有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QZ8M (EDINETへの外部リンク)
IDEC株式会社 事業等のリスク (2023年3月期)
(1)リスクマネジメント体制と運用
当社グループにおけるリスクの発生をあらかじめ回避するとともに、万一発生した場合にもその被害を最小限に抑制することを目的に、危機管理規程を制定しています。また、代表取締役社長を委員長とする「CSR委員会」傘下の専門委員会として「リスクマネジメント委員会」を設置し、グループ全体での平常時のリスクマネジメントとリスク発生時の対応を行う体制としています。「リスクマネジメント委員会」には委員会内に「リスクモニタリング部会」と「BCP策定準備部会」を設け、当社グループ全体でのリスクの選定、評価、リスク低減に向けた取り組みのモニタリングや、当社グループ全体のBCP策定に向けた取り組みを実施しています。また、同委員会内に「Hotline担当」を設け、内部通報窓口の整備や通報事象への対応を行なっています。
「リスクマネジメント委員会」はこれらの取り組み内容を年2回開催される「CSR委員会」にて報告し、「CSR委員会」から取締役会に報告を行うとともに、通報案件など重要事象については「リスクマネジメント委員会」から直接取締役会に報告することで、経営層へ適切にリスク情報を報告できる体制を整えています。
リスクモニタリング活動
当社グループの持続的な事業の拡大、企業価値向上にマイナスの影響を与える事象を「リスク事象」として想定し、定期的なリスクの特定、評価を実施しています。また、環境戦略委員会において重要と評価した気候変動リスクも「リスク事象」として統合し評価しています。そして、その中で発生確率又は影響度が高いと評価された事象を「高リスク事象」とし、管轄する部門ごとに年間でのリスク低減目標を設定し、上期・下期の半年ごとにその進捗を確認しています。
BCP策定
当社グループにとっての高リスク事象の一つである地震等の自然災害に備えるため、BCP策定を推進するための準備部会を立ち上げ、生産部門や対象事業所の関係者と連携しながら、災害発生時対応の基本的方針や初動対応フロー、事業継続計画の策定を推進しています。
大阪府と兵庫県に本社・主要事業所を有する当社グループにとって「南海トラフ地震」は大きなリスクであると認識しています。災害時に、対策本部の各担当が初動対応としてどのような動きをとるか想定し、またそのために必要なマニュアルやチェックリストを作成し、平常時から必要な防災対策などの見直しを進めています。合わせて、社内イントラを使って社員一人ひとりの防災意識を高めるための情報発信なども行っています。
(2)高リスク事象の特定プロセス
当社グループの持続的な事業の拡大、企業価値向上にマイナスの影響を与える事象を「リスク事象」として想定し、各リスク事象について「発生確率」「被害の大きさ」「影響度」を指標とした評価アンケートを実施し、その結果からリスクマップにプロットして相対的に評価しています。
想定するリスク事象とリスクマップ
※ 気候変動リスクは環境戦略委員会で高リスクと評価された事象を反映しています。
※ リスクは短~中期で評価し、気候変動リスクで長期と評価されたものも短~中期で再評価して統合しています。
※ 太枠内にプロットされるリスクを高リスク事象と判定しています。
(3)事業等のリスク
上記のとおり想定・評価した「高リスク事象」を含め、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与え、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下で記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①外部要因リスク
②内部要因リスク
当社グループにおけるリスクの発生をあらかじめ回避するとともに、万一発生した場合にもその被害を最小限に抑制することを目的に、危機管理規程を制定しています。また、代表取締役社長を委員長とする「CSR委員会」傘下の専門委員会として「リスクマネジメント委員会」を設置し、グループ全体での平常時のリスクマネジメントとリスク発生時の対応を行う体制としています。「リスクマネジメント委員会」には委員会内に「リスクモニタリング部会」と「BCP策定準備部会」を設け、当社グループ全体でのリスクの選定、評価、リスク低減に向けた取り組みのモニタリングや、当社グループ全体のBCP策定に向けた取り組みを実施しています。また、同委員会内に「Hotline担当」を設け、内部通報窓口の整備や通報事象への対応を行なっています。
「リスクマネジメント委員会」はこれらの取り組み内容を年2回開催される「CSR委員会」にて報告し、「CSR委員会」から取締役会に報告を行うとともに、通報案件など重要事象については「リスクマネジメント委員会」から直接取締役会に報告することで、経営層へ適切にリスク情報を報告できる体制を整えています。
リスクモニタリング活動
当社グループの持続的な事業の拡大、企業価値向上にマイナスの影響を与える事象を「リスク事象」として想定し、定期的なリスクの特定、評価を実施しています。また、環境戦略委員会において重要と評価した気候変動リスクも「リスク事象」として統合し評価しています。そして、その中で発生確率又は影響度が高いと評価された事象を「高リスク事象」とし、管轄する部門ごとに年間でのリスク低減目標を設定し、上期・下期の半年ごとにその進捗を確認しています。
BCP策定
当社グループにとっての高リスク事象の一つである地震等の自然災害に備えるため、BCP策定を推進するための準備部会を立ち上げ、生産部門や対象事業所の関係者と連携しながら、災害発生時対応の基本的方針や初動対応フロー、事業継続計画の策定を推進しています。
大阪府と兵庫県に本社・主要事業所を有する当社グループにとって「南海トラフ地震」は大きなリスクであると認識しています。災害時に、対策本部の各担当が初動対応としてどのような動きをとるか想定し、またそのために必要なマニュアルやチェックリストを作成し、平常時から必要な防災対策などの見直しを進めています。合わせて、社内イントラを使って社員一人ひとりの防災意識を高めるための情報発信なども行っています。
(2)高リスク事象の特定プロセス
当社グループの持続的な事業の拡大、企業価値向上にマイナスの影響を与える事象を「リスク事象」として想定し、各リスク事象について「発生確率」「被害の大きさ」「影響度」を指標とした評価アンケートを実施し、その結果からリスクマップにプロットして相対的に評価しています。
想定するリスク事象とリスクマップ
※ 気候変動リスクは環境戦略委員会で高リスクと評価された事象を反映しています。
※ リスクは短~中期で評価し、気候変動リスクで長期と評価されたものも短~中期で再評価して統合しています。
※ 太枠内にプロットされるリスクを高リスク事象と判定しています。
リスク カテゴリ- | No | リスク事象 | 2022年度のリスク評価 | 昨年比 | |
外部要因 リスク | 1 | 関西地区における震度6弱以上の地震等による事業拠点の被災 | 南海トラフ地震を踏まえて発生確率は昨年より上昇、一方で社内でのBCP対策により影響度は若干低下するが、依然として高リスク事象として評価 | - | |
2 | 拠点地域内での紛争やテロの発生 | 昨年同様に依然として高リスク事象として評価 | - | ||
2b | 国家間情勢や治安悪化による駐在者、拠点操業への影響 | 地域紛争や反日抗争などによるビジネスへの影響をリスク事象として認識し②の派生リスクとして追加評価 | 新規 | ||
3 | 拠点内での感染症クラスターの発生 | 感染症対策の実施や、ウイルスへの認識変化などを踏まえ影響度は低下 | ↓ | ||
4 | 外部要因(部品廃番、調達困難)による製品仕様変更 | 電子部品の調達難による仕様変更に直面したことから影響度、発生確率ともに上昇し高リスクとして評価 | ↑ | ||
内部要因 | 事業戦略リスク | 5 | 納期長期遅延につながるような部材調達困難 | 電子部品の調達難による納期調整に直面したことから影響度、発生確率ともに上昇し高リスクとして評価 | ↑ |
6 | 生命身体に影響する可能性のある重大製品事故の発生 | 昨年同様に影響の大きい事象として高リスクとして評価 | - | ||
7 | 製品の性能・データ改ざんによる品質偽装 | リスク低減対策の実施により若干発生確率は低下すると評価 | ↓ | ||
8 | 使用禁止物質が含まれた製品の流通 | 調達部材による含有リスクによる規格への影響を考慮し、昨年より評価上昇 | ↑ | ||
9 | 戦略投資リスク(M&Aや企業提携戦など戦略的な投資による財務状況への影響) | 昨年と同程度に評価 | - | ||
リソース・インフラリスク | 10 | 重症以上の労働災害の発生 | 安全衛生委員会の取り組みにより若干発生確率は低下 | ↓ | |
11 | サボタージュ、ストライキによる業務機能停止 | グループ会社を含めた結果、昨年より発生確率は上昇 | ↑ | ||
12 | システムダウン、ネットワークダウンなどのインフラの半日以上の停止 | サイバーアタックを別リスク事象として派生させたため、その他事由による停止の影響度は低く評価 | ↓ | ||
12b | サイバーアタックによるネットワークの長期停止 | 停止期間が長期化することから影響度は大きいと評価 | 新規 | ||
コンプライアンスリスク | 13 | 他社の知的財産権侵害による販売差止め、損害賠償請求 | 昨年と同程度に評価 | - | |
14 | 人権課題(児童労働・強制労働など)への不対応 | グローバルビジネスでの人権課題の認識の高まりから、不対応は不買運動やレピュテーションリスクにつながり影響度が大きいと評価 | - | ||
14b | ハラスメント発生による職場士気の低下 | リスク事象の定義を見直しリスクとして認識 | ↑ | ||
15 | 会計、税務の不適切処理による追徴課税 | グループ会社を含めた結果、リスクは上昇すると評価 | ↑ | ||
16 | 社員による高額の横領、背任、贈収賄 | 昨年と同程度に評価 | - | ||
17 | 上位役職者によるインサイダー取引 | 業績状況に誘引され発生確率が若干上昇すると評価 | ↑ | ||
18 | 独禁法、下請法違反による公取の立ち入り | 昨年と同程度に評価 | - | ||
19 | 自社重要情報、他社秘密情報、個人情報の漏洩 | グループ会社を含めた結果、リスクは上昇すると評価 | ↑ | ||
20 | 許認可不備による業務差し止め | 認証等も含め影響度は上昇すると評価 | ↑ | ||
会計・財務リスク | 21 | 売上債権回収困難、貸倒 | 昨年と同程度に評価 | - | |
22 | 資産の毀損リスク | 業績、在庫高等の状況から昨年度より上昇すると評価 | ↑ | ||
気候変動リスク | 移行リスク | ① | 原材料のコスト増加 | 製造・調達コストへの直接的な影響と部品調達難によりコスト増加が誘引されることから高リスクと評価 | - |
② | 変化する顧客行動 | 短~中期でリスクは顕在化しないと評価 | - | ||
③ | 競合他社に対する技術の遅れ | 環境配慮技術への遅れは将来的な事業リスクにつながると評価 | - | ||
④ | カーボンプライシングの上昇 | CO2削減への世界的気運の高まりから規制や法令制度による影響は大きくなると評価 | - | ||
物理リスク | ⑤ | 気温変動 | 気温変動が自然災害など様々なリスクを誘引するが、短~中期での確率は低くなると評価 | - |
(3)事業等のリスク
上記のとおり想定・評価した「高リスク事象」を含め、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与え、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下で記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①外部要因リスク
項目 | リスクの内容 | 主な取り組み |
関西地区における震度6弱以上の地震等による事業拠点の被災(上記表・マップ中のリスクNo.1) | 大阪府と兵庫県に本社・主要事業所を有する当社グループにとって関西地区での巨大地震発生による事業所被災は大きなリスクであると認識しています。被災により一部又は全部の操業が中断した場合、適切なBCPを備えていなければ生産及び出荷が遅延する可能性や、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生する可能性があり、財政状況や事業展開に与える影響が大きいと考えています。 | リスクマネジメント委員会内にBCP策定を推進するための準備部会を立ち上げ、災害発生時対応の対策本部体制、基本的方針や初動対応フロー、事業継続計画についての検討と策定を推進しています。災害時に、対策本部の各担当が初動対応としてどのような動きをとるか想定し、またそのために必要なマニュアルやチェックリストを作成して平常時から必要な防災対策などの見直しを進めています。 |
拠点地域内での紛争やテロの発生(上記表・マップ中のリスクNo.2) 国家間情勢や治安悪化による駐在者、拠点操業への影響(上記表・マップ中のリスクNo.2b) | グローバルに事業を展開し、展開国数15か国、海外売上比率が50%以上を占める当社グループにおいて、拠点地域内での紛争やテロ、またそれに準じるデモや抗争により、社会や市場が混乱した場合には財政状況や事業展開に与える影響が大きいと考えています。 | 適時に情報を収集するとともに、地域分散などによりリスク回避を図っていますが、リスクにつながる状況が発生した場合には、例えば紛争地域回避による輸送の遅延や輸送費の高騰などの課題テーマごとのタスクフォースを立ち上げ情報収集と対策を進めています。 |
外部要因(部品廃番、調達困難)による製品仕様変更(上記表・マップ中のリスクNo.4) | コロナ禍における電子部品の調達難による製品仕様変更に直面したことから影響度、発生確率ともに上昇し、メーカーとして大きな影響を受ける事象と考えています。 | タスクフォースを組んで部品の調達状況を把握するとともに、部品変更や仕様変更を進め、リスクの軽減に努めています。 |
②内部要因リスク
項目 | リスクの内容 | 主な取り組み |
納期長期遅延につながるような部材調達困難(上記表・マップ中のリスクNo.5) | 部材調達困難により納期の長期化が生じた場合、売上高の減少や在庫の積み上げなど財政状況経営成績に与える影響が大きいと考えています。 | タスクフォースを組んで部材の調達状況を把握・管理するとともに、全体での納期調整を行うなど、影響を最小化するための取り組みを推進しています。 |
生命身体に影響する可能性のある重大製品事故の発生(上記表・マップ中のリスクNo.6) | 人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現することをパーパスとして標榜する当社グループにとって、生命身体に影響する可能性のある重大製品事故の発生は財政状況や事業活動はもちろん、レピテーションにも大きな影響を与える可能性があります。 | QMS(Quality Management System)での帳票や手順書の整備を実施するとともに、市場クレームの故障情報を監視し、アラート機能や重大クレーム管理リストなどを整備して異常の早期察知と早期対応を推進しています。 |
人権課題(児童労働・強制労働など)への不対応(上記表・マップ中のリスクNo.14) | グローバルビジネスでの人権課題の認識の高まりから、人権課題への不対応は不買運動やレピュテーションリスクにつながり影響度が大きいと考えています。 | 人権課題に対する社内研修体系を整備し、従業員の意識醸成を図る他、人権デューディリジェンスなどの実施による状況把握、課題発見に向けての取り組みを推進しています。 |
自社重要情報、他社秘密情報、個人情報の漏洩(上記表・マップ中のリスクNo.19) | コロナ禍におけるリモートワークの推進、また業務のシステム化・情報化の進行と合わせて、個人情報保護法など法令による情報管理体制が求められる中ではより一層の情報管理が必要とされており、漏洩等が生じた場合の影響も大きいと考えています。 | 社内規程の見直しや業務システムのセキュリティレベルの向上など、情報管理体制の見直しを推進しています。 |
資産の毀損リスク (上記表・マップ中のリスクNo.22) | 棚卸資産について、実際の将来需要又は市場状況が当社グループの見積りより悪化した場合、評価減が必要となる可能性があります。 | 供給計画・生産計画の策定において、急激な需要変動等機動的に反映し、在庫の長期滞留化リスク軽減に努めています。 |
固定資産の減損に係る会計基準の適用により、時価の下落や当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの状況によっては減損処理が発生する可能性があります。 | 固定資産の稼働状況、キャッシュ・フローの創出状況等を定期的にモニタリングし、効率的運用を実施しています。 | |
APEM社を連結子会社化したことに伴い、のれん及び無形資産である商標権と顧客関連資産を計上しており、景気変動等の影響により収益性が低下した場合、シナジー効果が発揮されず、減損損失が発生する可能性があります。 | 月次・四半期単位等定期的に業績動向・経営状態を確認するとともに、超過収益力の向上を目的としたシナジー効果の最大化に向けた取り組みを強化しています。 |
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