有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100R38E (EDINETへの外部リンク)
アイカ工業株式会社 研究開発活動 (2023年3月期)
当社グループの研究開発活動は、主として有価証券報告書提出会社であるアイカ工業株式会社にて行っております。その内容は、以下のとおりであります。
当社は、オリジナル性の高い技術開発を進め、安全・安心・健康、省エネルギーに配慮しながら、国内外アイカグループの持続的成長に向け、様々な社会課題を解決する製品群や脱炭素社会に対応する製品の拡充による国内建築建設分野の成長持続、非建設分野向けの機能材料事業の飛躍的成長や海外事業の展開加速に向けた研究開発活動を推進しています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は3,997百万円であり、主な研究開発の概要とその成果は、次のとおりであります。
(1)化成品
化成品分野におきましては、「高機能」「省工程化」「気候変動対応」をキーワードとする研究開発を進めております。
接着剤系商品では、「メラミンタイル」接着用として臭気を抑えたウレタン樹脂系接着剤「JW-604」を開発しました。初期粘着力に優れるため、メラミンタイルなど伸縮性のある床材や、反りの大きいビニル系床材の施工に適した接着剤です。自動車分野向けには、弾性に富み異種材料の接着、長期耐久性に優れる反応性ホットメルト接着剤を開発、発売しました。また、アイカアドッテック社と共同で、バイオマス原料が50%と高い比率ながら、従来品と同等の性能を有する「ホットメルト粘着剤」を開発しました。
厚物注型用エポキシ樹脂「アイカピュアレジン」を開発しました。紫外線で黄変しにくく高い透明度を長期間維持できる、硬度が高い、硬化促進剤の添加量で硬化時間を調整できる、といった特長をもっており、レジンテーブル用途で採用頂いております。
建設樹脂系商品では、住宅のリフォーム需要は堅調に推移することが予想される中、ジョリパットによるサイディング外壁専用の改修工法「ジョリパット リミュール工法」を開発しました。既存の壁面を下地として利用するため、サイディングの張り替えに比べて産業廃棄物や粉塵、騒音、震動を抑制します。当社独自の樹脂設計技術により、水分や熱による躯体への負担を軽減させ、建物の耐久性向上が図れます。塗り床材では、建設業界で深刻化する職人不足問題に対応すべく、省工程化した帯電防止厚膜型エポキシ樹脂系塗り床材「ジョリエースEドーデン流しのべNCP工法」を開発しました。当社独自の配合技術により、カーボンプライマーが不要な上塗り材を開発し、工程削減を可能にしております。また、電子部品工場や精密機械工場などで広く使用されご好評をいただいている低アウトガス硬質ウレタン樹脂系塗り床材「ファブリカ流しのべSCR工法」で、一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマーク(バイオマス度30%)を取得しました。サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
フェノール樹脂商品では、バイオマス原料であるリグニンを活用した合板・LVL用接着剤を市場投入しました。バイオマス原料の更なる活用に向けた取り組みを実施しております。適用用途についても幅広く検討しておりサンプルワークを進めています。
電子材料商品では、自動車内装の大型ディスプレイ向けに「ルミアート反射防止フィルム」が初めて採用されました。自動運転が現実になりつつある中、快適な車内空間を実現させるため、内装ディスプレイは年々大型化が進んでおります。一方弊害として外光による映り込みにより視認性が低下する課題がありましたが、樹脂技術と精密塗工技術の組み合わせにより、高い反射防止性能を実現、映り込みの少ないディスプレイが実現可能となりました。
有機微粒子商品では化粧品用途向けに植物由来、天然由来原料を使用した地球環境や人に優しい3種類の有機微粒子製品(ポリ乳酸、セラック樹脂、ステアリン酸)を開発し、サンプルワークを開始しました。それぞれの製品が持つ特長のある感触を実感いただきながら、採用検討が進められています。
今後も国内外での販売拡大と市場動向にマッチする新商品開発に努めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は3,030百万円であります。
(2)建装建材
建装建材分野におきましては、「高機能」「意匠/デザイン」「省施工」「加工技術」、「SDGsに資する技術」をキーワードに研究開発を進めております。
高機能では、防カビ不燃天井材「カビテクト」を開発しました。調湿性能がありカビが生えにくいけい酸カルシウム板の基材を独自開発し、そこに防カビ剤を塗装して仕上げた製品です。基材の調湿性能と防カビ塗装の相乗効果により、高い防カビ性能を実現しています。冷蔵ケースを多用するスーパーマーケットなどの天井は、店内や天井裏に流れ込んだ暖気が天井付近で冷やされることで結露が生じ、カビが発生しやすい環境になっており、カビテクトは店舗天井のカビ問題の解決に貢献してまいります。
高意匠では、柄とエンボスを一致させることでリアルな木肌感を実現させた木目柄や、独自開発したグロス&マット加工による光沢のコントラストで錆びた風合いの鉄鋼板を再現した柄など、高意匠タイプのメラミン化粧板を表面に使用したメラミン扉「エミューロ」を開発しました。「エミューロ」扉のために開発した特殊エッジ材で木口を仕上げており、化粧板の加工品特有の継ぎ目が目立ちません。ディテールの美しさを追求し、ワンランク上の水廻り空間の実現に寄与するメラミン化粧板扉として各方面に提案をしてまいります。
省施工分野では、JR東日本、JR東日本建築設計との共同研究を経て、メラミン不燃化粧板「セラール」を用いた新たな天井工法「セラールFP工法」を開発しました。固定金具を表面に露出させない納まりで接着剤と併用して固定することで、意匠性と落下防止策を両立させた工法です。2022年8月にグランドオープンした東京駅八重洲北口(改札外)の飲食店街「グランスタ八重北」で採用されており、2022年9月には、日本建築学会にて3社連名で学術発表を行っています。耐震性・不燃性・耐熱性・耐久性・耐水性を有するとともに、デザインの選択肢を広げる新たな天井工法として、駅等のパブリックスペースを対象に提案してまいります。
住宅分野においては SNS等への投稿も増えてきている洗面カウンタースマートサニタリーシリーズをトイレ空間でもご使用いただけるよう「スマートサニタリーミュゼ」を開発しました。トイレ向けに奥行き150㎜のスリムな手洗いカウンターを開発し、床面積が限られがちなトイレ空間において有効スペースが確保できる仕様を実現しました。限られた奥行きサイズのカウンターに納まるスリムさと、手を洗うのに十分な容量を両立させた、専用の手洗いボウルも新たに開発しています。人気のあるスクエア型のシンプルな意匠の手洗いボウルで、インテリアになじみます。手洗いカウンターと棚板を組み合わせるシンプルなプランのため、設計の手間を省きながら造作風手洗いカウンターを設置でき、さらには一般的な既製品に比べて安価な価格帯を実現しています。
SDGsに資する環境対応技術としては、メラミン化粧板のバイオマス度のさらなる向上に向けて開発を進める中、コア層(強度保持層)の原料として使用するフェノール樹脂を、とうもろこし由来のバイオマス原料であるフラン樹脂に置き換える技術を確立しました。これによりバイオマス度は75%となり、化石由来原料を従来のメラミン化粧板より50%削減しています。フラン樹脂はとうもろこしの芯由来の非可食なバイオマス原料であり、食糧供給と競合しません。当社の切り替え可能な全製品に本技術を展開すると、製品廃棄時に発生するCO2を約3,200t/年、削減することが見込め、これを杉の木が1年間で吸収するCO2量に換算すると約23万本分に相当します。今後、サンプルワークを行いながら、量産化に向けたスケールアップを行ってまいります。
今後も引き続き、さまざまな社会課題の解決に寄与できる特徴のある商品の開発に努めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は966百万円であります。
当社は、オリジナル性の高い技術開発を進め、安全・安心・健康、省エネルギーに配慮しながら、国内外アイカグループの持続的成長に向け、様々な社会課題を解決する製品群や脱炭素社会に対応する製品の拡充による国内建築建設分野の成長持続、非建設分野向けの機能材料事業の飛躍的成長や海外事業の展開加速に向けた研究開発活動を推進しています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は3,997百万円であり、主な研究開発の概要とその成果は、次のとおりであります。
(1)化成品
化成品分野におきましては、「高機能」「省工程化」「気候変動対応」をキーワードとする研究開発を進めております。
接着剤系商品では、「メラミンタイル」接着用として臭気を抑えたウレタン樹脂系接着剤「JW-604」を開発しました。初期粘着力に優れるため、メラミンタイルなど伸縮性のある床材や、反りの大きいビニル系床材の施工に適した接着剤です。自動車分野向けには、弾性に富み異種材料の接着、長期耐久性に優れる反応性ホットメルト接着剤を開発、発売しました。また、アイカアドッテック社と共同で、バイオマス原料が50%と高い比率ながら、従来品と同等の性能を有する「ホットメルト粘着剤」を開発しました。
厚物注型用エポキシ樹脂「アイカピュアレジン」を開発しました。紫外線で黄変しにくく高い透明度を長期間維持できる、硬度が高い、硬化促進剤の添加量で硬化時間を調整できる、といった特長をもっており、レジンテーブル用途で採用頂いております。
建設樹脂系商品では、住宅のリフォーム需要は堅調に推移することが予想される中、ジョリパットによるサイディング外壁専用の改修工法「ジョリパット リミュール工法」を開発しました。既存の壁面を下地として利用するため、サイディングの張り替えに比べて産業廃棄物や粉塵、騒音、震動を抑制します。当社独自の樹脂設計技術により、水分や熱による躯体への負担を軽減させ、建物の耐久性向上が図れます。塗り床材では、建設業界で深刻化する職人不足問題に対応すべく、省工程化した帯電防止厚膜型エポキシ樹脂系塗り床材「ジョリエースEドーデン流しのべNCP工法」を開発しました。当社独自の配合技術により、カーボンプライマーが不要な上塗り材を開発し、工程削減を可能にしております。また、電子部品工場や精密機械工場などで広く使用されご好評をいただいている低アウトガス硬質ウレタン樹脂系塗り床材「ファブリカ流しのべSCR工法」で、一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマーク(バイオマス度30%)を取得しました。サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
フェノール樹脂商品では、バイオマス原料であるリグニンを活用した合板・LVL用接着剤を市場投入しました。バイオマス原料の更なる活用に向けた取り組みを実施しております。適用用途についても幅広く検討しておりサンプルワークを進めています。
電子材料商品では、自動車内装の大型ディスプレイ向けに「ルミアート反射防止フィルム」が初めて採用されました。自動運転が現実になりつつある中、快適な車内空間を実現させるため、内装ディスプレイは年々大型化が進んでおります。一方弊害として外光による映り込みにより視認性が低下する課題がありましたが、樹脂技術と精密塗工技術の組み合わせにより、高い反射防止性能を実現、映り込みの少ないディスプレイが実現可能となりました。
有機微粒子商品では化粧品用途向けに植物由来、天然由来原料を使用した地球環境や人に優しい3種類の有機微粒子製品(ポリ乳酸、セラック樹脂、ステアリン酸)を開発し、サンプルワークを開始しました。それぞれの製品が持つ特長のある感触を実感いただきながら、採用検討が進められています。
今後も国内外での販売拡大と市場動向にマッチする新商品開発に努めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は3,030百万円であります。
(2)建装建材
建装建材分野におきましては、「高機能」「意匠/デザイン」「省施工」「加工技術」、「SDGsに資する技術」をキーワードに研究開発を進めております。
高機能では、防カビ不燃天井材「カビテクト」を開発しました。調湿性能がありカビが生えにくいけい酸カルシウム板の基材を独自開発し、そこに防カビ剤を塗装して仕上げた製品です。基材の調湿性能と防カビ塗装の相乗効果により、高い防カビ性能を実現しています。冷蔵ケースを多用するスーパーマーケットなどの天井は、店内や天井裏に流れ込んだ暖気が天井付近で冷やされることで結露が生じ、カビが発生しやすい環境になっており、カビテクトは店舗天井のカビ問題の解決に貢献してまいります。
高意匠では、柄とエンボスを一致させることでリアルな木肌感を実現させた木目柄や、独自開発したグロス&マット加工による光沢のコントラストで錆びた風合いの鉄鋼板を再現した柄など、高意匠タイプのメラミン化粧板を表面に使用したメラミン扉「エミューロ」を開発しました。「エミューロ」扉のために開発した特殊エッジ材で木口を仕上げており、化粧板の加工品特有の継ぎ目が目立ちません。ディテールの美しさを追求し、ワンランク上の水廻り空間の実現に寄与するメラミン化粧板扉として各方面に提案をしてまいります。
省施工分野では、JR東日本、JR東日本建築設計との共同研究を経て、メラミン不燃化粧板「セラール」を用いた新たな天井工法「セラールFP工法」を開発しました。固定金具を表面に露出させない納まりで接着剤と併用して固定することで、意匠性と落下防止策を両立させた工法です。2022年8月にグランドオープンした東京駅八重洲北口(改札外)の飲食店街「グランスタ八重北」で採用されており、2022年9月には、日本建築学会にて3社連名で学術発表を行っています。耐震性・不燃性・耐熱性・耐久性・耐水性を有するとともに、デザインの選択肢を広げる新たな天井工法として、駅等のパブリックスペースを対象に提案してまいります。
住宅分野においては SNS等への投稿も増えてきている洗面カウンタースマートサニタリーシリーズをトイレ空間でもご使用いただけるよう「スマートサニタリーミュゼ」を開発しました。トイレ向けに奥行き150㎜のスリムな手洗いカウンターを開発し、床面積が限られがちなトイレ空間において有効スペースが確保できる仕様を実現しました。限られた奥行きサイズのカウンターに納まるスリムさと、手を洗うのに十分な容量を両立させた、専用の手洗いボウルも新たに開発しています。人気のあるスクエア型のシンプルな意匠の手洗いボウルで、インテリアになじみます。手洗いカウンターと棚板を組み合わせるシンプルなプランのため、設計の手間を省きながら造作風手洗いカウンターを設置でき、さらには一般的な既製品に比べて安価な価格帯を実現しています。
SDGsに資する環境対応技術としては、メラミン化粧板のバイオマス度のさらなる向上に向けて開発を進める中、コア層(強度保持層)の原料として使用するフェノール樹脂を、とうもろこし由来のバイオマス原料であるフラン樹脂に置き換える技術を確立しました。これによりバイオマス度は75%となり、化石由来原料を従来のメラミン化粧板より50%削減しています。フラン樹脂はとうもろこしの芯由来の非可食なバイオマス原料であり、食糧供給と競合しません。当社の切り替え可能な全製品に本技術を展開すると、製品廃棄時に発生するCO2を約3,200t/年、削減することが見込め、これを杉の木が1年間で吸収するCO2量に換算すると約23万本分に相当します。今後、サンプルワークを行いながら、量産化に向けたスケールアップを行ってまいります。
今後も引き続き、さまざまな社会課題の解決に寄与できる特徴のある商品の開発に努めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は966百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00824] S100R38E)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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