有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100NQ14 (EDINETへの外部リンク)
株式会社資生堂 事業等のリスク (2021年12月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のある事項と考えています。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年3月25日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。
当社では、「あらゆるステークホルダーとの信頼関係を築き、中長期経営戦略の実現を一層確実なものとすること」を主眼に置いてリスクマネジメントを推進しています。そのため、リスクを戦略実現に影響を与える「不確実性」と捉え、脅威だけでなく、機会も含めた概念として定義し、必要な体制を構築するとともに、積極的かつ迅速に対応策を講じています。
定期的に当社グループのリスクを特定し対応策等を審議する体制として、当社CEOを委員長とし各地域CEOおよび当社エグゼクティブオフィサー等をメンバーとする「Global Risk Management & Compliance Committee」や「Global Strategy Committee」を設置しています。また、リスクに関連する情報は、グループCLO(チーフリーガルオフィサー)直轄のリスクマネジメント部門に集約されます。
2021年度は、総合的・多面的な手法(ホリスティックアプローチ)を用いてリスクを抽出しました。具体的には、当社CEOをはじめとしたエグゼクティブオフィサー、各地域CEOのリスク認識を把握するインタビュー、ならびに各地域で実施した地域ごとのリスク評価、当社関連機能部門との情報交換等を元に、リスクマネジメント部門による分析や外部有識者の知見を加えて、「WIN 2023 主要戦略※1」実現に影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定しました。
そして、それらのリスクについて、「リスクが顕在化した場合の経営成績等に与える影響」、「リスクが顕在化する可能性の程度や時期」、「当該リスクへの対応の十分性」の3つの評価軸を設定し、上記Committeeや個別会議※2などを通じて、リスクの優先付けおよび対策状況の検討・確認を行いました。
アセスメントの結果抽出されたリスクは、その性質に基づき、外部の変化に起因する「生活者・社会に関わるリスク」、内部の活動に起因する「事業基盤に関わるリスク」、そして「その他のリスク」の3つのリスクカテゴリーに分類し対応しています。
また、リスクごとにリスクオーナーを設定し、対策の責任を明確化し、さらに透明性高いモニタリングを実施するため、推進状況を定期的に上記Committeeおよび取締役会にて議論する仕組みを構築・運用しています。
当連結会計年度のアセスメント結果で特筆すべき点として、各リスクの結びつきが強固になっており、それに伴い各リスクにおける対応策の相互依存関係が一層高まっていること、また、「生活者の価値観変化」および「優秀な人材の獲得・維持と組織風土」が他のリスクに与える影響が大きいことが挙げられます。
以下に領域ごとに、主要戦略との関係性と想定されるリスク(脅威・機会)、対応策の概要を記述します。なお、記述内容は、2022年3月25日時点におけるものです。
※1 WIN 2023 主要戦略
高収益構造への転換 | ①事業構造改革による収益性改善 ②コスト競争力強化・生産拠点の生産性向上 ③中国を中心としたアジア圏での成長強化 |
スキンビューティーへ注力 | ④スキンビューティーブランド育成・ポートフォリオ拡充 ⑤他社との協業によるイノベーション強化 ⑥インナービューティー事業の開発 |
成長基盤の再構築 | ⑦サステナビリティを中心とした経営への進化 ⑧ブランドを強くするマーケティングの革新と組織強化 ⑨デジタル事業モデルへの転換・組織構築 ⑩人材・組織のさらなる多様化と能力開発 |
※2 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、Committeeの全メンバーが一堂に会する対面方式での会議開催が困難な場合があったため、リスクマネジメント部門と各メンバーとの個別オンライン会議などの手段で代替しました。
リスク | 戦略実現に向けた主要な取り組み/ その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策 | WIN 2023 主要戦略※1との関連性 |
生活者の価値観変化 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・プレミアムスキンビューティー領域への注力。 ・自社開発・オープンイノベーション・戦略的M&Aを組み合わせた事業ポートフォリオの強化。 ・インナービューティー事業の開発。 ・クロスボーダーマーケティングの強化。 〔不確実性〕 ・生活者の「美」に関する価値観や化粧品・インナービューティーに対するニーズ、価格の受容性、購買タッチポイントを含む購買行動の多様化への対応が遅延する、あるいは不十分で競合に機会を奪われる可能性。(脅威) ・生活者の価値観変化に対応したマーケティング戦略により、計画以上の売上・利益につながる可能性。(機会) 〔対応策〕 ・ライブコマース、オンラインカウンセリングをブランド×地域横断で展開強化。 ・生活者の価値観の多様化に対応するブランドポートフォリオ強化。(Drunk Elephant・BAUM・THE GINZA・EFFECTIMの展開加速、新ブランド開発、M&A等) ・生活者情報を適宜適切に入手するための市場情報に関する専門部署の設置。 ・中国人生活者に向けた価値開発機能強化。(研究開発、マーケティング等) ・「中国事業創新投資室(CBI)」を通じた中国市場動向をとらえた既存事業のイノベーションと新規事業開発の推進。 ・グローバル本社を中心とした人材の多様性加速。 ・他社とのオープンイノベーションによる価値・事業開発。 | ④⑤⑥⑦⑧⑨ |
デジタル化の加速 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・チャネル構造の変化を踏まえた、継続愛用者育成のための顧客エンゲージメントおよびEコマースの強化。 ・社内外のプライバシー規制に準拠した形で顧客データを獲得・分析し、デジタルCRMを通じて、よりパーソナライズされたマーケティングを展開。顧客エンゲージメントの獲得・維持を強化。 〔不確実性〕 ・デジタルを活用した事業モデル・価値提供の変革スピードが競合他社に対し劣後し、新規ユーザーの獲得の機会損失および既存ユーザーのブランド離反が発生し、市場シェアが低下する可能性。(脅威) ・Eコマースと店頭販売を融合させることによる当社独自の価値提供の可能性。(機会) 〔対応策〕 ・グローバル本社・各地域本社におけるチーフデジタルオフィサー登用。 ・DXによる事業モデルの革新に向けた、「資生堂インタラクティブビューティー株式会社」の設立。 ・デジタルマーケティング専門人材の獲得・維持・育成強化。 ・デジタルマインドセットをコアコンピテンシーの1つと捉えて促進するために、全社的なデジタルアカデミーを開催。 ・Eコマースと店頭販売を融合させたオムニチャネル推進。 ・顧客とのパーソナライズされたエンゲージメント強化に向けたビューティテック開発・導入の促進、独自の肌診断コンテンツの強化。 ・オンラインや店頭で生活者に提供するサービス・技術を通じたファーストパーティーデータの取得推進。 ・中国ECプラットフォーム企業との業務提携やITベンチャー企業との提携によるデジタルマーケティングの強化。 ・日本におけるオムニ専属BCの本格始動。(YouTube, Instagram, チーム伴走型美容プログラム「ONLINE BEAUTY STUDIO」等) | ⑧⑨⑩ |
リスク | 戦略実現に向けた主要な取り組み/ その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策 | WIN 2023 主要戦略※1との関連性 |
最先端のイノベーション | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・独自のR&D理念「DYNAMIC HARMONY」の策定と実行による研究の選択と集中。 ・プレミアムスキンビューティー領域における研究開発の強化。 ・研究開発投資:売上高比率3%程度に設定し推進。 ・各地域本社における研究開発と規制対応の強化。 ・イノベーションの源泉となる、優れた研究開発の成果等を生活者・得意先に発信するコミュニケーションの強化。 〔不確実性〕 ・開発技術が類似技術や代替技術の出現により陳腐化する、あるいは各国の薬事規制により開発技術が使用できなくなり、生活者に新たな価値を提供できなくなる可能性。(脅威) ・短期視点での新技術の投入や、中長期的視点での基盤研究やサステナビリティを加速する代替原料や処方開発の停滞、またはM&Aや外部との共同事業の進捗が遅延するなどの理由により、意図したシナジー効果を実現できなかった結果、生活者のニーズと合致した価値を提供できず、競争劣後となる可能性。(脅威) ・サービス・プロセス・組織などの領域における画期的なイノベーションによる価値創造が生活者に新たな価値を提供し、当社の競争優位を決定づける可能性。(機会) 〔対応策〕 ・化粧品R&Dへの投資・リソース再拡大。 ・研究開発組織の改編(ブランド価値開発研究所・みらい開発研究所)。 ・環境開発機能(パッケージ・処方・原料開発)を統括し、技術開発および戦略実行のハブとして、商品開発部門と連携してスピーディーな製品化に結びつける目的で、研究所内に「サステナブル開発推進室」を新設。 ・グローバル本社内にグローバル視点で薬事等の規制動向のモニタリングや戦略を策定する「グローバル規制部」を新設。 ・他社との協業によるイノベーション強化の実現を目的とした、中国イノベーションセンターの新研究開発拠点の設立。 ・最先端の設備を持つ那須工場、大阪茨木工場、福岡久留米工場の建設と順次稼働を予定。 ・資生堂グローバルイノベーションセンター(GIC)(横浜)やBEAUTY INNOVATION HUB(中国・上海)を通じたイノベーションの促進。 ・生活者のトレンドの変化に焦点を当て、外部機関との共同研究や、米国ベンチャー企業の知見の活用を強化。 ・GIC主導のオープンイノベーションプログラム「fibona」におけるスタートアップ企業とのコラボレーションなど、外部との共創。 ・研究開発投資対効果を測る指標(売上高研究開発費比率、研究員数、研究拠点数、特許出願数、論文数等)を設定し、モニタリング。 | ③④⑤⑥⑦⑧⑨ |
企業・ブランド レピュテーション | 〔〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・ブランド価値向上のため、デジタルマーケティングを含めた積極的なマーケティング活動を実施。 ・コーポレートブランドや各ブランドのイメージ形成を狙いに、アンバサダーやインフルエンサーを起用し、積極的なマーケティング活動を展開。 〔不確実性〕 ・当社の発信内容や、当社が起用したアンバサダーやインフルエンサーによる言動に対する社会的批判がその真偽に関わらず拡散し、当社イメージを低下させる可能性。(脅威) ・模倣品などが流通し、本来の当社の提供する価値が生活者に届かずブランドイメージを低下させる可能性。(脅威) 〔対応策〕 ・ソーシャルメディアポリシーを定め社内に周知徹底。 ・ブランドホルダーのマーケティングやコミュニケーション担当社員を対象としたブランドイメージ維持・向上のための教育。 ・倫理的、社会通念上の視点から批判される可能性がある表現や言動の予防のため、宣伝・広告等の発信情報や起用アンバサダーやインフルエンサーの事前チェックシステムを導入。 ・WEBサイトおよびソーシャルメディアのモニタリングによりネガティブ情報の早期発見および対応を実施。 ・模倣品対策については行政との連携による摘発などの対策を実施。 | ④⑧⑨ |
リスク | 戦略実現に向けた主要な取り組み/ その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策 | WIN 2023 主要戦略※1との関連性 |
環境・気候変動 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・より良い世界の実現に向けた取り組みとして、本業であるビューティー事業そのものを通じて、社会課題の解決や人々が幸福感を感じられる社会の実現に向けアクションを実行。 〔不確実性〕 ・当領域への取り組みが十分でないと社会や生活者からの信頼を失うことや、購買動機の低下に影響を与える可能性。(脅威) ・環境課題、特に気候変動に伴うリスク対応が不十分だと、事業や財務に負の影響を与えるだけでなく、企業価値の低下につながる可能性。(脅威) ・サステナブルな商品の開発等の取り組みが、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献し、ビューティーにおける新たな社会価値を創出することで、当社企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会) 〔対応策〕 ・Sustainability Committeeを定期的に開催し、中長期戦略の立案とKPIの設定、サステナビリティ関連課題の審議と決議、グローバル本社および地域本社の関連部門を巻き込んでの実行状況のモニタリングを実施。 ・各ブランドにおけるサステナビリティ対応やSDGsの実現のための活動。(SHISEIDO、クレ・ド・ポー ボーテなど) ・2024年末までに、全ての工場と物流センターにおいてISO14001の認証取得に向け推進。 ・企業としての方針や取り組みとKPIをまとめたサステナビリティレポートの発行。 ・環境対応パッケージの採用。(カネカ生分解性ポリマーGreen Planet®を使用した商品の開発・販売、「Loop」の日本展開に参画) ・認証パーム油および認証紙への切り替えの推進。 ・主な環境負荷軽減項目(CO2・パーム油・紙・水・廃棄物)の中期的目標設定・開示と、達成に向けての推進。 ・「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同と、その提言に基づき、気候変動リスクが事業に与える影響を定性的・定量的に分析したシナリオと具体的アクションを策定、情報を開示。 | ④⑦⑩ |
ダイバーシティ& インクルージョン | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・「女性のエンパワーメント」、「美の力によるダイバーシティ&インクルージョン」の2つを戦略の柱とし、グローバル本社、地域本社、ブランドが国際機関やNGOなどステークホルダーとも連携しつつアクションを展開。 ・特に日本において、世界に大きく後れをとっている「女性活躍」について、自社内のみならず、他企業への情報支援によって日本企業、また日本社会全体の変革を牽引。 〔不確実性〕 ・当社の強みである、ダイバーシティ&インクルージョンの領域において、取り組みが十分でないと社会や生活者からの信頼を失う可能性。(脅威) ・ダイバーシティ&インクルージョン促進のための取り組みが、社会価値を創造し、生活者をはじめとする社会からの信頼獲得に貢献する可能性。(機会) ・ダイバーシティ&インクルージョンが根付いた組織風土によって、多様性に富んだ優秀な人材を獲得・維持でき、結果イノベーションが促進され、当社の企業価値を飛躍的に向上させる可能性。(機会) 〔対応策〕 ・中長期戦略の立案とKPIの設定、グローバル本社および地域本社の関連部門を巻き込んでの推進状況のモニタリングを実施。 ・各ブランドにおけるサステナビリティやSDGsの実現のための活動。(SHISEIDO、クレ・ド・ポー ボーテなど) ・企業としての方針や取り組みとKPIをまとめたサステナビリティレポートの発行。 ・日本企業の役員に占める女性比率向上を目指す「30%Club Japan」に参画、当社CEOがチェアとしてTOPIX社長会の活動をリード。 ・がんサバイバーの方々のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)向上を支援するプログラム「SLQM(Shiseido Life Quality Makeup)」「LAVENDER RING MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」を通じた“化粧の力”の活用機会の拡大。 | ⑦⑩ |
リスク | 戦略実現に向けた主要な取り組み/ その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策 | WIN 2023 主要戦略※1との関連性 |
自然災害・人的災害 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・グローバルでの成長基盤の再構築のための人材や経営インフラの強化。 〔不確実性〕 ・昨今の世界各地における地震・水害・竜巻等の自然災害、テロ・暴動等による社員の安全に危害を及ぼす人的被害や物的被害、サプライチェーンへの影響が事業や供給を停滞させる可能性。(脅威) 〔対応策〕 ・グローバル本社および各地域の重要拠点においてBCP(事業継続計画)を策定し、かつ同計画の実効性を上げるため、国内外の拠点において定期的に訓練を実施。 ・新工場の設立等により、危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークを強化。 | ②⑩ |
感染症 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・グローバルでの成長基盤の再構築のための人材や経営インフラの強化。 ・デジタル事業モデルへの転換と組織構築の加速。 〔不確実性〕 ・新型コロナウイルス感染拡大の長期化や同様のパンデミックの発生により消費が停滞し、売上・利益等が低下する可能性。加えて、従業員が通常通り勤務できないことにより、生産性が低下する可能性。(脅威) ・感染症拡大による生活者の価値観・ニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応することで、市場での競争優位を確保できる可能性。(機会) 〔対応策〕 ・新型コロナウイルスの感染拡大を受け、社員の安心・安全を第一に考え、グローバル本社ならびに各地域において対策本部を設置。感染症BCPを改定し対応体制を強化。 | ②⑨⑩ |
地政学的問題 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・成長を牽引する中国人生活者および中国本土・アジア・トラベルリテール事業への重点投資。 ・日本事業の高収益事業基盤への再構築。 ・欧米事業の収益性向上。 〔不確実性〕 ・アジア諸国における対日感情が悪化した場合に、当社商品がボイコットされる可能性。(脅威) ・米中対立や、アジア地域での政治的な不安に起因する事業環境が悪化する可能性。(脅威) ・世界的な物価インフレによる原材料の価格高騰を企業努力で吸収することができなくなり、商品やサービスの価格に転嫁せざるを得なくなった結果、当社の商品に対する生活者の購買意欲が減退し、事業計画の達成が困難となる可能性。(脅威) ・当社進出国の政治状況の不安定化、各国間の外交関係の緊迫化、紛争の発生により、事業環境が悪化した結果、当社グループの商品の生産、供給および販売体制に悪影響を及ぼす可能性。(脅威) 〔対応策〕 ・中国・日本・アジアパシフィックにおけるプレミアムスキンビューティー事業の成長加速。 ・新規事業、新ブランドによる中国におけるさらなる成長加速。 ・各地域の売上バランスの適正化と、日本・欧米における利益の伸長および、さらなる支持獲得。 ・危機発生時においても柔軟かつ継続的な供給を可能とするグローバルサプライネットワークの強化。 | ③ |
リスク | 戦略実現に向けた主要な取り組み/ その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策 | WIN 2023 主要戦略※1との関連性 |
優秀な人材の獲得・維持と組織風土 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・「PEOPLE FIRST」の考えのもと、イノベーションを起こし、変革をもたらす人材を育成・獲得。 ・「OUR PRINCIPLES(TRUST 8)」として、「THINK BIG」「TAKE RISKS」「HANDS ON」 「COLLABORATE」 「BE OPEN」 「ACT WITH INTEGRITY」「BE ACCOUNTABLE」「APPLAUD SUCCESS」の8つを全社員の心構えとして設定。 〔不確実性〕 ・優秀な人材の獲得・維持が計画どおり進捗せず経営計画を実現する人材が不足する可能性。特に、IT・デジタル領域で優秀な人材を獲得・維持できず、デジタル事業モデルへの転換・組織構築に時間を要する可能性。(脅威) ・優秀な人材の獲得・維持により、グローバル市場での競争優位を確保できる可能性。(機会) ・業務特性に合わせた働き方改革の推進により、組織の生産性が更に高まる可能性。(機会) 〔対応策〕 ・社員とのコミュニケーションや対話を通じた、透明性の高いリーダーシップとガバナンスが根付いた組織風土の継続的な醸成。 ・「リモートワーク」と「オフィスワーク」を組み合わせた、最大の成果を出すための新しい働き方(資生堂流ハイブリッドワークスタイル)や、副業許可など、柔軟性・多様性を認める職場の整備と社員の健康管理の推進。 ・人事関連の情報インフラの整備、グローバル人事データベース「MIRAI」導入、パフォーマンスマネジメントの統一化。 ・ジョブ型雇用など、貢献度に対応した職務等級制度・処遇報酬制度の導入による人事評価の透明性確保と社員のモチベーション向上 ・資生堂インタラクティブビューティー株式会社を設立し、デジタル事業モデルへの転換・構築、IT・デジタルの能力強化を加速。 | ⑧⑨⑩ |
ビジネス構造改革 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・収益性の改善のため、原価・販売費および一般管理費等の改革を推進。 〔不確実性〕 ・各地域・部門におけるビジネスの構造改革が狙いどおりに進まず、収益性およびキャッシュ・フローの改善が停滞することにより経営計画の達成に影響を及ぼす可能性。(脅威) ・日本における新型コロナウイルスの収束および市場回復のタイミングが想定以上に遅れ、生活者の化粧品に対する購買意識が変化した結果、経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威) ・中国の経済成長の鈍化に伴い、化粧品市場の成長が想定以下となり、経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威) ・欧米の収益性改善、日本のローカル事業を中心とした基盤再構築、中国における強固な成長基盤の確立とグローバル市場での競争優位の可能性。(機会) 〔対応策〕 ・全体戦略の構築と実行管理、迅速な意思決定および各地域構造と部門の改革案の策定と実行サポートを目的とするCEO直轄のグローバルトランスフォーメーション委員会の設置・推進。 ・パーソナルケア事業の譲渡完了。 ・Dolce&Gabbana S.r.lとのライセンス契約終了。 ・プレステージメイクアップ3ブランド(「bareMinerals」「BUXOM」「Laura Mercier」)の譲渡完了。 | ①②③ |
リスク | 戦略実現に向けた主要な取り組み/ その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策 | WIN 2023 主要戦略※1との関連性 |
業務上のインフラ | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・商品の調達・生産・販売に係る情報システムや、業務管理システム、主要業務プロセスのグローバルでの高度化・効率化。 〔不確実性〕 ・各国の当社事業所のITシステムの再構築・移行の導入が計画より遅延する、もしくは導入後にトラブルにより意図したとおりに動作しないことで、グローバルでの経営基盤の向上を阻害し経営計画に影響を及ぼす可能性。(脅威) ・グローバルでのITシステムの最新化により更に事業基盤が強固なものとなり競争力が向上する可能性。(機会) 〔対応策〕 ・社内に専門組織「ビジネストランスフォーメーション部」を設置、グローバルでのITシステムおよび業務プロセスの標準化と最新化を図る「FOCUS」プロジェクトを着実に推進。 ・堅固なシステム導入方法に基づき推進することで、ビジネス・システム・人材の準備体制を確保。 ・高可用性グローバルクラウドITインフラを導入し、レジリエンスを確保。 ・必要な場合には、コンティンジェンシープランを発動し、業務への影響を回避。 | ②⑨⑩ |
サプライ ネットワーク | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・中長期的に安定した生産体制を確立するため、国内での新工場や、新サプライチェーン拠点を建設し、順次稼働を開始予定。 ・グローバルサプライチェーンマネジメントの強化。 ・生産と供給における継続的なプロセス改善と最新技術への投資。 ・安心・安全とサステナビリティへの注力。 〔不確実性〕 ・特定のサプライヤーに依存している一部商品の原材料について、原材料の需要逼迫、価格高騰、サプライヤーの事業撤退、自然災害などにより供給が遅延し安定的な生産ができなくなる可能性。(脅威) ・国内6工場体制により、日本の高品質のものづくりの強みを活かし、生活者への提供価値を高める可能性。(機会) 〔対応策〕 ・化粧品の製造に不可欠な原料などについて、サプライヤーのマルチソース化や緊急時に備えた在庫の確保、サプライヤーとの戦略的な連携による供給体制の強化。 ・「資生堂グループサプライヤー行動基準」の遵守状況のモニタリング強化。 | ②⑩ |
コンプライアンス | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・デジタル、ビューティテック、ウェルネス、新たなM&A等の新たなビジネスモデルによる成長基盤の再構築のためのグローバルでの法令遵守体制強化。 〔不確実性〕 ・当社の遵守する世界各国の法規制(製品安全、原材料やラベル、労働安全衛生、知的財産、反独占や競争、データプライバシー、環境、雇用と労働、税金、製品訴求、コーポレートガバナンス、適時開示などに関する法規制)について、予期せぬ変化があった場合における、事業コストに重大な影響を与える可能性。また、万が一遵守できなかった場合における、会社が民事上の賠償金や刑事上の罰金を科され、会社のレピュテーションに影響が及ぶ可能性。(脅威) 〔対応策〕 ・「資生堂グループ倫理行動基準」で世界中の社員の行動を規定。 ・グループCLOを設置し、グループ全体の法令遵守体制を明確化。CLO管轄下のリスクマネジメント部門が倫理行動基準および当社事業に関係する法規制のグローバルでの遵守を確保。 ・全社員に倫理行動基準の遵守を求め、働き方の枠組みと倫理的な企業風土を醸成。また、お客さまデータの取扱いに加え、腐敗防止、反独占、ハラスメント、差別、プライバシーなどのコンプライアンス分野についても研修・啓発を実施。 ・社員の匿名通報窓口を電話やウェブ上で提供し、倫理行動基準違反の通報受付・対応を実施。 ・各部署に薬事、安全性、品質、雇用、訴求の有用性、製品ラベルなどの基準の遵守状況を監視する専任チームメンバーを有し、法令遵守を徹底。お客さまと社員の安全を守る迅速かつ効果的な行動を確実にすべく、発生地域や市場でインシデント対応チームを立ち上げ対応。 | ⑩ |
リスク | 戦略実現に向けた主要な取り組み/ その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策 | WIN 2023 主要戦略※1との関連性 |
品質保証 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・安心・安全な商品の提供は、全戦略の基盤となる当社の重要な価値であり、競争優位の源泉であるとの認識のもと、商品の設計から生産、販売まで高レベルで品質保証・管理を徹底。 〔不確実性〕 ・全社的に品質保証・管理に対する当社の高い基準の適用が不十分となり、商品のライフサイクル全般にわたり、安全かつ安心な商品を生活者へ提供し続けることができない可能性。(脅威) ・日本の高い品質水準と同等の商品を日本国外でも生産し、世界中で高品質な商品を生活者へ提供することで、特に日本国外でのブランドイメージが高まり、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会) 〔対応策〕 ・「品質保証の基本指針」、「グローバル品質ポリシー・ガイダンス」を定めて独自の厳しい品質基準やさまざまな安全性保証の基準を設定し、新製品の設計、開発、原材料の管理、生産、出荷それぞれの段階で、これら基準に適合していることを確認。専門の品質保証部門を設置。 ・品質保証におけるガバナンス・リスクアセスメント・業務手順の強化を目的とする社長直結のグローバルクオリティトランスフォーメーションプロジェクトを設置し、品質体制を強化。 ・お客さま相談窓口に寄せられたお客さまからのお申し出に関する情報を集約し、全世界で共有・活用できるシステム(Global Quality System)の導入。 ・お客さま相談窓口や、万が一品質リスクが発生した場合の社内対応体制を整備し、定期的にシミュレーション訓練を実施。 | ④⑤⑥⑩ |
ガバナンス体制 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・6つの地域本社とブランドカテゴリーからなるマトリクス型の組織体制を敷き、グローバル本社はグループ全体を統括し、日本、中国、アジアパシフィック、米州、欧州およびトラベルリテールのそれぞれを統括する地域本社に権限の多くを委譲し、責任と権限の現地化を促進。 〔不確実性〕 ・地域本社がグループ全体の方針に沿わない決定を強引に推進したり、反対に権限が適切に委譲されず責任が果たせないなどの事態となれば、適法かつ健全な組織運営が円滑に進捗しなくなり、組織のレピュテーションや、持続可能性を損なう可能性。(脅威) ・地域本社がそれぞれのビジネスの責任と権限を持ち、「Think Global, Act Local」の考え方のもと、地域の生活者のニーズに合ったマーケティングや迅速な意思決定を実行した結果、より多くの生活者の支持を得ることができる可能性。(機会) 〔対応策〕 ・全社の業務執行に責任を持つ「エグゼクティブオフィサー」体制の導入。 ・本社機能およびブランドごとのグローバル本社と地域本社間の責任と権限に関する規定を策定し周知。 ・すべての重大なリスクについて、既存のコントロールとリスクオーナーを詳述した継続的なリスク管理の枠組みを確立。リスクマネジメント部門が短期・長期リスクや新興リスクを考慮し、取締役会を含む経営陣に定期的に報告するグローバルな内部統制体制を構築。 ・相互依存する多くのリスクに対応するには全社的な解決アプローチが必要とされるため、ステークホルダーの信頼を高めることに重点を置いた全社的なリスク軽減およびコミュニケーション分野の協働を推進。 ・定期的な報告や継続的なグローバルリーダー会議を通じ、全ての重要事項において、各現地法人の体制がグローバル本社の指示・承認と合致しているコーポレートガバナンスを確保。 ・ガバナンス体制の一環として、事業運営、資産、事業価値、レピュテーションおよびコンプライアンスなど、当社事業にかかわる極めて重大な意思決定を、経営陣が定期的にレビューし取締役会に報告。 | ⑦⑧⑨⑩ |
リスク | 戦略実現に向けた主要な取り組み/ その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策 | WIN 2023 主要戦略※1との関連性 |
情報セキュリティ・プライバシー | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・生活者ニーズや競争環境の激化に対応するため、情報データの活用やEコマースの強化など、デジタルマーケティングのグローバルでの強化。 ・お客さまへの斬新な体験価値やサービスの提供および共創に向け、機微情報を含むよりパーソナルなデータの取得および利活用の実施。 ・場所や時間問わず生産性高く業務を行う新しい働き方「資生堂ハイブリッドワークスタイル」への移行。 ・イノベーションを生み出すために、外部機関やスタートアップ等の外部パートナーとのより一層の連携や共創推進。 〔不確実性〕 ・サイバー攻撃によるシステム停止やお客さま情報の漏洩により、損害賠償責任や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威) ・新しい働き方やより一層の外部パートナーとの連携、共創において、重要な情報データへのアクセスポイントが増えていく中、その管理、運用が不十分な場合の情報データ漏洩リスクが高まってしまう可能性。(脅威) ・各国・地域のデータプライバシー関連法令への対応が遅れ、または不適切な対応をしてしまうことにより、法令違反が生じ、罰金支払や当社への信頼低下が発生する可能性。(脅威) ・データプライバシーに関する社会の感度を把握せず、データプライバシーに関するお客さま等の懸念や期待に適切に対応できないことにより、当社への信頼低下やビジネス機会を逸失する可能性。(脅威) ・上記脅威に対して適切に対応することで、お客さま等が安心して個人データを当社に預けることができることを通じて、ビジネス目標の達成に貢献する可能性。(機会) 〔対応策〕 ISOやNISTのフレームワークを参考に、以下の対策を実施。 ・情報セキュリティに関する専門部署を中心とするグローバルでの連携体制とガバナンス・統制を強化。 ・データプライバシーに関する責任者を配置し、グローバルの連携体制を再整備および強化。 ・データプライバシーの保護に関する情報開示・通知を推進。関連する当局とのコミュニケーションを推進。 ・内外の環境変化を踏まえた情報セキュリティ/データプライバシー関連規程の改定を継続的に実施。 ・保有する個人データを特定し、安全管理を推進。社員に対しては、情報セキュリティ啓発を継続的に実施。 ・日々高度化・多様化する外部からのサイバー攻撃に対する中長期的視点での対応態勢強化(防御・検知・対応・復旧)。(フィルタリングやPC端末、クラウド利用に関するセキュリティ強化等) ・増大化する重要な情報データと多様化するデータアクセスポイントをより一層しっかりと管理運用するために、外部の専門家も含めグローバルでのセキュリティオペレーションセンター(SOC)の構築と監視の強化。 | ⑤⑥⑧⑨⑩ |
リスク | 戦略実現に向けた主要な取り組み/ その取り組みに影響を与える不確実性(脅威・機会)・対応策 | WIN 2023 主要戦略※1との関連性 |
為替変動 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・グローバルビューティーカンパニーとして海外売上の比率の上昇。 〔不確実性〕 ・輸出入取引等を行うことに伴う外貨建て決済について為替レートが大きく変動する可能性。(脅威・機会) ・海外関係会社の現地通貨建ての報告数値は、連結財務諸表作成時に円換算することから、収益が費用を上回る状況では、円高が進むと経営成績にマイナス影響を与える可能性。(脅威) ・当社の海外関係会社への投資は、円高が進行すると為替換算調整勘定を通じて純資産を減少させる可能性。(脅威) 〔対応策〕 ・適切な為替予約等を付すことなどにより為替変動に対するリスクヘッジ策を推進。 ・主要通貨の変動を監視し、迅速な対応を行う体制を整備。 | ③ |
事業投資 | [戦略実現に向けた主要な取り組み] ・収益性の改善、スキンビューティーブランドの強化のため、経営戦略に合致した成長投資を推進。 [不確実性] ・投資判断時に想定していなかった水準で市場環境や経営環境が悪化し、将来事業計画の未達によって、M&Aにより計上したのれんや無形資産の減損損失が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性。(脅威) [対応策] ・定期的な業績モニタリングおよびモニタリング結果の取締役会への報告。 ・関係するブランド・地域本社・グローバル本社機能部門と連携し、今後の方向性や業績改善のための対策を検討。 | ①④⑥ |
重要な訴訟等 | 〔戦略実現に向けた主要な取り組み〕 ・デジタル・ビューティーテクノロジー、ビジネス構造改革・M&A、ビューティ・ウェルネス等の新たなビジネスモデルにより成長基盤の再構築・成長に焦点を当て、リスク軽減を重視しつつ、法令遵守・ガバナンス体制を継続的に強化。 ・重大な訴訟のリスク管理・軽減を強化。従業員への研修や、内部通報制度を設置するなど、内部統制・予防措置を強化。 〔不確実性〕 ・海外約120ヵ国へ進出し、各国において異なる法制度のもと一定レベルの訴訟・賠償請求・当局調査が提起される可能性。(脅威) ・当連結会計年度において、当社に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていないが、将来、当社に重大な影響を及ぼす重要な訴訟等が発生し、当社に不利な判断がなされた場合に財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性。(脅威) 〔対応策〕 ・効果的な戦略や防御を確実にするべくグローバル本社と各地域本社にCLO直轄の法務チームを設置。また、重大事案の法的戦略・防御について支援を受けるため、外部の専門家や法律事務所ともネットワークを確立。 ・当社の事業に影響を及ぼす法的環境や国別法規制の変化に関する研修(腐敗防止、独占禁止、差別禁止など)を社員向けに実施。 ・ビジネス上の契約に補償等の救済措置を含む取引条件を明記することで紛争リスクを軽減。 ・全ての知的財産をグローバル全体で保護し、侵害申立てから防御。 ・全ての重要な商取引について、デューデリジェンスを実施。 | ⑩ |
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00990] S100NQ14)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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