有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QI7E (EDINETへの外部リンク)
コクヨ株式会社 事業等のリスク (2022年12月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループはグループ経営を取り巻く様々なリスクを網羅的に把握・評価し、経営への影響を適切にコントロール(回避・低減・移転・受容)するリスクマネジメントの推進のため、代表取締役社長の諮問機関としてリスク委員会を設置し、リスクマネジメントに関わるテーマについて全社的な立場から審議し、代表取締役社長に答申しています。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 外部環境に関連するリスク
1)経済状況
当社グループの売上は概ね日本国内向けであり、日本国内の景気変動に伴う企業収益や設備投資、公共投資の動向により、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの販売生産、仕入の一部はアジアをはじめとした世界各地で行っており、今後、事業のグローバル化をより一層推進する方針です。そのため、各地域の政治経済・社会情勢の変化や各種規制、ESGを巡る潮流等影響が増大し、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、事業ポートフォリオ経営を掲げて複数事業セグメントを有しており、業界動向及び事業状況をモニタリングすることによって、適宜リソースシフトを行う体制を構築しております。また各現地法人とコクヨ本社が連携してそれぞれの国の政治、経済情勢等を的確に把握し、適切に対応する体制を構築しております。今後一層対応を強化する方針です。
2)市場環境
当社グループは、顧客にとって付加価値の高い商品開発や提案活動を進めておりますが、事業を展開する市場は景気変動や顧客の購買チャネルの変化等の影響を受けており、分散化やデジタル化の潮流の中にあって、競争はますます激しさを増していることから、当社グループの優位性の維持又は獲得が滞り、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、事業ポートフォリオ経営を掲げて複数事業セグメントを有しており、業界動向及び業績状況に応じて、経営資源の最適な配分を行っております。ますます激化する競争環境に係るリスクはしっかりと認識する一方で、それらのリスクをむしろチャンスと捉え、前例に固執することなく常に顧客満足を高めながら、より長期目線での経営を推進することによって、更なる成長に向けて取り組んでおります。
3)有価証券の時価変動
当社グループは、投資有価証券を保有しております。金融市場等の変動により投資有価証券の時価が悪化し、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、投資有価証券は四半期ごとの時価評価以外に定期的な検証を行い、売却や購入の検討をしております。特に政策保有株式については、個別銘柄ごとに定量的及び定性的な観点を踏まえた検証結果を取締役会に報告し、保有の意義が乏しいと判断される銘柄については売却又は縮減を検討しております。
(2) 事業運営に関連するリスク
1)法規制の遵守
当社グループは、商品の品質、取引関連、環境、労務、安全衛生、会計基準や税務など様々な法規制の適用を受けており、当社グループは、法規制を遵守し、社会倫理に従って企業活動を行うためのコンプライアンス体制の構築とその遵守に努めております。しかしながら、これら法規制等への違反が発見又は認定された場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に販売部門は業績目標達成のプレッシャーを感じる可能性があること、および一部の事業においては、顧客ニーズにあわせて納入物品や施工内容が随時変更され、売上計上時期や金額が当初契約時から変更となることが多いことから、意図的な売上計上の前倒しや架空売上が計上されるリスクが存在します。また、現行の法規制の変更や新たな法規制、今後の事業のグローバル化、事業領域の拡大により、遵守すべき法規制が追加された場合には、その対応のための投資や費用が必要になるなど、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、法規制を遵守し、社会倫理に従って企業活動を行うための「コクヨグループ行動基準」を制定し、教育・研修等を通じ、その遵守に努めております。また、法規制の改廃制定などに対して、その対応及び遵守状況の定期的な確認により、法令遵守を図っております。さらに、広く社員を対象とする社内サーベイによってコンプライアンスの遵守状況の確認を行っております。また、談合等の反競争的行為や贈賄の防止や反社会的勢力の排除等については、国内・海外子会社に対して定期的に教育・啓発活動を行っております。コンプライアンス推進体制としては、代表取締役社長の諮問機関である「リスク委員会」を設置して全社的な推進状況の把握を行うとともに、各関係会社役員会及びリスク・コンプライアンス委員会において、事業ごとのコンプライアンス遵守状況を確認しております。また、「J-SOX委員会」により財務報告に係る内部統制の評価及び監査を実施、モニタリングしております。
2)品質保証
当社グループの製品において、想定が難しい多様な環境での製品の使用などにより、リコールが発生する可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財務状況、さらに当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは国際規格であるISO9001に基づいた品質マネジメントシステムを構築し、それに従った製品及びサービスの設計・開発や製造及びサービス提供の管理を行い、品質チェック体制の整備を図り、品質監査を行うなど、製品・サービスの企画・開発からアフターサービスに至るまでバリューチェーン全体で品質の向上に努めております。リコールが発生した場合のリコール費用及び製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、損失額を全て賄える保証はなく、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
3)購買調達
当社グループが主に使用する原材料は原紙、樹脂、鋼材等であり、これらは国内外の調達先から購入しております。当社が調達先から購入する原材料や仕入商品の価格は、世界的な需給動向や為替変動による影響を受けており、需給動向や為替レートの変動が長期に及んだ場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、ESG観点に基づく社会的要請により、サプライチェーン上の人権状況のチェックや環境への配慮について、より高度な対応が求められており、調達先に対応の不備があれば、原材料の調達停止による当社グループの経営成績及び財務状況への影響だけでなく、社会的評価に悪影響を及ぼす可能性もあります。
これに対し当社グループは需給動向や為替レートの変動については、短期的には海外調達先との外貨建取引の一部については為替予約を行うとともに、中期的には原材料の現地調達比率の適正化や調達先の複数化などにより、需給動向や為替レートの変動リスクの低減に取り組んでおります。また、原材料の調達については、調達先との信頼関係を構築し相互発展を目指すために、「サステナブル調達方針」を制定し、人権尊重や環境保全などの社会的責任を果たし、社会の発展に寄与することに努めております。
4)人材及び労務
当社グループは、持続的な成長を実現するために、有能な人材の確保が重要な経営戦略の一つであると認識し、その採用・育成に努めています。しかしながら、各分野での有能な人材は限られており、人材確保における競争は激化しています。こうした状況下で在籍している従業員の流出が進み有能な人材の獲得ができない場合は、当社グループの将来の成長が阻害される可能性があります。
また、労働環境の維持、向上が経営戦略に重要な影響を及ぼすと認識し、多様性を尊重し、働きやすい職場環境の維持、向上に努めています。しかしながら、各施策が計画通りに進捗せず、労働災害や健康被害、ハラスメント等が発生した場合には、業務パフォーマンスの悪化や労災補償、ブランド価値の毀損が発生し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループでは、「事業と人材の同時成長」を基本方針として、上司と部下の対話を通じた目標設定とその達成度の評価により社員一人ひとりの特性に応じた能力向上を後押ししています。また、事業戦略に合わせた全体最適の適所適材による人材配置や、社内副業(20%チャレンジ)といった新たなチャレンジの機会を提供することで、事業の変革や創出を牽引するリーダーを育成するとともに、社内の人材の流動性を高めて多様な人材が活躍する新たな機会を増やしています。
併せて、安心・安全で快適な職場づくりや災害時の安全対策などは、社員が生き生きと働き、能力を発揮するための基盤であると考え、安全衛生のグループ統括機能である「コクヨグループ中央安全衛生委員会」が中心となり、各事業所の安全衛生委員会を結び、社員と活発な意見交換をしながら、仕組みや体制を整えています 。
これらの活動のなかで職場内では相談・解決し難いものについて相談できる窓口として「コクヨグループホットライン」を設置しています。日本国内だけでなく、海外拠点におけるコクヨグループ社員も利用できるグローバル対応の制度として、運用を行っています。
5)情報セキュリティ
当社グループは、事業上の機密情報や事業の過程で入手した顧客情報や個人情報を保有しております。それらの情報に関して、当社グループの想定を超えるウィルス感染やサイバー攻撃等により、重要データの破壊、改ざん、流出、システム停止等を引き起こす可能性があり、その脅威は年々高まっております。また、在宅やリモートワークなど多様な働き方により、影響の範囲は大きくなっております。その結果、これらが発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、これら情報の取扱いに関するルールを整備し、社員をはじめ委託先を含む関係者への教育・啓発活動の推進に加え、高度化する社外からの脅威に応じそれら対策の強化を行っております。また、運営する情報システムへのウィルス感染やサイバー攻撃によるシステム障害、社外への情報漏洩に対する虚弱性を定期的に診断し、対策を行っております。
6)企業に対する出資等
当社グループは、持続的に企業価値を向上させていくために企業に対するM&Aや出資等を行っております。その実施にあたっては、事前に対象企業の財務内容や契約内容等の審査を行い、リスクを検討したうえで決定しております。また、出資後は利益計画等の達成状況や、資産価値についての定期的なモニタリングを実施しております。しかしながら、事業環境の変化等により、当初想定していた成果が得られないと判断された場合には、有形固定資産やのれん等の無形固定資産、投資有価証券の減損損失を認識することにより、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、減損損失の発生リスクを低減するために、外部アドバイザーからの知見も取り入れながら、投資案件の審査プロセスやモニタリングプロセスを運用し、その継続的な改善に取り組んでおります。また、投資推進に関連する組織へのM&Aや出資に係る知見の蓄積、及び一般社員への教育・啓発活動を通じて、投資に係る能力の向上に努めております。
(3) その他リスク
1)自然災害、感染症等
当社グループは、国内外に事業所や工場を有しております。近年の気候変動に伴う自然災害の大規模化や、これまでに類を見ない感染症の発生などによる想定を超える規模の被害や、広域での社会インフラの停止なども考えられます。このような災害や感染症などが発生した場合のリスク全てを回避することは困難であるため、これらが発生した場合、事業活動の一部停止や縮小など、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、このような自然災害や感染症などの発生に備え、事業の継続や早期復旧を図るために必要な対策・手順について計画を立て、危機管理の徹底に取り組んでおります。また、計画内容は継続的に精査・見直しを行い、その実効性を担保するようにしております。自然災害については、施設・業務に安全対策を講じることで危機の事前回避と災害対策品の備蓄・保険等の付保により危機発生時における対応力の向上に努めております。感染症については、顧客と社員の安全を図りつつ、事業活動への影響を最小限にとどめるよう努めております。
特に、日本を含む全世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響はワクチン接種の拡大などにより徐々に緩和され、当社グループの事業活動における影響も同様に緩和されつつあるものの、引き続き不透明な状況が続くものと見込んでおります。また、今後の景気動向の見通しも非常に不透明で、景気の悪化が全世界的に長期にわたる可能性があります。これに対して当社グループは、早期に代表取締役社長を本部長とする新型肺炎対策本部を設置し、「顧客と社員・パートナーの安全の優先」と「社会への感染拡大防止への協力」を目的とした対策を進めております 。
社員の安全確保のガイドラインを策定し、働く場所やコミュニケーション方法を柔軟に使い分けることで政府・社会からの要請に応えると共に、オフィスにおいては、引続き社会的距離の確保、日常清掃、消毒、マスク着用等の感染予防策を徹底しております。
当社グループは引続き顧客及び社員・パートナーの安心安全を第一に、社会インフラを提供する企業として事業継続との両立を目指し取り組んでおります。
なお、当社グループはグループ経営を取り巻く様々なリスクを網羅的に把握・評価し、経営への影響を適切にコントロール(回避・低減・移転・受容)するリスクマネジメントの推進のため、代表取締役社長の諮問機関としてリスク委員会を設置し、リスクマネジメントに関わるテーマについて全社的な立場から審議し、代表取締役社長に答申しています。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 外部環境に関連するリスク
1)経済状況
当社グループの売上は概ね日本国内向けであり、日本国内の景気変動に伴う企業収益や設備投資、公共投資の動向により、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの販売生産、仕入の一部はアジアをはじめとした世界各地で行っており、今後、事業のグローバル化をより一層推進する方針です。そのため、各地域の政治経済・社会情勢の変化や各種規制、ESGを巡る潮流等影響が増大し、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、事業ポートフォリオ経営を掲げて複数事業セグメントを有しており、業界動向及び事業状況をモニタリングすることによって、適宜リソースシフトを行う体制を構築しております。また各現地法人とコクヨ本社が連携してそれぞれの国の政治、経済情勢等を的確に把握し、適切に対応する体制を構築しております。今後一層対応を強化する方針です。
2)市場環境
当社グループは、顧客にとって付加価値の高い商品開発や提案活動を進めておりますが、事業を展開する市場は景気変動や顧客の購買チャネルの変化等の影響を受けており、分散化やデジタル化の潮流の中にあって、競争はますます激しさを増していることから、当社グループの優位性の維持又は獲得が滞り、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、事業ポートフォリオ経営を掲げて複数事業セグメントを有しており、業界動向及び業績状況に応じて、経営資源の最適な配分を行っております。ますます激化する競争環境に係るリスクはしっかりと認識する一方で、それらのリスクをむしろチャンスと捉え、前例に固執することなく常に顧客満足を高めながら、より長期目線での経営を推進することによって、更なる成長に向けて取り組んでおります。
3)有価証券の時価変動
当社グループは、投資有価証券を保有しております。金融市場等の変動により投資有価証券の時価が悪化し、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、投資有価証券は四半期ごとの時価評価以外に定期的な検証を行い、売却や購入の検討をしております。特に政策保有株式については、個別銘柄ごとに定量的及び定性的な観点を踏まえた検証結果を取締役会に報告し、保有の意義が乏しいと判断される銘柄については売却又は縮減を検討しております。
(2) 事業運営に関連するリスク
1)法規制の遵守
当社グループは、商品の品質、取引関連、環境、労務、安全衛生、会計基準や税務など様々な法規制の適用を受けており、当社グループは、法規制を遵守し、社会倫理に従って企業活動を行うためのコンプライアンス体制の構築とその遵守に努めております。しかしながら、これら法規制等への違反が発見又は認定された場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に販売部門は業績目標達成のプレッシャーを感じる可能性があること、および一部の事業においては、顧客ニーズにあわせて納入物品や施工内容が随時変更され、売上計上時期や金額が当初契約時から変更となることが多いことから、意図的な売上計上の前倒しや架空売上が計上されるリスクが存在します。また、現行の法規制の変更や新たな法規制、今後の事業のグローバル化、事業領域の拡大により、遵守すべき法規制が追加された場合には、その対応のための投資や費用が必要になるなど、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、法規制を遵守し、社会倫理に従って企業活動を行うための「コクヨグループ行動基準」を制定し、教育・研修等を通じ、その遵守に努めております。また、法規制の改廃制定などに対して、その対応及び遵守状況の定期的な確認により、法令遵守を図っております。さらに、広く社員を対象とする社内サーベイによってコンプライアンスの遵守状況の確認を行っております。また、談合等の反競争的行為や贈賄の防止や反社会的勢力の排除等については、国内・海外子会社に対して定期的に教育・啓発活動を行っております。コンプライアンス推進体制としては、代表取締役社長の諮問機関である「リスク委員会」を設置して全社的な推進状況の把握を行うとともに、各関係会社役員会及びリスク・コンプライアンス委員会において、事業ごとのコンプライアンス遵守状況を確認しております。また、「J-SOX委員会」により財務報告に係る内部統制の評価及び監査を実施、モニタリングしております。
2)品質保証
当社グループの製品において、想定が難しい多様な環境での製品の使用などにより、リコールが発生する可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財務状況、さらに当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは国際規格であるISO9001に基づいた品質マネジメントシステムを構築し、それに従った製品及びサービスの設計・開発や製造及びサービス提供の管理を行い、品質チェック体制の整備を図り、品質監査を行うなど、製品・サービスの企画・開発からアフターサービスに至るまでバリューチェーン全体で品質の向上に努めております。リコールが発生した場合のリコール費用及び製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、損失額を全て賄える保証はなく、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
3)購買調達
当社グループが主に使用する原材料は原紙、樹脂、鋼材等であり、これらは国内外の調達先から購入しております。当社が調達先から購入する原材料や仕入商品の価格は、世界的な需給動向や為替変動による影響を受けており、需給動向や為替レートの変動が長期に及んだ場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、ESG観点に基づく社会的要請により、サプライチェーン上の人権状況のチェックや環境への配慮について、より高度な対応が求められており、調達先に対応の不備があれば、原材料の調達停止による当社グループの経営成績及び財務状況への影響だけでなく、社会的評価に悪影響を及ぼす可能性もあります。
これに対し当社グループは需給動向や為替レートの変動については、短期的には海外調達先との外貨建取引の一部については為替予約を行うとともに、中期的には原材料の現地調達比率の適正化や調達先の複数化などにより、需給動向や為替レートの変動リスクの低減に取り組んでおります。また、原材料の調達については、調達先との信頼関係を構築し相互発展を目指すために、「サステナブル調達方針」を制定し、人権尊重や環境保全などの社会的責任を果たし、社会の発展に寄与することに努めております。
4)人材及び労務
当社グループは、持続的な成長を実現するために、有能な人材の確保が重要な経営戦略の一つであると認識し、その採用・育成に努めています。しかしながら、各分野での有能な人材は限られており、人材確保における競争は激化しています。こうした状況下で在籍している従業員の流出が進み有能な人材の獲得ができない場合は、当社グループの将来の成長が阻害される可能性があります。
また、労働環境の維持、向上が経営戦略に重要な影響を及ぼすと認識し、多様性を尊重し、働きやすい職場環境の維持、向上に努めています。しかしながら、各施策が計画通りに進捗せず、労働災害や健康被害、ハラスメント等が発生した場合には、業務パフォーマンスの悪化や労災補償、ブランド価値の毀損が発生し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループでは、「事業と人材の同時成長」を基本方針として、上司と部下の対話を通じた目標設定とその達成度の評価により社員一人ひとりの特性に応じた能力向上を後押ししています。また、事業戦略に合わせた全体最適の適所適材による人材配置や、社内副業(20%チャレンジ)といった新たなチャレンジの機会を提供することで、事業の変革や創出を牽引するリーダーを育成するとともに、社内の人材の流動性を高めて多様な人材が活躍する新たな機会を増やしています。
併せて、安心・安全で快適な職場づくりや災害時の安全対策などは、社員が生き生きと働き、能力を発揮するための基盤であると考え、安全衛生のグループ統括機能である「コクヨグループ中央安全衛生委員会」が中心となり、各事業所の安全衛生委員会を結び、社員と活発な意見交換をしながら、仕組みや体制を整えています 。
これらの活動のなかで職場内では相談・解決し難いものについて相談できる窓口として「コクヨグループホットライン」を設置しています。日本国内だけでなく、海外拠点におけるコクヨグループ社員も利用できるグローバル対応の制度として、運用を行っています。
5)情報セキュリティ
当社グループは、事業上の機密情報や事業の過程で入手した顧客情報や個人情報を保有しております。それらの情報に関して、当社グループの想定を超えるウィルス感染やサイバー攻撃等により、重要データの破壊、改ざん、流出、システム停止等を引き起こす可能性があり、その脅威は年々高まっております。また、在宅やリモートワークなど多様な働き方により、影響の範囲は大きくなっております。その結果、これらが発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、これら情報の取扱いに関するルールを整備し、社員をはじめ委託先を含む関係者への教育・啓発活動の推進に加え、高度化する社外からの脅威に応じそれら対策の強化を行っております。また、運営する情報システムへのウィルス感染やサイバー攻撃によるシステム障害、社外への情報漏洩に対する虚弱性を定期的に診断し、対策を行っております。
6)企業に対する出資等
当社グループは、持続的に企業価値を向上させていくために企業に対するM&Aや出資等を行っております。その実施にあたっては、事前に対象企業の財務内容や契約内容等の審査を行い、リスクを検討したうえで決定しております。また、出資後は利益計画等の達成状況や、資産価値についての定期的なモニタリングを実施しております。しかしながら、事業環境の変化等により、当初想定していた成果が得られないと判断された場合には、有形固定資産やのれん等の無形固定資産、投資有価証券の減損損失を認識することにより、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、減損損失の発生リスクを低減するために、外部アドバイザーからの知見も取り入れながら、投資案件の審査プロセスやモニタリングプロセスを運用し、その継続的な改善に取り組んでおります。また、投資推進に関連する組織へのM&Aや出資に係る知見の蓄積、及び一般社員への教育・啓発活動を通じて、投資に係る能力の向上に努めております。
(3) その他リスク
1)自然災害、感染症等
当社グループは、国内外に事業所や工場を有しております。近年の気候変動に伴う自然災害の大規模化や、これまでに類を見ない感染症の発生などによる想定を超える規模の被害や、広域での社会インフラの停止なども考えられます。このような災害や感染症などが発生した場合のリスク全てを回避することは困難であるため、これらが発生した場合、事業活動の一部停止や縮小など、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対し当社グループは、このような自然災害や感染症などの発生に備え、事業の継続や早期復旧を図るために必要な対策・手順について計画を立て、危機管理の徹底に取り組んでおります。また、計画内容は継続的に精査・見直しを行い、その実効性を担保するようにしております。自然災害については、施設・業務に安全対策を講じることで危機の事前回避と災害対策品の備蓄・保険等の付保により危機発生時における対応力の向上に努めております。感染症については、顧客と社員の安全を図りつつ、事業活動への影響を最小限にとどめるよう努めております。
特に、日本を含む全世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響はワクチン接種の拡大などにより徐々に緩和され、当社グループの事業活動における影響も同様に緩和されつつあるものの、引き続き不透明な状況が続くものと見込んでおります。また、今後の景気動向の見通しも非常に不透明で、景気の悪化が全世界的に長期にわたる可能性があります。これに対して当社グループは、早期に代表取締役社長を本部長とする新型肺炎対策本部を設置し、「顧客と社員・パートナーの安全の優先」と「社会への感染拡大防止への協力」を目的とした対策を進めております 。
社員の安全確保のガイドラインを策定し、働く場所やコミュニケーション方法を柔軟に使い分けることで政府・社会からの要請に応えると共に、オフィスにおいては、引続き社会的距離の確保、日常清掃、消毒、マスク着用等の感染予防策を徹底しております。
当社グループは引続き顧客及び社員・パートナーの安心安全を第一に、社会インフラを提供する企業として事業継続との両立を目指し取り組んでおります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00670] S100QI7E)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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