有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QYNI (EDINETへの外部リンク)
株式会社小松製作所 研究開発活動 (2023年3月期)
当社グループは、建設機械・車両、産業機械他の分野において、「品質と信頼性」の追求を基本として、新技術と新商品の研究開発を積極的に推進しています。
当社グループの研究開発体制は、当社のCTO(最高技術責任者)室、開発本部の建設機械・車両関連の研究開発部門及び関係会社の技術部門等からなっており、当連結会計年度の当社グループの研究開発費は90,628百万円です。各事業部門別の研究開発の目的、成果、研究開発費は次のとおりです。
(1) 建設機械・車両事業セグメント
グローバル化に対応した建設機械・鉱山機械・車両の効率的な研究開発をねらいとして、国内外に研究開発拠点を配置し、グローバルな開発体制を敷くとともに、相互の人材交流や共同開発の拡大などを行いながら研究開発活動を推進しています。また、「イノベーション」を起こすため、CTO室を窓口として、有望な分野での先進技術を有する国内外の大学、研究所、企業と積極的に協同・連携し、社内のコア技術と外部の知見の融合(オープンイノベーション)による技術革新のスピードアップに取り組んでいます。「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場」をお客様とともに実現することを目指し、中・長期的な重点テーマとして、以下の分野に取り組んでいます。
情報化技術(最新計測技術・通信技術を活用した機械の位置情報・稼働情報や機械診断情報などのリモート管理技術等)及び制御技術・知能化技術の研究開発を進めています。これらの技術を利用して開発した建設・鉱山機械の制御システムと管理システムは急速に普及しており、建設・鉱山機械の稼働と管理の自動化、効率化が図られ生産性向上に寄与しています。また、こうした技術を使い、情報化施工、「KOMTRAX」(2023年3月末時点配車台数:722,637台)、鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(AHS)(2023年3月末時点総稼働台数:643台)についても、お客様の視点に立った次世代への展開に向けた活動を推進しています。
施工の自動化、作業精度と作業効率の大幅向上を実現する作業機全自動制御機能搭載ICTブルドーザー、ICT油圧ショベルの開発とレトロフィットキットの拡大で、建設現場が抱える様々な課題を解決し「未来の現場」を実現させていくためのソリューションを開発、提供していくサービス事業「スマートコンストラクション」は導入地域や規模を拡大しました。高精度測量技術の活用や現場のあらゆる情報をICTで繋ぐことで、生産性の大幅な向上と安全な現場を実現します。
建設現場向けには、デジタルトランスフォーメーションに対応した、オープンプラットフォーム「LANDLOG」、自律、協調など高度化したICT建機、生産技術を活用し施工を最適化する施工シミュレーションの開発を推進しています。
農林業向けには、「スマートコンストラクション」のノウハウを活用し林業全体を効率化するスマート林業の提案や、ICT農業用建機による農作業の効率化を進めています。
エコロジー(環境に優しい)とエコノミー(経済性に優れている)の両立を追求し、お客様に満足いただける優れたものづくりを行うことを、コマツ地球環境方針の下に基本理念とし、商品の生産から廃棄・再利用までのライフサイクル全体の環境負荷が最小限になるように努めるとともに、燃費の向上など、経済性にも優れた商品を提供するために、常に技術革新に取り組んでいます。
燃費向上技術については、CO2排出量削減と経済性の両面から最重要課題として取り組んでいます。ハイブリッドシステム搭載の油圧ショベルを日本、中国、北米、欧州、その他世界各地に導入し、2023年3月末時点での累計導入台数は5,535台に達しました。
環境対応については、世界各地の排出ガス規制に対応した製品を市場導入しています。
環境負荷物質の低減活動も積極的に展開しています。環境とは地球環境だけではなく人間への環境も含むという観点から、安全対応(「KomVision人検知衝突軽減システム」、「衝突検知警報システム」)や騒音・振動低減、オペレーター作業環境改善にも積極的に取り組んでいます。
電動化については、建設機械見本市「bauma 2022」、「CONEXPO-CON/AGG 2023」において、フル電動のホイールローダーコンセプトマシン、3トンクラスの電動ミニショベル、20トンクラスの電動油圧ショベルなどを出展しました。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
当事業セグメントの当連結会計年度に係る研究開発費は81,176百万円です。
(2) 産業機械他事業セグメント
主として、板金鍛圧機械、工作機械及びその他産業機械などに関する研究開発を行っています。
産業機械他事業においては、お客様の困りごとを解決するソリューションの提供を推進し、昨年8月に経済産業省のDX認定を取得しました。突発的なプレスライン停止を回避する予知保全システムを拡販し、国内、中国、米国の累計導入契約ライン数は2022年度のKPIである30ラインとなりました。また、プレス機械の使われ方モニタ機能(過負荷モニタ、荷重トレンド、自動タイムスタディ)を新規の機械には標準搭載、レトロフィット対応ではコントローラーのリニューアルとセット販売することで拡販が進みました。更に、「産機Komtrax」で使用している通信モデムの4G切替対応として各種新オプションコンテンツを選択することで工事費を無料とするキャンペーンを実施したことで、LTV(Life Time Value)が向上しました。
板金機械では、業界初の水中での形状切断を実現したファイバーレーザー加工機である「TWCL」シリーズの販売を開始しました。一般的にファイバーレーザー加工機は、皮膚への露光や拡散反射の観察の危険性により、安全に作業を行うために機体全面をカバーなどで覆うことが必要ですが、当該機は、コマツ産機㈱独自開発の方式により切断時のレーザー光を減光し、レーザー安全クラス1を実現しました。これによりマシンカバーが不要となり、鋼板や製品の出し入れなどの作業性を改善しました。これに加え、水中でレーザー切断することにより鋼板の温度上昇を少なくできるため、熱影響による切断不良の低減や歩留まりを改善しました。これらにより、従来のファイバーレーザー加工機に対してお客様の現場における品質の向上及びカーボンニュートラル実現に貢献することが出来ました。他にプレスブレーキ「PVS」の大型の操作盤パネルを搭載したモデルチェンジも行いました。画面サイズは従来の15型から21.5型になり、1画面の情報量が増加しました。またあわせて画面操作フローを見直すことで、金型交換時の操作回数を8回から2回にするなど、操作性を向上しました。
工作機械では、フレキシブルな生産ニーズに応える5軸マシニングセンター「CX500」を市場導入しました。同時に工具のリアルタイム状態監視ができるモニタリング装置「Komtas」の開発を行い市場導入しました。
その他には、半導体露光装置用エキシマレーザー、EUV光源、半導体基板小径加工用エキシマレーザー、半導体製造業向けの高性能温調機器とその要素である高性能サーモモジュール熱交換ユニット、光通信用向けの超小型サーモモジュール及び熱電発電モジュールとそのシステムに関する研究開発などを推進しました。
当事業セグメントの当連結会計年度に係る研究開発費は9,452百万円です。
当社グループの研究開発体制は、当社のCTO(最高技術責任者)室、開発本部の建設機械・車両関連の研究開発部門及び関係会社の技術部門等からなっており、当連結会計年度の当社グループの研究開発費は90,628百万円です。各事業部門別の研究開発の目的、成果、研究開発費は次のとおりです。
(1) 建設機械・車両事業セグメント
グローバル化に対応した建設機械・鉱山機械・車両の効率的な研究開発をねらいとして、国内外に研究開発拠点を配置し、グローバルな開発体制を敷くとともに、相互の人材交流や共同開発の拡大などを行いながら研究開発活動を推進しています。また、「イノベーション」を起こすため、CTO室を窓口として、有望な分野での先進技術を有する国内外の大学、研究所、企業と積極的に協同・連携し、社内のコア技術と外部の知見の融合(オープンイノベーション)による技術革新のスピードアップに取り組んでいます。「安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場」をお客様とともに実現することを目指し、中・長期的な重点テーマとして、以下の分野に取り組んでいます。
情報化技術(最新計測技術・通信技術を活用した機械の位置情報・稼働情報や機械診断情報などのリモート管理技術等)及び制御技術・知能化技術の研究開発を進めています。これらの技術を利用して開発した建設・鉱山機械の制御システムと管理システムは急速に普及しており、建設・鉱山機械の稼働と管理の自動化、効率化が図られ生産性向上に寄与しています。また、こうした技術を使い、情報化施工、「KOMTRAX」(2023年3月末時点配車台数:722,637台)、鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(AHS)(2023年3月末時点総稼働台数:643台)についても、お客様の視点に立った次世代への展開に向けた活動を推進しています。
施工の自動化、作業精度と作業効率の大幅向上を実現する作業機全自動制御機能搭載ICTブルドーザー、ICT油圧ショベルの開発とレトロフィットキットの拡大で、建設現場が抱える様々な課題を解決し「未来の現場」を実現させていくためのソリューションを開発、提供していくサービス事業「スマートコンストラクション」は導入地域や規模を拡大しました。高精度測量技術の活用や現場のあらゆる情報をICTで繋ぐことで、生産性の大幅な向上と安全な現場を実現します。
建設現場向けには、デジタルトランスフォーメーションに対応した、オープンプラットフォーム「LANDLOG」、自律、協調など高度化したICT建機、生産技術を活用し施工を最適化する施工シミュレーションの開発を推進しています。
農林業向けには、「スマートコンストラクション」のノウハウを活用し林業全体を効率化するスマート林業の提案や、ICT農業用建機による農作業の効率化を進めています。
エコロジー(環境に優しい)とエコノミー(経済性に優れている)の両立を追求し、お客様に満足いただける優れたものづくりを行うことを、コマツ地球環境方針の下に基本理念とし、商品の生産から廃棄・再利用までのライフサイクル全体の環境負荷が最小限になるように努めるとともに、燃費の向上など、経済性にも優れた商品を提供するために、常に技術革新に取り組んでいます。
燃費向上技術については、CO2排出量削減と経済性の両面から最重要課題として取り組んでいます。ハイブリッドシステム搭載の油圧ショベルを日本、中国、北米、欧州、その他世界各地に導入し、2023年3月末時点での累計導入台数は5,535台に達しました。
環境対応については、世界各地の排出ガス規制に対応した製品を市場導入しています。
環境負荷物質の低減活動も積極的に展開しています。環境とは地球環境だけではなく人間への環境も含むという観点から、安全対応(「KomVision人検知衝突軽減システム」、「衝突検知警報システム」)や騒音・振動低減、オペレーター作業環境改善にも積極的に取り組んでいます。
電動化については、建設機械見本市「bauma 2022」、「CONEXPO-CON/AGG 2023」において、フル電動のホイールローダーコンセプトマシン、3トンクラスの電動ミニショベル、20トンクラスの電動油圧ショベルなどを出展しました。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
製品区分 | 機種 |
油圧ショベル | PC78US-11, PC200/200LC-11M0, PC210/PC225LC/PC235HD-11M0, PC240-11M0, PC260LC-11M0, PC300/PC350/PC360-8M2, PC330/330LC-11M0, PC360-11M0, PC375LC-11M0, PC520LC-11M0, PC550LC-11M0, PC650LC-11M0, PC700LC-11M0, PC950-11, PC5500-11 |
ICT油圧ショベル | PC490LCI-11 |
ホイールローダー | WA470-8M0 |
モーターグレーダー | GD535-6, GD955-7 |
ユーティリティ(小型機械) | SK715-8E0, SK815-8E0/SK820-8E0 |
フォークリフト | FE25G-2, FE30G-2 |
全旋回型不整地運搬車 | CD110R-3 |
当事業セグメントの当連結会計年度に係る研究開発費は81,176百万円です。
(2) 産業機械他事業セグメント
主として、板金鍛圧機械、工作機械及びその他産業機械などに関する研究開発を行っています。
産業機械他事業においては、お客様の困りごとを解決するソリューションの提供を推進し、昨年8月に経済産業省のDX認定を取得しました。突発的なプレスライン停止を回避する予知保全システムを拡販し、国内、中国、米国の累計導入契約ライン数は2022年度のKPIである30ラインとなりました。また、プレス機械の使われ方モニタ機能(過負荷モニタ、荷重トレンド、自動タイムスタディ)を新規の機械には標準搭載、レトロフィット対応ではコントローラーのリニューアルとセット販売することで拡販が進みました。更に、「産機Komtrax」で使用している通信モデムの4G切替対応として各種新オプションコンテンツを選択することで工事費を無料とするキャンペーンを実施したことで、LTV(Life Time Value)が向上しました。
板金機械では、業界初の水中での形状切断を実現したファイバーレーザー加工機である「TWCL」シリーズの販売を開始しました。一般的にファイバーレーザー加工機は、皮膚への露光や拡散反射の観察の危険性により、安全に作業を行うために機体全面をカバーなどで覆うことが必要ですが、当該機は、コマツ産機㈱独自開発の方式により切断時のレーザー光を減光し、レーザー安全クラス1を実現しました。これによりマシンカバーが不要となり、鋼板や製品の出し入れなどの作業性を改善しました。これに加え、水中でレーザー切断することにより鋼板の温度上昇を少なくできるため、熱影響による切断不良の低減や歩留まりを改善しました。これらにより、従来のファイバーレーザー加工機に対してお客様の現場における品質の向上及びカーボンニュートラル実現に貢献することが出来ました。他にプレスブレーキ「PVS」の大型の操作盤パネルを搭載したモデルチェンジも行いました。画面サイズは従来の15型から21.5型になり、1画面の情報量が増加しました。またあわせて画面操作フローを見直すことで、金型交換時の操作回数を8回から2回にするなど、操作性を向上しました。
工作機械では、フレキシブルな生産ニーズに応える5軸マシニングセンター「CX500」を市場導入しました。同時に工具のリアルタイム状態監視ができるモニタリング装置「Komtas」の開発を行い市場導入しました。
その他には、半導体露光装置用エキシマレーザー、EUV光源、半導体基板小径加工用エキシマレーザー、半導体製造業向けの高性能温調機器とその要素である高性能サーモモジュール熱交換ユニット、光通信用向けの超小型サーモモジュール及び熱電発電モジュールとそのシステムに関する研究開発などを推進しました。
当事業セグメントの当連結会計年度に係る研究開発費は9,452百万円です。
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