有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QZYC (EDINETへの外部リンク)
サンケン電気株式会社 事業等のリスク (2023年3月期)
当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして以下を想定しております。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において判断したものであり、不確実性を内在しているため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。
当社グループの企業活動がさらにグローバル化する中、ロシア・ウクライナ情勢、米中関係の複雑化などの地政学的リスクの高まりや、法制度・規制変更、エネルギー不足、原材料価格・物流価格の高騰などにより、生産・物流・営業活動が制限を受け、顧客への製品供給に支障をきたす場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクに対し、各所管部門の統制及び現地法人による政治経済情勢、市場動向、税制、法規制動向などの情報収集、モニタリング、法令順守対応を行っております。不測の事態への対策については、「非常時対応マニュアル」の中で発生した事象の性格とその重大性、影響度に応じて対応する社内体制を定めており、危機管理委員会に状況報告されます。
海外拠点の人的安全管理に関しては「国際危機対策マニュアル」を策定するとともに、平常時から危機管理委員会は情報の収集及び共有を行う事で、非常時の迅速な対応と事業活動への悪影響の最小化を図っております。
②新製品開発
当社グループは、市場のニーズに合った製品を開発し、市場に投入していく必要がありますが、製品のタイムリーな市場投入が出来なかった場合、あるいは市場に受け入れられなかった場合、当社グループの収益性が低下し業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、各事業部門による市場動向・顧客ニーズ・競合製品に関する情報収集と、マーケティング機能による情報分析に基づく市場戦略の立案・管理及び次世代製品の企画策定を推し進めるとともに、本社ものづくり開発センターを核とする開発改革の推進により新製品開発活動を加速させ、顧客の潜在ニーズを先取りした製品開発、タイムリーな市場投入と収益性の改善に取り組んでおります。
③価格競争
半導体業界における価格動向は需要変化により上下するものの、長期的には価格低減による競争力確保が必要となります。競合企業の台頭が当社製品の価格決定に大きな影響を及ぼしており、価格競争は今後とも厳しさを増していくことが想定されます。当社グループの価格引下げへの対応力を上回るような競合企業による低価格製品の出現、取引先の需要の変化、エネルギー価格及び原材料価格の大幅な高騰等による収益性の低下といったリスクが存在しております。
これらのリスクに対して一層の原価低減に努めるとともに、当社固有の技術を生かした高付加価値製品の市場投入、設計段階からの部材共通化・材料コストダウンといった調達改革により対応を図っております。
④為替変動
当社グループは、日本国内のほか、アジア、北米、欧州等の海外各国において部材の調達、生産、および販売を行っているため、当該各地域における経済動向などの環境変化は、為替レートの変動を通じて当社グループの業績、および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは当該各国、地域における現地通貨、もしくは米ドルにて会計処理を行っていることから、円換算時の為替レートにより業績に影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループが部材調達、および生産を行う国の通貨価値の上昇は製造コストの押し上げ要因となり、業績に影響が及ぶ可能性があります。
これらのリスクに対し、当社グループは、製品並びに原材料の海外調達の拡大による債権債務・取引高のバランスヘッジ並びに為替予約取引等によるリスクヘッジを行い、米ドル及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響の最小化を図っております。
⑤資金調達
当社グループは、設備投資、研究開発などのための必要資金の調達方法として、社債の発行、コマーシャル・ペーパーの発行、コミットメントライン契約、銀行借入等を行っております。当社グループに対する債券市場あるいは金融機関からの信用が低下した場合、こうした資金調達手段が制限されるか、もしくは調達コストが上昇し、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対し、当社グループは将来のキャッシュ・フロー予測に基づく資金計画を策定し、計画の進捗状況を随時把握・報告し、適切な経営判断を下すことにより、財務規律を遵守した事業活動に取り組んでいます。また、資金調達においては手段の多様化とともに、保有資産に応じた期間・満期を考慮することによりリスクの軽減を図っています。当社グループは今後もディスクロージャーの透明性に一層努めるとともに、事業・財務状況についての市場、金融機関、信用格付機関との適切なコミュニケーションの維持により、安定的な資金調達を実現していきます。
⑥知的財産権
一部海外の国や地域では、知的財産権の保護が不十分な場合があり、第三者が当社グループの知的財産を用いた類似製品の製造を効果的に防止できない可能性があります。一方、当社グループの事業に関連した知的財産権が第三者に成立した場合、または、当社グループにおいて認識し得ない知的財産権が存在した場合には、第三者による知的財産権侵害の主張に基づき、ロイヤリティーの支払、当該知的財産権の使用禁止もしくは訴訟の提起がなされる可能性があり、これらにより費用負担の増加または製品の開発・販売の制限といったリスクが存在しております。
これらのリスクに対し、当社グループでは、自ら開発した技術とノウハウを用いて競合他社との製品の差別化を図っており、これら独自の技術を保護するため、日本、米国、中国を中心として必要に応じ可能な限りの知的財産権の出願、登録を行っております。
⑦情報セキュリティ
情報セキュリティに対する侵害又はその他の不正行為があった場合、当社グループのブランドイメージ及び評判や事業に悪影響を及ぼす可能性や、当社グループが法的な責任を追及される可能性があり、その結果、個人情報を含むビジネス情報の消失、破壊、漏洩、悪用、改変、または承諾を得ない第三者による不正アクセスが発生するなど、情報セキュリティに係る事象によって、当社グループや取引先の情報システム等が損害を受ける可能性があります。また、サイバー攻撃については年々高度化しており、攻撃のためのツールやリソースを専門知識が無くとも容易に利用できる環境となっていることから、そのリスクは上昇しておりますが、これら不正アクセス等に対し完全に安全な情報セキュリティを確保できる保証はありません。
これらのリスクに対し、システム管轄部門によるサイバー攻撃対応、不正侵入の防止あるいは検知、データアクセスへの制限や対応訓練の実施など、損害防止に向けた対応を行っております。また、内部監査部門による監査においては、情報の管理方法、特に書類の保管状況についての確認が行われているほか、情報管理に関する教育を都度実施しており、情報管理強化を図っております。毎年度実施しているコンプライアンス教育においても情報管理の項目を設けており、情報管理についての意識向上を図っております。
⑧災害リスク
近年各地で発生している自然災害において、ゲリラ豪雨、記録的大雨、大型台風、大型地震、大雪などの異常気象などにより、事業活動の停止やサプライチェーンの寸断が想定され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対し、危機管理委員会による自然災害等に関するリスクの把握と対策、備蓄品の準備、防災訓練等を実施しており、また、同委員会と各拠点による緊密な連携によりさらなる体制強化を図っております。当社グループの生産拠点の多くは、地震リスクが比較的高い日本国内にあり、大地震が起きた場合に備えた基本方針として、大地震発生に伴う直接被害を最小限に抑え、早急かつ円滑な操業再開を可能とすべく、当社及びグループ企業の地震災害対策の計画・具体化を進めています。平常時の取組みとしては、災害発生に備え、災害対策マニュアル(地震、風水害、雷害、電力停止、火災)を策定しており、災害避難訓練についてはフリーアドレス化やフレックスタイム制度導入に伴い、従来の部署毎の点呼確認や役割分担を改め、新たに避難時の点呼方法をシステム構築により対応するなど、重大災害への対応力をさらに高めるべく、継続的に取組んでいます。また、安否確認システム(ECS)を導入し、危機発生時には迅速に安否を確認し、速やかな支援に繋げる体制を構築しております。事業継続に関する取り組みとしては国内、海外ともに生産拠点毎に事業継続マニュアルを策定しており、災害発生時の被害を最小限に抑え、早急かつ円滑な操業再開が可能となるよう努めております。
⑨法的規則
当社グループは、日本国内のほか、海外各国、地域において開発、生産及び販売拠点を有し、各国、地域の定める様々な法令、規則、規制等(以下、「法的規制」)の適用を受け、事業が成立しております。また、当社グループが全世界において開発、生産及び販売等と遂行する為に必要な技術・製品・材料等の輸出入につきましては、展開する各国、地域の定める関税、貿易、為替、戦略物資、特定技術、独占禁止、特許、環境等に関する法的規制の適用を受け、事業活動を展開しております。万一、これらの法的規制を遵守できなかった場合、当社グループの事業活動が制限されることはもとより社会的信用の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクに対し、法的規制については、各事業の所管部門、グループ会社、法務部門における情報収集・分析・検討を実施し、必要に応じて弁護士等の外部専門家への相談・助言を得られる体制を構築しております。また、役職員の行動規範である「サンケンコンダクトガイドライン」をはじめとする社内規程の整備と、定期的な研修実施による周知・啓発を推進しております。重大な影響が予想されるものについては、取締役会または経営会議での審議を経て対応を検討することとしております。
⑩感染症の拡大
当社グループは、日本国内のほか、海外各国、地域において生産及び販売を行っております。当該各地域での感染症拡大が経済活動に悪影響を与えるリスクがあります。新型コロナウイルス感染症による影響は次第に低下している状況にありますが、未だ感染再拡大の可能性は存在しております。
こうしたリスクに対し、基本的な感染予防対策としての構内各所へのアルコール噴霧器の設置等を継続し、感染が再拡大した場合においては、経営会議メンバーを委員とした特別対策委員会を設置し、影響の最小化と事業継続のための施策検討を行うこととしております。また、当社グループ各社においても当社との連携・情報共有を図ることとしております 。
(2) 品質・環境リスク
①品質問題
当社グループは、顧客の品質基準及び当社の品質基準を満足する各種製品を供給しております。品質管理体制を維持向上させるため、品質管理に関する国際基準ISO9001及びIATF16949の認証を取得し、必要に応じてUL規格等、製品の安全規格への適合認定も取得しています。しかしながら、将来、全ての製品について欠陥がなく、また製品の回収、修理等が発生しないという保証はありません。大規模な製品の回収、修理等及び損害賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや社会的信用の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
②環境問題
当社グループは、各生産拠点が存在する国の環境汚染、公害防止に関する法的規制を遵守することは勿論のこと、SDGsへの取り組みとして、中期経営計画において当社としてのマテリアリティを明確化し、環境問題の解決に貢献する企業像を目指しております。製品の製造過程で使用する環境負荷物質及び製品に含有する環境負荷物質につきましては、その把握・削減に努めております。サステナビリティへの取り組みにつきましては、気候変動への取組み、環境マネジメント、環境リスク管理、省資源・生物多様性への取組み、環境データに関し、当社ホームページでの情報開示を進めるとともに、TCFDガイダンスに沿ったシナリオ分析により、気候変動が当社の事業に及ぼすリスクと機会を把握し、今後の対応について明確にしています。環境に係る規制を遵守できなかった場合、環境負荷物質を大量に漏洩させる事故を起こした場合、あるいは含有が禁止されている環境負荷物質を製品から排除できなかった場合、その改善のために多額のコストが生じるほか、事業活動の制限、顧客への賠償責任、社会的信用の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクに対し、サステナビリティ委員会に設置された環境・社会・ガバナンスの各部会のうち環境部会において、環境・気候変動に関連するリスクを管理し、その内容はサステナビリティ委員会に報告・集約され、そこで気候変動関連リスクを含む事業リスクについて、統合的な管理を実施しております。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において判断したものであり、不確実性を内在しているため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。
(1) 事業上のリスク
①国際情勢当社グループの企業活動がさらにグローバル化する中、ロシア・ウクライナ情勢、米中関係の複雑化などの地政学的リスクの高まりや、法制度・規制変更、エネルギー不足、原材料価格・物流価格の高騰などにより、生産・物流・営業活動が制限を受け、顧客への製品供給に支障をきたす場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクに対し、各所管部門の統制及び現地法人による政治経済情勢、市場動向、税制、法規制動向などの情報収集、モニタリング、法令順守対応を行っております。不測の事態への対策については、「非常時対応マニュアル」の中で発生した事象の性格とその重大性、影響度に応じて対応する社内体制を定めており、危機管理委員会に状況報告されます。
海外拠点の人的安全管理に関しては「国際危機対策マニュアル」を策定するとともに、平常時から危機管理委員会は情報の収集及び共有を行う事で、非常時の迅速な対応と事業活動への悪影響の最小化を図っております。
②新製品開発
当社グループは、市場のニーズに合った製品を開発し、市場に投入していく必要がありますが、製品のタイムリーな市場投入が出来なかった場合、あるいは市場に受け入れられなかった場合、当社グループの収益性が低下し業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクへの対応として、各事業部門による市場動向・顧客ニーズ・競合製品に関する情報収集と、マーケティング機能による情報分析に基づく市場戦略の立案・管理及び次世代製品の企画策定を推し進めるとともに、本社ものづくり開発センターを核とする開発改革の推進により新製品開発活動を加速させ、顧客の潜在ニーズを先取りした製品開発、タイムリーな市場投入と収益性の改善に取り組んでおります。
③価格競争
半導体業界における価格動向は需要変化により上下するものの、長期的には価格低減による競争力確保が必要となります。競合企業の台頭が当社製品の価格決定に大きな影響を及ぼしており、価格競争は今後とも厳しさを増していくことが想定されます。当社グループの価格引下げへの対応力を上回るような競合企業による低価格製品の出現、取引先の需要の変化、エネルギー価格及び原材料価格の大幅な高騰等による収益性の低下といったリスクが存在しております。
これらのリスクに対して一層の原価低減に努めるとともに、当社固有の技術を生かした高付加価値製品の市場投入、設計段階からの部材共通化・材料コストダウンといった調達改革により対応を図っております。
④為替変動
当社グループは、日本国内のほか、アジア、北米、欧州等の海外各国において部材の調達、生産、および販売を行っているため、当該各地域における経済動向などの環境変化は、為替レートの変動を通じて当社グループの業績、および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは当該各国、地域における現地通貨、もしくは米ドルにて会計処理を行っていることから、円換算時の為替レートにより業績に影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループが部材調達、および生産を行う国の通貨価値の上昇は製造コストの押し上げ要因となり、業績に影響が及ぶ可能性があります。
これらのリスクに対し、当社グループは、製品並びに原材料の海外調達の拡大による債権債務・取引高のバランスヘッジ並びに為替予約取引等によるリスクヘッジを行い、米ドル及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響の最小化を図っております。
⑤資金調達
当社グループは、設備投資、研究開発などのための必要資金の調達方法として、社債の発行、コマーシャル・ペーパーの発行、コミットメントライン契約、銀行借入等を行っております。当社グループに対する債券市場あるいは金融機関からの信用が低下した場合、こうした資金調達手段が制限されるか、もしくは調達コストが上昇し、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対し、当社グループは将来のキャッシュ・フロー予測に基づく資金計画を策定し、計画の進捗状況を随時把握・報告し、適切な経営判断を下すことにより、財務規律を遵守した事業活動に取り組んでいます。また、資金調達においては手段の多様化とともに、保有資産に応じた期間・満期を考慮することによりリスクの軽減を図っています。当社グループは今後もディスクロージャーの透明性に一層努めるとともに、事業・財務状況についての市場、金融機関、信用格付機関との適切なコミュニケーションの維持により、安定的な資金調達を実現していきます。
⑥知的財産権
一部海外の国や地域では、知的財産権の保護が不十分な場合があり、第三者が当社グループの知的財産を用いた類似製品の製造を効果的に防止できない可能性があります。一方、当社グループの事業に関連した知的財産権が第三者に成立した場合、または、当社グループにおいて認識し得ない知的財産権が存在した場合には、第三者による知的財産権侵害の主張に基づき、ロイヤリティーの支払、当該知的財産権の使用禁止もしくは訴訟の提起がなされる可能性があり、これらにより費用負担の増加または製品の開発・販売の制限といったリスクが存在しております。
これらのリスクに対し、当社グループでは、自ら開発した技術とノウハウを用いて競合他社との製品の差別化を図っており、これら独自の技術を保護するため、日本、米国、中国を中心として必要に応じ可能な限りの知的財産権の出願、登録を行っております。
⑦情報セキュリティ
情報セキュリティに対する侵害又はその他の不正行為があった場合、当社グループのブランドイメージ及び評判や事業に悪影響を及ぼす可能性や、当社グループが法的な責任を追及される可能性があり、その結果、個人情報を含むビジネス情報の消失、破壊、漏洩、悪用、改変、または承諾を得ない第三者による不正アクセスが発生するなど、情報セキュリティに係る事象によって、当社グループや取引先の情報システム等が損害を受ける可能性があります。また、サイバー攻撃については年々高度化しており、攻撃のためのツールやリソースを専門知識が無くとも容易に利用できる環境となっていることから、そのリスクは上昇しておりますが、これら不正アクセス等に対し完全に安全な情報セキュリティを確保できる保証はありません。
これらのリスクに対し、システム管轄部門によるサイバー攻撃対応、不正侵入の防止あるいは検知、データアクセスへの制限や対応訓練の実施など、損害防止に向けた対応を行っております。また、内部監査部門による監査においては、情報の管理方法、特に書類の保管状況についての確認が行われているほか、情報管理に関する教育を都度実施しており、情報管理強化を図っております。毎年度実施しているコンプライアンス教育においても情報管理の項目を設けており、情報管理についての意識向上を図っております。
⑧災害リスク
近年各地で発生している自然災害において、ゲリラ豪雨、記録的大雨、大型台風、大型地震、大雪などの異常気象などにより、事業活動の停止やサプライチェーンの寸断が想定され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対し、危機管理委員会による自然災害等に関するリスクの把握と対策、備蓄品の準備、防災訓練等を実施しており、また、同委員会と各拠点による緊密な連携によりさらなる体制強化を図っております。当社グループの生産拠点の多くは、地震リスクが比較的高い日本国内にあり、大地震が起きた場合に備えた基本方針として、大地震発生に伴う直接被害を最小限に抑え、早急かつ円滑な操業再開を可能とすべく、当社及びグループ企業の地震災害対策の計画・具体化を進めています。平常時の取組みとしては、災害発生に備え、災害対策マニュアル(地震、風水害、雷害、電力停止、火災)を策定しており、災害避難訓練についてはフリーアドレス化やフレックスタイム制度導入に伴い、従来の部署毎の点呼確認や役割分担を改め、新たに避難時の点呼方法をシステム構築により対応するなど、重大災害への対応力をさらに高めるべく、継続的に取組んでいます。また、安否確認システム(ECS)を導入し、危機発生時には迅速に安否を確認し、速やかな支援に繋げる体制を構築しております。事業継続に関する取り組みとしては国内、海外ともに生産拠点毎に事業継続マニュアルを策定しており、災害発生時の被害を最小限に抑え、早急かつ円滑な操業再開が可能となるよう努めております。
⑨法的規則
当社グループは、日本国内のほか、海外各国、地域において開発、生産及び販売拠点を有し、各国、地域の定める様々な法令、規則、規制等(以下、「法的規制」)の適用を受け、事業が成立しております。また、当社グループが全世界において開発、生産及び販売等と遂行する為に必要な技術・製品・材料等の輸出入につきましては、展開する各国、地域の定める関税、貿易、為替、戦略物資、特定技術、独占禁止、特許、環境等に関する法的規制の適用を受け、事業活動を展開しております。万一、これらの法的規制を遵守できなかった場合、当社グループの事業活動が制限されることはもとより社会的信用の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクに対し、法的規制については、各事業の所管部門、グループ会社、法務部門における情報収集・分析・検討を実施し、必要に応じて弁護士等の外部専門家への相談・助言を得られる体制を構築しております。また、役職員の行動規範である「サンケンコンダクトガイドライン」をはじめとする社内規程の整備と、定期的な研修実施による周知・啓発を推進しております。重大な影響が予想されるものについては、取締役会または経営会議での審議を経て対応を検討することとしております。
⑩感染症の拡大
当社グループは、日本国内のほか、海外各国、地域において生産及び販売を行っております。当該各地域での感染症拡大が経済活動に悪影響を与えるリスクがあります。新型コロナウイルス感染症による影響は次第に低下している状況にありますが、未だ感染再拡大の可能性は存在しております。
こうしたリスクに対し、基本的な感染予防対策としての構内各所へのアルコール噴霧器の設置等を継続し、感染が再拡大した場合においては、経営会議メンバーを委員とした特別対策委員会を設置し、影響の最小化と事業継続のための施策検討を行うこととしております。また、当社グループ各社においても当社との連携・情報共有を図ることとしております 。
(2) 品質・環境リスク
①品質問題
当社グループは、顧客の品質基準及び当社の品質基準を満足する各種製品を供給しております。品質管理体制を維持向上させるため、品質管理に関する国際基準ISO9001及びIATF16949の認証を取得し、必要に応じてUL規格等、製品の安全規格への適合認定も取得しています。しかしながら、将来、全ての製品について欠陥がなく、また製品の回収、修理等が発生しないという保証はありません。大規模な製品の回収、修理等及び損害賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや社会的信用の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
②環境問題
当社グループは、各生産拠点が存在する国の環境汚染、公害防止に関する法的規制を遵守することは勿論のこと、SDGsへの取り組みとして、中期経営計画において当社としてのマテリアリティを明確化し、環境問題の解決に貢献する企業像を目指しております。製品の製造過程で使用する環境負荷物質及び製品に含有する環境負荷物質につきましては、その把握・削減に努めております。サステナビリティへの取り組みにつきましては、気候変動への取組み、環境マネジメント、環境リスク管理、省資源・生物多様性への取組み、環境データに関し、当社ホームページでの情報開示を進めるとともに、TCFDガイダンスに沿ったシナリオ分析により、気候変動が当社の事業に及ぼすリスクと機会を把握し、今後の対応について明確にしています。環境に係る規制を遵守できなかった場合、環境負荷物質を大量に漏洩させる事故を起こした場合、あるいは含有が禁止されている環境負荷物質を製品から排除できなかった場合、その改善のために多額のコストが生じるほか、事業活動の制限、顧客への賠償責任、社会的信用の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクに対し、サステナビリティ委員会に設置された環境・社会・ガバナンスの各部会のうち環境部会において、環境・気候変動に関連するリスクを管理し、その内容はサステナビリティ委員会に報告・集約され、そこで気候変動関連リスクを含む事業リスクについて、統合的な管理を実施しております。
(3) 上場子会社の取り扱い
当社グループの上場子会社につきましては、開発戦略、事業ポートフォリオ戦略といった成長戦略との整合性の観点から、互いの得意分野を組み合わせた製品の開発及び共同マーケティングなどにおいて、今後もシナジー効果の向上と一体的運営を継続すべきと考えており、これが、当社グループとしての企業価値最大化の実現に繋がるものと認識しております。しかし、経済・事業環境の変化、将来の不確実な要因、予期できない要因などにより、想定していた効果を得られない可能性があります。
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