有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100R1TC (EDINETへの外部リンク)
大日本印刷株式会社 研究開発活動 (2023年3月期)
DNPグループは、新規事業の創出・新製品開発から生産技術の開発に至るまで、幅広い研究開発活動を続けており、その活動は事業活動の原動力として機能しております。
DNPグループの研究開発は、研究開発・事業化推進センター、技術開発センター、AB(アドバンストビジネス)センター及び各事業分野の開発部門を中心に推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は32,480百万円、3つの事業部門に関する研究開発費が12,237百万円、各事業部門に配分することができない本社開発部門等の費用が20,243百万円です。
当連結会計年度における各事業部門の主な研究開発とその成果は次のとおりです。
(1) 情報コミュニケーション部門
コンテンツ分野では、アニメ市場のグローバル成長が期待されていますが、制作負荷の高さからアニメ化が進まない優れたマンガが存在しています。そのため、マンガ原稿の活用により制作負荷を大幅に低減できる独自のアニメーション制作フロー「ライトアニメ」を開発しました。この制作フローを軸に、マンガを中心としたコンテンツの創出・制作・変換を支援する「Manga Creative Studio」を構築し、デジタルシフトが進むコンテンツ市場の発展を支援していきます。
認証・セキュリティ分野では、社用車の安全運転管理に関して管理者の負担軽減や安全管理の精度向上を狙いとしたシステム化が進んでいます。そこで、電子鍵の不正な取得を防止する認証・セキュリティの機能が組み込まれた「デジタルキープラットフォーム」を活用し、社用車の効率的な管理を支援する「社用車管理サービス」を開発しました。モビリティやスマートシティ等の領域で、認証・セキュリティの機能を拡充して、ヒトとモノの移動を安全・安心に支えるサービスを推進していきます。
BPO(Business Process Outsoursing)分野では、接客現場におけるBPOサービスの派遣スタッフの折衝力や対応力などのスキル標準化が課題となっています。そのため、人の多様な行動や振る舞いを統合的に捉え、人の特徴・状態・関心等を推定し把握する「行動認識AI(人工知能)」を本BPOサービスに導入しました。接客スタッフをはじめとする来訪者の行動データの収集・蓄積・分析を通して、派遣スタッフのパフォーマンスやエンゲージメントの向上を実現していきます。
XRコミュニケーション分野では、地域活性化のための課題解決や魅力向上にデジタル技術の活用が図られています。そのため、リアルとバーチャルを融合する「XR(Extended Reality)」の技術を活用し、自治体や施設管理者公認のメタバースやCG空間を構築・運用する「地域共創型XRまちづくり」の事業を推進しています。地域の課題解決につながる空間開発や機能設計により、リアルな空間との連動を強化することで体験価値向上を図り、地域活性化を目指します。
イメージングコミュニケーション分野では、「写真」の価値を高める撮影サービスの提供や証明写真画像の活用が図られています。証明写真機「Ki-Re-i」を活用したリアルな撮影とイベントや観光地でのバーチャル背景とを融合させた新たなフォトプリント体験の提供や、マイナンバー申請が可能な機種「ID-Spot」を拡充しました。
当部門に係る研究開発費は2,263百万円です。
(2) 生活・産業部門
包装分野では、脱アルミの動きが加速しています。そのため、「DNP透明蒸着フィルムIB-FILM®」の開発・提供で培った技術・ノウハウを応用して、高いバリア性を有するハイバリアアルミ蒸着フィルムを開発しました。酸素・水蒸気バリア性と遮光性が一般的なアルミ蒸着フィルムと比較して大幅に向上できたため、アルミ箔の代替品として使用でき、材料調達時、製造時を合わせたサプライチェーンでCO2排出量の削減に繋がります。今後も独自の材料加工技術を生かして、バリア性や耐熱性、強度などの性能を高めた製品ラインナップを充実させ、環境配慮製品・サービスの開発を進めていきます。
生活空間分野では、DNPの印刷・塗装技術を生かした化粧金属板で、鋼製ドア・エレベーター・間仕切りのほか、医療施設・高齢者施設の内装等で、幅広い用途で使用されるエリオ鋼板において、PIAJ製品認証(※)を取得した抗ウイルス製品を「DNP抗菌・抗ウイルスマテリアル『Pure Effects®』」のラインアップに加えました。これからも「安全・安心」と「環境配慮」に加え、「衛生」に配慮した取り組みを推進していきます。
※PIAJ製品認証とは、光触媒工業会が性能、利用方法等が適切であることを認めた光触媒製品に与える製品認証制度です。
モビリティ分野では、既存のガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトを加速する技術として、非接触でEVに充電するワイヤレス充電技術が注目を集めています。DNP、ダイヘン、双日の3社は、DNPが開発した「ワイヤレス充電用シート型コイル」を搭載した車両側受電コイルおよび地上側送電コイル設備のシステム化に成功しました。2023年2月にワイヤレス充電機能を搭載した商用EVでは国内初となる改造車登録の認可を軽自動車検査協会より取得し、実用化に向け公道での走行を開始しました。
高機能マテリアル分野では、透明蒸着バリアフィルムを使用した中身の視認性と防錆機能を両立した包装材を開発し、2022年12月に開催された「サステナブルマテリアル展」に出展しました。金属製の部品等が長期間の保管や輸出の際に温度・湿度の影響で錆が発生する課題を解決するため、防錆添加剤を使用せず、中身の視認性と防錆機能を両立した包装材となります。部品の脱脂・洗浄が不要なため、洗浄剤や水の削減に繋がり、工程の環境負荷を低減できるとともに、透明性があるため保管・輸送中の検査で開梱せずに検査をすることが可能となります。
当部門に係る研究開発費は1,605百万円です。
(3) エレクトロニクス部門
データ流通量の急拡大を背景に、異なる複数の半導体チップを1つの基板上に高密度で実装して性能向上を実現する次世代半導体パッケージが注目されています。そのため、高密度実装用基板として、“TGV(Through Glass Via:ガラス貫通電極)ガラスコア基板”を開発しました。基板の表裏の配線を接続するために貫通孔の内壁に金属膜を薄く形成する「コンフォーマルタイプ」で、ガラスコア基板の板厚の制約が少ない特長を有します。開発済みのガラス貫通孔に銅を埋め込む「充填タイプ」に加えて、今回開発した「コンフォーマルタイプ」も製造プロセスの大型化が可能で、パネルサイズ約50cm角へのスケールアップを進めます。
道路区画線整備の工事で基準線・区画線等を路面上に表示する用途や、高速道路の規制工事でスムーズな車線変更を促すために表示する用途で、明るく明瞭なパターンを投影する要望があります。このような作業の効率化やコスト削減、車線誘導技術などのニーズの高まりに対して、多様な光制御技術を駆使し、遠方まで光で線や矢印などさまざまなパターンを明瞭に表示できるパターンライトを開発し、試験販売を開始しました。
当部門に係る研究開発費は8,367百万円です。
(4) 飲料部門
該当事項はありません。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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