有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TUQ4 (EDINETへの外部リンク)
株式会社加藤製作所 研究開発活動 (2024年3月期)
当社グループの研究開発活動は主に開発本部において行われており、設計・ソフトウエア開発・試験検証などの部門が緊密に連携して研究開発に取り組んでおります。主な研究開発製品は、建設用クレーン、ショベル、産業車両、クローラキャリアなどであり、国内外の最新排出ガス規制に適合した製品開発の他、カーボンニュートラルに向けた各種電動化や代替燃料の利用、自動運転や遠隔操作などの先進的研究開発活動も積極的に推進しております。当連結会計年度における研究開発費は総額1,895百万円であります。
研究開発活動は主として日本セグメントで行っており、おもな取り組みは次のとおりであります。
(1) 建設用クレーン
海外向けのラフテレーンクレーンでは、最大吊上げ荷重13tの「CR-130RV」を開発し今年度に市場投入いたしました。本機は、欧州の排出ガス規制(StageⅤ)に適合したエンジンを搭載、クレーン操作に電気制御システムによるジョイスティック型レバーを採用しています。従来機の油圧パイロット方式の操作フィーリングを継承しつつ、オペレータの好みに応じて細やかな操作感度調整が可能になっております。国内向けのラフテレーンクレーンでは、最大吊上げ荷重60tの「SL-600RfⅢ」を開発いたしました。本機は、国内最新の排出ガス規制に適合したエンジンを搭載、各種の走行安全機能を有しています。クレーン装置では3段EJIBの採用により懐の深い作業が可能であります。
カーボンニュートラルへの取り組みとして、「ハイブリッドラフター」の開発を進めており、早期市場投入を目指し取り組んでおります。ハイブリッドラフターは、走行時やクレーン作業時の動力を電動モーターによりアシストするもので、通常型のラフテレーンクレーンと比較して燃料消費量の削減が図れます。
なお、建設用クレーンにつきましては、今後も重点開発製品群としてラインナップ拡充を図るとともに、クレーンの更なる操作性向上やオペレータの負担軽減に向けた研究開発、カーボンニュートラルへの取り組みとしての次世代動力源などの研究開発活動を積極的に進めてまいります。
(2)油圧ショベル等(ショベル・クローラキャリア)
中大型ショベルでは、欧州の排出ガス規制(StageⅤ)に対応した機種において、最新型エンジンの搭載と従来機で実績のある油圧機器を最適化することで、信頼性を確保しながら作業フィーリングを向上させ、低燃費、低騒音化による環境負荷の軽減を図った製品の開発を進めております。ミニショベルでは、機体質量0.9tクラスの「HD09V5」を開発し今年度に北米および欧州地域を中心に市場投入いたしました。本機は、クローラ幅可変機構を標準装備しており狭い現場に進入することができます。また、転倒時保護構造の強度試験に合格したロールバ-ROPS キャノピーをオプションとして設定しています。
今後も最新の排出ガス規制に対応した機種の市場投入を順次進めるとともに、カーボンニュートラルへの取り組みとしての電動化開発も進めており、早期市場投入を目指して積極的に取り組んでまいります。
クローラキャリアでは、積載重量7tの全旋回式クローラキャリア「IC70R」を開発し今年度に市場投入いたしました。本機種は、徹底的な低重心化により高い安定性を有しているため、全旋回方向でダンプ操作ができ、上部旋回体を旋回させたまま走行することが可能です。さらに、このコンセプトを継承した大型機シリーズ化の研究開発も進めております。また、積載重量3.7t「IC37-5」を開発し今年度に市場投入いたしました。本機は、クラス初の電子制御コントロールを搭載しているため、スムーズな操作性を有しています。両機種ともに、国内、北米および欧州地域における最新の排出ガス規制に適合したエンジンを搭載しているため、グローバルな展開を進めております。
クローラキャリアにつきましても、重点開発製品群としてラインナップ拡充を図るとともに、カーボンニュートラルへの取り組みとしての電動化や遠隔操作・自動運転化などの研究開発活動を積極的に進めてまいります。
(3)その他製品
万能吸引車では、大風量の吸引ブロワを搭載した「MV-400SⅡ(大風量型)」を開発いたしました。路面清掃車では、空港内の滑走路や誘導路の制限区域における清掃作業の安全性や生産性の向上、労働力不足などの課題解決に向け、「HS-400W」を基本車として、自動運転(レベル2相当)での清掃作業の実証実験を行いました。本実証実験の成果を踏まえ、制限区域内での自動運転などの高機能車両の実用化に向けた研究開発活動を積極的に進めてまいります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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