有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100NTB1 (EDINETへの外部リンク)
大塚ホールディングス株式会社 事業等のリスク (2021年12月期)
当社グループ事業の運営及び展開等については、様々なリスク要因があります。当社グループは、それらの想定されるリスク要因に対し、事前に低減、移転、回避、保有を判断し、事実上可能な範囲での施策を検討実施しておりますが、すべてのリスク要因を排除又は低減することは不可能又は著しく困難であり、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
以下、当社グループのリスクマネジメント体制、及び当社グループが重要なリスクであると判断する項目を記載いたしますが、当社グループの事業等に係るリスクをすべて網羅するものではありません。また、将来に関する事項については、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断又は予想する主要なものであり、事業等に係るリスクはこれらに限るものではありません。
1. 当社グループのリスクマネジメント体制
当社グループは、当社及び主要事業会社における全社リスク管理の一層の充実に取り組むため、リスクを全社的視点で認識・評価し、経営資源を重要なリスクに対する統制へ優先的に配分すること等を目的として、2020年7月からエンタープライズリスクマネジメント(以下「ERM」といいます。)を導入しております。
ERMの取り組みの中では、企業理念の実現、事業戦略の目標達成に大きな影響を与える不確実性を「リスク」と定義し、全社リスク管理のフレームワーク及びリスク評価の仕組みを構築した上、主要事業会社におけるリスク評価を通して当社グループにおける重要なリスクを識別・評価し、リスクの低減・移転・回避・保有を判断、管理方針の策定、その実行及びモニタリングを継続的に行うことで、効果的かつ効率的に当社グループのリスクをマネジメントしております。
当社では、代表取締役社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置しています。当社の取締役会にて重要なリスクの審議や報告を行うことに加え、同委員会が、重要なリスクに対する管理方針の立案、主要事業会社への必要な指示や支援、管理方針の実施状況のモニタリング等、ERM活動の全般を統括しています。これらの取り組みは当社の取締役会へ報告され、取締役会が必要に応じて指示を行うことで、ERMの実効性を監督しています。
重要なリスクの特定にあたっては、まず当社及び主要事業会社において、マネジメントインタビューによる経営上のリスク認識の共有(トップダウンアプローチ)と、現場従業員によるリスクとそのコントロール状況のアセスメント(ボトムアップアプローチ)を行い、当社グループに存在するリスクを識別しております。この中で、各社において主要なリスクと判断されたものについては、各社でリスク管理方針及びリスク管理のアクションプランを策定、定期的にリスク状況やアクションプランの進捗状況を把握し、見直しを行っております。当社では各社の主要なリスクの集約・見える化を実施し、当社グループに存在するリスクとコントロール状況を俯瞰的に把握しています。そのうえで、グループ全体に共通するリスクについて精査し、当社グループとしての重要なリスクの取りまとめを行っております。その結果に基づき、全社的な観点からリスク管理委員会において、経済的損失や事業継続性等に繋がりうる当社グループとして影響が大きなリスクを、優先度の高い重要なリスクとして選定しています。
重要なリスクについては、当社及び主要事業会社にてリスク内容やリスクの許容範囲を踏まえた各種対策を立案・実行しています。当社はグループ会社に対して必要な指示や支援を行い、グループ会社は当社に対して適宜報告や相談を行う等、相互に連携しながらERMを推進・運用しています。
また、当社及びグループ会社は定期的にリスクのモニタリングを実施し、リスクの顕在化を可能な限り防止するとともに、リスクが許容範囲内に収まっているかの適切な管理に努めております。
(当社グループのリスク管理体制)
2. 認識している重要なリスク
「1. 当社グループのリスクマネジメント体制」に記載の通り、当社グループでは、当社及び主要事業会社において、全社的にリスクのアセスメントを実施した結果、以下の重要なリスクを認識しており、リスク低減等のための取り組みを実施しています。
(1) コア事業領域における重要なリスク
① 医療関連事業領域における重要なリスク
② ニュートラシューティカルズ関連事業領域における重要なリスク
(2) 各事業領域共通の重要なリスク
(注) CIはコーポレート・アイデンティティを表します。
以下、当社グループのリスクマネジメント体制、及び当社グループが重要なリスクであると判断する項目を記載いたしますが、当社グループの事業等に係るリスクをすべて網羅するものではありません。また、将来に関する事項については、当連結会計年度末時点において、当社グループが判断又は予想する主要なものであり、事業等に係るリスクはこれらに限るものではありません。
1. 当社グループのリスクマネジメント体制
当社グループは、当社及び主要事業会社における全社リスク管理の一層の充実に取り組むため、リスクを全社的視点で認識・評価し、経営資源を重要なリスクに対する統制へ優先的に配分すること等を目的として、2020年7月からエンタープライズリスクマネジメント(以下「ERM」といいます。)を導入しております。
ERMの取り組みの中では、企業理念の実現、事業戦略の目標達成に大きな影響を与える不確実性を「リスク」と定義し、全社リスク管理のフレームワーク及びリスク評価の仕組みを構築した上、主要事業会社におけるリスク評価を通して当社グループにおける重要なリスクを識別・評価し、リスクの低減・移転・回避・保有を判断、管理方針の策定、その実行及びモニタリングを継続的に行うことで、効果的かつ効率的に当社グループのリスクをマネジメントしております。
当社では、代表取締役社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置しています。当社の取締役会にて重要なリスクの審議や報告を行うことに加え、同委員会が、重要なリスクに対する管理方針の立案、主要事業会社への必要な指示や支援、管理方針の実施状況のモニタリング等、ERM活動の全般を統括しています。これらの取り組みは当社の取締役会へ報告され、取締役会が必要に応じて指示を行うことで、ERMの実効性を監督しています。
重要なリスクの特定にあたっては、まず当社及び主要事業会社において、マネジメントインタビューによる経営上のリスク認識の共有(トップダウンアプローチ)と、現場従業員によるリスクとそのコントロール状況のアセスメント(ボトムアップアプローチ)を行い、当社グループに存在するリスクを識別しております。この中で、各社において主要なリスクと判断されたものについては、各社でリスク管理方針及びリスク管理のアクションプランを策定、定期的にリスク状況やアクションプランの進捗状況を把握し、見直しを行っております。当社では各社の主要なリスクの集約・見える化を実施し、当社グループに存在するリスクとコントロール状況を俯瞰的に把握しています。そのうえで、グループ全体に共通するリスクについて精査し、当社グループとしての重要なリスクの取りまとめを行っております。その結果に基づき、全社的な観点からリスク管理委員会において、経済的損失や事業継続性等に繋がりうる当社グループとして影響が大きなリスクを、優先度の高い重要なリスクとして選定しています。
重要なリスクについては、当社及び主要事業会社にてリスク内容やリスクの許容範囲を踏まえた各種対策を立案・実行しています。当社はグループ会社に対して必要な指示や支援を行い、グループ会社は当社に対して適宜報告や相談を行う等、相互に連携しながらERMを推進・運用しています。
また、当社及びグループ会社は定期的にリスクのモニタリングを実施し、リスクの顕在化を可能な限り防止するとともに、リスクが許容範囲内に収まっているかの適切な管理に努めております。
(当社グループのリスク管理体制)
2. 認識している重要なリスク
「1. 当社グループのリスクマネジメント体制」に記載の通り、当社グループでは、当社及び主要事業会社において、全社的にリスクのアセスメントを実施した結果、以下の重要なリスクを認識しており、リスク低減等のための取り組みを実施しています。
(1) コア事業領域における重要なリスク
① 医療関連事業領域における重要なリスク
医療費抑制策に関するリスク |
日本において、政府は増え続ける医療費に歯止めをかけるため、医療費を適正化する方針を示しており、定期的な薬価引き下げをはじめ、ジェネリック医薬品の使用が促進されております。 また、当社グループの重要市場である米国においても、先発医薬品(ブランド品)の価格引き下げ方針のほか、低価格のジェネリック医薬品やバイオシミラー(バイオ後続品)の使用促進も進んでおり、今後の医療費政策の動向が当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、革新的な新薬を適正価格で提供し、医療を取り巻く環境整備等にも配慮する一方で、新薬のもつ価値の立証に努めております。 また、規制を遵守する体制を整備すると共に、日本における薬価の中間年改定を含めた薬価制度改革の他、海外を含めた行政動向を継続的に注視しており、適時に対応策を検討しております。 一方で、医療費の高騰等に伴う人々の予防・健康に対する意識の高まりに対し、トータルヘルスケア企業である当社グループの特徴を活かして貢献し、「世界の人々の健康に貢献する、なくてはならない企業」を目指しております。 |
新薬開発の不確実性に関するリスク |
医療用医薬品・医療機器等の開発には多額の研究開発投資を必要とし、厳格な審査に基づく承認取得等のプロセスは長期にわたります。臨床試験で想定した有用性が確認できないこと等による開発の遅延・中止により、独占事業期間の短縮、競合品の先行、あるいは当該開発品の上市断念等により研究開発費に見合う売上収益が計上できず、中長期的な事業計画に影響を与える可能性があります。また、上市を見込んで投資した設備等の稼働率が想定を下回ることによる利益率の低下や無形資産の減損損失の計上等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、精神・神経領域、がん・がんサポーティブケア領域を重点領域とし、循環器・腎領域等においても未充足疾患に焦点を当てた研究開発に注力し、当該領域におけるパイプラインの充実化を進め、重点領域等における開発の成功確率の確度を高めることに努めております。また、試験のモニタリングを実施し、課題が認められた場合は関連部署と連携した対応策を実施しております。加えて、開発計画通りにプロジェクトが進まない場合も想定した影響分析や、開発品の導入による開発品目の拡充等によりリスクを低減しております。 また、当社グループでは、医薬品開発に関する主要な計画について取締役会で意思決定を行っております。さらに、諮問機関であるグローバル戦略会議等で開発に関する予算順位付け等を行い、適宜研究開発方針を見直し、適切にポートフォリオを管理しております。 |
副作用等に関するリスク |
医薬品・医療機器等の製品では、安全性プロファイルに影響する予期せぬ重大な副作用が生じることがあります。そのような場合、添付文書の改訂、販売中止、回収等の対応が必要になり、売上収益や開発計画への影響が発生する可能性があります。 |
当社グループでは、前述のポートフォリオ管理に加え、安全管理に係るグローバルな組織体制を構築し、全世界で業務実施手順を定め、従業員への教育を行うことで安全性情報の収集に努めております。製品を販売しているすべての国・地域において、グループ各社又は提携会社等により収集された安全性情報は、グローバルデータベースで管理しております。安全性情報は社内で医師による評価を行い、各国・地域の規制に応じ適切に当局に報告するとともに、安全対策を実施する体制を整備しております。 |
② ニュートラシューティカルズ関連事業領域における重要なリスク
新カテゴリー・新エリア展開に関するリスク |
ニュートラシューティカルズ関連事業では、環境変化を見据え、プラントベース食品等の新カテゴリーへの挑戦や、ポカリスエットやサプリメント事業の新エリアへの展開により、主要3ブランドを1,000億円ブランドへ、育成3ブランドを将来の事業を支えるブランドへと育成すべく基盤構築に取り組んでいます。これらを推進するにあたり、顧客の潜在ニーズを取り入れた製品を市場に適応させられない場合、また新エリアでの法的規制、経済情勢、政情不安や事業環境の不確実性等のリスクが顕在化した場合には、売上収益や事業計画に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、各市場におけるブランド価値の維持・向上のため、マクロ及びミクロ市場環境に注視し、製品や地域特性を踏まえて、必要に応じて長期的な視点による戦略の最適化等を実施することで、リスクの低減に努めております。また、関連部門において、グローバルブランド・カテゴリー創出のための情報収集・分析及び戦略策定や、既存グローバルブランドの強化策等を実施しており、関連事業の効果的なグローバル展開に繋げています。 |
食の安全性・品質に関するリスク(消費者関連事業も共通) |
近年、国内外の食品業界においては、有害物質の混入等の様々な問題が発生しており、当社グループの品質管理体制の範囲を超えた事態が生じた場合は、当社グループの業績、財政状態並びに社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、「食の安全」をお客様に提供するため、自社製造品のみならず委託製造品を含む国内外すべての製品の品質管理や安全性保証等に関して万全を期すよう努めております。具体的な取り組みとしては、法令や行政・業界基準(医薬品医療機器等法、食品衛生法等)に準拠するとともに、「ISO9001」(品質)、「ISO22000」(食品安全)、「FSSC22000」(食品安全)の認証取得を進めております。また、グローバルネットワークを活かし、ガイドラインの制定、品質活動をモニタリングするための指標を設け、当社グループ内での監査を通じて継続的な品質向上に取り組んでおります。さらに、グローバルでは各国・地域で制度や規程が異なるなかで、各工場で国際規格の取得を推進するとともに、定期的に各工場の内部監査を実施しております。以上のような取り組みから、当社グループでは食の安全性に関するリスクを低減しております。 |
(2) 各事業領域共通の重要なリスク
人材確保・育成、企業文化・企業理念の浸透に関するリスク |
企業文化や企業理念が十分に浸透せず、グループ戦略を踏まえた事業運営が可能な人材が確保できない場合、長期的に当社グループの競争力や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外展開やM&A・アライアンス、デジタルといった重要かつ高度な戦略推進のために必要十分な人材を確保することができない場合、競争力・収益力が想定されたように成長せず、また、不祥事の発生やその後の適切な対応がとれないことで、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、次世代を担う経営人材を早期に発掘し育成するために、「大塚グローバルアカデミー」を設置することでグループ戦略を踏まえた事業運営が可能な人材を確保しております。また、長期的な事業成長の原動力となる革新的な製品やアイディアを生み出すためには、国籍、人種、年齢、性別、障がい、性的指向等の垣根を越えた多様な人材の活躍が必要と考え「大塚グループ・グローバル行動規準」において、ダイバーシティの推進を宣言しそれらを支える制度や仕組みを整備していくことで、持続的な成長を支える人材を確保しております。 |
環境問題に関するリスク |
当社グループでは、2050年までに事業活動のすべての環境負荷をゼロにするという2050年環境ビジョン「ネットゼロ」を掲げ、環境に関するマテリアリティ(重要項目)を「気候変動」「資源共生」「水資源」と特定してグループ協働で環境への取り組みを進めています。特に気候変動については、生物資源や水資源に多大な影響を及ぼす等、世界規模での環境問題が顕在化しており、グローバルに事業を展開していくうえで重大なリスクとして認識しています。これらの活動を適切に遂行できない、もしくは目標を大幅に達成できない場合、社会的評価の低下等により、当社グループの業績あるいは持続的成長に重大な影響を与える可能性があります。 |
当社グループでは、企業理念のもと事業を通じて社会課題の解決に取り組み、自らの持続的な成長と健康でサステナブルな社会の実現を目指しています。環境問題に関しては、「大塚ホールディングス環境委員会」のもと「大塚グループ環境方針」や「環境活動指針」を制定し、「大塚グループ・グローバル環境会議」を設置して、地球環境に関するグローバルな社会課題の解決に貢献するための取り組みを推進しております。また、当社及び主要事業会社において、より効率的で実効性の高い活動を推進するため、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の統合認証取得を開始し、対象拠点の拡大に向け取り組んでいます。 気候変動については、2030年目標として掲げ、事業バリューチェーン全体で温室効果ガスの排出量を削減し、持続可能な社会の実現を目指しています。さらに、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明しました。今後は、TCFDの提言に基づき、関連する情報開示の拡充を進めてまいります。 また、当社グループでは、マテリアリティ(重要項目)として特定した「社会(健康、人材、品質)」「環境(気候変動、資源共生、水資源)」「ガバナンス」に関する社会課題を踏まえた目標を設定し、各事業会社における事業活動を通した課題解決を目指すとともに、グループの活動の共有の場として、当社取締役を委員長とした「大塚グループサステナビリティ推進委員会」を設けております。 |
サプライチェーンの透明性に関するリスク |
当社グループの自社工場、原材料の供給元、製造販売会社等を含むサプライチェーンにおいて、人権、労働、環境、腐敗防止、その他コンプライアンス全般に関する不適切な行為が行われた場合には、事業遂行体制の見直しを迫られるとともに、当社グループのブランド価値や信用が失墜し、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、グループ横断の「大塚グループ調達方針」及び、その内容をより具体化した「大塚グループサステナブル調達ガイドライン」を策定し、内容に賛同いただけるビジネスパートナーからは同意書も取得しています。「大塚グループ調達方針」では、品質・コスト・納期・環境への取り組み等を総合的に評価し、公平・公正で透明性を持ったサプライヤーの選定や、関連するすべての法令・ルールを遵守し、高い倫理観をもって社会通念に基づき行動すること等を定めています。サプライヤー選定においては、プロセスに則ったデューデリジェンスや審議に加え、その後のモニタリング等を実施しております。 |
持株会社としてのリスク |
当社グループにおいて、適切な経営資源配分、グループ戦略立案や見直し及びグループ会社の監視・監督等といった持株会社統治、さらに主要事業会社を通じたグループ会社管理による効果が十分発揮されなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、世界的な経済状況の変化により、資金調達が計画どおりに実施できない、もしくは資金調達コストが上昇する場合は、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、グループ各社からの事業の報告とその分析を基にして、グループ全体として適切な戦略判断と経営資源の配分を行っております。当社グループでは、医療関連事業とニュートラシューティカルズ関連事業をコア事業としており、特に、医療関連事業では「精神・神経領域の製品・パイプラインの強化」、「日本を中心とした製品・パイプラインの強化」及び「新規技術」に対して、ニュートラシューティカルズ関連事業では「ニュービジネスの強化」及び「未進出の成長市場への積極的な展開」に対して、経営資源の重点配分に取り組んでおります。 また、国内外の市場環境変化を捉え、適切に対応するために、様々なリスクの顕在化の可能性を検討したうえで、その検討結果を速やかに経営層に報告しております。具体的には、顕在化していないニーズや社会課題に対して新しいコンセプトのソリューションを提案し、ユニークかつ多様な事業をベースとする独創的な製品の創出に注力しております。加えて、当社グループらしい多様な製品を保有することにより、事業全体のリスク分散も図られ、個人消費動向の変動に関する環境変化に対応しております。 当社グループは、「大塚グループ・グローバル行動規準」や関連するグローバルポリシーを制定し、それらに基づく世界共通の教育研修を徹底することで、グループ会社全体を統制する仕組みを作っております。また、「取締役会規程」及び「関係会社管理規程」に規定された事項に基づき、国内外のグループ各社から定期的に情報収集・情報交換を実施し、重要な事項については当社の承認を得ることを求めることで、グループの連携体制を確立しております。加えて、国内外のグループ各社に対して定期的に当社からの内部監査を実施し、モニタリング体制を構築するとともに当社グループとして内部通報制度を整備しております。 当社グループは、金融機関等との良好な関係の維持を図るとともに、資金調達手段の多様化に積極的に取り組み、必要に応じて、社債発行等の手段を通じて調達を行っております。また、市場が不安定な混乱状況に陥り、これらの手段により十分な資金調達ができなくなった場合に備え、複数の金融機関との間でのコミットメントラインも保持しております。加えて、最新の情報に基づいた資金計画の見直しを適時に行っております。 |
コーポレートブランド管理及びレピュテーションに関するリスク |
当社グループのコーポレートブランド育成・管理が適切に実行されていない場合、コーポレートブランドが毀損され、企業イメージに影響を及ぼす可能性があります。当社グループの広告等における不適切な表現等がSNS等を通じて拡散した場合や、当社グループの事業活動やイメージについて批判的な評価や誤った情報が拡散した場合等、様々な要素によって当社グループのブランド価値や信用が低下し、業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループのコーポレートブランドを適切に育成・管理するために、コーポレートブランドのグループ各企業における使用ルールを整備し、コーポレートブランドの管理とその価値の維持・向上に向けた取り組みを推進しております。当社グループのコーポレートシンボルは、「CI管理委員会」(注)を中心に、グループ統一ルールのもと適切な管理を行っております。また、広告及びSNS等での不適切表現防止等を社内教育に取り込んでいるほか、レピュテーションに影響を及ぼす事象についてグループ各社から情報を収集する体制を整備しております。当社グループのレピュテーションに影響を及ぼす問題が発生した場合の適切なメディア対応に備え、「大塚グループPRガイドライン」において、メディアとの適切なコミュニケーションについてのプロセスや職責をあらかじめ明確化しております。また、グループ各社のマネジメント層を対象として、リスク発生時における外部との適切なコミュニケーションについての演習を実施しております。 |
各種業務提携及び買収に関するリスク |
当社グループとしての重要な成長戦略に資する各種業務提携及び買収について、買収・提携の実施以後の事業環境等の変化により、当初計画されていたグループシナジーを得られないことによる提携解消や損失計上の可能性があります。その場合、買収・提携により見込まれていた利益が実現できず、提携の解消やのれん・無形資産の減損損失を計上すること等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、業務提携及び買収を適切に実践し、その後の持続的な成長を目指すため、対象企業や資産に対する詳細なデューデリジェンスと価値評価、取締役会での十分な審議、提携又は買収後の事業運営のモニタリング等を実施しております。また、外部の専門家を適宜起用するとともに、案件執行能力を備えた社内の人材育成にも努めております。 |
デジタライゼーションに関するリスク |
当社グループとしてのデジタライゼーションに対する取り組み方針や、その支援施策が適切になされない場合、当社グループの各事業会社においてデジタル化の遅れが発生し、競争の優位性の確保やシェアの拡大ができなくなり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、グループの総合力を活かしながらグループ各社及び各事業部門を中心として、スピード感を持った最新テクノロジーの導入を目指しております。具体的な取り組みとして、研究分野・生産分野から患者様向けのスマートフォンアプリケーションまで、様々な場面で実証実験や実務適用を行っております。また、ITリテラシー向上を目的としたAI・機械学習やIoT等の最新テクノロジーに関する従業員向けセミナー等の開催及びグループ内の好事例の共有により、グループ全体のIT知識・スキルの底上げを推進しております。 |
自然災害・パンデミックに関するリスク |
大規模な自然災害やパンデミックが発生した場合、当社グループの工場・研究所・事業所等施設の稼働停止、当社グループの人的資産の損失、医療関連事業の治験を含む開発中断による新製品開発の遅れ、患者様へ適切な医療が提供できないことによる製品売上の減少、消費低迷によるニュートラシューティカルズ関連事業の製品売上減少等により、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、大規模地震等の災害発生時にも最大限事業活動を継続し、製品の安定供給が図れるよう、事業継続計画(BCP)を策定しております。具体的には、自然災害の発生に備えて、従業員及び家族の安否確認、グループ各社の拠点間の通信手段、災害対応備蓄品等を備え、定期的な訓練等を実施しております。事業継続マネジメント(BCM)の観点では、グループ各社が協働してグループ全体で事業継続に取り組む体制を構築し、適正な原材科・製品在庫量の確保、代替生産体制及び物流体制等に関する対策の強化に努めており、その一環としてグループ会社合同の演習を毎年実施しております。 また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対しては、リスク管理委員会が主体となって対応方針を策定し、グループ各社と共有しております。毎日の検温・手洗い・マスク着用等基本的な感染防止策の徹底のほか、在宅勤務体制の推進、Web会議のためのシステムの整備・強化、生産拠点における来訪者の制限、サーモグラフィカメラによる発熱者チェック等、できうる限りの対策に取り組んでおります。 自然災害やパンデミックによるコア事業をはじめとする各事業に関する国内外の動向に適切に対応するために、様々なリスクの顕在化の可能性を検討したうえで、その検討結果を速やかに経営層に報告し対策を講じております。 |
安定供給に関するリスク |
新型コロナウイルス感染拡大による世界経済の停滞や地政学的なリスクの高まり等に起因して、当社グループのサプライチェーンが不安定になるリスクが高まる中、グループとしての影響調査や戦略の立案・実行が遅れた場合、事業の継続に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、公平・公正で透明性を持った調達と調達先との良好な関係構築に努めるとともに、原材料等の品質の確保と安定調達・供給の実現に努めております。医薬品の製造工程においては、製造・品質管理の基準(GMP)及び適正流通の基準(GDP)に準拠した独自の基準を設定することで高水準の品質管理を徹底しております。また、主要原材料については事前にリスクアセスメントを行い、想定されるリスクを明確化し対策を講じております。加えて、原則として複数社購買等による調達先の分散化、代替原料の確保、適正在庫の確保及び生産拠点の複数化等を実施することで、グループ全体で事業継続に取り組む体制を構築しております。 |
特許権の侵害に関するリスク |
当社グループでは、当社グループが保有し又は当社グループが他社からライセンスを受けている知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が失われる可能性があります。また、当社グループの製造又は販売する製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該製品を回収し、又はその製造もしくは販売を中止することを求められる他、多額の損害賠償を請求される可能性があります。 |
当社グループでは、特許権を含む知的財産権を適切に管理する体制を整え、また、継続的なモニタリングを実施することで、第三者からの知的財産権の侵害のリスクに常に注意を払っております。また、専門家、データベース及び調査機関等を利用した調査・情報収集等を行うことで、第三者の知的財産権に対する侵害のリスクに常に注意を払っております。加えて、実際に知的財産係争が発生した場合には、社内外の関係者と協力し、事業への影響を最小限にとどめるよう対応しております。 |
訴訟に関するリスク |
当社グループは、その事業運営に関し、製造物責任、労務問題、特許権の侵害、契約の不履行、環境汚染等に関して第三者から訴訟を提起される可能性があり、当社グループに不利益な内容の判決、決定又は和解がなされた場合、当社グループの業績及び財政状態並びに事業戦略及び社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、訴訟情報の前兆を把握するため当社グループ内での報告体制を構築するとともに、当社法務部がグループ各社と情報を交換し、適切な対応をとっております。また、適宜、顧問弁護士等と協議を行い、訴訟リスクの低減に努めております。 |
情報管理に関するリスク |
当社グループでは、情報管理について、システム障害や事故及び外部からのサイバー攻撃、従業員や業務委託先等第三者の過失等による行為を含む様々な原因で、情報の改ざん、悪用及び漏洩等が発生する可能性があります。その場合、当社グループの業績、財政状態並びに社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、情報管理及びセキュリティについての基本的な考え方を示した「大塚グループ・グローバル情報セキュリティポリシー」を制定し、グループ各社に向けて情報管理及び情報セキュリティの重要性に関して認識を統一させるとともに、役員・従業員へ教育研修等を通じて重要性の周知徹底を図っております。また、情報管理及び情報セキュリティに関する具体的な施策の検討や最新情報の共有等を目的とした「グループ情報セキュリティ委員会」を組織し、グループ全体の包括的なセキュリティレベルの向上と継続的な改善を図っております。加えて、社内のCSIRT(Computer Security Incident Response Team)が主体となって、外部からのサイバー攻撃へのリスク対策や基幹システムの災害時訓練対応等により、緊急事態に対応できる体制を構築しております。 |
海外展開に関するリスク |
当社グループは、日本以外にも米国、欧州及びアジアを中心に、研究開発、製造及び販売活動を行っております。グローバルな事業活動を行うにあたり、各国の法的規制、経済情勢、政情不安や事業環境の不確実性等のリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、情報収集、現地経営環境を踏まえた事業運営の適切な管理・サポート及び必要に応じて長期的な視点による経営戦略の見直し等を実施するとともに、各事業会社、グローバルビジネスサポート部及び関係部署が適宜連携して対応に当たることで、海外展開におけるリスク低減に取り組んでおります。 |
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