有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100R66M (EDINETへの外部リンク)
株式会社大本組 研究開発活動 (2023年3月期)
当社は、研究開発部門においても益々多様化するニーズに応えるべく、関連する各分野で幅広く研究を行い、技術の確立と新技術の開発に努めております。また、異業種、大学等の研究機関、公共機関との共同研究も積極的に推進しております。なお、当事業年度における研究開発費は192百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(建築事業、土木事業)
a ニューマチックケーソン工法関連技術
・バッテリー稼働式掘削機の開発(給電方法の検討を含む)
バッテリー稼働式掘削機については、バッテリーの施工条件下において安定的に蓄電可能な対策を検討し、実用化に向けて更なる対策と開発を行う予定であります。また、当事業年度より非接触式以外の給電方法についても検討を進めております。
・総合施工管理システムの開発
施工中の各種計測データを取得し、そのデータからケーソンの挙動予測を可能にするシステムの開発を目的としております。当事業年度は継続して、掘削形状の3Dデータや各種計測データを複数の工事において取得し、データの蓄積を行いました。今後は、蓄積したデータを基に挙動予測に向けた開発を進める予定であります。
・掘削機の自動(自律)運転システムの開発
函内気圧0.18MPa以深の掘削は遠隔操作による無人化施工で行っております。今後は自動(自律)による掘削を可能とするシステムの開発を目指しております。システムでは3D地盤形状データより掘削位置を自動選定し、掘削した土砂を指定した位置に移動して排土を行いますが、さらに掘削した土砂を地上に搬出するために排土バケットの形状及び位置を自動認識して直接排土バケットへ投入することを可能とするシステムの開発と現場実証を当事業年度に実施しました。また、自動(自律)運転を目指すにあたり、掘削機制御のための基礎データの取得及びシミュレーターの開発を行いました。今後は、実施工利用に向けて複数台制御に着手し、総合施工管理システムの挙動予測を基に、AI等を利用した自動(自律)掘削施工が可能となるシステムの開発を目指す予定であります。
b 生産性向上技術の開発
国土交通省で推進しているi-Construction(建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組み)への対応を進めております。
・ 造成工事等において、ドローンによる3次元測量、3次元設計データを使用したマシンガイダンスやマシンコントロールによるICT施工、3次元点群データによる出来形管理及びデータ納品といった全てのプロセスで3次元モデルを活用することによって、生産性の向上を図っております。また、携帯端末による3次元データを活用した測量の試行検証を進めております。
・ 仮設を含む構造物等工事等において、3次元モデルを活用したBIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling / Management)により工事関係者間の情報共有・連携を深め、作業性や安全性の向上について利用を進めております。
・ トンネル工事において、3次元データを基に掘削状況を切羽に投影し可視化することにより生産性向上の有効性を確認しました。汎用性が高く他工種での利用可能性が認められたため、今後は、造成工事等に応用した場合の有効性の確認を進める予定であります。
c 地震対策技術
・ 当社で開発したスマート制震システムを用いた大型賃貸マンションの耐震改修工事が、2015年3月に竣工しました。この工事では、外付けフレームと建物を接続する後施工アンカーである「ピン支承対応型ディスクアンカー」と、既存構造体の耐震性能向上に適した接合部材である「プレミアムアンカー」を新たに適用し、当工事の施工実績を踏まえて、2018年3月には一般財団法人ベターリビングの一般評定(2度目のバージョンアップ版)を取得しました。また、2020年9月には『プレミアムアンカーを使用した柱梁構面内へのブレース型(ダンパー)ブレースの直接接合に依る組込み方法』の発明名称を「柱・梁架構の補強構造」として特許を出願し、特許査定を取得しました。当該技術アイデアは国立大学法人東京大学との調整・協議の上、米国においても特許出願を準備しております。また、2023年3月には一般財団法人ベターリビングの一般評定の更新を実施しました。
・ 岡山県内の耐震改修工事において、当社で開発したスマート制震システムを事業主指定の設計者に技術提案し、採用されました。事業主による一般財団法人ベターリビングの個別評定取得を経て一般競争入札にて公告となり、当社が受注し2022年2月に竣工しました。この工事においても「ピン支承対応型ディスクアンカー」と「プレミアムアンカー」を適用しております。
・ 当社は2020年4月から2年間の予定で、「オープン・イノベーションによる建築新技術実用化のための『ビジネスモデル』に関する研究(ディスク・ジョイントを例として)」を題目として共同研究を進めておりましたが、その共同研究対象範囲を「スマート制震システム&ディスク・ジョイントを例として」に拡大したため、研究期間を2年間延長し、2024年1月には、米国ロサンゼルスにおいて、ストラクチャーエンジニアとのヒアリングを実施するなどして、2024年3月の終結(研究報告書完成)を目指して、国立大学法人東京大学と共同研究を進めております。当該特許技術を根拠とした「広く・あまねく」の将来展開と普及を目標として、ビジネスモデルの構築を行っております。
・ アクティブ制振装置を設置した青山OHMOTOビルが2016年2月に竣工しました。国立大学法人東京農工大学、株式会社構造計画研究所、特許機器株式会社と共同開発した「実時間シミュレーションを用いた建物の振動制御(RTCS制御)」を新たに採用し、特許権の設定登録が行われました。
・ パッシブ制振装置(TMD)を設置した岡山本店ビルの新棟新築工事が2018年12月に完了しました。従来のガイドレール式の装置に加速度センサーによるトリガー機構を有した空気浮上式の機構を併用し、特許権の設定登録が行われました。
d 建築技術の共同研究
ゼネコン35社で技術開発・調査研究を行う共研フォーラムに参加し、「コンクリート品質向上検討会」、「デッキスラブのひび割れ防止対策方法の確立」の各テーマについて、調査と検討を行っております。また、共同研究開発した「建築物のLCサポートシステム」を運用し、システムの改修と保守を共同で行っております。
e 建築設計BIM・施工BIM実用化
当社は2010年からBIMソフトを導入していますが、発注者に対する提案力の強化、業務時間短縮及び競争力の強化を目的として、2022年4月より本格的にBIM研究開発に着手しました。
・ 2022年4月よりBIMを利用するための環境整備に着手し、BIMソフトライセンス数の増強や個人パソコンからリモートデスクトップによりBIMソフトを利用出来るなどの環境整備を行いました。
・ 2022年6月よりBIMコンサルティング及びBIM操作トレーニングプログラムの受講を開始し、BIMの効果的な利用方法などを学んでおります。
・ BIMを利用した様々なテストモデル作成や実施物件への部分適用を開始しております。成果として、BIMテンプレート、パース、意匠構造モデルの重ね合わせ、施工ステップ図などを作成しました。
f 現場作業省力化関連
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」に関連し、現場作業の省力化を推進する目的で、レンタル会社と協力して省力化につながる各種作業機械や計測機器を試験導入し、その評価とフィードバックを行うことで、機器の改善を図る研究を行っております。
g その他
その他の主な研究開発テーマを下記に示します。
・ニューマチックケーソン工法の安全性・施工性向上技術(救護設備、超遠隔技術等)の開発
・CO2削減(カーボンニュートラル対策)技術の実証研究
・高速通信技術の現場実証
h 特許に関する事項
当事業年度の特許登録は2件、特許出願は3件であります。
当事業年度における建築事業及び土木事業の研究開発費の金額は、192百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00255] S100R66M)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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