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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QZJ5 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 住友ベークライト株式会社 事業等のリスク (2023年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動



(1) 当社グループのリスクマネジメント体制
当社グループのリスクマネジメント体制は次のとおりであります。
[サステナビリティ推進委員会]
グループのサステナビリティ活動を継続的かつ全社的に行う母体として設置しています。下部委員会であるリスクマネジメント委員会の方針・計画・実績・外部公表する項目および数値について承認し、これらを取締役会に報告しています。
[リスクマネジメント委員会]
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える主要リスクの選定、主要リスクの対応策の妥当性確認、追加検討すべき対策についての指示などを個別リスク主管部、各事業部門に対して行っています。リスクマネジメント委員会の委員は、社長、事業統轄役員、個別リスク主管部の長で構成されています。2022年度は4回開催されました。
[個別リスク主管部]
総務本部・人事本部・経理企画本部・生産技術本部・研究開発本部・情報システム部・調達本部などの個別リスク主管部は、所管するリスクについて、当社グループの各事業部門と連携を取りながら、当社グループ全体の対応策を立案・推進しています。
[各事業部門]
当社グループの営業部門、工場、研究開発部門などの各事業部門は、本来業務の一部として、自部門、自社の業務遂行上のリスクを適切に管理するためにさまざまな対策を講じています。


●リスクマネジメント体制



なお、上記のほか、当社グループは、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりの企業統治体制を整え、リスクマネジメントを含む内部統制システムを整備・運用しております。

当社グループにおける主要リスクの選定・承認は年1回実施しており、そのプロセスは次のとおりであります。
・リスクマネジメント委員会は、各事業部門・個別リスク主管部の統轄役員から 「主要リスク抽出質問票」(リスクの内容と当該リスクが顕在化した場合の影響、発生可能性、影響度、現状とっている主な対応について、事業部門・個別リスク主管部としての評価を記入)の回答を収集。また、社長からのヒアリングを実施。
・「主要リスク抽出質問票」で抽出されたリスクについて、影響度と発生可能性を掛けあわせて算出したリスク値が高いものを主要リスク候補として、リスクマネジメント委員会にてリスクマップの作成、主要リスクの選定・承認、主要リスクに対する次年度の対応計画への反映を実施。
・サステナビリティ推進委員会は、選定された主要リスクおよび主要リスクに対する対応計画を承認し、取締役会に報告。


●主要リスクの選定・承認フロー


■ 発生可能性のレベル選択の目安
レベル発生可能性のレベル選択の目安
1) 発生可能性-低 100年に1回程度~10年に1回程度
2) 発生可能性-中数年に1回程度~年に1回程度
3) 発生可能性-高年に複数回以上


■ 影響度のレベル選択の目安
レベル影響度のレベル選択の目安
(下記の複数が当てはまる場合は、一番影響度のレベルが高いものを選択)
金銭的影響人命評判(レピュテーション)稼働への影響
1)影響度-小~5,000万円・医師の手当てが必要な
傷病者が発生
・日常の管理で解決する・1拠点に限り数日程度
の稼働に影響
2)影響度-中5,000万円~
10億円
・入院が必要な傷病者が
発生
・マスメディア・WEB媒
体に(悪い意味で)小さ
く取り上げられる
・一部の取引先や消費者
の信用を失う
・1拠点に限り数週間の
稼働に影響
・複数拠点で数日程度の
稼働に影響
3)影響度-大10億円~・死亡者が1名以上発生
・傷病者が多数発生
・マスメディアやWEB媒
体に(悪い意味で)大々
的に取り上げられる
・取引先や消費者の信用
を著しく失う
・1拠点に限り数ヶ月以
上稼働に影響
・複数拠点で数週間の稼
働に影響



(2) 主要リスクの内容と顕在化した際の影響、主要リスクへの対応策
本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要リスクには、下記のものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、「第2 事業の状況」の他の項目、「第5 経理の状況」の各注記、その他においても個々に記載しておりますので、併せてご参照ください。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

主要リスクとして挙げた各リスク項目のリスクマップ上の位置
発生可能性
影響度・法令および規制への対応
・製品の品質
・ 災害・事故・パンデミック
・ 地政学リスク
・ 情報セキュリティインシデント
・ 環境負荷低減対策
・原材料の供給問題、価格変動


1.原材料の供給問題、価格変動について
発生時期:短期発生可能性:高影響度:中
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・原材料については、原燃料価格の高騰によるサプライヤーの減産、素原料の入手困難による廃番、事業撤退、気候変動による寒波や洪水などの自然災害、感染症の拡大による供給停止や物流の混乱による遅れ、法令の改正や環境規制の強化に起因する供給の停止や廃番、原料需給ひっ迫、原油・非鉄金属などの相場に連動した価格の高騰、さらには原材料メーカーの事業ポートフォリオ見直しによる事業撤退が起こる可能性があり、そのような場合には、売上減少や収益性の悪化、事業の継続に支障が生じる可能性があります。

[ リスクへの対応・機会 ]
・当社グループでは安定調達を第一に考え、重要原料につき調達先の複数化、適正在庫の確保などによりリスクの低減に努めております。日本国内から調達している重要原料の調達先約100社については、水害・地震・火災・パンデミックなどのBCP(事業継続計画)について調達先との協議を重ね、対策実施あるいは計画作成まで完了しました。欧米や中国から調達している重要原料の調達先約80社についても、代替品や安全在庫3ヶ月分以上の確保に向けた対応を進めております。また、新規原材料の採用にあたっては、BCP対策有無の確認に加え、現在製造や流通が禁止されている物質だけではなく、将来的に製造や流通が禁止される蓋然性の高い物質を含まないことを採用の基準の一つとし、リスク低減を図っております。
・植物や鉱物などの天産物由来の原料については、地域が変わることによって生じる組成や成分の違いをコントロールする技術開発にも継続して取り組んでおります。
・主要原材料の価格変動については顧客と協議の上、フォーミュラ制(原料価格変動分を製品価格に自動反映)を適用することも進めております。
・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、サプライチェーンのBCP対応が重要視されております。このため、上記のような対応を充実化させることは当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。


2.災害・事故・パンデミックについて
発生時期:不定(ただし新型コロナは短期)発生可能性:中影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・当社グループでは、想定される災害・事故等のうち「地震」「爆発・火災」「風水害」「パンデミック」を重大事態と位置付けております。特に近年、気候変動による大型の「風水害」や、新型コロナウイルス感染症に代表される世界規模の「パンデミック」が現実の事態となっており、当社グループのみならずサプライチェーン全体への影響を考える必要があります。
・これらの事態が発生した場合は、近隣住民・従業員の人的被害、施設・設備の損壊や電気・ガス・水道・通信機能の停止により、製品の供給を継続できない状況が発生する恐れがあります。また、顧客・調達先・物流の機能停止によるサプライチェーン分断により、事業活動の継続性が確保できない可能性があります。これらの結果、多額の損害賠償の請求を受けるなど、経営成績等に悪影響が及ぶ可能性があります。
[ リスクへの対応・機会 ]
・当社グループでは、災害・事故等の発生時の事業の継続性を確保するためBCPを策定し、必要に応じて関係先と共有しております。また、減災対応や持続性確保として、これまでも適正在庫の確保、国内外事業所での生産体制の二重化、予備品の増強や復旧体制の制度化といった対策を行ってきました。なお、東日本大震災の際には、宇都宮事業所の建屋や設備の一部に損壊がありましたが、このBCPに従った行動で当社グループにおける被害を最小限に抑えることができました。
・一方で、当社グループでは、気候変動の影響や科学技術の進歩により、災害・事故等の発生頻度や影響の大きさ・範囲は、毎年変化するものであると認識しております。最新の情報を踏まえてこれらの対策の妥当性を毎年検証し、今後もBCPの見直しおよび訓練を実施してまいります。
・調達先各社の協力を得て実施しているサプライチェーンの上流におけるBCP確認と追加対応策の検討については、前述の「1.原材料の供給問題、価格変動について」のリスクへの対応・機会欄に記載のとおりです。
・また、上記災害のうち、当社グループの要因で引き起こされる可能性のある「爆発・火災」については、国内外の事業所で発生したヒヤリハット情報も取り込み、原因解明・対策立案・当社グループ全体への対策展開を進めております。2023年度は、日本国内で導入されている爆発・火災事故に直結する機器への異常予兆管理システムの海外事業所への展開を計画しております。
・2020年以降感染が拡大している新型コロナウイルス感染症への社内の対応については、本社に緊急対策本部と対策事務局を設置し、感染状況に応じた対策を検討し、都度通知文を発信するなど柔軟に運用いたしました。また、これらの運用を踏まえて「全社『新型感染症』対策マニュアル」の見直しを適宜行っております。関係会社においても、このマニュアルを参考に、所在国の法令・規制や就業規則の違いなどを考慮した上で、それぞれ対策体制、行動計画等を策定するよう努めました。
・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、BCPの整備・運用、生産体制の二重化、サプライチェーンのBCP対応が重要視されております。このため、上記のようなBCP対応を充実化させることは当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。




3.法令および規制への対応について
発生時期:不定発生可能性:低影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・当社グループはグローバルに事業活動を展開しており、日本および諸外国において、様々な分野にわたる広範な法令および規制に服しております。このうち、機能性化学品メーカーである当社グループの事業内容に密接に関わる法令および規制としては、化学物質規制、廃棄物・排水・粉塵の排出に係る規制などがあります。例えば、化学物質規制に関しては、POPs条約への規制物質追加に伴う日本の化審法の第一種特定化学物質が増加予定、欧州REACHやCLPに改正の動きなど、世界的に大きく変化しています。これらの法令や規制の変更に対しては、新たな対策コストが発生する可能性があります。
・また、万一当社グループが現在または将来の法令および規制を遵守できなかった場合には、刑事罰・課徴金・民事訴訟による多額の損失発生、信用失墜などにより経営成績等への悪影響を及ぼす可能性があります。
[ リスクへの対応・機会 ]
・当社グループは、事業活動を進めるにあたって、法令および企業倫理を順守することが極めて重要であると認識し、コンプライアンス重視の経営を推進しております。当社グループのコンプライアンス違反リスクの極小化、コンプライアンスのための仕組みづくりの推進、コンプライアンス意識の啓蒙活動の推進を行うため、「コンプライアンス委員会」を設置しております。2022年度は、コンプライアンス委員会を2回開催し、コンプライアンスに関する主要リスクへの対策の目標設定、住友ベークライトグループ倫理規範の制定にあたっての内容確認・承認、公益通報者保護法改正を念頭に置いた内部通報制度の見直しにあたっての内容確認・承認、内部通報制度の実効性や対応の妥当性の確認などを行いました。
・総務本部(贈収賄・競争法・安全保障貿易管理コンプライアンスなど)、人事本部(労務コンプライアンス)、生産技術本部(化学品規制・排出規制・安全衛生コンプライアンスなど)、研究開発本部(知財コンプライアンス)、経理企画本部(会計・税務コンプライアンス)などの個別リスク主管部は、当社グループの各部門と連携を取りながら、社内ルールなどの仕組みづくりや教育の実施、事業部門への指導・支援を適宜進めております。例えば、上記で例示した化学物質規制への対応に関しては、当社グループでは各国の最新の化学物質規制への対応もキャッチアップ可能な化学物質管理システムを運用・維持管理することにより、各国の法規制に対する抜け漏れを防ぎ、リスクの低減に努めております。
・当社の監査室、生産技術本部、総務本部等の内部監査を担当する部署では、「内部統制システム構築の基本方針」「内部監査規程」「財務報告に係る内部統制基本規程」「モノづくり監査規程」「安全保障輸出管理規程」等に基づき、当社および海外を含む関係会社を対象として、実地での往査と被監査部門での自己監査結果の点検による書面監査を適宜組み合わせて監査・評価を行っております。監査・評価は、各部門における業務の適法性および各種基準への適合性の観点からモニタリングを行っており、発見され指摘事項として挙げられた不備については、当該部門に対して書面による是正報告を求めております。2022年度のコンプライアンス状況については、環境、人権、労働、安全衛生、製品・サービスの提供や使用、顧客情報やデータの管理、適切な会計処理、公正な取引などの観点でこれらの監査・評価を行った結果、法令や規則に対する重大な違反はありませんでした。
・当社グループでは、コンプライアンス違反の早期発見・未然防止を図るため、コンプライアンス違反またはそのおそれを知った場合に、社内窓口(監査室長)または社外窓口(弁護士)に通報できる、内部通報制度(当社グループでは「コンプライアンス通報制度」と称しています。)を導入しております。当社グループの役員、従業員だけでなく、当社グループのステークホルダー(退職者、採用応募者、取引先を含む)も通報することが可能です。通報者のプライバシーを厳重に保護するとともに、通報により通報者が不利益を被

らないよう必要な措置を講じております。また、当社グループ共通の「コンプライアンス通報制度」に加え、関係会社によっては、所在国の法令上の要求や会社の規模などを考慮した上で独自の内部通報制度を設置しております。
・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、上記のような法令・規制への対応、コンプライアンス体制の整備・運用が重要視されております。このため、上記のような法令・規制への対応、コンプライアンス体制の整備・運用の維持改善をすることは当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。

4.製品の品質について
発生時期:不定発生可能性:低影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・当社グループの製品は、自動車・航空機・医療機器・電子材料等の直接・間接に人命に関わる用途にも使用されております。そのため、大規模な製品事故が発生した場合、顧客に損害を与えたり、社会に悪影響を及ぼしたりする結果、損害賠償やリコール等で多額の費用負担が発生するばかりでなく、当社グループに対する信用失墜により、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・また、科学技術の進歩や顧客市場や使用方法の変化により、上市後に顧客等から求められる品質管理水準が高くなり、予期せぬ品質問題が生じることもあります。
[ リスクへの対応・機会 ]
・当社グループは国際的な品質管理基準(ISO 9001のほか、製品の用途に応じてIATF 16949(自動車部品)、ISO 13485(医療機器)、AS 9100(航空宇宙産業)など)に準拠した品質マニュアルに従い、各種製品の設計管理から製造・販売までの一貫した品質管理体制をとっております。
・当社グループでは、有資格者による内部監査や外部監査による現地品質監査により、品質管理状態の検証を年1回行い、各所で抽出された懸念事項を全社で共有して改善する活動を進めるとともに、FMEA、FTAという手法を用いた潜在的品質リスクの洗い出しとその低減対応を行うなどの改善活動を行っております。変更管理、初動管理には特に注意を払った活動を行っております。直近では、海外関係拠点のマザー機能を有する国内主要4拠点においてAI/IoT技術を駆使した人的変動要素の排除とトレーサビリティの強化を行っており、現在、海外主力5工場への展開を進めております。
・また、当社グループでは国内外の全事業所で発生した品質問題について直ちに共有し、一元管理するシステムを構築して、対応の遅れが無いよう逐次監視すると共に、品質問題の初動対応と被害拡大防止、発生と流出防止の対策が効果的であるかの検証を行っております。
・すべての製品に完全に不良や欠陥が無いこと、および将来にわたって全く品質クレームやリコールが発生しないことまでは保証できませんが、これらの取り組みにより、安心して使用できる製品提供に努めてまいります。
・顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、上記のような国際的な品質管理基準に沿った品質管理体制の整備・運用、認証の取得などが重要視されています。このため、上記のような品質管理体制の維持改善をすることは、当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。


5.地政学リスクについて
発生時期:不定発生可能性:中影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・米中貿易摩擦やロシア・ウクライナ情勢などの国際関係の変化を背景に、各国の経済安全保障政策が強化され、最先端技術の国外流出を阻止するための法規制や、制裁・法規制の対象となった企業との輸出入取引や資金決済が停止となる可能性があります。これらの情勢変化や政策に適切に対応できない場合、刑事罰、行政罰ならびに民事訴訟、さらにブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。また、戦争・紛争が発生した場合には、当社グループ社員の人命・資産が脅かされることに加え、物流・調達・インフラの寸断により事業継続に支障をきたす可能性があります。
[ リスクへの対応・機会 ]
・戦争・紛争テロ・暴動等のリスクに対しては、リスクコンサルタント等の専門家や政府関係機関等より情報収集を行うとともに、従業員の安全確保を最優先としつつ、事業継続や情報管理の観点も考慮した海外拠点の危機管理マニュアルの整備、実効性の強化を進めております。
・輸出入規制や経済制裁、物流・調達・インフラの寸断の影響を軽減、極小化するため、輸出入規制や経済制裁などの情報収集、マルチファブ化やマルチソース化を進めております。



6.情報セキュリティインシデントについて
発生時期:不定発生可能性:中影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・近年、サイバー攻撃は巧妙化、高度化しており、不正アクセスやサイバー攻撃を受け、企業が保有する情報が流出する事件が多発しています。当社グループがサイバー攻撃を受け、重要なシステムの誤作動や停止、保有する機密情報の流出が発生した場合、社会的信用の失墜、事業活動の混乱や停滞、取引先等への補償などの費用発生により、当社グループにおける経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
[ リスクへの対応・機会 ]
・当社グループでは、情報セキュリティインシデント発生に備えた組織横断的機関である「SUMIBE-CSIRT」を設置し、定例会議などを通してトピックスの共有、情報セキュリティ事故発生を未然に防ぐための対策策定、事故発生時の対応手順の整備を行う一方で、有事の際には経営層を含めた対応や外部セキュリティ関係機関との連携を行う体制としております。
・情報セキュリティインシデントを予防するための具体的な取り組みとしては、不正攻撃の標的となる脆弱性への対応の徹底、セキュリティ対策製品の導入によるリスク検知、外部セキュリティ企業とも連携したサイバー攻撃の常時監視等の対策を行っております。さらに、日本シーサート協議会やサイバー情報共有イニシアティブ(J-CSIP)等、サイバー攻撃に関する情報共有や対応強化を行う外部団体に参加し、積極的な情報入手を図っております。引き続き、外部セキュリティ企業支援のもと、グローバルで連携したインシデント対応体制の確立を進めていきます。
・また、差し迫るサイバーリスクに対しては、適宜当社グループ内に注意喚起を発信、また国内外の全役員、従業員を対象に、サイバーリスクのトレンドを踏まえた情報セキュリティ教育を定期的に実施する等、情報セキュリティインシデントへの予防強化と情報セキュリティへの意識向上に取り組んでおります。セキュリティインシデント発生時の被害の最小化と早期復旧を図るべく、社内でのインシデント発生訓練に加え、外部団体との合同訓練にも参加する等、体制の強化にも取り組んでおります。
・社内セキュリティ人材の強化策として、国家資格である「情報処理安全確保支援士」の取得を進めており、2023年3月末時点で情報システム部門に所属する人員のうちの約10%がこの資格を有しております。また、日本国外の拠点におけるセキュリティ人材配置・育成も進めていきます。
・近年では、顧客による取引開始や取引継続の条件の一要素として、上記のような情報セキュリティ管理体制の整備・運用が重要視されております。このため、上記のような情報セキュリティ管理体制の整備・運用の維持改善をすることは当社グループにとっての「機会」にもなると考えております。


7.環境負荷低減対策について
発生時期:中長期発生可能性:中影響度:大
[ リスクの内容および当該リスクが顕在化した場合の影響 ]
・日本政府による2050年カーボンニュートラル宣言、2030年度に温室効果ガスの46%削減(2013年度比)が表明された後、2021年のCOP26では1.5℃目標に向かって世界が努力することが合意され、地球規模での気候変動問題への対応が求められています。温室効果ガス排出規制の強化、カーボンプライシングなどが具体的なリスクとして考えられますが、これらの対策が遅れている企業は市場から淘汰されていくリスクがあると認識しております。
[ リスクへの対応・機会 ]
・2050年に向けたカーボンニュートラルの達成は、有機化学産業に属する当社グループにとっての重要課題と認識しております。当社グループは、気候変動への取組み強化を進める中で「環境ビジョン2050(ネットゼロ)」を掲げ、2021年6月には、2030年目標として「CO2排出量46%削減(2013年度比)」を、2050年目標として「カーボンニュートラルに挑戦」を設定しております。これらの目標に向かって、経営トップを長とする横串組織において活動を促進しております。法令・規制遵守はもとより、CO2削減や省エネルギーの目標の策定、進捗管理、モニタリングを行っております。2022年1月より、リスク対応の1つとして日本国内の全事業所において再生可能エネルギー由来の電力(水力、地熱、太陽光、風力、バイオマス)に切り替えたことで、日本国内における2030年度目標を大幅に前倒しで達成することができました。さらに、欧州のグループ会社でも同様に、再生可能エネルギー由来の電力への100%切り替えが完了しています。
・環境負荷低減に必要なイノベーション技術の開発については、社内開発はもとより、産学官連携プログラムや産業界プロジェクトに積極参画し、遅滞ない開発を目指してまいります。技術的なイノベーションをより計画的に進めていけるよう、2035年までの全社環境開発ロードマップの策定も行いました。
・気候変動は当社グループにとってリスクである一方で、機会としても捉えております。当社グループは、長年にわたり継続して取り組んでいるレスポンシブル・ケア活動の一環で、環境負荷低減対策にも積極的に取り組んでまいりました。さらに、当社グループとして設定したSDGs重点項目(気候変動含む7項目:SDGs目標3、7、8、9、12、13、14)の中でSDGs貢献製品の2023年度売上収益比率50%以上を目標に取り組んでおります。2022年度売上収益比率は53%の見込みであり、2023年度目標を前倒しで達成できそうです。
・リスクマネジメント委員会では、TCFDタスクチームを設置し、当社主要事業についてシナリオ分析を行いました。電気自動車(EV)を中心とした自動車関連製品、半導体関連製品、常温保存や鮮度保持機能を有する食品包装用高機能フィルム等が「機会」になると見込んでおります。また機会に関連して、使用する原料や製品の廃棄について、資源循環(3R+Renewable)の観点からケミカルリサイクル、マテリアルリサイクル技術の確立、バイオマス原料の活用が不可欠と認識しており、早期の戦略立案とその実行に努めてまいります。
・これらの活動の状況と結果は統合報告書やCDP(カーボンディスクロージャープログラム)他を通じ継続的かつ積極的に外部発信してまいります。


従業員の状況研究開発活動


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