有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QY1D (EDINETへの外部リンク)
LINEヤフー株式会社 事業等のリスク (2023年3月期)
Zホールディングス(株)(以下、当社という。)および子会社・関連会社(以下、グループ会社という。また、
当社と併せて、当社グループという。)は、持株会社である当社がグループ会社を統括して管理する一方、グルー
プ会社が、国内外において多岐にわたる事業を展開しています。これらの企業活動の遂行には様々なリスクを伴いま
す。2023年3月31日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは以下のとおり
です。なお、これらは当社グループで発生し得る全てのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関
する事項については別段の記載のない限り、2023年3月31日現在において判断したものです。
・リスクマネジメント体制
当社は、リスクマネジメント最高責任者を代表取締役社長としたリスクマネジメント体制を構築し、リスクの特
定、分析、評価、対応等のERMプロセスを円滑に実施することにより、リスクの低減、未然防止等を図っています。ま
た、2023年4月より、Co-CEO体制から単独CEO体制へ移行しています。
グループ全体のリスクマネジメントの基本方針は取締役会で決定します。取締役会で決定された基本方針に基づ
き、リスクマネジメント委員会、リスクマネジメント統括組織、特定リスク所管部門等からなる執行機関でERM体制を
構築し、各グループ会社とも連携することでグループ全体によるリスクマネジメント活動を推進しています。また、
特にリスクの高いサイバーセキュリティや金融事業、人権、環境等の課題については、委員会の下に当社グループの
企業で構成する「データガバナンス分科会」、「アンチマネーローンダリング分科会」、「人権分科会」、「環境分
科会」を設置し、グループ会社横断のリスクマネジメントを行っています。
・リスクマネジメントプロセス
リスクマネジメントに関する規程に基づき、グループ各社におけるERM活動を推進するとともに、リスクマネジメン
ト委員会や各種分科会における活動を実施しています。また、当社グループにおけるリスクを網羅的に捉えるべくリ
スクカテゴリーを設定し、内部環境や外部環境の分析、経営層や実務責任者による認識を踏まえ、特に重要度が高い
リスクを「グループトップリスク」と位置づけています。「グループトップリスク」は、環境変化等による影響を考
慮しながら適宜見直し、優先度をつけて対応策を実行し、進捗のモニタリングを行います。
・リスクカテゴリー
「戦略系リスク」
「非戦略系リスク」
・グループトップリスク
1.事業戦略に関わるリスク
(1)市場優位性の失墜、業績悪化のリスク
当社グループの事業戦略として、中核企業であるLINE(株)およびヤフー(株)を中心とした「検索・ポータル」
「広告」「メッセンジャー」を「根幹領域」と定め推進するとともに、特に社会的課題が大きくインターネット
でその解決が見込める領域である「コマース」「ローカル・バーティカル」「Fintech(フィンテック)」「社会」
の4つを「集中領域」と定め、取り組んでいます。そのうち、社会的な重要度の高い「Fintech(フィンテック)」
の領域における戦略投資の一つとして、2022年10月にPayPay(株)を当社の連結子会社としました。さらに、それ
らの領域にデータやAI技術を掛け合わせることでシナジーを強固に創出するとともに、ユーザーの日常生活、企
業活動、そして社会自体をアップデートするサービスを提供していきます。しかしながら、これらのサービスの
事業性は、そのユーザー数、利用頻度、収益化能力等に大きく依存しています。さらに、ユーザーの嗜好の変化
は激しい為、市場の変動やニーズの的確な把握、 ニーズに対応する開発・提供等ができない可能性があります。
当社グループはこのような可能性の顕在化を低減させるべく、マーケティング、技術開発および教育への投資、
インテリジェンスおよび計数管理の機能強化といった総合的な施策を継続して行っています。また、事業の選択
と集中を推進し、グループ内重複事業の集約を推進しています。
(2)規制や制度変更により事業展開スピードへ影響するリスク
当社グループのヤフー(株)は、同社が提供するサービスである「Yahoo!ショッピング」および「Yahoo!広告」
について、特定デジタルプラットフォームの透明性および公正性の向上に関する法律に基づき特定デジタルプラ
ットフォーム提供者としての指定を受けています。同法により義務付けられる情報開示や自主的体制の整備に関
しては、外部有識者の意見も聴取し、一部は法施行に先行する形で積極的に対応しています。また、ヤフー(株)
に加えLINE(株)においても、高い透明性や公正性を意識し、継続的な改善を行っていきます。しかしながら、取
組が不十分であると政府から認定され同法に基づく行政措置の対象となった場合や、同法に基づき政府に提出す
る報告書が低い評価を受け、その評価結果が公表された場合、当社グループに対する取引先および一般ユーザー
からの評価や社会的評価が低下する可能性もあります。さらに、デジタルプラットフォームを提供する企業に対
して、より一層厳しい規制の対象としていくという諸外国の動向に鑑み、仮に日本国内でも規制が強化され、当
社グループ企業がその対象となった場合、当該企業の円滑な事業遂行が困難となる可能性があります。
(3)合併により期待される効果が得られないリスク
当社は、2022年度後半に入り市場環境が急速に悪化していること、業績を牽引してきた広告収益が急激に減退
していること等を踏まえ、グループ経営の意思決定の更なる迅速化を図ることを目的に、2023年度中を目途に当
社・LINE(株)・ヤフー(株)を中心とした合併方針を決定し、2023年4月よりCo-CEO体制から単独CEO体制へ移行し
ています。今後、当初に期待した合併の効果を十分に発揮できない場合には、展開するサービスの連携の不
調・遅れが発生し、戦略やシナジーに影響が出る、グループ会社間のストレスや合併に起因する混乱が問題発生
の一因となる等のリスクが生じる可能性があります。それらにより、当社グループの業務運営や業績、財政状態
に影響を与える可能性があります。
2.システムに関わるリスク
当社グループのサービスは、当社グループの関連会社、提携会社のシステムと連携して提供しており、一部の
システムの障害等により影響範囲が多岐に及ぶものが数多く存在します。大規模な障害発生により、当社のブラ
ンドイメージ低下や損害賠償を請求される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。
このようなリスクを低減するために、ソフトウェア品質の強化、システム可用性の向上、システムオペレーショ
ン訓練等の安定したサービス提供への取り組み強化に努めています。
3.情報セキュリティに関わるリスク
(1)サイバーセキュリティに関わるリスク
当社グループでは、安心して利用できる安全なサービスをユーザーに提供するため、中長期的な視点で全社を
挙げて情報セキュリティの向上に取り組んでいます。しかしながら、これらの取り組みが及ばず、業務上の人為
的ミスや故意による不法行為、災害等によるシステム障害、マルウェア感染や標的型攻撃等のサイバー攻
撃、システムや製品等の脆弱性等により、情報漏洩、データの破壊や改ざん、サービスの停止等の被害等が発生
した場合、当社グループの業績に影響を与えるだけでなく、当社グループの信用失墜につながる可能性があ
ります。当社は、グループ会社の情報セキュリティを支援しています。具体的には、情報セキュリティ対策の仕
組みの共有や導入支援、脆弱性情報等情報セキュリティに関する情報の共有、各社の求めに応じて情報セキュ
リティ対策の相談対応等を行っています。また、グループ会社に対しては当社と同等の情報セキュリティ対策
を行うための規程の提供や第三者認証取得支援等の支援を行っています。さらに、当社グループでは、日々高
度化するサイバー攻撃等の脅威に備え、必要かつ前衛的な対策を取るべく必要十分な費用の確保に努めていま
す。しかしながら、想定以上のサイバー攻撃等の脅威が発生した場合には追加費用が発生し、当社グループの
業績に影響を与える可能性があります。
(2)通信の秘密に関わるリスク
当社グループのLINE(株)やヤフー(株)は、「LINE」「Yahoo!メール」等のサービスにおいて、通信内容等の通
信の秘密に該当する情報を取り扱っています。これらの取扱いの際は電気通信事業法に則り、情報セキュリティ
に対する取り組みのもと、適切な取扱いを行っています。しかしながら、これらの情報が「LINE」「Yahoo!メー
ル」等のサービスを提供するシステムの不具合や、マルウェア等の影響、通信設備等への物理的な侵入、当社グ
ループの関係者や業務提携・委託先等の故意または過失等によって侵害された場合、当社グループのブランド
イメージの低下や法的紛争に発展し、ユーザーの減少やサービスの停止や縮退に伴う損害賠償や売上収益減少等
による業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.経済安全保障に関わるリスク
当社グループは経済安全保障推進法の制度運用の開始を見据えて2022年10月に経済安全保障部を新たに設置
し、国内外の経済安全保障に関する情報収集、専門家との意見交換、経済安全保障リスクの抽出、特定等を進
め、当社グループ会社が経済安全保障推進法の適用対象となった場合には適切な対応ができるよう必要な準備を
しています。しかしながら、かかる対策や準備が有効に機能しない、あるいは取り組みが十分ではないと当局に
認定される等、経済安全保障推進法が定める国による審査に適切な対応ができなかった場合、当局からの当社
グループ会社に対する是正や中止の勧告、命令等の行政措置、それに伴う事業の一時停止、遅延、追加の設備
投資並びに追加の対策やコスト、当社グループ会社の信用の毀損が生じる可能性があります。その場合、当社グ
ループの事業、業績、社会的信用に影響を与える可能性があります。
5.コーポレートガバナンスに関わるリスク
(1)親会社の経営判断がビジネスへ影響を与えるリスク
当社グループは、主要株主であるAホールディングス(株)を連結子会社に持つソフトバンク(株)をはじめとす
るソフトバンクグループ内の各企業やAホールディングス(株)の主要株主であるNAVER Corporationおよびそのグ
ループ企業との間で取引を行っています。ソフトバンクグループ(株)やソフトバンク(株)、また、NAVER
Corporationは、その保有株数の構造上、当社の意思決定に影響力を及ぼし得る立場にあります。当社は社内規程
や独立社外取締役4名で構成されるガバナンス委員会等による監督の仕組みを整備・運用していますが、こうし
た仕組みが機能しない場合に、当社とそれらの会社との間で利益相反が生じ、当社の利益が損なわれる可能性
があります。また、ソフトバンクグループ各社やNAVER Corporationの事業戦略方針の変更等に伴い、当社グルー
プのサービスや各種契約内容への影響や、関係の変化が生じる可能性があり、その場合、当社グループのビジネ
スに影響を与える可能性があります。
(2)グループ内企業文化の違い等によりシナジー創出に影響が生じるリスク
当社グループでは、子会社の機能や重要性等に応じた適切な報告制度を整備することとし、上場をしていない
子会社(但し、金融持株会社等経営の独立性維持が必要な子会社を除く)との間では、関係会社管理に関する
社内規程に基づき、会社運営に関する協定書を締結し、当該子会社における重要な事項について、当社の承認ま
たは当社への報告を原則として事前に求めることとしています。しかしながら、グループ会社間の企業文化の違
い等により、このような仕組みが十分に機能しない場合、当社が子会社に関する重要な事項を適時に把握するこ
とが出来なくなることによって、的確な意思決定を行うことが出来ず、当社グループにおけるシナジーの創出が
阻害されるリスクがあります。
6.内部統制に関わるリスク
当社グループでは、業務上の人為的ミスやその再発、意思決定プロセスの潜脱等が起きることのないよう関連
する規程を定めているほか、取締役会内でも監査等委員4名全員を独立社外取締役として、経営の意思決定・業
務執行の監督を強化しています。また、代表取締役社長CEO直属の内部監査統括部を設置し運営することにより、
適法かつ適正な コーポレートガバナンスの強化を図っています。しかしながら、このようなガバナンス機能が想
定通りに機能せず、ガバナンス不全に陥った場合、或いは過剰な統制が整備されることにより事業展開スピード
を損なった場合、当社グループのブランドイメージや業績に影響を与える可能性があります。
7.データガバナンスに関わるリスク
多様かつ多軸な当社グループにおいて、各社へのガバナンスの実効性が及ばず事故や問題が生じる、体制の不
備により問題や事故が生じる一方で、ボトルネックが生じサービスのリリースの遅れ等につながる、等のリ
スクが生じる可能性があります。個別には以下のような例があります。LINE(株)との経営統合に伴い、当社グル
ープが個人情報をはじめとするデータを取り扱う量も飛躍的に増大しています。データの取り扱いに際して当社
は「分かりやすい説明」「国内法に基づく運用」「有識者による助言・評価」「プライバシー&セキュリティフ
ァースト」の4点を重視しつつ、その利活用を合理的・効率的にするためにデータガバナンス(データ資産管理
の統制)の確立を図っています。2022年度においてZホールディングスグループとしてデータプロテクション基
本方針を策定・公表するとともに、これにかかる取り組みをグループ会社に対して継続的に進めています。ま
た、2023年2月2日に公表したとおり、当社は当社ならびに当社の完全子会社であるLINE(株)およびヤフー(株)
を中心とした合併を行う方針であり、合併後の新会社において、事業会社たる当該新会社のデータガバナンスお
よび当該新会社のグループ会社全体のデータガバナンスが円滑かつ適切に機能するよう体制を整え、その強化に
取り組んでいきます。今後も個人情報の適切な取り扱いに関して当社グループ全体のガバナンスの強化に取り組
んでいきますが、かかる対策やガバナンス強化の施策が有効に機能しないことによる当局から当社グループへの
行政処分、当社グループの信用の毀損、当社グループのサービスへの需要の減少、追加の対策の策定・実施、ま
た、データの漏洩やその恐れとなる事象の発生等により、当社グループの社会的信用や業績等に影響を与える可
能性があります。
8.事業継続に関わるリスク
当社グループの事業は、地震等の自然災害、火災等の事故、広範囲な感染症の発生、それらによる、建造物の
破壊、ライフラインの停止、回線障害、都市機能の停止、入館禁止措置 等の影響を受けます。また当社グループ
の物的、人的資源の大部分は東京に集中しています。当社グループで は、システムの冗長化やデータセンターの
多重化、分散化等の環境整備を進めるとともに、こうした災害等の発生時には、速やかにかつ適切に全社的対応
を行うよう準備しています。しかしながら、事前の想定を大きく超える事故等である場合、業務継続、復旧計画
がうまく機能しない可能性があります。さらに、当社グループが所有する建物に起因する火災等の災害が発生し
た場合には、被害の収束、再建、周辺への補償等を含む対策により、業績等に影響がでる可能性があり、当社グ
ループの事業、業績、ブランドイメージ等に影響が出る可能性があります。
9.人材に関わるリスク
技術者の不足や意識の変化等により、サービス開発・運用が滞り、事業の成長が阻害される、データプロテ
クションやAI等の中長期的な成長を担う人材を適切に確保できない等、従業員や雇用に関わるリスクが生じる
可能性があります。当社グループの事業は、業務に関して専門的な知識、技術を有している役職員、いわゆる
キーパーソンに依存している部分があり、これらのキーパーソンが当社グループを退職した場合、事業の継続、
発展に一時的な影響が生じる可能性があります。また、各グループ会社において、今後の中長期的な業務拡大を
目的とする体制の強化や各種サービスの運用、品質向上のための増員が必要となりえますが、労働市場や社会意
識の変化により、それが適切になされない可能性があります。適切に増員がなされる場合にも、費用が増大し、
業績に影響を与える可能性があります。そのため当社グループでは、業界水準を参考にした適正賃金テーブルの
把握や目標評価制度等の実施による賃金レベルの相当性の確保、要員計画等での人員規模の適正性の確認に努め
ています。さらに、各グループ会社の事業特性および業種・職種を考慮した働き方の多様性を拡大するととも
に、グループ会社間での異動等各個人の活躍機会を創出すること等により、より多様な人材の活躍と、各個人お
よび組織の生産性やエンゲージメントの向上に結び付けています。
当社と併せて、当社グループという。)は、持株会社である当社がグループ会社を統括して管理する一方、グルー
プ会社が、国内外において多岐にわたる事業を展開しています。これらの企業活動の遂行には様々なリスクを伴いま
す。2023年3月31日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは以下のとおり
です。なお、これらは当社グループで発生し得る全てのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関
する事項については別段の記載のない限り、2023年3月31日現在において判断したものです。
・リスクマネジメント体制
当社は、リスクマネジメント最高責任者を代表取締役社長としたリスクマネジメント体制を構築し、リスクの特
定、分析、評価、対応等のERMプロセスを円滑に実施することにより、リスクの低減、未然防止等を図っています。ま
た、2023年4月より、Co-CEO体制から単独CEO体制へ移行しています。
グループ全体のリスクマネジメントの基本方針は取締役会で決定します。取締役会で決定された基本方針に基づ
き、リスクマネジメント委員会、リスクマネジメント統括組織、特定リスク所管部門等からなる執行機関でERM体制を
構築し、各グループ会社とも連携することでグループ全体によるリスクマネジメント活動を推進しています。また、
特にリスクの高いサイバーセキュリティや金融事業、人権、環境等の課題については、委員会の下に当社グループの
企業で構成する「データガバナンス分科会」、「アンチマネーローンダリング分科会」、「人権分科会」、「環境分
科会」を設置し、グループ会社横断のリスクマネジメントを行っています。
・リスクマネジメントプロセス
リスクマネジメントに関する規程に基づき、グループ各社におけるERM活動を推進するとともに、リスクマネジメン
ト委員会や各種分科会における活動を実施しています。また、当社グループにおけるリスクを網羅的に捉えるべくリ
スクカテゴリーを設定し、内部環境や外部環境の分析、経営層や実務責任者による認識を踏まえ、特に重要度が高い
リスクを「グループトップリスク」と位置づけています。「グループトップリスク」は、環境変化等による影響を考
慮しながら適宜見直し、優先度をつけて対応策を実行し、進捗のモニタリングを行います。
・リスクカテゴリー
「戦略系リスク」
リスクカテゴリー | 概要 |
事業戦略リスク | 組織の事業戦略および戦略目標に影響を与える、またはそれらによって生じるリスク |
「非戦略系リスク」
リスクカテゴリー | 概要 |
市場リスク | 様々な市場のリスク・ファクターの変動により財務的影響を被るリスク |
信用リスク | 信用供与先の財務状況の悪化等により財務的損失を被るリスク |
流動性リスク | 必要な資金が確保できず資金繰りがつかなくなるリスク、または通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされるリスク |
システムリスク | システムダウン又は誤作動、不備等に伴い損失を被るリスク |
情報セキュリティリスク | 情報システムやデータの破損および改ざん、または情報漏洩等で損害を受けるリスク |
コンプライアンスリスク | 社内規程や企業行動憲章に反する行動により影響を被る・訴訟に巻き込まれるリスク |
法令リスク | 各種取引上の契約等における順守違反や契約違反等に伴い罰則適用や損害賠償の影響を被るリスク、ZHDグループ企業もしくは従業員が法令違反を犯すリスク |
金融犯罪・マネーローンダリングリスク | サービスがマネーローンダリングに利用されるリスク、またはマネーローンダリング対策の不手際により監督官庁から指摘を受けるリスク |
投資リスク | 企業間の投融資、M&Aにおいて投資した資産の価値が変動し影響を被るリスク |
経済安全保障リスク | 事業に関連する特定の国や地域の政治・経済・社会情勢等の変化により影響を被るリスク |
環境・社会リスク | 事業が環境や社会に悪影響を与えてしまうリスク、または外的な社会環境の影響により事業が影響を被るリスク |
コーポレートガバナンスリスク | 自社又はグループ会社における重要な意思決定に関するガバナンスの枠組みが十分に整備されず、自社およびグループにおいて適時適切な意思決定が行われないリスク |
内部統制リスク | 社内の統制が不十分で適正な業務遂行が行えないリスク、過剰な統制を敷くことにより事業スピードを停滞させるリスク |
データガバナンスリスク | 保有するデータの管理や利活用に関連するリスク |
事業継続リスク | 自然災害やその他外的要因により事業やサービスの継続提供が困難となるリスク |
事務・品質リスク | サービスの運営や維持に必要なオペレーションや設計においてミスが発生する、または提供するサービスや商品において品質管理が行き届かずユーザーに影響を与えるリスク |
コンダクトリスク | ZHDグループ企業もしくは従業員が、法令違反ではないものの社会規範や商習慣に反する、またはユーザー視点の欠如した行為を犯すことにより財務的・社会的影響を被るリスク |
不正リスク | ZHDグループ企業もしくは従業員が不正を働く、または取引先企業・従業員の不正により財務的・社会的影響を被るリスク |
知的財産リスク | 知的財産権を侵害する・されるリスク、保有する産業財産権が後日無効化されるリスク、職務発明に関し従業員とトラブルになるリスク |
人的リスク | 人材リソースに関連するリスク、または従業員の生命・健康を脅かすリスク |
レピュテーションリスク | 悪評や風評の拡大により影響を被るリスク、またはメディア対応を失敗するリスク |
依存リスク | 業務運営において特定の外部取引先に過度に依存するリスク、それにより自社におけるノウハウの空洞化が起きるリスク |
業務委託リスク | 不適切な委託先の選定をするリスク、委託先において事故や不祥事が発生するリスク、偽装請負が発生するリスク |
有形資産リスク | 有形資産の毀損や執務環境等の質の低下等により損失を被るリスク |
・グループトップリスク
1.事業戦略リスク |
2.システムリスク |
3.情報セキュリティリスク |
4.経済安全保障リスク |
5.コーポレートガバナンスリスク |
6.内部統制リスク |
7.データガバナンスリスク |
8.事業継続リスク |
9.人的リスク |
1.事業戦略に関わるリスク
(1)市場優位性の失墜、業績悪化のリスク
当社グループの事業戦略として、中核企業であるLINE(株)およびヤフー(株)を中心とした「検索・ポータル」
「広告」「メッセンジャー」を「根幹領域」と定め推進するとともに、特に社会的課題が大きくインターネット
でその解決が見込める領域である「コマース」「ローカル・バーティカル」「Fintech(フィンテック)」「社会」
の4つを「集中領域」と定め、取り組んでいます。そのうち、社会的な重要度の高い「Fintech(フィンテック)」
の領域における戦略投資の一つとして、2022年10月にPayPay(株)を当社の連結子会社としました。さらに、それ
らの領域にデータやAI技術を掛け合わせることでシナジーを強固に創出するとともに、ユーザーの日常生活、企
業活動、そして社会自体をアップデートするサービスを提供していきます。しかしながら、これらのサービスの
事業性は、そのユーザー数、利用頻度、収益化能力等に大きく依存しています。さらに、ユーザーの嗜好の変化
は激しい為、市場の変動やニーズの的確な把握、 ニーズに対応する開発・提供等ができない可能性があります。
当社グループはこのような可能性の顕在化を低減させるべく、マーケティング、技術開発および教育への投資、
インテリジェンスおよび計数管理の機能強化といった総合的な施策を継続して行っています。また、事業の選択
と集中を推進し、グループ内重複事業の集約を推進しています。
(2)規制や制度変更により事業展開スピードへ影響するリスク
当社グループのヤフー(株)は、同社が提供するサービスである「Yahoo!ショッピング」および「Yahoo!広告」
について、特定デジタルプラットフォームの透明性および公正性の向上に関する法律に基づき特定デジタルプラ
ットフォーム提供者としての指定を受けています。同法により義務付けられる情報開示や自主的体制の整備に関
しては、外部有識者の意見も聴取し、一部は法施行に先行する形で積極的に対応しています。また、ヤフー(株)
に加えLINE(株)においても、高い透明性や公正性を意識し、継続的な改善を行っていきます。しかしながら、取
組が不十分であると政府から認定され同法に基づく行政措置の対象となった場合や、同法に基づき政府に提出す
る報告書が低い評価を受け、その評価結果が公表された場合、当社グループに対する取引先および一般ユーザー
からの評価や社会的評価が低下する可能性もあります。さらに、デジタルプラットフォームを提供する企業に対
して、より一層厳しい規制の対象としていくという諸外国の動向に鑑み、仮に日本国内でも規制が強化され、当
社グループ企業がその対象となった場合、当該企業の円滑な事業遂行が困難となる可能性があります。
(3)合併により期待される効果が得られないリスク
当社は、2022年度後半に入り市場環境が急速に悪化していること、業績を牽引してきた広告収益が急激に減退
していること等を踏まえ、グループ経営の意思決定の更なる迅速化を図ることを目的に、2023年度中を目途に当
社・LINE(株)・ヤフー(株)を中心とした合併方針を決定し、2023年4月よりCo-CEO体制から単独CEO体制へ移行し
ています。今後、当初に期待した合併の効果を十分に発揮できない場合には、展開するサービスの連携の不
調・遅れが発生し、戦略やシナジーに影響が出る、グループ会社間のストレスや合併に起因する混乱が問題発生
の一因となる等のリスクが生じる可能性があります。それらにより、当社グループの業務運営や業績、財政状態
に影響を与える可能性があります。
2.システムに関わるリスク
当社グループのサービスは、当社グループの関連会社、提携会社のシステムと連携して提供しており、一部の
システムの障害等により影響範囲が多岐に及ぶものが数多く存在します。大規模な障害発生により、当社のブラ
ンドイメージ低下や損害賠償を請求される可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。
このようなリスクを低減するために、ソフトウェア品質の強化、システム可用性の向上、システムオペレーショ
ン訓練等の安定したサービス提供への取り組み強化に努めています。
3.情報セキュリティに関わるリスク
(1)サイバーセキュリティに関わるリスク
当社グループでは、安心して利用できる安全なサービスをユーザーに提供するため、中長期的な視点で全社を
挙げて情報セキュリティの向上に取り組んでいます。しかしながら、これらの取り組みが及ばず、業務上の人為
的ミスや故意による不法行為、災害等によるシステム障害、マルウェア感染や標的型攻撃等のサイバー攻
撃、システムや製品等の脆弱性等により、情報漏洩、データの破壊や改ざん、サービスの停止等の被害等が発生
した場合、当社グループの業績に影響を与えるだけでなく、当社グループの信用失墜につながる可能性があ
ります。当社は、グループ会社の情報セキュリティを支援しています。具体的には、情報セキュリティ対策の仕
組みの共有や導入支援、脆弱性情報等情報セキュリティに関する情報の共有、各社の求めに応じて情報セキュ
リティ対策の相談対応等を行っています。また、グループ会社に対しては当社と同等の情報セキュリティ対策
を行うための規程の提供や第三者認証取得支援等の支援を行っています。さらに、当社グループでは、日々高
度化するサイバー攻撃等の脅威に備え、必要かつ前衛的な対策を取るべく必要十分な費用の確保に努めていま
す。しかしながら、想定以上のサイバー攻撃等の脅威が発生した場合には追加費用が発生し、当社グループの
業績に影響を与える可能性があります。
(2)通信の秘密に関わるリスク
当社グループのLINE(株)やヤフー(株)は、「LINE」「Yahoo!メール」等のサービスにおいて、通信内容等の通
信の秘密に該当する情報を取り扱っています。これらの取扱いの際は電気通信事業法に則り、情報セキュリティ
に対する取り組みのもと、適切な取扱いを行っています。しかしながら、これらの情報が「LINE」「Yahoo!メー
ル」等のサービスを提供するシステムの不具合や、マルウェア等の影響、通信設備等への物理的な侵入、当社グ
ループの関係者や業務提携・委託先等の故意または過失等によって侵害された場合、当社グループのブランド
イメージの低下や法的紛争に発展し、ユーザーの減少やサービスの停止や縮退に伴う損害賠償や売上収益減少等
による業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.経済安全保障に関わるリスク
当社グループは経済安全保障推進法の制度運用の開始を見据えて2022年10月に経済安全保障部を新たに設置
し、国内外の経済安全保障に関する情報収集、専門家との意見交換、経済安全保障リスクの抽出、特定等を進
め、当社グループ会社が経済安全保障推進法の適用対象となった場合には適切な対応ができるよう必要な準備を
しています。しかしながら、かかる対策や準備が有効に機能しない、あるいは取り組みが十分ではないと当局に
認定される等、経済安全保障推進法が定める国による審査に適切な対応ができなかった場合、当局からの当社
グループ会社に対する是正や中止の勧告、命令等の行政措置、それに伴う事業の一時停止、遅延、追加の設備
投資並びに追加の対策やコスト、当社グループ会社の信用の毀損が生じる可能性があります。その場合、当社グ
ループの事業、業績、社会的信用に影響を与える可能性があります。
5.コーポレートガバナンスに関わるリスク
(1)親会社の経営判断がビジネスへ影響を与えるリスク
当社グループは、主要株主であるAホールディングス(株)を連結子会社に持つソフトバンク(株)をはじめとす
るソフトバンクグループ内の各企業やAホールディングス(株)の主要株主であるNAVER Corporationおよびそのグ
ループ企業との間で取引を行っています。ソフトバンクグループ(株)やソフトバンク(株)、また、NAVER
Corporationは、その保有株数の構造上、当社の意思決定に影響力を及ぼし得る立場にあります。当社は社内規程
や独立社外取締役4名で構成されるガバナンス委員会等による監督の仕組みを整備・運用していますが、こうし
た仕組みが機能しない場合に、当社とそれらの会社との間で利益相反が生じ、当社の利益が損なわれる可能性
があります。また、ソフトバンクグループ各社やNAVER Corporationの事業戦略方針の変更等に伴い、当社グルー
プのサービスや各種契約内容への影響や、関係の変化が生じる可能性があり、その場合、当社グループのビジネ
スに影響を与える可能性があります。
(2)グループ内企業文化の違い等によりシナジー創出に影響が生じるリスク
当社グループでは、子会社の機能や重要性等に応じた適切な報告制度を整備することとし、上場をしていない
子会社(但し、金融持株会社等経営の独立性維持が必要な子会社を除く)との間では、関係会社管理に関する
社内規程に基づき、会社運営に関する協定書を締結し、当該子会社における重要な事項について、当社の承認ま
たは当社への報告を原則として事前に求めることとしています。しかしながら、グループ会社間の企業文化の違
い等により、このような仕組みが十分に機能しない場合、当社が子会社に関する重要な事項を適時に把握するこ
とが出来なくなることによって、的確な意思決定を行うことが出来ず、当社グループにおけるシナジーの創出が
阻害されるリスクがあります。
6.内部統制に関わるリスク
当社グループでは、業務上の人為的ミスやその再発、意思決定プロセスの潜脱等が起きることのないよう関連
する規程を定めているほか、取締役会内でも監査等委員4名全員を独立社外取締役として、経営の意思決定・業
務執行の監督を強化しています。また、代表取締役社長CEO直属の内部監査統括部を設置し運営することにより、
適法かつ適正な コーポレートガバナンスの強化を図っています。しかしながら、このようなガバナンス機能が想
定通りに機能せず、ガバナンス不全に陥った場合、或いは過剰な統制が整備されることにより事業展開スピード
を損なった場合、当社グループのブランドイメージや業績に影響を与える可能性があります。
7.データガバナンスに関わるリスク
多様かつ多軸な当社グループにおいて、各社へのガバナンスの実効性が及ばず事故や問題が生じる、体制の不
備により問題や事故が生じる一方で、ボトルネックが生じサービスのリリースの遅れ等につながる、等のリ
スクが生じる可能性があります。個別には以下のような例があります。LINE(株)との経営統合に伴い、当社グル
ープが個人情報をはじめとするデータを取り扱う量も飛躍的に増大しています。データの取り扱いに際して当社
は「分かりやすい説明」「国内法に基づく運用」「有識者による助言・評価」「プライバシー&セキュリティフ
ァースト」の4点を重視しつつ、その利活用を合理的・効率的にするためにデータガバナンス(データ資産管理
の統制)の確立を図っています。2022年度においてZホールディングスグループとしてデータプロテクション基
本方針を策定・公表するとともに、これにかかる取り組みをグループ会社に対して継続的に進めています。ま
た、2023年2月2日に公表したとおり、当社は当社ならびに当社の完全子会社であるLINE(株)およびヤフー(株)
を中心とした合併を行う方針であり、合併後の新会社において、事業会社たる当該新会社のデータガバナンスお
よび当該新会社のグループ会社全体のデータガバナンスが円滑かつ適切に機能するよう体制を整え、その強化に
取り組んでいきます。今後も個人情報の適切な取り扱いに関して当社グループ全体のガバナンスの強化に取り組
んでいきますが、かかる対策やガバナンス強化の施策が有効に機能しないことによる当局から当社グループへの
行政処分、当社グループの信用の毀損、当社グループのサービスへの需要の減少、追加の対策の策定・実施、ま
た、データの漏洩やその恐れとなる事象の発生等により、当社グループの社会的信用や業績等に影響を与える可
能性があります。
8.事業継続に関わるリスク
当社グループの事業は、地震等の自然災害、火災等の事故、広範囲な感染症の発生、それらによる、建造物の
破壊、ライフラインの停止、回線障害、都市機能の停止、入館禁止措置 等の影響を受けます。また当社グループ
の物的、人的資源の大部分は東京に集中しています。当社グループで は、システムの冗長化やデータセンターの
多重化、分散化等の環境整備を進めるとともに、こうした災害等の発生時には、速やかにかつ適切に全社的対応
を行うよう準備しています。しかしながら、事前の想定を大きく超える事故等である場合、業務継続、復旧計画
がうまく機能しない可能性があります。さらに、当社グループが所有する建物に起因する火災等の災害が発生し
た場合には、被害の収束、再建、周辺への補償等を含む対策により、業績等に影響がでる可能性があり、当社グ
ループの事業、業績、ブランドイメージ等に影響が出る可能性があります。
9.人材に関わるリスク
技術者の不足や意識の変化等により、サービス開発・運用が滞り、事業の成長が阻害される、データプロテ
クションやAI等の中長期的な成長を担う人材を適切に確保できない等、従業員や雇用に関わるリスクが生じる
可能性があります。当社グループの事業は、業務に関して専門的な知識、技術を有している役職員、いわゆる
キーパーソンに依存している部分があり、これらのキーパーソンが当社グループを退職した場合、事業の継続、
発展に一時的な影響が生じる可能性があります。また、各グループ会社において、今後の中長期的な業務拡大を
目的とする体制の強化や各種サービスの運用、品質向上のための増員が必要となりえますが、労働市場や社会意
識の変化により、それが適切になされない可能性があります。適切に増員がなされる場合にも、費用が増大し、
業績に影響を与える可能性があります。そのため当社グループでは、業界水準を参考にした適正賃金テーブルの
把握や目標評価制度等の実施による賃金レベルの相当性の確保、要員計画等での人員規模の適正性の確認に努め
ています。さらに、各グループ会社の事業特性および業種・職種を考慮した働き方の多様性を拡大するととも
に、グループ会社間での異動等各個人の活躍機会を創出すること等により、より多様な人材の活躍と、各個人お
よび組織の生産性やエンゲージメントの向上に結び付けています。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05000] S100QY1D)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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