有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100R4EZ (EDINETへの外部リンク)
ダイハツディーゼル株式会社 事業等のリスク (2023年3月期)
当社グループの事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者がリスクとなる可能性があると認識している主要な事項(事業等のリスク)は以下のとおりであります。
事業等のリスクの洗い出しに際して、事業遂行上に起こりうるリスクの発生要因に基づき、ビジネスリスクとオペレーションリスクに分類し、各リスクに応じた対策を立案・遂行し、リスク管理の実効性を検証し、対応しております。
ビジネスリスク (Business) | 事業環境の不確実性がある中、事業戦略を策定・遂行することで、事業成果を獲得するために、意思決定を通じ健全な範囲で負担することを選択したリスク |
オペレーションリスク (Operation) | 外生的事象が生起することから事業オペレーション上で発生可能性がある事象および損失であり、対策を講じて一定水準以下になるよう管理するリスク |
主要なビジネスリスク、オペレーションリスクの内容と対策は以下のとおりです。
リスク | 内容 | 対応 |
Business(1) カーボンニュートラルに向けた開発リスク | ・国際海運の2050年の温室効果ガス(GHG)排出ネットゼロ(実質ゼロ)が求められ、削減目標は前倒しされています。 ・海運・造船業界におけるカーボンニュートラルは、舶用機関の開発を中心に実現されるというのが主流の見方ではあるものの、どの新燃料が主流となるかについては見解が分かれています。 ・開発リソースの投入・開発時期次第では、当社の研究開発テーマが実用化されず、新製品の開発が著しく遅延または断念される場合には、競争力が低下し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ・舶用機関メーカーとしてどの燃料にも対応できるよう、研究開発を進めていますが、選択肢が多岐に渡る中、新燃料の技術開発には一定の投資が必要であるため、動向を見ながら開発テーマの絞込みや優先順位付けを今後進めてまいります。 ・自前主義にこだわらず、産官学との連携を通じ、研究リソースの適正な配分に努めてまいります。 |
Business(2) 中国市場リスク | ・当社は中国ライセンシー2社と技術提携関係を40年以上継続しており、連結販売子会社・ライセンシーを通じ、中国市場でのダイハツブランドの拡販施策を実施しています。しかし、想定外の事情で中国市場が縮小し、中国ライセンシーのエンジン生産量が急減した場合、当社の成長戦略に齟齬が生じる可能性があります。 | ・中国での市場性を想定したライセンス機種の検討や生産・品質面での支援を含めた技術供与のあり方をライセンシーと適宜協議しながら進めています。 ・中国ライセンシーの機関生産の原価低減に向けた支援を行っています。 |
Business(3) 調達リスク | ・当社製品の開発・生産は、仕入先からの一定数の部材やサービスの供給に依存しており、当社事業において、これらが必要に応じて、適正なコストでタイムリーに入手可能なことが重要となります。自然災害や事故、または仕入先の経営悪化など様々な要因での供給の遅滞や停止、コストアップ等で当社製品に関する開発や生産に遅滞や停止が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ・仕入先との良好な取引関係の確立・維持に努め、また、調達の停止リスク回避を考慮した仕入先の複数確保、必要在庫の保有等の対策を講じてまいります。 仕入先の事業継続に関しても定期的に精査し、適宜代替となる仕入先の検討を実施してまいります。 ・当社グループでは最適な部材やサービスをグローバルに調達しておりますが、リスク回避検討の一つとして、付加価値取り込みも視野に入れた内外製の検討も進めております。 |
Business(4) 一部調達先への技術依存がもたらすリスク | ・主要な部品の一部には、特定の高度な技術を有し、供給先に依存するため供給先の供給不足、納入遅延等の発生により、販売機会損失発生や、適正な在庫水準を維持できない状況が想定されます。また、特定材料の値上げ要請を受ける状況があった場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ・基幹部品の内製化投資および生産能力増強や調達先の多様化により、調達の安定化を図るとともに、原価低減に結びつけてまいります。 ・次世代燃料対応機関開発において、調達先を見極めるとともに、知財戦略に基づき重要技術の自社保有を目指します。 |
リスク | 内容 | 対応 |
Business(5) 知財リスク | ・当社グループは、製品開発の中で技術あるいはノウハウを蓄積し、それらを保護するための知的財産権の取得に努めておりますが、第三者が当社グループの知的財産権を使用して類似製品を製造、販売することを防止できない可能性があり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループでは他社の権利を侵害しないように製品の開発を進めておりますが、意図せずまたは、見解の相違等により第三者の知的財産権を侵害することにより、訴訟その他解決に係る費用の増加、製品差し止めによる事業損失、損害賠償責任、当社グループの評判、ブランド価値の毀損を引き起こす可能性があります。 ・現在当社グループがライセンスを受けている第三者の知的財産権の使用が将来差し止められる、あるいは不当な条件に変更される可能性があります。 | ・当社グループでは、知財専門部門を設置し、新規製品開発時には要件として、他社の知的財産権を侵害していないことの調査実施を規定に定め、チェック機能を働かせています。 ・パテントマップに基づく戦略の立案等、知財戦略を当社グループの競争力の維持、成長戦略の牽引役として強化に努めてまいります。 ・新燃料対応の機関開発では委託契約の内容を充分に精査し、知的財産権の保全に努めてまいります。 |
Business(6) 為替変動のリスク | ・以下の2点で当社グループの財政状態・経営成績に影響を及ぼしています。 ①当社の連結財務諸表は日本円で表示のため、為替換算による差損益が生じます。 ②外貨建ての製品販売、材料等の調達では、為替変動の影響により販売・仕入額の円貨額が変動します。 特に海外調達が増加する中、為替変動が材料費等に影響を与える可能性があります。 | ・円建取引を基本とし、外貨建の取引については以下の方法でリスクヘッジを行っております。 ①事業活動を通じて得た外貨を、同一の外貨建ての支払いに充当。 ②事業計画や事業見通しに基づき、通貨ごとに外貨建て為替予約枠を設定。 ③国内調達や内製化投資により為替変動リスクを低減。 |
Operation(1) 自然災害による操業リスク | ・当社グループの主要製品である機関製造工場は守山工場と姫路工場の2拠点があります。加えて子会社である日本ノッズル精機㈱には埼玉工場と加古川工場の2拠点があります。巨大地震や風水害等の自然災害や火災等が発生した場合に、当該工場での直接被害により生産活動が阻害される可能性があります。さらに、これらの災害・事故等が、部品等の供給業者や製品納入先等といった当社グループのサプライチェーンにおいて発生した場合には、供給業者からの部品等の供給不足・中断、製品納入先における生産活動の休止または低下等により当社グループの生産活動・販売活動等が大きな影響を受ける可能性があります。 | ・以下の対策を実施して、速やかな事業復旧をはかります。 ①避難訓練の実施、安否確認システムの運用、帰宅困難者用備品の拡充、防災マニュアルの見直しと教育の実施を通じ、従業員の安全を確保。 ②危機管理体制やBCP整備による、緊急時の被災状況等の情報収集体制の確立、お客様や従業員等の安全確保と事業継続に向けた体制の構築。 ③賠償責任保険、企業財産包括保険等の付保。 ④建物・構築物・製造設備の耐性診断および補強、被災拠点機能の代替体制構築、本社機能不全時の代替体制構築。 ⑤供給業者の複社発注化によるサプライチェーン寸断による被害拡大抑止。 |
Operation(2) 人材確保・流出リスク | ・当社グループの競争力は、研究・開発・技術・製造・管理等各職種における優れた専門的知識や技能を持った従業員により支えられています。グローバルな事業活動を進める中で、優秀な人材確保における競争は高まっております。また、在籍している従業員の退職や有能な人材の獲得ができない場合は、当社グループの将来の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ・専門性の高い多様な人材の採用を進めております。 ・社員のエンゲージメントを高める施策を検討、実行しております。 ・人材投資をおこない、社員のリスキリングをはかってまいります。 ・幹部人材の確保、育成するプロセスの強化を進めております。 ・定年延長または継続雇用制度の上限年齢引き上げの検討と制度構築を行っております。 |
リスク | 内容 | 対応 |
Operation(3) 資金調達リスク | ・当社グループは資金調達を間接金融としているため、様々な外的要因により金融市場が不安定化もしくは悪化した場合に、資金調達が制約されたり、資金調達コストが上昇するなど、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ・自己資金の創出を図るべく、事業計画時点で資金計画を策定し、キャッシュ・フローを見極めます。 ・資金予測精度を高め、必要資金確保のための方策を検討します。 ・コミットメントラインを設定し、万が一の場合の流動性を確保しております。 ※コミットメントライン: 金融機関との間で、期間・融資枠の範囲内で融資を受けることを可能とする旨、予め約定する契約 |
Operation(4) 情報セキュリティー面のリスク | ・当社グループは事業活動を通じて、お客様や取引先から営業機密・個人情報を入手することがあります。また、当社グループの事業活動でも営業機密・個人情報を作成・保管しております。これらの機密情報に対する悪意を持った行為や過失によりグループ外に流出する可能性や改竄・利用不可状態に陥ることにより事業活動が制限される可能性があります。 ・当社グループとしては、保有する機密情報を台帳等により記録・管理すると共に、サイバー攻撃・不正行為から守るためセキュリティー対策に取り組んでおります。しかし、IT機能の不備や予期せぬ侵入・窃盗、不正操作などにより、グループ外への情報流出、製造・開発・エンジニアリングサービスの停止などが発生した場合には、お客様や関係者に対して損害賠償責任を負うことや、インシデント対応費用の発生、社会的信用の毀損等で当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ・当社グループは機密管理委員会を通じて、機密管理活動に取り組んでおります。具体的には、役員、従業員、取引先に対し、機密管理教育を徹底しております。 ・事業活動を支えるIT機能に対しても万全な防御機能を整備運用するとともに、外部からの不正アクセスと外部への不正流出を常時監視する機能を運用し、有事の際の検知と迅速な初動対応を開始する準備を講じております。 |
Operation(5) コンプライアンスリスク・訴訟リスク | ・当社グループでは、世界各国に販売・サービス網を構築し事業活動を行っており、国内外の様々な法令、諸規制の適用を受けております。これらに対する違反等が発生する可能性は皆無と言えず、発生した場合には、社会的信用を毀損する等、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループが事業活動を展開する中で、知的財産権、製造物責任、環境、労務等、様々な訴訟の当事者となるリスクがあります。重大な訴訟提起の場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ・当社では、倫理行動基準および諸規程を整備するとともに、法令遵守に基づき、業務遂行の徹底ならびに、役員・従業員へのコンプライアンス研修を実施しております。 ・当社グループでは、コンプライアンス委員会ならびに法務、内部監査等の統制部門を設置し、関連法令、規制、内部基準等の遵守状況を適宜モニタリングしております。 ・訴訟や法的な手続きが必要となる事案が発生した場合に、弁護士等の外部専門家と対策を検討することが出来る体制を構築し、社内の関連部署のスキルや専門知識の強化に努めております。また、訴訟等による予期せぬ損失に備えて保険の付保等をおこなっております。 |
リスク | 内容 | 対応 |
Operation(6) 輸出管理規制によるリスク | ・当社製品ならびにアフター部品・サービスは広く世界各国へ販売されており、また、製品開発時には各国のメーカー、研究機関との共同・委託開発をおこなっております。 上記は外為法の規制を受ける為、製品・アフター部品・サービス・共同開発行為がリスト規制の対象となる可能性があり、また取引先がキャッチオール規制の対象である可能性があります。社内に輸出管理体制を構築し、対策を講じておりますが、違反等が発生する可能性が皆無とは言えず、発生した場合には、社会的信用を毀損し、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ・社内に輸出管理委員会を設け、輸出管理事務局・監査部門における定期的監査・モニタリングを実施しております。また、輸出管理業務が円滑かつ正確におこなえるよう専用の輸出管理システムを構築し、運用しております。 ・輸出管理に係る規程・マニュアルを整備し、当該業務の関係者への定期的研修を実施しております。また、役員および管理職へは昇格時に別途研修実施を講じております。 ・関連法令の制定・改正等の情報を適時に事業活動に反映できる社内体制を強化しております。判断が難しい場合には政府当局やCISTEC等の関係団体に確認するなどの対応を実施しております。 ※CISTEC: 一般財団法人 安全保障貿易情報センター |
Operation(7) 感染症リスク | ・感染症の感染地域・感染者数の拡大による、工場の操業度低下、人流や物流制限による販売や調達活動への制約、世界経済悪化に伴う受注量の停滞など、当社グループを取り巻く事業環境への影響が懸念されます。 ・今後も動向を注視しながら適宜対策を講じてまいりますが、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 | ・当社グループでは、社会インフラを支える当社グループの製品・サービス等の提供を途切れさせることがないよう、お客様、そして地域の皆様の安心・安全を第一と考え、対策本部を設置し、対応マニュアルを定め、周知徹底をし、感染症の流行状況に応じた感染拡大防止策をはじめとする各種施策を実施してまいります。 ・従業員やその家族の健康を守る為、職場での感染予防・拡大防止策として、衛生管理の徹底(マスク着用、検温、手指のアルコール消毒等)や各部署における在宅勤務や時差出勤の本格運用、WEB会議の活用等に取り組んでおります。 |
本項に記載した予想、予見、見込み、見通し等の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01477] S100R4EZ)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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