有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ODSV (EDINETへの外部リンク)
大日本印刷株式会社 事業等のリスク (2022年3月期)
DNPグループは、地球環境の持続可能性を高め、健全な社会と経済、快適で豊かな人々の暮らしを実現していく新しい価値の創出に努めており、それによってDNP自身の持続的な成長を達成していきます。また、その実現に向けて、環境・社会・経済に関するさまざまな課題と、変動要素としてのリスクを正しく認識し、統合的なリスクマネジメントを行う取り組みに注力しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。DNPグループは、持続可能な社会の実現に向けて、リスクによるマイナスの影響を抑制するとともに、事業機会(チャンス)の拡大を図っていきます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてDNPグループが判断したものであります。
(1)環境関連のリスク
○あらゆる企業活動の土台となる地球環境の持続可能性に関連する変動要素
・気候変動による自然災害の激化、生物多様性の損失の加速・環境ポジティブな製品・サービスの市場拡大、技術革新の加速
○地球環境の危機に対する制度・ルールの変動
・気候変動リスクや自然関連情報等の開示の強化
・GHG排出量の規制強化、エネルギー関連施策の見直し
・循環経済への移行の加速 など
DNPグループは事業活動と地球環境の共生に絶えず取り組み、「DNPグループ環境ビジョン2050」に基づいて「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを加速させています。例えば、自然災害等への対応としては、製造設備その他の主要施設に防火・耐震・水害対策等を施すとともに、製造拠点や原材料調達先の分散を図り、生産活動の停止や製品供給の混乱を最小化する事業継続計画(BCP)を策定し、その適切なマネジメント(BCM)を推進しています。また、各種保険によるリスク移転も図っています。しかしながら、甚大な自然災害や感染症の流行など、社会インフラの大規模な損壊や機能低下、生産活動の停止につながるような予想を超える事態が発生した場合は、業績に大きな影響を与える可能性があります。
またDNPグループの事業は、印刷用紙など森林資源からの原材料調達や、水・エネルギーを使用する製造工程など、さまざまな形で自然の恩恵を受けています。さらに、グローバルなサプライチェーンの構築など、社会と密接に関係しながら事業活動を展開しています。こうした状況をグループ全体で明確に認識し、環境の持続性を確保しつつ、社会とともに持続的に成長するための取り組みを進めています。しかしながら、地球環境の急激な変動や生物多様性の損失の加速などによって、DNPが必要とする自然資本に想定以上の変動がある場合は、企業活動への影響が大きくなります。
国内外では、気候変動への対応や生物多様性の保全などに関する法的規制や国際規範の強化が進み、社会課題の解決に取り組む姿勢を重視して企業価値を判断する傾向が強まっています。特に「脱炭素社会」への移行は、世界的な緊急課題となっており、各種インフラや事業構造の変革が求められています。DNPグループはこうした変化を先取りすることに加え、自ら主体的に変化を起こすことによって、地球環境の持続可能性の増進と業績の拡大に対して、より良い影響を与えるように努めていきます。
(2)社会関連のリスク
○社会で生きる多様な人々の尊厳・権利に関する変動要素
・多様な社会で生きる多様な人々の尊厳に関する課題の変化・あらゆる人が心地よく生きるための諸条件の変化(心身の健康・安全・衛生など)
・サプライチェーン/バリューチェーン全体における人権侵害等の加速
○健全な社会の構築に向けた制度・ルールの変動
・各国・地域の法制度・政治制度の変更
・地政学的リスク/カントリーリスクの拡大
・文化や制度・ルールの違いによる各種リスクの顕在化 など
「DNPグループ人権方針」等に基づき、社員の心理的安全性が高く健康で活力ある職場の実現に注力するほか、社員一人ひとりの状況に配慮した働き方を実現し、多様な強みを掛け合わせていく「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)」の取り組みを推進しています。しかしながら、国内外の雇用情勢の急激な変化にともない、高い専門性を有する人財や、変化に柔軟に対応しながら業務を遂行できる人財の確保・育成ができない場合など、競争優位性の高い組織体制の構築が難しくなる可能性があります。
近年は特に、海外での事業活動やグローバルに拡大するサプライチェーン/バリューチェーンに関して、多様な社会的・政治的・経済的変動要素が顕在化しています。世界各地での労働環境の適正化や人権への配慮がますます重要となるなか、社会的責任を果たし続けていくことが、企業として長期的に発展していくことの基盤となります。それに対して、各国・地域や経済圏などで、社会関連の法律や規制の予期しない制定や変更、地政学的リスクやカントリーリスクの拡大などが起きることによって、DNPグループの国内外の事業活動や原材料調達に支障が生じ、業績に影響を与える可能性があります。
DNPグループはまた、社員全員に対して企業倫理の浸透・徹底を図っています。すべての企業活動において法令等を守るだけでなく、高い倫理観を持ち、常に公正・公平な態度で、社会の維持・発展に寄与することで、将来にわたって信頼を得るべく努めています。しかしながら、企業としてのレピュテーションが低下するような事案が国内外で発生した場合など、業績への影響につながる可能性があります。
(3)経済関連のリスク
○各国・地域とグローバルな市場における経済活動の短期および中長期の変動要素
・ビジネスモデル/技術/製品・サービス等の開発の加速
・デジタルトランスフォーメーション(DX)やグローバルネットワーク等の加速
・各種経済指標の急激な変動
(国内外の景気・業界動向・消費意欲・物価・為替・GDP他)
○経済活動の基盤となる制度・ルールの変動
・資本主義の見直し、バーチャルな経済圏の確立等による金融インフラの変動
・情報インフラ関連の変動(GDPR等各種ルール・規制の強化/緩和、情報セキュリティへの脅威) など
DNPグループは、特定の業種に偏らない数万社の企業や、自治体・各種団体・生活者等と多様な事業活動を行っています。この強靭で安定的な事業基盤を強みにするとともに、独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを掛け合わせ、社外のパートナーとの連携を強化しながら新しい価値の創出に努めています。しかしながら、国内外の景気や消費の動向などが想定以上に低迷した場合や、特に新興国での生産や需要の変化が大きい場合など、生産量の減少や単価の下落等によって業績が影響を受ける可能性があります。また、新規のビジネスモデルや技術、製品・サービスの開発において、さらなる競争の激化や変化に対する対応の遅れ、予想を上回る商品サイクルの短期化、市場動向の変化などが業績に影響を与える可能性があります。戦略的な事業・資本提携や企業買収は、事業拡大の迅速化や効果の拡大に有効ですが、提携先・買収先等を取り巻く事業環境が悪化し、当初想定していたような相乗効果が得られない場合、業績に影響を与える可能性があります。
原材料等の調達については、国内外の複数のメーカーから印刷用紙やフィルム材料を購入するなど、安定的な数量の確保と最適な調達価格の維持に努めています。しかしながら、石油価格や為替の大幅な変動や新興国での急激な需要の増加、天然資源の枯渇、気候変動の影響、サプライチェーンにおける人権の問題などにより、需給バランスが崩れる懸念もあります。また為替相場については、現地生産化や為替予約などによって変動リスクをヘッジしていますが、これらの状況が急激に変動する場合には、業績に影響を与える可能性があります。
また、事業活動において、世界規模のコンピュータネットワークなど情報システムを活用するなかで、ソフトウェアやハードウェアの不具合のほか、日々変化していくサイバー攻撃によるコンピュータウイルスへの感染、個人情報の漏えいなどの発生リスクが高まっています。特に、サイバー攻撃については、攻撃の増大と巧妙化が進んでおり更なる自社防御強化は必須です。DNPグループは、個人情報を含む重要情報の保護、つまり情報セキュリティを経営の最重要課題のひとつとして捉え、体制の強化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理に万全を尽くしていますが、万一、DNPグループのサプライヤーやパートナーがサイバー攻撃や重要情報に関連する事故などが発生した場合には、事業の停止等事業活動に影響を与える可能性があります。
事業活動において自社が保有する知的財産やノウハウ等を適切に保護、管理、活用することは不可欠です。DNPグループでは、自らの技術・ノウハウ等の流出を防止するための管理を厳重に行っていますが、不測の事態による外部流出の可能性があります。一方で他者の知的財産を必要とする事業や製品開発において当該知的財産を利用できない場合、事業拡大や業績に影響を与える可能性があります。また、他者の知的財産権を尊重し、侵害しないよう対応していますが、他者から訴訟等を提起され、差止請求や損害賠償請求を受ける可能性があります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00693] S100ODSV)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。