有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100RS8Y (EDINETへの外部リンク)
E・Jホールディングス株式会社 研究開発活動 (2023年5月期)
当連結グループの研究開発は、株式会社エイト日本技術開発(以下「EJEC」という。)が主体的に実施しております。
当連結グループでは、多様化・高度化・複雑化する顧客ニーズに対し、質の高い技術サービス及び成果品を提供するため、新技術の修得・導入及び品質・生産性の向上を目指して外部の公的機関等との共同研究も積極的に取り入れながら、多面的な研究開発に取り組んでおります。
EJECの研究開発はデータサイエンス、インフラ技術、災害リスクの3分野からなりEJイノベーション技術センターおよび各事業部で実施しております。
当連結会計年度は、主として以下の活動を実施しております。
①データサイエンス分野
・業務のDX化に向けた技術開発
・三次元点群データの自然フィルタリング手法の開発
・構造物維持管理におけるDX開発
②インフラ技術分野
・LPデータ(航空レーザー測量データ)を活用した3D河道計画(多自然川づくり)の研究
・交通解析に関する支援技術の開発
・衛星画像活用に向けた技術開発
・携帯型三次元センシング技術の開発(関西大学等との共同研究)
・AIカメラ・IoTの活用に関する技術開発
・業務品質向上に向けた社内情報の利活用のための自然言語処理技術の開発
・河川港湾部門のDATA Visualization(データの可視化)適用に関する技術開発
・IoT・AIの業務への適用方法の研究開発
・PC橋(プレストレスト・コンクリート橋)の維持管理・更新に関する研究
・AIを活用した道路橋メンテナンスの効率化に関する共同研究(国立研究開発法人土木研究所との共同研究)
・港湾・漁港の健全度管理システム開発
・制振デバイス(ダンパー等)の非線形性が応答値に与える影響検証
③災害リスク分野
・STIV解析(時空間画像(動画)による流速解析)を用いた流量観測高度化
・SAR画像(人工衛星レーザー画像)など衛星データを活用したリモートセンシング技術による土砂災害検知技術の開発
・地すべり機構解析CIMモデル(3次元地形モデルを「バーチャル現場」として活用し、地すべり災害の状況をカラー点群データで再現したモデル)の作成及び活用の検討
・被害推定手法の高度化等に関する研究開発
・南海トラフ地震を見据えた事前復興に関する調査研究
・水槽模型実験を用いたため池堤体の降雨浸透に対する研究
・動的な破壊解析手法の検証~地盤材料への弾塑性理論の適用~
・土質定数データベースの構築とAIを用いた設計用土質定数設定プログラムの開発
・AUV(自律型無人潜水機)で取得した地形・水質データの高度利用に関する研究
・火山砂防・火山防災啓発事業に関する調査研究
・火山ハザードに関する調査研究
・干渉SAR(人工衛星レーザー画像を使った観測技術)によるインフラメンテ・災害監視システムに関する研究
研究成果
当連結会計年度に完了した主な研究開発活動の成果の概要を以下に示します。
・三次元点群データの自然フィルタリング手法の開発:BIM/CIM(3次元モデルを導入し、建設生産・管理システムの効率化・高度化を図る取り組み)で必要とされる三次元データの取得は数日で完了することが多いが、データ解析やフィルタリングには数週間を要す。また、フィルタリング技術の修得にも時間を要すため技術者の育成も十分でない現状を踏まえ、三次元点群データのフィルタリングに対応するソフトの調査や自動化・AI化の可能性の調査を行った。その結果、パラメータの調整により解析のスピードアップ、省力化、精度(品質)向上が図ることができることを確認した。
・SAR画像など衛星データを活用したリモートセンシング技術による土砂災害検知技術の開発:近年土砂災害が広域に発生していること、2020年に国総研から「SAR画像による土砂災害判読の手引き」が発表されていることを踏まえ、衛星データによる土砂災害状況の把握手法について検討した。衛星データによる土砂災害状況検知の精度は事象発生地域の地域性の特徴(地形、植生等)や発生時の観測状況に大きく左右されるため、本手法はあくまで次ステップの調査の手掛かりとなる一次調査と位置付けることが妥当であるとの認識を得た。
・衛星画像活用に向けた技術開発:干渉SARによる地表面変位計測技術により、市街地においては大規模盛土地域のうち危険度が高い地域の抽出、森林部においては地すべり等の危険度が高い地域の抽出を試みた。前者については計測した沈下量は既存の観察データと概ね一致し、さらなる検討が必要なものの危険度が高い大規模盛土地域を抽出できる可能性が確認できた。後者については効果的な計測条件の整理、精度検証等の課題が抽出できた。
・地すべり機構解析CIMモデルの作成及び活用の検討:2023年度より国交省業務においてBIM/CIMが原則適用され、今後三次元地すべり機構解析CIMモデルを用いた計画調査設計業務が増加することが見込まれる。これを受け、本研究では既往資料の収集整理、試行等により実業務に3次元地すべり機構解析CIMモデルを適用するに際しての課題抽出を行った。今後は抽出された各課題について個別に対応していく。
・携帯型三次元センシング技術の開発(関西大学等との共同研究):関西大学「携帯型三次元センシング技術開発コンソーシアム」に参加し安価な携帯型三次元点群計機器の開発に加わると同時に、EJECが所有する携帯型三次元点群計機器の効率的な活用について検討した。EJECが所有する機器はUAV(Unmanned Aerial Vehicle 通称ドローン)写真・レーザ測量における建物・樹木下の地形測量(補完測量)、三次元点群測量(地上レーザ計測)における補測計測(補備測量)、BIM/CIM等の業務に活用が期待できることを確認した。
・南海トラフ地震を見据えた事前復興に関する調査研究:四国管内では南海トラフ地震を見据えた事前復興の取組みが動き出しつつある。EJECでは事前復興関係業務の受注拡大をめざし宇和島市復興デザインの取り組み、えひめ建設技術防災連携研究会、事前復興に関する大学・コンサルタントとの合同勉強会等へ参加し、大学(東京大学、愛媛大学)、自治体等に高い技術力をアピールし関係を深めると同時に若手技術者の技術力向上を図った。
・制振デバイスの非線形性が応答値に与える影響検証:EJECは鋼橋技術研究会(会長:藤野陽三東京大学名誉教授)耐震設計部会に参画している。同部会では橋梁耐震解析の精度に関し検討を行っており、EJECは制振デバイスの設定方法が応答値に与える影響の検討を担当した。粘性ダンパー、鋼材せん断降伏系・軸降伏系ダンパーの非線形性が応答値に与える影響を検証し、制震デバイスを用いた耐震設計の実務で留意すべき事項を整理した。また、成果を土木学会「耐震シンポジウム」や雑誌「橋梁と基礎」に投稿した。これらの活動を通じて官民学各方面にEJECの技術力をアピールできたと同時に、耐震設計関係業務の受注拡大の足掛かりができた。
・港湾・漁港の健全度管理システム開発:地方港湾・漁港では定期的な深浅測量に基づき維持管理計画が作成され泊地・航路の維持浚渫工事が実施されるが、近年の波浪激甚化、台風の大型化、河川の異常出水の影響等により土砂堆積量の増大が顕著化し、入出港に支障をきたす状態となってから緊急浚渫となるケースが増加している。これを受け、気象・海象等のビッグデータを基としたAIにより港内の土砂移動を予測し、港湾・漁港の浚渫管理をサポートするシステムの開発を行った。鳥取県と協議の上、長和瀬漁港をモデルとしてシステムを構築しその精度(有効性)を確認した。今後は鳥取県内他港の管理システム構築業務の受注をめざす。
当連結会計年度における研究開発費用の総額は96百万円であります。なお、当連結グループのセグメントは「総合建設コンサルタント事業」のみであります。
当連結グループでは、多様化・高度化・複雑化する顧客ニーズに対し、質の高い技術サービス及び成果品を提供するため、新技術の修得・導入及び品質・生産性の向上を目指して外部の公的機関等との共同研究も積極的に取り入れながら、多面的な研究開発に取り組んでおります。
EJECの研究開発はデータサイエンス、インフラ技術、災害リスクの3分野からなりEJイノベーション技術センターおよび各事業部で実施しております。
当連結会計年度は、主として以下の活動を実施しております。
①データサイエンス分野
・業務のDX化に向けた技術開発
・三次元点群データの自然フィルタリング手法の開発
・構造物維持管理におけるDX開発
②インフラ技術分野
・LPデータ(航空レーザー測量データ)を活用した3D河道計画(多自然川づくり)の研究
・交通解析に関する支援技術の開発
・衛星画像活用に向けた技術開発
・携帯型三次元センシング技術の開発(関西大学等との共同研究)
・AIカメラ・IoTの活用に関する技術開発
・業務品質向上に向けた社内情報の利活用のための自然言語処理技術の開発
・河川港湾部門のDATA Visualization(データの可視化)適用に関する技術開発
・IoT・AIの業務への適用方法の研究開発
・PC橋(プレストレスト・コンクリート橋)の維持管理・更新に関する研究
・AIを活用した道路橋メンテナンスの効率化に関する共同研究(国立研究開発法人土木研究所との共同研究)
・港湾・漁港の健全度管理システム開発
・制振デバイス(ダンパー等)の非線形性が応答値に与える影響検証
③災害リスク分野
・STIV解析(時空間画像(動画)による流速解析)を用いた流量観測高度化
・SAR画像(人工衛星レーザー画像)など衛星データを活用したリモートセンシング技術による土砂災害検知技術の開発
・地すべり機構解析CIMモデル(3次元地形モデルを「バーチャル現場」として活用し、地すべり災害の状況をカラー点群データで再現したモデル)の作成及び活用の検討
・被害推定手法の高度化等に関する研究開発
・南海トラフ地震を見据えた事前復興に関する調査研究
・水槽模型実験を用いたため池堤体の降雨浸透に対する研究
・動的な破壊解析手法の検証~地盤材料への弾塑性理論の適用~
・土質定数データベースの構築とAIを用いた設計用土質定数設定プログラムの開発
・AUV(自律型無人潜水機)で取得した地形・水質データの高度利用に関する研究
・火山砂防・火山防災啓発事業に関する調査研究
・火山ハザードに関する調査研究
・干渉SAR(人工衛星レーザー画像を使った観測技術)によるインフラメンテ・災害監視システムに関する研究
研究成果
当連結会計年度に完了した主な研究開発活動の成果の概要を以下に示します。
・三次元点群データの自然フィルタリング手法の開発:BIM/CIM(3次元モデルを導入し、建設生産・管理システムの効率化・高度化を図る取り組み)で必要とされる三次元データの取得は数日で完了することが多いが、データ解析やフィルタリングには数週間を要す。また、フィルタリング技術の修得にも時間を要すため技術者の育成も十分でない現状を踏まえ、三次元点群データのフィルタリングに対応するソフトの調査や自動化・AI化の可能性の調査を行った。その結果、パラメータの調整により解析のスピードアップ、省力化、精度(品質)向上が図ることができることを確認した。
・SAR画像など衛星データを活用したリモートセンシング技術による土砂災害検知技術の開発:近年土砂災害が広域に発生していること、2020年に国総研から「SAR画像による土砂災害判読の手引き」が発表されていることを踏まえ、衛星データによる土砂災害状況の把握手法について検討した。衛星データによる土砂災害状況検知の精度は事象発生地域の地域性の特徴(地形、植生等)や発生時の観測状況に大きく左右されるため、本手法はあくまで次ステップの調査の手掛かりとなる一次調査と位置付けることが妥当であるとの認識を得た。
・衛星画像活用に向けた技術開発:干渉SARによる地表面変位計測技術により、市街地においては大規模盛土地域のうち危険度が高い地域の抽出、森林部においては地すべり等の危険度が高い地域の抽出を試みた。前者については計測した沈下量は既存の観察データと概ね一致し、さらなる検討が必要なものの危険度が高い大規模盛土地域を抽出できる可能性が確認できた。後者については効果的な計測条件の整理、精度検証等の課題が抽出できた。
・地すべり機構解析CIMモデルの作成及び活用の検討:2023年度より国交省業務においてBIM/CIMが原則適用され、今後三次元地すべり機構解析CIMモデルを用いた計画調査設計業務が増加することが見込まれる。これを受け、本研究では既往資料の収集整理、試行等により実業務に3次元地すべり機構解析CIMモデルを適用するに際しての課題抽出を行った。今後は抽出された各課題について個別に対応していく。
・携帯型三次元センシング技術の開発(関西大学等との共同研究):関西大学「携帯型三次元センシング技術開発コンソーシアム」に参加し安価な携帯型三次元点群計機器の開発に加わると同時に、EJECが所有する携帯型三次元点群計機器の効率的な活用について検討した。EJECが所有する機器はUAV(Unmanned Aerial Vehicle 通称ドローン)写真・レーザ測量における建物・樹木下の地形測量(補完測量)、三次元点群測量(地上レーザ計測)における補測計測(補備測量)、BIM/CIM等の業務に活用が期待できることを確認した。
・南海トラフ地震を見据えた事前復興に関する調査研究:四国管内では南海トラフ地震を見据えた事前復興の取組みが動き出しつつある。EJECでは事前復興関係業務の受注拡大をめざし宇和島市復興デザインの取り組み、えひめ建設技術防災連携研究会、事前復興に関する大学・コンサルタントとの合同勉強会等へ参加し、大学(東京大学、愛媛大学)、自治体等に高い技術力をアピールし関係を深めると同時に若手技術者の技術力向上を図った。
・制振デバイスの非線形性が応答値に与える影響検証:EJECは鋼橋技術研究会(会長:藤野陽三東京大学名誉教授)耐震設計部会に参画している。同部会では橋梁耐震解析の精度に関し検討を行っており、EJECは制振デバイスの設定方法が応答値に与える影響の検討を担当した。粘性ダンパー、鋼材せん断降伏系・軸降伏系ダンパーの非線形性が応答値に与える影響を検証し、制震デバイスを用いた耐震設計の実務で留意すべき事項を整理した。また、成果を土木学会「耐震シンポジウム」や雑誌「橋梁と基礎」に投稿した。これらの活動を通じて官民学各方面にEJECの技術力をアピールできたと同時に、耐震設計関係業務の受注拡大の足掛かりができた。
・港湾・漁港の健全度管理システム開発:地方港湾・漁港では定期的な深浅測量に基づき維持管理計画が作成され泊地・航路の維持浚渫工事が実施されるが、近年の波浪激甚化、台風の大型化、河川の異常出水の影響等により土砂堆積量の増大が顕著化し、入出港に支障をきたす状態となってから緊急浚渫となるケースが増加している。これを受け、気象・海象等のビッグデータを基としたAIにより港内の土砂移動を予測し、港湾・漁港の浚渫管理をサポートするシステムの開発を行った。鳥取県と協議の上、長和瀬漁港をモデルとしてシステムを構築しその精度(有効性)を確認した。今後は鳥取県内他港の管理システム構築業務の受注をめざす。
当連結会計年度における研究開発費用の総額は96百万円であります。なお、当連結グループのセグメントは「総合建設コンサルタント事業」のみであります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05706] S100RS8Y)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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