有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OE0P (EDINETへの外部リンク)
ユシロ化学工業株式会社 研究開発活動 (2022年3月期)
「新分野への挑戦」として、切断傷を修復可能な“自己修復性ポリマー”に関しましては、「ウィザードゲル®」(ハイドロゲル)、「ウィザードエラストマー®」(ゴムのような伸縮性のある素材)に加えて、ホストモノマーやゲストモノマーである「ウィザードモノマー®」を製品化いたしました。「ウィザードモノマー®」と一般的なモノマーを共重合させることにより、様々なポリマーにホストゲスト基を導入することができます。これにより既存樹脂に自己修復性ポリマーの持つ強靭化やしなやかさを付与する検討を進めています。
更に従来の酸化チタンに代表される光触媒とは異なり、ビタミンB2を活用した安全性の高い光触媒「ジェンタミン®」の研究をしております。除菌、消臭や水の浄化といった用途に向けた開発を進めています。
当連結会計年度において、国内で研究開発に携わるスタッフは94名であり、当社国内従業員の30%に当たります。アメリカ、中国、タイ等の海外グループ各社との連携を密にするため、研究開発部門から6名を出向者として各社へ派遣しております。現在保有する特許は、国内56件、海外23件であり、当期の特許登録は、国内6件、海外2件を数え、知的財産権の確保及び活用に注力いたしました。
当連結会計年度における研究開発費(海外を含む)の総額は、1,831百万円であります。
(1) 日本
当社は、「カスタマーインティマシー戦略(個々の顧客ニーズを的確に捉え、要望に合致した仕様に調整した製品を提供する戦略)」で成果を挙げています。例えば切削分野では、自動車産業における作業環境改善を目的に低ミスト型水溶性切削油剤「ユシローケンREVOS-NM1、NM2(ソリュブルタイプ)」を市場し好評を頂いております。顧客ニーズや反響を踏まえ、低ミスト型油剤のラインナップ拡充のための取り組みを継続しております。また、作業環境改善や作業者の皮膚刺激性軽減の取り組みとして、中性タイプの高性能ソリューション油剤「ユシローケンREVOS-NC3」を市場展開しております。塑性加工分野におきましては、作業環境の改善を目的に油煙の発生しにくい圧造油やSUS等の難加工材に特化した圧造油の開発に成功し販売実績を伸ばしたほか、次世代材料として注目されているCFRP(炭素繊維強化プラスチック)やマグネシウム合金の離型剤ラインナップを拡充し、オートモーティブワールド2022(クルマの軽量化技術展)で発表し、市場展開を図っています。その他、洗浄剤分野においては、鉄道車両向けに機械洗車機専用の車両外板洗浄剤を開発しました。当連結会計年度における研究開発費の金額は、1,164百万円であります。
(2) 南北アメリカ、中国、東南アジア/インド
新型コロナウイルスの影響が大きい海外においても、各地に生産拠点及び製品開発拠点を持つ強みを活かし、トラブル対応や製品の開発改良についても迅速にかつ積極的に対応しました。タイにあるアセアンテクニカルセンターやユシロマニュファクチャリングアメリカInc.、クオリケムInc.が中心となり、日本と協力してなしえた成果です。当連結会計年度における研究開発費の金額は667百万円であります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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