有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QFN2 (EDINETへの外部リンク)
株式会社タダノ 研究開発活動 (2022年12月期)
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動のほとんどは、当社の開発部門及び技術研究部門で行われており、両部門では国内及び海外の市場ニーズに即したクレーン車、高所作業車及びそれらの応用製品、新技術・先端技術の研究開発活動を行っております。開発部門では近年、国内外での次期排ガス規制対応と脱炭素化に向けた研究・開発に取組んでおります。一方、技術研究部門では大学や他企業との共同研究等を通じ、AI等の最新ICT技術を活用して、作業容易化、自動化、省力化等に関する技術開発に取組むことで、より安全で迅速、効率的な作業の実現を目指しております。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動に要した金額は、研究材料費、人件費等、総額7,397百万円であります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な研究開発活動は、次のとおりであります。
(1)日本
①技術研究部門の取り組み
技術研究部門は、当社製品が使われる建設業現場でのより安全な作業環境確保の要請や、少子高齢化による生産年齢人口の減少を背景に、建設施工の安全性と生産性の向上を目指し、未来を見据えた新技術開発に取り組んでおります。その取り組みの一部として、次のようなものがあります。研究開発を加速させるために、従来の構造解析に加え、油圧・空圧の流体解析、制御シミュレーションや安全解析に注力しています。対象領域も、機械自体の状態検出という内界センシングから機械周囲の外界センシング、さらに環境認識へと範囲を広げた研究開発に取り組んでおります。また、施工現場における安全性と生産性を向上させる取り組みとして、AIを用いた吊荷搬送時における荷振れ抑制の研究を行っています。現状、オペレーターは自分の目で荷物の状態を見ながら、同時に複数のレバーを操作し「荷振れ」が起きないように調整しますが、クレーン操作には熟練の技術・経験が求められます。本研究では、荷物の重さや位置、クレーンの状態を示すデータを活用し、仮想空間上でディープラーニングモデルを繰り返し学習させることで、実際のクレーンにおいても荷物をスピーディーかつスムーズに運ぶことができるようになりました。技術革新によって、より安全で生産性の高いクレーン作業を提供することに取り組んでまいります。
大学との共同研究においては、包括連携共同研究を行っている京都大学との間で、その対象分野をこれまでの工学/情報学から新たな分野に活動を広げています。また、ベンチャーを含め民間企業との共同開発も活発化させ、オープンイノベーションへも積極的に取り組んでおります。
②北米市場向けAPU(補助電動ユニット)の開発、発売
・特長
1)北米市場向けラフテレーンクレーンGR-800XL-4、GR-1000XL-4, GR-1000XLL-4用にAPU(補助電動ユニット)を発売
2)クレーン操作待機中にメインエンジンを停止させた状態でも、APUを使う事でキャブ内エアコン作動が可能となり、燃料消費量、CO2排出量を低減
3)クレーンメインエンジンの稼働時間を削減し、メンテナンスコストを低減
当事業セグメントに係る研究開発費は3,716百万円であります。
(2)欧州
①海外市場向けオールテレーンクレーン AC 7.450-1の開発、発売
・特長
1)6軸クラスの車両寸法を実現するコンパクトな7軸オールテレーンクレーン
2)最大ブーム長さ80mの性能を最大化するサイドウェイ・スーパーリフト(SSL)を装備
3)現在、世界で最も厳しい排ガス規制のひとつである欧州排ガス規制EU Stage V対応エンジンを搭載
4)新採用の安全装置IC-1 Plusにより、任意のアウトリガ張出長さへの対応が可能
5)アウトリガの最大伸長位置とカウンタウエイトの後端半径を表示するサラウンドビューカメラシステムを搭載
②海外市場向けオールテレーンクレーン AC 2.040-1の開発、発売
・特長
1)当社ドイツ子会社のタダノ・ファウンGmbHとタダノ・デマーグGmbHで共同開発した初めてのオールテレーンクレーン (本機の発売を機に、全てのタダノグループのクレーンはタダノブランドで販売される)
2)進入や設置スペースが限られる作業現場に適応するコンパクトな2軸オールテレーンクレーン
3)現在、世界で最も厳しい排ガス規制のひとつである欧州排ガス規制EU Stage V対応エンジンを搭載
4)新採用の安全装置IC-1 Plusにより、任意のアウトリガ張出長さへの対応が可能
5)アウトリガの最大伸長位置とカウンタウエイトの後端半径を表示するサラウンドビューカメラシステムを搭載
6)クレーン作業中の燃料消費がなくなり、CO2排出量ゼロを実現するE-PACKをオプション設定
当事業セグメントに係る研究開発費は3,232百万円であります。
(3)米州
当連結会計年度において新たな製品の発売はありませんが、テレスコピックブームクローラクレーンの開発を継続して行っております。
当事業セグメントに係る研究開発費は359百万円であります。
(4)その他
当事業セグメントに係る研究開発費は88百万円であります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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