有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QFXL (EDINETへの外部リンク)
キリンホールディングス株式会社 研究開発活動 (2022年12月期)
5 【研究開発活動】
当社グループでは、長期経営構想キリングループ・ビジョン2027(KV2027)のイノベーションを実現する組織能力の一つとして「確かな価値を生み出す技術力」を掲げています。従来から強みを持つ発酵・バイオテクノロジー、パッケージング、エンジニアリングをより発展させています。当社グループの研究開発活動は、食領域、ヘルスサイエンス領域においては、キリンホールディングス㈱R&D本部の3研究所(キリン中央研究所、飲料未来研究所、パッケージイノベーション研究所)及び各事業会社の研究所で行っています。また、医領域においては、協和キリン㈱が中心に研究開発活動を行い、さらに医薬品にとどまらない価値提供も目指してキリンホールディングス㈱との協働取り組みを推進しています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は743億円です。セグメントごとの主な研究開発成果は以下の通りで、キリンホールディングス㈱R&D本部の研究開発費はに含まれています。
国内ビール・スピリッツ事業は、キリンビール㈱が、キリンホールディングス㈱R&D本部の3研究所と連携しながら研究・技術開発並びに商品開発を実施しています。
ビールカテゴリーでは、国内で初めて※1「糖質ゼロ※2」を実現した「キリン一番搾り 糖質ゼロ」を中味・パッケージともに7月にリニューアルしました。「一番搾り製法※3」はそのままに、「糖質カット製法」に磨きをかけるとともに、麦芽を増量し、ホップ配合を見直すことで、一口目に感じるビールの飲みごたえを向上させ、後味はすっきりと澄んだ味わいを実現しました。
クラフトビールブランドである「SPRING VALLEY (スプリングバレー)」から「SPRING VALLEY シルクエール」の缶商品を9月に新発売しました。「SPRING VALLEY シルクエール」は、まだ飲用経験者の少ない白ビールであり、「SPRING VALLEY 豊潤」や一般的なピルスナータイプのビールとの味わいも大きく異なることから、お客様により多様で新しいビールの魅力を体験いただける商品です。無濾過で仕上げたにごりのある液色で、小麦麦芽を使用することで実現したきめ細かなふわとろの泡、まろやかな口当たりが特長です。ニュージーランド産の希少ホップ「ネルソンソーヴィンホップ」を一部使用することで、華やかで心地よい香りを実現しました。
「キリン 氷結®」シリーズから、主力製品である「キリン 氷結® シチリア産レモン」「キリン 氷結® グレープフルーツ」「キリン 氷結® シャルドネスパークリング」の3品を中味・パッケージともに3月にリニューアルしました。また、「キリン 氷結® みかん」はより“爽快なおいしさ”を実現すべくブラッシュアップし、新たに「キリン 氷結® オレンジ」として4月に新発売しました。今回のリニューアルでは、果実のみずみずしくクリアな味わいを引き立てるとともに、雑味のないスッキリとした後口で、“爽快なおいしさ”をさらに進化させました。「氷結® シチリア産レモン」のリニューアルでは、レモンを凍結し、熱をかけずにエキス分を抽出する“凍結レモン製法”を新たに採用し、レモンのみずみずしくクリアな味わいを引き立てました。
キリンのおいしいお酒づくりの原点である“発酵”技術を取り入れたRTD※4「麒麟 発酵レモンサワー」ブランドを、中味・パッケージともに1月にリニューアルしました。今回、好調な「発酵レモンサワー」をより多くのお客様に手に取っていただくため、レモン果汁を発酵させる酵母を一から見直し、レモンの味を豊かに引き出す“発酵”過程に磨きをかけました。製法を見直したことで、現行の発酵レモン果汁に比べ香気成分(おいしさ成分)の量が約15%増加し、さらに豊かなレモンのおいしさで、飲みやすく飲み飽きない味わいを実現しました。
当事業に係る研究開発費は8億円です。
※1 ビールで糖質ゼロを実現した国内で初めての缶商品(Mintel GNPDを用いた当社調べ)
※2 食品表示基準による。
※3 麦汁ろ過工程において最初に流れ出る一番搾り麦汁を使う製法
※4 Ready to Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料
国内飲料事業は、キリンビバレッジ㈱が、キリンホールディングス㈱R&D本部の3研究所と連携しながら研究・技術開発並びに商品開発を実施しています。
キリンの独自素材「プラズマ乳酸菌」を配合した100mlペットボトル飲料の機能性表示食品「キリン iMUSE(イミューズ) 朝の免疫ケア」を、朝の“免疫ケア”という新しい習慣をより多くの方に広め、お客様の健康維持に貢献するため、3月より全国の量販、ドラッグストア、コンビニエンスストアチャネルで展開しました。
「キリン 生茶」を中味・容器・パッケージデザイン全てを刷新し、4月にリニューアルしました。これまで以上に「生」ならではのお茶のおいしさで“お客様のココロとカラダ”をすっきりと満たすことを目指して、生茶葉の自然なあまみを感じながらも、後味がすっきりとした「摘みたて生茶葉のようなあまみ、香り」が楽しめるおいしさへと進化させました。また、2021年より「生茶」ブランドを環境のCSVフラッグシップブランドとして、再生PET樹脂を100%使用したリサイクルペットボトル(「R100ペットボトル」)の導入拡大やラベルレス商品の発売を行ってきました。今回のリニューアルでも新容器採用を機にラベルの短尺化を推進しました。
「キリン 生茶 紙シール付ラベルレス」を6月に首都圏エリアの一部の量販店でテスト販売を開始しました。ペットボトル本体に巻くラベルを使用せず、必要表示内容が記載された小面積の紙製のタックシールを貼付した商品です。これにより、従来のラベル※1がなくても店頭で商品を1本ずつ販売することが可能となります。また、商品に貼付されるタックシールはこれまでプラスチック製が主流でしたが、今回、当社は株式会社フジシールとの取り組みにより紙製タックシールを新たに開発し、当商品に採用しました。
使用済みペットボトルを回収してペットボトルに再生する「ボトルtoボトル」の水平リサイクルを東武東上線で8月より開始しました。今回、当社と東武鉄道株式会社が協同し、回収した使用済みペットボトルを、確実にペットボトルへの再生に活用するリサイクルモデルを確立することで、「ボトルtoボトル」に向けた社会インフラの拡充を実現します。また、当スキームを適用することで、当社のリサイクルボックスの回収コストの低減と中間処理までのルートの効率化が可能となり、より低コストでの「ボトルtoボトル」が実現します。
当事業に係る研究開発費は8億円です。
※1 ペットボトル本体に巻いているラベルのこと
オセアニア酒類事業では、LION PTY LTDで、オーストラリアおよびニュージーランドの市場環境の変化に応じた商品中味や容器開発を、キリンホールディングス㈱の持つ技術を活用しながら取り組みました。
当事業に係る研究開発費は0億円です。
協和キリン㈱グループは、研究開発活動へ資源を継続的かつ積極的に投入しております。多様なモダリティを駆使して画期的新薬を生み出すプラットフォームを築く技術軸と、これまで培った疾患サイエンスを活かしつつ有効な治療法のない疾患に"only-one value drug"を提供し続ける疾患軸の両方を進化させ、競合優位性の高いパイプラインを構築し、Lifechangingな価値をもつ新薬をグローバルに展開することを目指しております。
主な後期開発品の各疾患領域における進捗は、次のとおりであります。(◆は当第4四半期連結会計期間の進捗)
腎領域
KHK7580(日本製品名:オルケディア)
・7月に中国において二次性副甲状腺機能亢進症を適応症とする販売承認申請を行いました。
◆11月に韓国において二次性副甲状腺機能亢進症を適応症とする販売承認申請を行いました。
KHK7791(一般名:テナパノル塩酸塩)
◆10月に日本において透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善を適応症とする製造販売承認申請を行いました。
がん領域
KW-0761(日本製品名:ポテリジオ、欧米製品名:Poteligeo)
◆10月に中国において菌状息肉腫およびセザリー症候群を適応症として承認されました。
KRN125(日本製品名:ジーラスタ)
・2月に日本において同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員を適応症として承認されました。
・7月に日本においてがん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制を適応症とする自動投与デバイスが承認されました。
◆12月に日本においてがん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制を適応症とする自動投与デバイス「ジーラスタ皮下注 3.6mg ボディーポッド」を発売しました。
ME-401(一般名:ザンデリシブ)
◆MEI Pharma社と共同で複数のグローバル試験を実施していましたが、米国食品医薬品局(FDA)から受領した最新のガイダンスを踏まえ、12月にB細胞悪性腫瘍を対象としたザンデリシブの日本を除くグローバル開発を中止することを決定しました。
免疫・アレルギー疾患領域
KHK4827(日本製品名:ルミセフ)
・9月に日本において掌蹠膿疱症を予定適応症とする承認事項一部変更承認申請を行いました。
KHK4083/AMG 451(一般名:rocatinlimab)
・12月にアトピー性皮膚炎を対象とした第Ⅲ相国際共同治験の症例登録を再開しました。
その他
AMG531(日本製品名:ロミプレート)
・1月に中国においてコルチコステロイドや免疫グロブリン等の前治療で効果不十分な成人慢性免疫性血小板減少症を適応症として承認されました。
◆11月に日本において再生不良性貧血を適応症とする承認事項一部変更承認申請を行いました。
KRN23(日本製品名:クリースビータ、欧米製品名:Crysvita)
・8月に欧州において腫瘍性骨軟化症を適応症として承認されました。
当事業に係る研究開発費は624億円です。
メルシャン㈱は、キリンホールディングス㈱R&D本部の3研究所と連携しながらワインの研究・技術開発並びに商品開発を実施しています。
世界の造り手とメルシャンの造り手が日本のお客様のために共創する輸入ワインの新ブランド「Mercian Wines(メルシャン・ワインズ)」から、「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド レッド/ホワイト」、「メルシャン・ワインズ ボルドー」を3月に全国で新発売しました。「Mercian Wines」は「もっと多くの日本のお客様に、気軽に・自由にワインを楽しんでいただくこと」を目指し、日本のお客様に合うワインを世界のワイナリーと共創して造った輸入ワインの新ブランドです。また当ブランドは、持続可能なワイン造りを目指し、「環境負荷軽減」、「産地との共存」、「人への負荷軽減」、「情報の見える化」の4つの項目に挑戦し、実行しているワイナリーとタッグを組んでおり、近年高まりを見せるエシカル消費ニーズにも応えます。
「Mercian Wines(メルシャン・ワインズ)」から、「メルシャン・ワインズ サニーサイド オーガニック レッド/ホワイト」を8月に全国で新発売しました。“お客様の日々のワイン生活水準を上げる”ことを目指し、手に取りやすい価格ながら高い品質で、日本のお客様の味覚に合うオーガニックワインとして発売しました。また、本商品は共創ワイナリーであるスペインの「ペニンシュラ」が設立した“エコエコプロジェクト”※1の取り組みに共感し、同プロジェクトとともに造りました。
「おいしい酸化防止剤無添加ワイン」シリーズの「おいしい酸化防止剤無添加ワイン 厳選素材 プレミアム ペットボトル」(赤・白)について、味わい・パッケージをリニューアルし、9月にリニューアルしました。今回のリニューアルでは、ワインに含まれる香りや味わいを安定化する特定の成分を高めるメルシャン独自の「贅沢芳醇製法」により、“コクや深みのある芳醇な香りや果実の味わい”をさらに進化させました。また、従来から5g軽量化した、メルシャン史上最軽量となるワイン用の720mlペットボトル※2を採用しました。お客様の持ち運びの利便性を高めながら年間で約83トン※3のPET樹脂削減と、約286トン※3のCO2排出量削減を見込んでいます。本ペットボトルの開発は、6月に公益社団法人 日本包装技術協会が主催する「第46回木下賞 包装技術賞」を受賞しました。
4月にフランス・ボルドー地方にて開催された「第46回 チャレンジ・インターナショナル・デュ・ヴァン(Challenge International du Vin)2022」において、「メルシャン・ワインズ ボルドー 2020」と「シャトー・メルシャン 北信シャルドネ 2019」の2品が金賞を受賞しました。また、4月にイギリス・ロンドンで開催された「International Wine Challenge(IWC/インターナショナル・ワイン・チャレンジ) 2022」にて、「シャトー・メルシャン 北信シャルドネ 2019」が日本ワイン最高得点を獲得し、「同 笛吹甲州グリ・ド・グリ 2020」「同 岩崎甲州 2020」と合わせた計3品が銀賞を受賞しました。同コンクールでは、「シャトー・メルシャン 玉諸甲州きいろ香 2020」をはじめとする3品が銅賞を受賞したほか、2022年3月に発売した新ブランド「Mercian Wines(メルシャン・ワインズ)」から「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド レッド」「メルシャン・ワインズ ボルドー 2020」の2品のほか、「シャトー・メルシャン」ブランドから4品の計6品が奨励賞を受賞し、当社として計12商品が受賞しました。
※1 エコエコ(eco eco)はEcology(エコロジー)とEconomy(エコノミー)をかけ合わせた造語
※2 キリンホールディングス株式会社のパッケージイノベーション研究所が開発。特許出願中
※3 本商品の他、同社が製造・販売する720mlペットボトル商品の全てにこのペットボトル容器を採用した際の見込み。2021年販売実績に基づく。
協和発酵バイオ㈱は、「シチコリン」や「ヒトミルクオリゴ糖」をはじめとする、高収益型のプロダクトパイプラインを多数持つグローバル・スペシャリティ発酵メーカーを目指し、長年培ってきた最先端の発酵技術の研究開発に引き続き注力しております。
「シチコリン」については、協和発酵バイオ山口事業所での設備増設工事を竣工し、2023年末に稼働開始予定です。グローバルな安定供給体制を整えることにより、加齢に伴う脳機能低下予防、集中力やパフォーマンスの向上といったニーズに応えます。
協和発酵バイオが世界で初めて※1工業レベルでの生産システムを構築した「ヒトミルクオリゴ糖」については、THAI KYOWA BIOTECHNOLOGIES CO., LTD.での製造設備が2022年11月に竣工し、3品目の新規導入製造を完了しました。「ヒトミルクオリゴ糖」は母乳に含まれるオリゴ糖の総称で、ビフィズス菌などの善玉菌の栄養素となる物質、プレバイオティクス※2です。ヒトの消化酵素によって代謝されず大腸まで到達し、腸内細菌によって代謝され、様々な生理機能を発揮します。研究が進むにつれ、乳児の「栄養素」に加えて「機能性成分」としての働きが期待されています。2023年から粉ミルクメーカーなどへの販売を始めるとともに、キリングループ内での商品開発にも活用し、「ヒトミルクオリゴ糖」のニーズが高い世界各国への展開を通じて「健康」に関する社会課題の解決に貢献します。
※1 Tetsuo Endo et. al.,Appl. Microbiol. Biotechnol. 53, 257-261 (2000)
※2 人体に有益な微生物の選択的栄養源となり、それらの成長や増殖を促す物質
キリンホールディングス㈱は、ヘルスサイエンス事業の拡大に繋がる研究開発に引き続き注力しています。ヘルスサイエンス領域での研究開発活動をさらに加速するために、茨城県つくば市にある研究開発拠点を、湘南ヘルスイノベーションパーク(略称 湘南アイパーク、所在地 神奈川県藤沢市)に集約しました。湘南アイパークは、2018年4月に設立された製薬企業発のサイエンスパークであり、幅広い業種や規模の産官学が結集し、ヘルスイノベーションを加速する場となることを目指しています。
免疫領域の乳酸菌L. lactis strain Plasma(以下、プラズマ乳酸菌)※1の研究では、その発見と実用化が高く評価され、公益財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団の「食創会 ~新しい食品の創造・開発を奨める会~」※2(会長 小泉純一郎、元内閣総理大臣)が主催する2021年度 食創会「第26回安藤百福賞」※3において「優秀賞」を受賞しました。
また、プラズマ乳酸菌については、ベトナム国立栄養研究所と共同で、ベトナムの小学校1~3年生約1,000名を対象に、給食時に「プラズマ乳酸菌」を約1,000億個含む飲料、あるいは「プラズマ乳酸菌」を含まない飲料を8週間継続摂取する臨床試験を行いました。その結果、「プラズマ乳酸菌(約1,000億個)」を含む飲料を摂取したグループで、かぜ様症状※4(発熱・下痢など)の累積発生日数や、学校の累積欠席日数が有意に低下したことを確認しました。本臨床試験は、海外での児童に対するプラズマ乳酸菌を用いた初の臨床試験となります。小学校1~3年生のかぜ様症状である発熱・下痢などへの症状低減効果が見られたことは、プラズマ乳酸菌の継続摂取が児童に対して安全かつ簡便な感染症対策となりえることを示唆するものになりました。
さらに、国立感染症研究所のエイズ研究センターとの共同研究で、プラズマ乳酸菌の作用による新型コロナウイルスの増殖抑制効果を確認※5し、その作用メカニズムを解析しました。これは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の2022年度「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」に採択された研究です。
その他の免疫領域の研究では、「Lactobacillus paracasei KW3110(以下、KW乳酸菌)」においても、開発と事業化が高く評価され、公益社団法人日本農芸化学会の2022年度「農芸化学技術賞」を受賞しました。
脳領域の研究においては、脳や神経細胞にある細胞膜を維持する体内成分である「シチコリン」に関する研究成果について、キリン中央研究所の女性研究員が、公益社団法人日本農芸化学会2022年度「農芸化学女性企業研究者賞」を受賞しました。これは「シチコリン」が記憶力全般を改善し、特にエピソード記憶※6を改善する可能性があることを発表した研究成果が評価されたものです。なお、本研究は協和発酵バイオ㈱が製造した「シチコリン」を使用して行われ、成果を見いだしました※7。
また、㈱ファンケルと静岡県浜松市との三者で、2020年11月から浜松市民を対象とした「嗅覚機能・自律神経活動と気分・ストレスの関連性を探索する調査研究」を実施してきました。その結果、気分状態やストレス状態が悪い人ほど嗅覚感度が低下していること、ストレス抵抗性や自律神経活動が低い人ほど、特定の香りの同定能力※8が低下していることをヒト試験で確認しました。本研究は、キリン・ファンケル共同のヒト試験で初の成果となります。キリン・ファンケルは、嗅覚機能検査のサービス化や、気分・ストレス状態などをサポートする商品の開発を進めることで、お客様が健やかに過ごせる毎日を実現します。
その他の脳領域の研究では、独自の認知機能改善素材βラクトペプチド※9と熟成ホップの一連の研究成果とエビデンスの確からしさが認められ、国内の老化研究の中核的な学会である日本抗加齢医学会より2021年度の研究奨励賞を受賞しました。また、βラクトペプチドの1つであるGTWYペプチド※10が、脳の老化に重要な役割を果たすミトコンドリア※11機能を改善するメカニズムによって、脳神経を保護することを世界で初めて明らかにしました。この研究成果を日本農芸化学会2022年度大会で発表し、トピックス賞を受賞しました。
その他の事業及び全社(共通)に係る研究開発費は102億円です。
※1 国立研究開発法人理化学研究所バイオリソースセンターが所有するLactococcus lactissubsp. lactisJCM 5805のこと。
※2 食科学の振興ならびに新しい食品の創造開発に貢献する独創的な研究者、開発者およびベンチャー起業家を表彰する「安藤百福賞」表彰事業(後援:文部科学省、農林水産省) を1996年から実施しており、今年で26回目を迎える。
※3 新しい食品の開発と食科学の振興に貢献する独創的な基礎研究、食品開発およびベンチャー支援を目的に設けられた賞。食品や食文化の進歩に関して特に業績のあった個人に贈呈される。
※4 「上気道感染症」ならびに「消化器感染症」の症状を指す。
※5 ニュースリリース(2021年12月13日)キリンホールディングスと国立感染症研究所の共同研究により、「乳酸菌L.ラクティス プラズマ(プラズマ乳酸菌)」の作用によって新型コロナウイルスの複製増殖を低下させることを確認(試験管内試験)。
※6 年単位にわたり長期間保管される「長期記憶」の一つで、個人的な経験に基づく出来事とそれに付随する情報の両方が記憶されていることを特徴とする。
※7 本臨床試験で使われたシチコリンは、米国で食品用途として許可を受けたものです。これらの記述は、米国食品医薬品局および日本の厚生労働省による評価を受けたものではありません。日本では、シチコリンは食品や飲料への使用が認められていません。
※8 何の香りか分かる力。
※9 乳タンパク質に由来し、トリプトファンーチロシン(WY)のアミノ酸配列を含み認知機能改善作用を有するペプチドの総称。
※10 βラクトペプチドの主要な成分で、グリシン‐スレオニン‐トリプトファン‐チロシンの配列を持つペプチドの総称。
※11 細胞内小器官の一つで、細胞の生命維持に必須なエネルギー物質「アデノシン三リン酸(ATP)」を生成する。
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