また、当社は国内企業と連携し、セラミック膜を利用した随伴水処理技術を開発・実証し、国内操業現場において試験運転を実施すると共に、国外油田への適用に向けた検討を行っております。
②イクシスLNGプロジェクトの開発や直江津LNG基地の操業経験を通じて獲得したLNG技術について、その経験と知識をLessons Learntデータベースを構築し社内で共有しました。また、新潟やカナダのプロジェクトなどを通じて獲得したタイト貯留層開発技術については、2019年にオペレーターとして権益を取得した米国イーグルフォードアセットにおいて、数値モデルを用いた生産量予測モデルの作成や地下の貯留岩のフラクチャ―形状を把握するマイクロサイスミック等の研究開発を進めてまいります。
③次世代のEOR技術としての低塩分濃度水攻法や難条件下の研究開発も進めております。
(3) 再生可能エネルギーへの取組
2050年ネットゼロカーボン社会の実現に向け、カーボンリサイクル、再生可能エネルギー開発等、当社グループがこれまで上流事業を通じて培った経験と知識を活用した研究開発を実施しております。
低炭素化に向けた「炭素循環」技術の中で、2017年以降、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から「CO2有効利用技術開発事業」を受託して取り組んでまいりましたCO2からメタンを生成するメタネーションの技術開発については、合成メタン製造コストの低減、設備の大規模化等実用化に向けた更なる検証を進めてまいります。当社長岡鉱場から回収した二酸化炭素を用いて合成メタンを製造する実証試験を2024年から2025年に実施し、製造した合成メタンを都市ガスパイプラインへ注入する予定です。本事業で設置する実証設備の合成メタン製造能力は約400Nm3/hを予定しており、これは現時点で世界最大級の規模となります。
また、経済産業省及びNEDOが主導する「人工光合成化学プロセス技術研究組合」に参加し、太陽エネルギーを利用した光触媒の水分解による水素の生成、並びに、生成された水素とCO2からプラスチック原料等基幹化学品の製造を目指す研究開発プロジェクトに継続して取り組んでいます。
さらに、再生可能エネルギー事業への取り組みを促進し、太陽光発電、地熱発電及び洋上風力発電事業の推進に必要な技術の強化を図ります。
(4) デジタル技術の活用促進
当社グループが関与する事業においてデジタル技術を最大限に活用し、デジタルエネルギー会社としての基礎を確立することで、供給エネルギー及び内外のステークホルダーに新たな付加価値を提供してまいります。具体的には以下の取組を実施してまいります。
①油ガス田開発分野では、地震探査データ解釈の自動化、岩相・化石種の自動判定等の取り組みを通じて作業効率の最大化を促進すると共に、掘削における逸泥や抑留といった早期障害検知AIモデルの検証を進めています。
油ガス・LNG処理施設及び再生可能エネルギー設備の操業・保全分野では、省人化・無人化等による全体最適化を目指し、AI活用・ロボット・ドローンの技術検証に取り組んでおります。
②CCS/CCUS分野では事業機会創出にあたり、デジタルによる貯留適地スクリーニングの省力化・自動化の取り組み等を進めております。
③データ管理・データサイエンスの面では、当社グループの保有する膨大な技術データをクラウド上で一元管理化を一層進め、それらのデータの高度活用を促進いたします。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00043] S100NQB5)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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