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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ODU6 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社ダイセル 研究開発活動 (2022年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、20,741百万円であります。
なお、当連結会計年度において、当社グループの研究開発活動の状況で特筆すべき内容は、次のとおりであります。
・長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』及び中期戦略『Accelerate 2025-II』の実現に向けて、ダイセルグループ横断の連携強化により、真のニーズを掘り起こすマーケットイン型の事業創出に取り組んでおります。
・当社グループにとって新バイオマスプロダクトツリーの実現やバイオマスバリューチェーンの構築は、酢酸セルロース事業の更なる発展と、カーボンニュートラルなど社会的課題の双方に対して大きな推進力になります。これらの社会実装に向け、国立大学法人京都大学、国立大学法人金沢大学と包括連携協定を締結し、産学連携拠点施設や産学連携講座を開設して共同研究を進めております。
(金沢大学)
産業・学術・官庁の垣根を超えた共創による研究に取り組むことができる研究施設の建設を進めており、本拠点では,ファインセルロースの研究やセルロース常温溶解法による製造技術の開発を強力に推進し,社会実装を目指します。2021年10月には、科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)産学共同(本格型)の課題として「バイオマスプロダクトツリーを実現する新規改質セルロースの開発」が新規採択されました。
(京都大学)
温和な条件下で木質を「溶かす技術」による、新たな素材・製品群の創出を目指した共同研究を行っております。例えば、従来不可能だった精密に制御された化学反応による様々な新素材の開発(木質と金属・ガラスなどの無機物からなる新規ハイブリッド材料、木質と合成高分子の新規ハイブリッド材料など)や木材に含まれている反応性に富んだ物質(リグニン、ヘミセルロースなど)を変質させずに抽出し、それらを出発原料とした新たな製品群の創出(高品質なリグニンを出発物質とする高付加価値化学物質の合成など)です。また、温和な条件下で木質を「溶かす技術」により、従来の木材溶解に必要だったエネルギー多消費型の製造プロセスを大幅に短縮した省エネルギー化を目指します。

セグメント別の活動状況は以下の通りです。
(1) メディカル・ヘルスケア事業
当事業に係る研究開発費は1,902百万円であります。
[ヘルスケアSBU]
ヘルスケアSBUは、ヘルスケア分野において特徴ある素材・技術の開発を進めております。コスメBUでは、サステナブルな素材を化粧品市場へ提供するため、天然原料を使用した酢酸セルロースの真球状微粒子「BELLOCEA®(ベロセア®)」を開発、販売しております。また、ECHA(欧州化学物質庁)の提案するマイクロプラスチック規制に対応可能な高い生分解性と感触を両立する微粒子の開発に力を入れています。健康食品BUでは、腸内細菌によって体内で生成される成分(腸内細菌代謝物)に着目した研究・開発を行っております。これまでに、大豆イソフラボンの腸内代謝物としてエクオール含有素材を開発し、2021年5月には、ザクロに含まれるポリフェノールの代謝物(ウロリチン-A)含有素材を「ウロリッチ®」という商品名で上市いたしました。ウロリチン-Aには寿命延長効果やオートファジー効果が報告されております。

[CPIカンパニー]
CPIカンパニーは、キラル事業がターゲットとする低分子合成医薬に加え、成長市場の中・高分子/バイオ医薬市場においてソリューションを提供いたします。新規製品の継続的開発・上市とテクニカルサービスの充実により世界トップシェアを維持しております、光学分割用カラム事業では、新規耐溶剤型キラルカラム第10弾のCHIRALPAK IK製品およびその高性能分析用3μm製品を上市いたしました。また、既存汎用カラムと差別化した当社独自のアキラルカラムについて、新規カラム開発およびこれらを用いたペプチド等、中分子医薬のアプリケーション開発を継続しております。バイオ分野では、人類遺伝学の分野で世界をリードする米国、フランス、オーストラリア等の研究機関と共同でヒトゲノム解析用検査キットを新製品として開発、上市しました。この製品を用いることで、進化の過程で変化したとされる200万以上のゲノム領域を低コストで分析することが可能となります。今後も新製品を投入することで、バイオ分野でのプレゼンスを高めてまいります。






(2) スマート事業
当事業に係る研究開発費は3,631百万円であります。
スマートSBUは、快適なスマート社会に必要な技術・製品で、ソリューションを提供いたします。ディスプレイ分野(偏光板保護フィルムの品質改善、視認性・使用感改善の機能性フィルム)、IC/半導体分野(半導体並びにフラットパネルディスプレイ製造用フォトレジスト材料、超高純度溶剤、半導体製造用クリーナー材料)並びにセンシング分野(ウエハーレベルレンズ、有機半導体インク、導体インク、プリンテッド・エレクトロニクス用機能性溶剤)をターゲットにした研究開発を進めております。①視認性改善の機能フィルムを新規上市、②ダイキン工業㈱との共同開発で「透湿膜全熱交換エレメント」向け透湿膜シートを事業化、③フォトレジスト材料開発の拠点集約並びに新技術検討用パイロット設備を設置、④新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「ポスト 5G 情報通信システム基盤強化研究開発事業」先導研究に2件の研究開発テーマが採択となり、技術開発を加速しています。

(3) セイフティ事業
当事業に係る研究開発費は5,566百万円であります。
セイフティSBUは、一度だけ瞬時に、安全に、確実に、エネルギーを生み出す自社技術並びにその技術を活用した製品群「One Time Energy™ DAISI™」と自動車安全領域で培ったノウハウを土台に、新たな安全安心を社会に提供いたします。自動車エアバック用新規ガス発生剤や新規インフレータ、自動車用電流遮断器など産業用アクチュエーター(エネルギーを動きに変える装置)の研究開発を行っております。また医療向けの新規投与デバイスは「One Time Energy™ 」というエネルギー制御を基盤としており実用化を強力に推進すべく、事業創出本部から移管し量産化を見据えた開発を強化・加速しており、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)向けDNAワクチン共同開発プロジェクトに参画し、医師主導試験の皮内投与に適用されました。

(4) マテリアル事業
当事業に係る研究開発費は1,510百万円であります。
マテリアルSBUは、ダイセルの原点である素材事業で培った技術で地球規模のニーズに多様なソリューションを提供いたします。アセチルBUでは、アセテート・トウなど、セルロース誘導体の品質、生産性の向上に取り組んできたことにより事業優位性の維持に寄与しています。長年培ったセルロース化学技術を応用し、より生分解しやすい分子構造を見いだし、従来製品の品質を保ったまま、海洋生分解性を向上させた酢酸セルロースCAFBLO(キャフブロ、Cellulose Acetate for Blue Ocean)を開発しており、2021年8月に海洋生分解性を証明する国際認証「OK biodegradable MARINE」を取得しました。石油系プラスチック代替を目指した用途開発を加速しております。ケミカルBUでは、新規エポキシ樹脂の継続的開発とテクニカルサービスの充実により、脂環式エポキシ樹脂の世界トップシェアを維持しております。耐熱性、光学特性に優れ、かつ、低毒性(変異原性陰性)を特徴とした脂環式エポキシ樹脂「セロキサイド8400」を開発いたしました。すでに特定の顧客にワークを開始し、評価が進んでいる為、スケールアップの検討を進めております。

(5) エンジニアリングプラスチック事業
当事業に係る研究開発費は3,672百万円であります。
[ポリプラスチックス㈱]
世界に認められるエンジニアリングプラスチックNo.1のソリューションプロバイダーに向け、Post 5G/6Gの最先端通信、次世代自動車、メディカル分野など、エンジニアリングプラスチックの次の成長を実現する市場をターゲットに、当社の価値提供型ビジネスの更なる高度化、ファインパウダー等の新たなエンプラ機能の提案、ダイセルグループ内技術とのシナジー創出による新技術開発を行ってまいります。特に急速に高まるカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーに関するニーズに応えるべく、環境負荷低減技術開発にも注力いたします。またグローバル市場展開の促進に向け、5拠点の海外テクニカルソリューションセンターとネットワーク体制を形成し、新規市場開発案件の創出、ならびにコンセプト提案を進めております。

[ダイセルミライズ㈱]
コンシューマー事業、レジン事業の二つの事業分野にて、社会や顧客の課題を解決する製品開発を進めています。リチウムイオン電池市場を主体にカルボキシメチルセルロース事業の更なる拡大、環境対応型樹脂上市に向けたコンパウンド技術の確立、各種環境対応製品の開発、および海外ネットワーク活用による各種製品のグローバル展開を進めております。




(6) その他事業
当事業に係る研究開発費は160百万円であります。
[ダイセン・メンブレン・システムズ㈱]
分離膜および膜装置システムの開発などを行っております。特に、水処理および医薬分野における新規分離膜の開発に注力しています。

(7) コーポレート
当社では、新規事業創出のための研究開発や基盤研究をコーポレート部門が行っております。その研究開発費は4,297百万円であります。
[リサーチセンター]
大学や公的研究機関との産学連携を積極的に進め、有識者との共同研究等により、中長期で求める新しい技術、機能、素材の基礎研究を進めております。2020年4月から東京大学社会連携講座で研究開発に取り組んでいるマイクロ流体デバイス技術について、この技術を応用した「マイクロ流体デバイスプラント」を社会実装するために必要な生産技術および量産化技術に関して、国立清華大学(台湾)と共同で研究開発を進めることになりました。

[事業創出本部]
2021年4月1日付の組織変更により、コーポレート部門の事業企画と研究開発部門を一体化した事業創出センターと事業創出に必要な評価技術を構築する評価解析センターを設置し、メンバー全員がマーケットに出て、お客様に密着するカスタマーインの取り組みを通じて、事業創出を加速致します。これまで培ってきた計算科学・マテリアルズ・インフォマティクス等のAI技術、有機合成技術、評価解析技術、加工技術を生かし、各SBUやグループ会社の中長期の研究開発テーマや社外との共創テーマに取り組むとともに、研究開発の初期ステージより工業化技術構築の視点を加え、検討を進めています。また大学・外部研究機関と共同研究体制を構築し、新規素材、新規加工技術、新規生産技術創出の検討を進めています。カスタマーインによる新事業開発の試行事例であるダイキン工業㈱との協業では、マテリアルSBU、スマートSBU、生産技術センターなど課題解決に必要な全部門でその解決にあたり、研究開発の加速と成果の最大化を成し遂げ、短期間で新商品を開発しました。ヘルスケアセグメントでは、当社が得意とする嫌気性培養技術を活用した腸内細菌代謝物に着目した研究・開発を行っており、これまでに、大豆イソフラボンの腸内代謝物(エクオール)、ザクロに含まれるポリフェノールの代謝物(ウロリチン)をヘルスケアSBUとともに事業化いたしました。また、スマートセグメントでは、次世代通信(ポスト5G/6G)向け新規材料並びに評価技術の開発をリサーチセンター、スマートSBU並びに大阪大学産業科学研究所フレキシブル3D実装協働研究所とともに進めており、2021年6月、NEDO「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」先導研究に採択されました。エレクトロニクス実装材料の研究開発及び事業化を加速し、経済産業省及びNEDOが進める我が国のポスト5G情報通信システムの開発・製造基盤強化に貢献します。評価解析技術では、ミクロ・ナノ構造解析技術の強化・新技術獲得(電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡、X線放射光)を進めております。

[生産本部生産技術センター]
ダイセルグループ横断的な体制で新事業の工業化、既存製品の品質改善、プロセス改善、増産検討、プロセス革新による新規プロセス・技術構築の推進を加速し、地球環境と共生する循環型プロセス構築を図っていくため、2021年4月1日付けの組織変更により、生産本部生産技術センターとなりました。酢酸セルロース及び有機主力製品のプロセス革新による大幅なコストダウンおよび省エネルギー化のための技術の開発を進めております。また、企画から事業化まで一貫した技術開発を実現し、エンジニアリング業務でのデジタルトランスフォーメーションを強化すべく、シミュレーションと計算科学およびマテリアルズ・インフォマティクスの機能を生産技術センター内のシミュレーショングループに統合し、プロセスシミュレーション、流体解析、計算科学、品質工学、マテリアルズ・インフォマティクス等AI技術の充足、強化を進めております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00818] S100ODU6)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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