有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100R586 (EDINETへの外部リンク)
冨士ダイス株式会社 事業等のリスク (2023年3月期)
当社グループの事業において、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあると考えており、グループの運営にあたり注意を払っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場動向の変化に関するリスク
当社グループの販売品目の多くは生産財であり、設備投資需要等に大きく影響を受けます。
当社グループ及び当社グループの顧客が事業を展開する国・地域の景気が減速・後退する場合は、設備投資需要の低下等をもたらし、その結果、当社グループが提供する製品又はサービスの受注・売上が減少するなど、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料の調達に関するリスク
当社グループの主力製品である超硬工具は、産出地や生産量が限定されるタングステンカーバイド、コバルト等といった稀少な金属を原材料としております。
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
・原料相場が大きく高騰した場合のリスク
・為替が大きく変動した場合のリスク
・戦争、暴動、テロ、伝染病、自然災害による社会的混乱
タングステンカーバイド、コバルトの需給が世界的に逼迫して原料相場が高騰した場合、あるいは為替が円安になった場合、原材料費が上昇し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
またタングステンカーバイドの調達はそのほとんどを中国からの輸入に、コバルトは粗原料をアフリカでの産出、中間原料の製錬を中国での生産に依存しております。中国やアフリカの政治・経済情勢等の変化、社会的混乱が発生し、生産の停止、物流の停滞等によりタングステンカーバイド及びコバルトが調達できなくなった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、前述のリスクへの対応策として一定量の原材料在庫を社内に保有すると共に、原材料調達連絡会を定期的に開催し、関連部署間による各種課題の情報共有や具体的な対応策の検討等を行っております。さらに、原材料の調達先を対象にCSR調査を実施し、紛争鉱物への対応や環境への配慮等の社会的責任の観点も踏まえ、調達先との連携を強化するとともに、継続的な新規調達先の検討等、原材料の安定調達に向けた活動を行っております。
(3) 国際的活動及び海外進出に関するリスク
当社グループでは、中期経営計画における成長戦略の一つとして、海外事業の強化に取り組んでおります。海外での事業展開に関しては、為替リスクに加え、政情不安や金融不安、紛争の発生、感染症の蔓延等による経済活動の停滞及び停止、文化や商習慣の違い、特有の法制度や予想しがたい投資規制・税制変更、技能者の不足や労務費上昇、知的財産権保護制度の未整備等に関するリスクがあります。
当社グループでは、アジアを中心に海外での生産・販売拠点を構築し、海外リスクに留意したグローバルな事業展開を進めておりますが、各国の政治・経済・法制度等の急激な変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 協力会社に関するリスク
当社グループは製品の製造において協力会社にその加工の全てもしくは一部を委託しており、総製造費用に対する外注費の割合は約1割を占めております。現時点では優良な協力会社が多数あるものの、事業環境の悪化による外注費の値上がり、景気低迷による協力会社の経営破綻、協力会社の後継者不足による事業の廃止などのリスクがあります。これらのリスクに当社グループが対処できない場合には、外注費の増加、外注していた工程の内製化による設備投資の増加や製造原価の高騰により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこれらのリスクに対応するため、今までどおり協力会社との良好な関係を維持しつつ、特に重要度の高い協力会社とは、協働して安定的かつ継続的な生産体制を構築しております。
(5) 災害に関するリスク
当社グループでは、地震、台風等の自然災害や感染症の蔓延、大規模事故等による操業停止をせざるを得ないような事態の発生に備え、自然災害を想定した防災訓練、社員の安否確認訓練を定期的に行うとともに、防災設備の設置、火災保険への加入、必要物資の備蓄、BCP(事業継続計画)の策定等の対策を講じております。災害の発生に対しては、緊急連絡体制を通じて、国内外の拠点や関係会社と連携するしくみを構築しており、代表取締役社長を本部長とする対策本部を速やかに設置し、BCP(事業継続計画)が実行できる体制を整えております。
しかしながら、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、予想を超える規模の被災により建物や設備の倒壊・破損、ライフライン・輸送ルート・情報インフラの寸断等による操業の停止、といった不測の事態が発生した場合、顧客への製品供給に支障をきたすこと等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 環境問題に関するリスク
当社グループでは、製品の製造・検査等において、化学物質や毒劇物の使用及び保管管理を行っており、事業活動を行っていく中で地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物、有害物質、土壌汚染などに関する様々な環境法令の適用を受けております。生産活動の中では有害物質の漏洩防止及び適法適切な廃棄処理を徹底し、環境被害の発生防止に努めておりますが、有害物質による予期せぬ汚染やそれに伴う危害が顕在化したり、化学物質が社外へ流出する事故等が万が一発生した場合には、社会的信用の失墜、補償・対策費用の支出、生産活動の停止等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは、SDGsへの取り組みを推進するための体制構築を目的としたプロジェクトを2021年4月に発足し、2023年3月までの期間活動してまいりました。本プロジェクトでは、当社グループのサステナビリティ基本方針の策定や優先課題の選定、実現可能性を考慮したCO₂排出量削減目標値の検討及び従業員への周知教育等を中心に行い、環境問題やSDGsへの対応を推進するための基盤を構築いたしました。今後につきましては、当社内にサステナビリティ推進室を新設し、当社グループ全体で課題解決に向けた活動を推進してまいります。
(7) 人財の育成及び確保に関するリスク
当社グループは人を中心とした経営を実践しており、中長期的な成長は優秀かつ多様な人財を確保・育成し、適材適所の配置を実現することに大きく依拠しております。当社グループでは事業運営上必要な人財を採用し、その雇用の継続に努めていますが、
・適切な時期に優秀な人財を必要な事業領域において計画通り採用することができない
・事業活動を進める上で必要となる知識・スキル・能力を有した人財を適切な時期及び規模で育成できない
・優秀な人財が社外に流出してしまう
等により、中長期的な視点から当社グループの事業目的の達成が困難となり、その結果、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グル-プでは、中期経営計画の基本コンセプトの一つとして「筋肉質な企業体質への転換」を掲げていますが、これらを実現するためには自立型人財の育成が不可欠であると考えております。そのため、階層別教育研修プログラムを導入し、各階層のスキルマップに沿った研修の充実を図り、体系的かつ継続的な人財育成に取り組んでおります。また、多様なライフスタイルに応じたワークライフバランスの実現に向け、フレックスタイムや時間単位年休の導入等、各種労働環境の整備を進めており、多様な人財を確保するための活動を推進しております。
(8) 財務リスク
①棚卸資産の価値下落
当社グループが保有している棚卸資産については、主として、個別法に基づく原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により評価しております。従って、原料相場の高騰や稼働率の低下により製品原価が売価を上回る可能性があり、この場合、収益性の低下による評価損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②投資有価証券の時価下落
当社グループが保有する投資有価証券は全て政策保有株式であり、種々の目的のために保有しておりますが、保有する意義や合理性が認められなくなった場合には取引先企業との十分な対話を経た上で縮減する方針としております。当連結会計年度末の連結貸借対照表において、279百万円を計上しておりますが、当該株式の時価が帳簿価額を著しく下回ることとなった場合、評価損の計上が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③繰延税金資産の計上
当社グループでは繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しております。しかしながら、今後課税所得の見積り等に大きな変更が生じた場合には、繰延税金資産の取崩しが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④固定資産の価値下落
当社グループでは、生産能力や生産性の向上等のため製造設備などの設備投資を継続的に行っており、その結果、当連結会計年度末の連結貸借対照表において、有形固定資産を9,724百万円計上しております。当該有形固定資産については固定資産の減損に係る会計基準等に従い、資産の簿価が回収できない兆候が認められた場合は減損テストを行い、当該資産が十分な将来キャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損損失を認識しております。多額の減損損失を認識した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤生産拠点の集約
当社グループでは、生産体制・生産品種の最適化による成長力・収益力の強化を目的として、生産拠点の集約や自動化・省力化の促進等を複合的に実施しております。この過程において、固定資産除売却損や減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 紛争及び訴訟等に関するリスク
当社グループは、法務及び知的財産担当部署等において、契約や特許等をはじめとする知的財産権に関する紛争・訴訟等に対し予防措置を講じておりますが、国内及び海外での事業活動に関連して、法的な紛争・訴訟の対象となる可能性があります。これらの事態が発生した場合には、訴訟費用や損害賠償費用等の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、第三者の知的財産権の侵害が発生しないよう、法務及び知的財産担当部署において、啓蒙や教育を定期的に行い、社内管理体制の強化に努めております。
(10) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業遂行に関連して多くの顧客情報や機密情報を有しております。これらの情報については、外部流出や破壊、改ざん等が発生しないよう厳格な管理体制を構築し、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策、情報の取扱い等に関する規程類の整備や従業員等への周知・徹底を図るなど、情報セキュリティを強化しております。しかしながら、予期せぬ事態により、情報流出や破壊もしくは改ざん又は情報システムの停止等が引き起こされる可能性は皆無ではありません。このような事態が生じた場合には、社会的信用の失墜、損害賠償等の費用の発生、業務の停止等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E31594] S100R586)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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