有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ODRB (EDINETへの外部リンク)
第一三共株式会社 研究開発活動 (2022年3月期)
当社グループは、3ADC(トラスツズマブ デルクステカン:T-DXd/DS-8201、ダトポタマブ デルクステカン:Dato-DXd/DS-1062、パトリツマブ デルクステカン:HER3-DXd/U3-1402)の製品価値最大化を目指してリソースを集中投入するとともに、持続的成長の実現に向けてSOC(注1)を変革する製品群(Alpha)の創薬を目指す「3 and Alpha」戦略のもと、外部との積極的な協業も含め、研究開発に取り組んでおります。また、グローバル臨床開発の加速化にも注力しております。
中長期的には、がんに加え、当社のサイエンス&テクノロジーの優位性を活かして様々な疾患に対する治療薬創製を目指し、新規モダリティ(注2)の技術研究等を通じた創薬力の強化に取り組んでおります。
(注)1.SOC:Standard of Careの略。現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法。
2.新規モダリティ:ADC、核酸医薬、治療用ウイルス、細胞治療等の新規治療手段。
当連結会計年度の研究開発費(IFRSベース)は、2,602億円(前連結会計年度比14.5%増)となり、売上収益に対する研究開発費の比率は、24.9%となりました。
(1) 3ADC
当連結会計年度における3ADCの臨床開発の状況は次のとおりであります。
① トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd/DS-8201:抗HER2 ADC、製品名:エンハーツ)
製品名エンハーツとして販売しております。がん領域のグローバル事業において豊富な経験を持つアストラゼネカと本剤を共同で開発しております。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年6月、米国臨床腫瘍学会(ASCO)におけるトリプルネガティブ乳がんを対象としたフェーズ1b/2試験(試験名:BEGONIA)及び、HER2発現大腸がん患者への3次治療を対象としたフェーズ2試験(試験名:DESTINY-CRC01)の最新データを発表いたしました。
・2021年6月、HER2陽性乳がん患者への1次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Breast09)を開始いたしました。
・2021年6月、HER2陽性胃がん患者への2次治療を対象としたフェーズ2試験(試験名:DESTINY-Gastric02)の試験結果概要を入手いたしました。
・2021年6月、HER2過剰発現又はHER2遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者への2次治療以降を対象としたフェーズ2試験(試験名:DESTINY-Lung01)の試験結果概要を入手いたしました。
・2021年7月、HER2陽性胃がん患者への2次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Gastric04)を開始いたしました。
・2021年8月、HER2陽性乳がん患者への2次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Breast03)の中間解析における主要評価項目の達成及び、米国食品医薬品局(FDA)からのRTOR(Real-Time Oncology Review)(注3)の指定を獲得いたしました。
・2021年9月、中国におけるHER2陽性胃がん患者への3次治療を対象としたフェーズ2試験(試験名:DESTINY-Gastric06)を開始いたしました。
・2021年9月、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)におけるHER2陽性乳がん患者への3次治療を対象としたフェーズ2試験(試験名:DESTINY-Breast01)、DESTINY-Breast03試験、DESTINY-Gastric02試験及び、DESTINY-Lung01試験の最新データを発表いたしました。
・2021年10月、HER2陽性乳がん患者への2次治療以降を対象としたFDAからの画期的治療薬(Breakthrough Therapy)(注4)の指定を獲得いたしました。
・2021年11月、HER2陽性胃がん患者への2次治療を対象とした欧州医薬品庁(EMA)による一部変更承認申請を受理いたしました。
・2021年11月、HER2陽性早期乳がん患者における術前療法を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Breast11)を開始いたしました。
・2021年12月、米国サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)におけるDESTINY-Breast03試験の脳転移サブグループ解析結果を発表いたしました。
・2021年12月、HER2陽性乳がん患者への2次治療を対象とした国内における一部変更承認申請及び、EMAによる一部変更承認申請を受理いたしました。
・2021年12月、HER2遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者における1次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Lung04)を開始いたしました。
・2022年1月、HER2陽性乳がん患者への2次治療を対象とした米国における一部変更承認申請を受理いたしました。
・2022年2月、HER2低発現乳がん患者を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Breast04)における主要評価項目を達成いたしました。
・2022年3月、HER2陽性乳がん患者への2次治療を対象とした中国における承認申請を受理いたしました。
(注)3.RTOR(Real-Time Oncology Review):
患者が安全かつ効果的な治療を出来るだけ早期に受けられるよう、より効率的な審査プロセスの探求を目指した制度。申請者が正式に完全な申請書を提出する前に、FDAが多くのデータを早期に審査することが可能になる。
4.画期的治療薬(Breakthrough Therapy):
重篤な疾患を対象に、既存の治療薬よりも高い治療効果を示す可能性のある薬剤の開発と審査を促進し、患者により早く新薬を届けるために定められた制度。
② ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062:抗TROP2 ADC)
がん領域のグローバル事業において豊富な経験を持つアストラゼネカと本剤を共同で開発しております。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年5月、欧州臨床腫瘍学会乳がん学会議(ESMO Breast Cancer 2021)における固形がんを対象としたフェーズ1試験(試験名:TROPION-PanTumor01)のうち、トリプルネガティブ乳がん患者に関する最新データを発表いたしました。
・2021年6月、米国臨床腫瘍学会(ASCO)におけるTROPION-PanTumor01試験のうち、非小細胞肺がん患者に関する最新データを発表いたしました。
・2021年9月、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)におけるTROPION-PanTumor01試験のうち、非小細胞肺がん患者に関する最新データを発表いたしました。
・2021年10月、非小細胞肺がん患者への1次治療を対象とした免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブとの併用療法を評価するフェーズ3試験(試験名:TROPION-Lung08)実施に関するMerck & Co., Inc.との契約を締結いたしました。
・2021年11月、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の転移性乳がん患者への2次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:TROPION-Breast01)を開始いたしました。
・2021年12月、米国サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)におけるTROPION-PanTumor01試験のうち、トリプルネガティブ乳がん患者に関する最新データを発表いたしました。
・2022年3月、TROPION-Lung08試験を開始いたしました。
③ パトリツマブ デルクステカン(HER3-DXd/U3-1402:抗HER3 ADC)
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年6月、米国臨床腫瘍学会(ASCO)におけるEGFR変異を有する非小細胞肺がんを対象としたフェーズ1試験の最新データを発表いたしました。
・2021年6月、EGFR変異を有する非小細胞肺がん患者を対象としたチロシンキナーゼ阻害剤オシメルチニブとの併用を評価するフェーズ1試験を開始いたしました。
・2021年12月、EGFR遺伝子変異を有する転移性非小細胞肺がん患者を対象としたFDAからの画期的治療薬の指定を獲得いたしました。
(2) Alpha
当連結会計年度におけるAlphaの臨床開発の主な進捗は次のとおりであります。
・2021年4月、DS-1594(Menin-MLL結合阻害剤)の急性骨髄性白血病及び急性リンパ性白血病患者を対象としたフェーズ1/2試験を開始いたしました。
・2021年4月、ペキシダルチニブ(PLX3397:CSF-1R阻害剤、米国製品名:TURALIO)の腱滑膜巨細胞腫を対象とした国内におけるフェーズ2試験を開始いたしました。
・2021年4月、DS-6016(抗ALK2抗体)の進行性骨化性線維異形成症を対象としたフェーズ1試験を開始いたしました。
・2021年5月、疼痛治療剤ミロガバリン(DS-5565:α2δリガンド、製品名:タリージェ)の中枢性神経障害性疼痛に係る国内における効能追加に係る一部変更承認申請を行いました。
・2021年6月、がん治療用ウイルス テセルパツレブ(DS-1647:G47Δ、製品名:デリタクト注)の国内における製造販売承認を取得いたしました。
・2021年6月、欧州血液学会(EHA)における、バレメトスタット(DS-3201:EZH1/2阻害剤)の非ホジキンリンパ腫患者を対象としたフェーズ1試験の最新データを発表いたしました。
・2021年6月、バレメトスタットの再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)及び成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)患者を対象としたフェーズ2試験(試験名:VALENTINE-PTCL01)を開始いたしました。
・2021年6月、VN-0200(RSウイルスワクチン)の日本人健康成人及び健康高齢者を対象としたフェーズ1試験を開始いたしました。
・2021年8月、抗凝固剤エドキサバン(製品名:リクシアナ)の経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)を施行した心房細動患者を対象としたENVISAGE-TAVI AF試験における主要評価項目の達成及び、欧州心臓病学会議(ESC Congress 2021)における試験結果を発表いたしました。
・2021年9月、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)におけるDS-7300(抗B7-H3 ADC)の固形がんを対象としたフェーズ1/2試験の最新データを発表いたしました。
・2021年11月、キザルチニブ(AC220:FLT3阻害剤、国内製品名:ヴァンフリタ)の急性骨髄性白血病(AML)患者への1次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:QuANTUM-First)における主要評価項目を達成いたしました。
・2021年12月、米国血液学会(ASH)におけるバレメトスタットの再発又は難治性のATL患者を対象とした国内フェーズ2試験の最新データ発表、厚生労働省からの希少疾病用医薬品(注5)の指定獲得及び、国内における製造販売承認申請を行いました。
・2021年12月、バレメトスタットのPTCL治療を対象としたFDAからの希少疾病用医薬品(Orphan Drug)(注6)の指定を獲得いたしました。
・2022年2月、DS-7011(抗TLR7抗体)の全身性エリテマトーデス患者を対象としたフェーズ1試験を開始いたしました。
(注)5.希少疾病用医薬品:
国内における患者数5万人未満であり、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、開発の支援・促進を目的として指定される制度。
6.希少疾病用医薬品(Orphan Drug):
米国における患者数20万人未満の希少疾病に対する治療、診断、予防を目的とした医薬品を対象として、開発の支援・促進を目的として指定される制度。
(3) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取り組み
当社は、社会的に急務となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下「COVID-19」という。)に対する予防・治療法の確立に向けて積極的に取り組んでおります。当社の持つ研究財産、技術及び知識を最大限に活用し、外部機関とも連携して、以下の研究開発を推進しております。
① DS-5670(COVID-19 mRNAワクチン)
COVID-19の予防を目指し、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」という。)が支援する「新型コロナウイルス(2019-nCoV(注7))の制圧に向けての基盤研究」(注8)に参画し、当社が見出した新規核酸送達技術(注9)を用いた「新型コロナウイルス(2019-nCoV)に対するmRNAワクチン開発」を分担しております。
厚生労働省の「ワクチン生産体制等緊急整備事業(注10)(第1次公募)」の事業者に、また、AMEDが実施する創薬支援推進事業「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(企業主導型)(注11)(第2次公募)」にも採択されております。
健康成人及び健康高齢者を対象とした日本での臨床試験を実施しております。
(注)7.2019-nCoV:SARS-CoV-2の暫定名称で同義語。
8.新型コロナウイルス(2019-nCoV)の制圧に向けての基盤研究:
流行が世界各国へ拡大しているCOVID-19に関して、政府全体の緊急的な取組みの一部として、AMEDが支援することを決定したワクチン開発課題の一つ。
9.新規核酸送達技術:
脂質ナノ粒子構造を形成し、医薬品有効成分の安定化並びに免疫細胞内への核酸デリバリーを実現することで、従来のワクチン技術と比較して、より至適な免疫応答を誘導することを確認。
10.ワクチン生産体制等緊急整備事業:
COVID-19をはじめとした予期せぬ感染症の流行阻止・重症化予防に必要なワクチンを可能な限り迅速に製造し、日本国民のために確保するため、ワクチンを含むバイオ医薬品の実生産(大規模生産)体制を早期構築することを目的とした事業。
11.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(企業主導型):
企業においてすでに研究開発が進められているCOVID-19に対するワクチンの開発を重点的に支援し、安全かつ有効なワクチンを早期に実用化することを目的とした事業。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年11月、製造プロセスを最適化した治験薬を用い、安全性を評価し推奨用量を決定するフェーズ2試験を開始いたしました。
・2022年1月、日本において承認されたCOVID-19に対するワクチンの初回接種(1回目・2回目接種)完了済みで、接種から6か月以上経過した健康成人及び高齢者を対象としたフェーズ1/2/3試験を開始いたしました。
② DS-2319(ナファモスタット吸入製剤)
COVID-19の治療を目指し、国立大学法人東京大学、国立研究開発法人理化学研究所及び日医工株式会社と共同でナファモスタット吸入製剤の研究開発を進めておりました。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年6月、実施中の非臨床試験及びフェーズ1試験のデータを検討した結果、本剤の開発中止を決定いたしました。
③ アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン バキスゼブリア筋注の供給
アストラゼネカと締結した本ワクチンの製造委受託契約に基づき、2021年3月より当社子会社である第一三共バイオテック株式会社において本ワクチンの製剤化(バイアル充填、包装等を含む)を行っております。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年6月、日本政府を通じて、本ワクチンを東南アジア等へ提供いたしました。
(4) その他
2022年3月、持続的な成長に向けた研究開発力を一層強化するため、Plexxikon Inc.の研究開発機能を終了し、リソース・アロケーションの最適化を図りました。
中長期的には、がんに加え、当社のサイエンス&テクノロジーの優位性を活かして様々な疾患に対する治療薬創製を目指し、新規モダリティ(注2)の技術研究等を通じた創薬力の強化に取り組んでおります。
(注)1.SOC:Standard of Careの略。現在の医学では最善とされ、広く用いられている治療法。
2.新規モダリティ:ADC、核酸医薬、治療用ウイルス、細胞治療等の新規治療手段。
当連結会計年度の研究開発費(IFRSベース)は、2,602億円(前連結会計年度比14.5%増)となり、売上収益に対する研究開発費の比率は、24.9%となりました。
(1) 3ADC
当連結会計年度における3ADCの臨床開発の状況は次のとおりであります。
① トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd/DS-8201:抗HER2 ADC、製品名:エンハーツ)
製品名エンハーツとして販売しております。がん領域のグローバル事業において豊富な経験を持つアストラゼネカと本剤を共同で開発しております。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年6月、米国臨床腫瘍学会(ASCO)におけるトリプルネガティブ乳がんを対象としたフェーズ1b/2試験(試験名:BEGONIA)及び、HER2発現大腸がん患者への3次治療を対象としたフェーズ2試験(試験名:DESTINY-CRC01)の最新データを発表いたしました。
・2021年6月、HER2陽性乳がん患者への1次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Breast09)を開始いたしました。
・2021年6月、HER2陽性胃がん患者への2次治療を対象としたフェーズ2試験(試験名:DESTINY-Gastric02)の試験結果概要を入手いたしました。
・2021年6月、HER2過剰発現又はHER2遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者への2次治療以降を対象としたフェーズ2試験(試験名:DESTINY-Lung01)の試験結果概要を入手いたしました。
・2021年7月、HER2陽性胃がん患者への2次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Gastric04)を開始いたしました。
・2021年8月、HER2陽性乳がん患者への2次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Breast03)の中間解析における主要評価項目の達成及び、米国食品医薬品局(FDA)からのRTOR(Real-Time Oncology Review)(注3)の指定を獲得いたしました。
・2021年9月、中国におけるHER2陽性胃がん患者への3次治療を対象としたフェーズ2試験(試験名:DESTINY-Gastric06)を開始いたしました。
・2021年9月、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)におけるHER2陽性乳がん患者への3次治療を対象としたフェーズ2試験(試験名:DESTINY-Breast01)、DESTINY-Breast03試験、DESTINY-Gastric02試験及び、DESTINY-Lung01試験の最新データを発表いたしました。
・2021年10月、HER2陽性乳がん患者への2次治療以降を対象としたFDAからの画期的治療薬(Breakthrough Therapy)(注4)の指定を獲得いたしました。
・2021年11月、HER2陽性胃がん患者への2次治療を対象とした欧州医薬品庁(EMA)による一部変更承認申請を受理いたしました。
・2021年11月、HER2陽性早期乳がん患者における術前療法を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Breast11)を開始いたしました。
・2021年12月、米国サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)におけるDESTINY-Breast03試験の脳転移サブグループ解析結果を発表いたしました。
・2021年12月、HER2陽性乳がん患者への2次治療を対象とした国内における一部変更承認申請及び、EMAによる一部変更承認申請を受理いたしました。
・2021年12月、HER2遺伝子変異を有する非小細胞肺がん患者における1次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Lung04)を開始いたしました。
・2022年1月、HER2陽性乳がん患者への2次治療を対象とした米国における一部変更承認申請を受理いたしました。
・2022年2月、HER2低発現乳がん患者を対象としたフェーズ3試験(試験名:DESTINY-Breast04)における主要評価項目を達成いたしました。
・2022年3月、HER2陽性乳がん患者への2次治療を対象とした中国における承認申請を受理いたしました。
(注)3.RTOR(Real-Time Oncology Review):
患者が安全かつ効果的な治療を出来るだけ早期に受けられるよう、より効率的な審査プロセスの探求を目指した制度。申請者が正式に完全な申請書を提出する前に、FDAが多くのデータを早期に審査することが可能になる。
4.画期的治療薬(Breakthrough Therapy):
重篤な疾患を対象に、既存の治療薬よりも高い治療効果を示す可能性のある薬剤の開発と審査を促進し、患者により早く新薬を届けるために定められた制度。
② ダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062:抗TROP2 ADC)
がん領域のグローバル事業において豊富な経験を持つアストラゼネカと本剤を共同で開発しております。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年5月、欧州臨床腫瘍学会乳がん学会議(ESMO Breast Cancer 2021)における固形がんを対象としたフェーズ1試験(試験名:TROPION-PanTumor01)のうち、トリプルネガティブ乳がん患者に関する最新データを発表いたしました。
・2021年6月、米国臨床腫瘍学会(ASCO)におけるTROPION-PanTumor01試験のうち、非小細胞肺がん患者に関する最新データを発表いたしました。
・2021年9月、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)におけるTROPION-PanTumor01試験のうち、非小細胞肺がん患者に関する最新データを発表いたしました。
・2021年10月、非小細胞肺がん患者への1次治療を対象とした免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブとの併用療法を評価するフェーズ3試験(試験名:TROPION-Lung08)実施に関するMerck & Co., Inc.との契約を締結いたしました。
・2021年11月、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の転移性乳がん患者への2次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:TROPION-Breast01)を開始いたしました。
・2021年12月、米国サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)におけるTROPION-PanTumor01試験のうち、トリプルネガティブ乳がん患者に関する最新データを発表いたしました。
・2022年3月、TROPION-Lung08試験を開始いたしました。
③ パトリツマブ デルクステカン(HER3-DXd/U3-1402:抗HER3 ADC)
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年6月、米国臨床腫瘍学会(ASCO)におけるEGFR変異を有する非小細胞肺がんを対象としたフェーズ1試験の最新データを発表いたしました。
・2021年6月、EGFR変異を有する非小細胞肺がん患者を対象としたチロシンキナーゼ阻害剤オシメルチニブとの併用を評価するフェーズ1試験を開始いたしました。
・2021年12月、EGFR遺伝子変異を有する転移性非小細胞肺がん患者を対象としたFDAからの画期的治療薬の指定を獲得いたしました。
(2) Alpha
当連結会計年度におけるAlphaの臨床開発の主な進捗は次のとおりであります。
・2021年4月、DS-1594(Menin-MLL結合阻害剤)の急性骨髄性白血病及び急性リンパ性白血病患者を対象としたフェーズ1/2試験を開始いたしました。
・2021年4月、ペキシダルチニブ(PLX3397:CSF-1R阻害剤、米国製品名:TURALIO)の腱滑膜巨細胞腫を対象とした国内におけるフェーズ2試験を開始いたしました。
・2021年4月、DS-6016(抗ALK2抗体)の進行性骨化性線維異形成症を対象としたフェーズ1試験を開始いたしました。
・2021年5月、疼痛治療剤ミロガバリン(DS-5565:α2δリガンド、製品名:タリージェ)の中枢性神経障害性疼痛に係る国内における効能追加に係る一部変更承認申請を行いました。
・2021年6月、がん治療用ウイルス テセルパツレブ(DS-1647:G47Δ、製品名:デリタクト注)の国内における製造販売承認を取得いたしました。
・2021年6月、欧州血液学会(EHA)における、バレメトスタット(DS-3201:EZH1/2阻害剤)の非ホジキンリンパ腫患者を対象としたフェーズ1試験の最新データを発表いたしました。
・2021年6月、バレメトスタットの再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)及び成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)患者を対象としたフェーズ2試験(試験名:VALENTINE-PTCL01)を開始いたしました。
・2021年6月、VN-0200(RSウイルスワクチン)の日本人健康成人及び健康高齢者を対象としたフェーズ1試験を開始いたしました。
・2021年8月、抗凝固剤エドキサバン(製品名:リクシアナ)の経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)を施行した心房細動患者を対象としたENVISAGE-TAVI AF試験における主要評価項目の達成及び、欧州心臓病学会議(ESC Congress 2021)における試験結果を発表いたしました。
・2021年9月、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)におけるDS-7300(抗B7-H3 ADC)の固形がんを対象としたフェーズ1/2試験の最新データを発表いたしました。
・2021年11月、キザルチニブ(AC220:FLT3阻害剤、国内製品名:ヴァンフリタ)の急性骨髄性白血病(AML)患者への1次治療を対象としたフェーズ3試験(試験名:QuANTUM-First)における主要評価項目を達成いたしました。
・2021年12月、米国血液学会(ASH)におけるバレメトスタットの再発又は難治性のATL患者を対象とした国内フェーズ2試験の最新データ発表、厚生労働省からの希少疾病用医薬品(注5)の指定獲得及び、国内における製造販売承認申請を行いました。
・2021年12月、バレメトスタットのPTCL治療を対象としたFDAからの希少疾病用医薬品(Orphan Drug)(注6)の指定を獲得いたしました。
・2022年2月、DS-7011(抗TLR7抗体)の全身性エリテマトーデス患者を対象としたフェーズ1試験を開始いたしました。
(注)5.希少疾病用医薬品:
国内における患者数5万人未満であり、医療上特にその必要性が高いものなどの条件に合致するものとして、開発の支援・促進を目的として指定される制度。
6.希少疾病用医薬品(Orphan Drug):
米国における患者数20万人未満の希少疾病に対する治療、診断、予防を目的とした医薬品を対象として、開発の支援・促進を目的として指定される制度。
(3) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取り組み
当社は、社会的に急務となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下「COVID-19」という。)に対する予防・治療法の確立に向けて積極的に取り組んでおります。当社の持つ研究財産、技術及び知識を最大限に活用し、外部機関とも連携して、以下の研究開発を推進しております。
① DS-5670(COVID-19 mRNAワクチン)
COVID-19の予防を目指し、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」という。)が支援する「新型コロナウイルス(2019-nCoV(注7))の制圧に向けての基盤研究」(注8)に参画し、当社が見出した新規核酸送達技術(注9)を用いた「新型コロナウイルス(2019-nCoV)に対するmRNAワクチン開発」を分担しております。
厚生労働省の「ワクチン生産体制等緊急整備事業(注10)(第1次公募)」の事業者に、また、AMEDが実施する創薬支援推進事業「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(企業主導型)(注11)(第2次公募)」にも採択されております。
健康成人及び健康高齢者を対象とした日本での臨床試験を実施しております。
(注)7.2019-nCoV:SARS-CoV-2の暫定名称で同義語。
8.新型コロナウイルス(2019-nCoV)の制圧に向けての基盤研究:
流行が世界各国へ拡大しているCOVID-19に関して、政府全体の緊急的な取組みの一部として、AMEDが支援することを決定したワクチン開発課題の一つ。
9.新規核酸送達技術:
脂質ナノ粒子構造を形成し、医薬品有効成分の安定化並びに免疫細胞内への核酸デリバリーを実現することで、従来のワクチン技術と比較して、より至適な免疫応答を誘導することを確認。
10.ワクチン生産体制等緊急整備事業:
COVID-19をはじめとした予期せぬ感染症の流行阻止・重症化予防に必要なワクチンを可能な限り迅速に製造し、日本国民のために確保するため、ワクチンを含むバイオ医薬品の実生産(大規模生産)体制を早期構築することを目的とした事業。
11.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(企業主導型):
企業においてすでに研究開発が進められているCOVID-19に対するワクチンの開発を重点的に支援し、安全かつ有効なワクチンを早期に実用化することを目的とした事業。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年11月、製造プロセスを最適化した治験薬を用い、安全性を評価し推奨用量を決定するフェーズ2試験を開始いたしました。
・2022年1月、日本において承認されたCOVID-19に対するワクチンの初回接種(1回目・2回目接種)完了済みで、接種から6か月以上経過した健康成人及び高齢者を対象としたフェーズ1/2/3試験を開始いたしました。
② DS-2319(ナファモスタット吸入製剤)
COVID-19の治療を目指し、国立大学法人東京大学、国立研究開発法人理化学研究所及び日医工株式会社と共同でナファモスタット吸入製剤の研究開発を進めておりました。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年6月、実施中の非臨床試験及びフェーズ1試験のデータを検討した結果、本剤の開発中止を決定いたしました。
③ アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチン バキスゼブリア筋注の供給
アストラゼネカと締結した本ワクチンの製造委受託契約に基づき、2021年3月より当社子会社である第一三共バイオテック株式会社において本ワクチンの製剤化(バイアル充填、包装等を含む)を行っております。
当連結会計年度における主な進捗は次のとおりであります。
・2021年6月、日本政府を通じて、本ワクチンを東南アジア等へ提供いたしました。
(4) その他
2022年3月、持続的な成長に向けた研究開発力を一層強化するため、Plexxikon Inc.の研究開発機能を終了し、リソース・アロケーションの最適化を図りました。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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