有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100R4Z0 (EDINETへの外部リンク)
チッソ株式会社 研究開発活動 (2023年3月期)
「事業部門の開発支援により早期業績回復に貢献するとともに、未来をかえる新しい価値を発見し、社内外の技術を活用した環境負荷低減に貢献する新規ビジネスを成長領域に立上げる。」を研究開発方針に掲げ、①業績回復にレバレッジが効く技術開発支援、②保有技術を活かした、既存事業分野と連続性のある新規テーマの開発(技術の横展開)、③成長領域(半導体・情報通信産業)における環境負荷低減に貢献する新規テーマの設定と新規事業の創出、④シリコン、ライフケミカル事業の拡大に向けた基盤技術開発、に取り組んでいます。当連結会計期間末における研究開発要員はグル-プ全体で171名、研究開発費は3,439百万円でした。
セグメントごとの研究開発の概要は以下のとおりです。
(1)機能材料事業
機能材料事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)ディスプレイ材料及び周辺材料の研究開発
b)ディスプレイ以外の用途に向けた液晶材料の研究開発
c)プリンテッド・エレクトロニクス材料の研究開発
d) シリコン化合物の研究開発及び生産技術開発
当社グループの液晶材料は、TV用ディスプレイやPCモニター、ノートPC及びタブレット端末などのIT用ディスプレイ、車載用製品といった様々な製品に採用されています。液晶材料市場において中国メーカーとの競争が一段と激化する中、IT用途や車載用途などの高いコントラスト、透過率、信頼性が求められるハイエンド製品を対象とした研究開発を進めており、今後の市場展開を見据えて、コスト・プロセスの両面で更なる顧客利便性を実現する製品の開発を進めています。
有機EL材料では、スマートフォン用途に続いてTV用ディスプレイに採用が決まり、製品化が進んでいます。韓国SK Materials社と共同で設立した開発、製造、販売の合弁会社であるSK Materials JNC社は、韓国(東灘)及び日本(千葉)の2拠点体制により、最大手顧客のニーズに対し迅速に応える開発体制を整えました。今後、発光材料に加えて、共通材料の開発及び事業化を推進することで、事業価値の向上に努めてまいります。
光配向膜材料では、新規材料の開発を通じ、高透過率、高コントラスト、高信頼性等の高機能特性を有する材料の供給体制の構築を進めています。
液晶ディスプレイ材料の研究開発活動と並行して、異方性の特性を持つ液晶をディスプレイ以外の用途に展開することを目的とした研究開発を進めています。具体的には、液晶の光の遮断機能を活用したスマート・ウィンドウ、光変調素子、AR/VRデバイスといった用途で実用化が始まっています。また、重合性液晶材料は、重合性モノマーと液晶の性質を併せ持つことから、液晶の配向の固定化が可能であり、今後の次世代光学素子デバイスの開発に向けて評価をいただいています。
プリンテッド・エレクトロニクス材料では、既に採用されているフィルムセンサー、コンデンサー用途での採用拡大と、半導体及びフレキシブルプリント基板向け絶縁膜の開発に注力しており、顧客評価が進んでいます。
シリコン化合物では、EV向け放熱材用途として反応性シリコーンの開発を行い、採用が始まっています。シリコン系LED用封止材では、新しい用途に向けた材料としてユーザー評価が増加し、機能性向上を目指した開発体制を強化しています。環境に配慮したコーティング材料用途では新たな化合物開発を行い顧客評価が進んでおり、安定供給体制の構築も含めて、グローバル市場への展開に向け開発体制を強化しています。
(2)加工品事業
加工品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能複合繊維の開発及び不織布の開発
b)肥効調節型肥料の開発
繊維・不織布関連では、高機能複合繊維の開発と、エアスルー不織布・エレクトロスピニング法を用いたナノ繊維不織布や、これらの不織布を用いた複合製品の開発及び生産技術開発を推進し、衛生材料分野、産業資材分野等において新製品の提案に取り組んでいます。
エアスルー不織布では、孔開け不織布や格子状などの模様を付けた賦形不織布を試作し、肌触りや通気性の良い不織布の開発を行っています。また、環境負荷の低減を目指し、バイオ原料を使用して開発した高機能複合繊維は、一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマーク商品認定を得ています。
肥効調節型肥料は、新機能を付与した製品の量産化と拡販を進めています。
(3)化学品事業
化学品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)受託を軸とした高機能有機化学品の研究開発及び生産技術開発
b)最新の触媒技術を駆使した老朽化設備への対応
c)ライフケミカル製品の開発
化学品では、社内コア技術及び保有設備を活用し、電子情報材料、環境対応香料、省エネルギー及び環境保全をターゲットとした機能性化学品のユーザー評価が進んでいます。テーマ推進のスピードアップを図るため、優先度の高いテーマは各事業所で要員を傾斜投入し、事業所の壁を越えて役割分担を明確にしながらテーマを進めており、特に電子情報材料の受託可否判断、ユーザーへの供試サンプル供給の迅速化に寄与しております。また、近年の化学品の法規制は厳しさを増す一方ですが、これらの法規制に対応した取り組みも行っています。この他、高度成長期に設置された日本の製造設備は設置後60年を超えるものも見られ、当社グループが保有する設備についても老朽化対策が課題となっていますが、当社グループでは、設備の反応条件等の見直しや最新の触媒技術による低コストでの設備更新の検討を行っています。
ライフケミカル製品では、バイオ医薬品原料を精製するためのクロマトグラフィー充填剤(商品名:セルファイン®)を展開しています。精製工程で使用されるクロマトグラフィー充填剤の全てを自社製品として販売しており、新型コロナウイルスのワクチン製造に関連してグローバルに採用されるなど、新たな適用拡大へ向けた開発が進んでいます。また、抗体医薬精製用ではプロテインA担体(製品名:セルファイン®SPA-HC)に加え、新規クロマトグラフィー充填剤の市場投入を開始します。更に、近年の遺伝子治療の需要の高まりを受け、ウイルスベクター精製用クロマトグラフィー充填剤としてのアプリケーション拡充を図っています。微生物検査用のシート培地は、グレード開発を継続しています。天然系食品保存料であるポリリジンはコロナ禍に伴う公衆衛生、更にはナチュラル素材への市場要望から、食品保存剤でのノウハウを生かし、安全性の高い天然系抗菌剤としてのアプリケーション開発を進めています。
(4)コーポレートテーマ
機能材料事業、加工品事業、化学品・ライフケミカル事業、エネルギー・環境事業をターゲットとした新規用途、新商品の開発を推進しています。保有技術を生かしたテーマとして、人工・合成皮革向けのコート液、セパレータコート液の市場開発を行っています。ポリリジンの非食品分野へ用途展開として抗ウイルス剤を開発し、複数ユーザーでの評価が進んでいます。既存のクロマトグラフィー充填剤に比べ高い性能が期待される次世代クロマトグラフィー用微粒子の開発を進めています。磁性ナノ粒子を利用した下水中のコロナウイルス分離技術を開発し、下水疫学調査への活用を進めています。
また、成長分野である自動車・二次電池、半導体・情報通信、ライフケミカル関連で自社技術を活用した新商品・事業創出テーマを設定しています。高速通信分野では開発中の高周波基板用低誘電材料、アンテナ用液晶材料でユーザー評価が進んでいます。
(5)研究開発支援部門
知的財産部、市原研究所及び水俣製造所品質保証部の分析・基盤部門と共に以下の研究開発支援を推進しています。
a)知的財産支援
b)全社への研究開発支援としての分析・基盤研究
知的財産支援では、2022年度に36件の国内新規特許を出願しました。
研究開発支援では、当社グループのコア事業である、ディスプレイ材料や化学製品及びライフケミカル関連材料について、高度な分析・解析技術により研究開発の推進に貢献しています。
セグメントごとの研究開発の概要は以下のとおりです。
(1)機能材料事業
機能材料事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)ディスプレイ材料及び周辺材料の研究開発
b)ディスプレイ以外の用途に向けた液晶材料の研究開発
c)プリンテッド・エレクトロニクス材料の研究開発
d) シリコン化合物の研究開発及び生産技術開発
当社グループの液晶材料は、TV用ディスプレイやPCモニター、ノートPC及びタブレット端末などのIT用ディスプレイ、車載用製品といった様々な製品に採用されています。液晶材料市場において中国メーカーとの競争が一段と激化する中、IT用途や車載用途などの高いコントラスト、透過率、信頼性が求められるハイエンド製品を対象とした研究開発を進めており、今後の市場展開を見据えて、コスト・プロセスの両面で更なる顧客利便性を実現する製品の開発を進めています。
有機EL材料では、スマートフォン用途に続いてTV用ディスプレイに採用が決まり、製品化が進んでいます。韓国SK Materials社と共同で設立した開発、製造、販売の合弁会社であるSK Materials JNC社は、韓国(東灘)及び日本(千葉)の2拠点体制により、最大手顧客のニーズに対し迅速に応える開発体制を整えました。今後、発光材料に加えて、共通材料の開発及び事業化を推進することで、事業価値の向上に努めてまいります。
光配向膜材料では、新規材料の開発を通じ、高透過率、高コントラスト、高信頼性等の高機能特性を有する材料の供給体制の構築を進めています。
液晶ディスプレイ材料の研究開発活動と並行して、異方性の特性を持つ液晶をディスプレイ以外の用途に展開することを目的とした研究開発を進めています。具体的には、液晶の光の遮断機能を活用したスマート・ウィンドウ、光変調素子、AR/VRデバイスといった用途で実用化が始まっています。また、重合性液晶材料は、重合性モノマーと液晶の性質を併せ持つことから、液晶の配向の固定化が可能であり、今後の次世代光学素子デバイスの開発に向けて評価をいただいています。
プリンテッド・エレクトロニクス材料では、既に採用されているフィルムセンサー、コンデンサー用途での採用拡大と、半導体及びフレキシブルプリント基板向け絶縁膜の開発に注力しており、顧客評価が進んでいます。
シリコン化合物では、EV向け放熱材用途として反応性シリコーンの開発を行い、採用が始まっています。シリコン系LED用封止材では、新しい用途に向けた材料としてユーザー評価が増加し、機能性向上を目指した開発体制を強化しています。環境に配慮したコーティング材料用途では新たな化合物開発を行い顧客評価が進んでおり、安定供給体制の構築も含めて、グローバル市場への展開に向け開発体制を強化しています。
(2)加工品事業
加工品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能複合繊維の開発及び不織布の開発
b)肥効調節型肥料の開発
繊維・不織布関連では、高機能複合繊維の開発と、エアスルー不織布・エレクトロスピニング法を用いたナノ繊維不織布や、これらの不織布を用いた複合製品の開発及び生産技術開発を推進し、衛生材料分野、産業資材分野等において新製品の提案に取り組んでいます。
エアスルー不織布では、孔開け不織布や格子状などの模様を付けた賦形不織布を試作し、肌触りや通気性の良い不織布の開発を行っています。また、環境負荷の低減を目指し、バイオ原料を使用して開発した高機能複合繊維は、一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマーク商品認定を得ています。
肥効調節型肥料は、新機能を付与した製品の量産化と拡販を進めています。
(3)化学品事業
化学品事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)受託を軸とした高機能有機化学品の研究開発及び生産技術開発
b)最新の触媒技術を駆使した老朽化設備への対応
c)ライフケミカル製品の開発
化学品では、社内コア技術及び保有設備を活用し、電子情報材料、環境対応香料、省エネルギー及び環境保全をターゲットとした機能性化学品のユーザー評価が進んでいます。テーマ推進のスピードアップを図るため、優先度の高いテーマは各事業所で要員を傾斜投入し、事業所の壁を越えて役割分担を明確にしながらテーマを進めており、特に電子情報材料の受託可否判断、ユーザーへの供試サンプル供給の迅速化に寄与しております。また、近年の化学品の法規制は厳しさを増す一方ですが、これらの法規制に対応した取り組みも行っています。この他、高度成長期に設置された日本の製造設備は設置後60年を超えるものも見られ、当社グループが保有する設備についても老朽化対策が課題となっていますが、当社グループでは、設備の反応条件等の見直しや最新の触媒技術による低コストでの設備更新の検討を行っています。
ライフケミカル製品では、バイオ医薬品原料を精製するためのクロマトグラフィー充填剤(商品名:セルファイン®)を展開しています。精製工程で使用されるクロマトグラフィー充填剤の全てを自社製品として販売しており、新型コロナウイルスのワクチン製造に関連してグローバルに採用されるなど、新たな適用拡大へ向けた開発が進んでいます。また、抗体医薬精製用ではプロテインA担体(製品名:セルファイン®SPA-HC)に加え、新規クロマトグラフィー充填剤の市場投入を開始します。更に、近年の遺伝子治療の需要の高まりを受け、ウイルスベクター精製用クロマトグラフィー充填剤としてのアプリケーション拡充を図っています。微生物検査用のシート培地は、グレード開発を継続しています。天然系食品保存料であるポリリジンはコロナ禍に伴う公衆衛生、更にはナチュラル素材への市場要望から、食品保存剤でのノウハウを生かし、安全性の高い天然系抗菌剤としてのアプリケーション開発を進めています。
(4)コーポレートテーマ
機能材料事業、加工品事業、化学品・ライフケミカル事業、エネルギー・環境事業をターゲットとした新規用途、新商品の開発を推進しています。保有技術を生かしたテーマとして、人工・合成皮革向けのコート液、セパレータコート液の市場開発を行っています。ポリリジンの非食品分野へ用途展開として抗ウイルス剤を開発し、複数ユーザーでの評価が進んでいます。既存のクロマトグラフィー充填剤に比べ高い性能が期待される次世代クロマトグラフィー用微粒子の開発を進めています。磁性ナノ粒子を利用した下水中のコロナウイルス分離技術を開発し、下水疫学調査への活用を進めています。
また、成長分野である自動車・二次電池、半導体・情報通信、ライフケミカル関連で自社技術を活用した新商品・事業創出テーマを設定しています。高速通信分野では開発中の高周波基板用低誘電材料、アンテナ用液晶材料でユーザー評価が進んでいます。
(5)研究開発支援部門
知的財産部、市原研究所及び水俣製造所品質保証部の分析・基盤部門と共に以下の研究開発支援を推進しています。
a)知的財産支援
b)全社への研究開発支援としての分析・基盤研究
知的財産支援では、2022年度に36件の国内新規特許を出願しました。
研究開発支援では、当社グループのコア事業である、ディスプレイ材料や化学製品及びライフケミカル関連材料について、高度な分析・解析技術により研究開発の推進に貢献しています。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00753] S100R4Z0)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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