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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QZIS (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社奥村組 研究開発活動 (2023年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、建設構造物の更なる品質や安全性の向上、さらには脱炭素社会の実現など多様化する社会のニーズに柔軟に対応すべく、建設に関する技術の研究開発を推進しているなか、2022年4月1日に新設した技術本部を拡充し、将来的な事業領域の拡大を見据え、ロボットやエネルギー関連技術、ビッグデータの活用、生物多様性に配慮した技術など、新たな分野についても積極的に研究開発を進めていきます。
当社グループの当連結会計年度における研究開発に要した費用の総額は1,771百万円です。
セグメントごとの研究開発活動について示すと次のとおりです。

(土木事業)

土木事業では、顧客ニーズに対応した、施工の高度化や持続可能な社会の実現に寄与する技術などの研究開発を進めています。また、自然災害への対応や社会インフラの維持更新に関わる技術などの開発にも取り組んでいます。

(1) マスコンクリートのパイプクーリング制御システム「ひえたくん®」をNETIS登録
マスコンクリート(部材断面の大きなコンクリート)の温度ひび割れを抑制するパイプクーリング(コンクリート内部に配置したパイプに水を循環させ、コンクリートを冷却する工法)の効果を高めるため、㈱アクティオと共同で開発したクーリング水の流量・流方向を自動制御するシステムを「ひえたくん®」と命名し、NETIS(国土交通省の新技術情報提供システム)に登録しました。
本システムは、コンクリート温度を管理目標値に漸近するようにクーリング水の流量を自動調整するとともに、クーリングパイプの入口側と出口側のコンクリート温度差が小さくなるようにクーリング水の流方向を自動で切り替えることで、セメントの水和熱によるコンクリートの温度ひび割れを防止するものです。クーリング状況は、WEBモニタリングシステムにより遠方から確認することが可能で、コンクリートの温度管理業務の省力化も図れます。
今後は、温度ひび割れの発生が想定されるコンクリート構造物の品質向上及び省力化に寄与するシステムとして普及・展開していきます。

(2) 地盤改良施工状況・動態観測可視化システム「施工影響XRウォッチャー」を開発
地盤改良工事における施工状況及び地盤変状状況をリアルタイムで監視する可視化システム「施工影響XRウォッチャー」を開発しました(XR: 仮想空間画像処理技術)。
本システムは、地盤改良の施工位置や進捗状況などの施工情報をリアルタイムで3次元的に可視化することができます。また、周辺に取り付けた沈下計等の動態観測情報を集約することで、地盤の異変を即座に把握でき、監視業務の効率化や異常事態への迅速な対応が可能となります。
今後は、現場適用により本システムの機能向上を図り、施工の安全性向上に寄与するシステムとして展開していきます。

(3) 災害廃棄物の推定システムの開発及び最適な処理方法の検討に着手
豪雨や地震など大規模災害時における復旧作業では、災害廃棄物の迅速な処理が社会的課題となっており、自治体は被害状況などから統計的に災害廃棄物の量を予測し、処理実行計画の立案・更新をしています。しかし、災害廃棄物は、個々の災害の特性によって発生量や種類、発生箇所などが大きく異なり、正確に予測することが困難であるため、処理実行計画の策定が遅れ、処理効率の低下や復旧・復興の遅れを招くことが危惧されています。そこで、災害廃棄物の量と種類を迅速かつ正確に推定する計測システムの開発及び災害特性に応じた災害廃棄物の最適な処理方法の検討に着手しました。災害廃棄物の推定については、非可視光領域の波長を検知可能な「ハイパースペクトルカメラ」を用いた手法の確立を目指し、災害特性に応じた最適な処理方法については、土砂を分別する実験を通じて、含水率や粘性等の特性に応じた最適な分別方法の検証を進めています。
今後も、計測システムの開発及び最適な処理方法の検討を継続し、刻一刻と変化する災害廃棄物の仮置場の状況や効率的・効果的な処理方法を迅速に処理実行計画へフィードバックし、災害からの早期復旧・復興、資源循環型社会の形成に貢献していきます。

(建築事業)

建築事業では、建築物の資産価値を維持し安全性を確保する免震・制振技術や、快適性を高める室内環境技術、SDGs達成にも貢献する省エネ・省資源・環境配慮技術などの開発、さらに企画・設計・施工の各フェーズにおける合理化などに取り組んでいます。

(1) より大きな引抜き抵抗力を評価できる場所打ちコンクリート拡底杭工法を開発

より大きな引抜き抵抗力を評価できる場所打ちコンクリート拡底杭工法「奥村・丸五式引抜き抵抗杭工法(OMR/B-2)」を丸五基礎工業㈱と共同で開発し、(一財)ベターリビングの評定(CBL FP020-21号)を取得しました。
本工法は、これまで考慮されなかった拡底部側面の傾斜による引抜き抵抗力を評価できるため、従来工法よりも杭の軸径部のスリム化や、杭長の短縮が可能となります。これにより、掘削土量や打設するコンクリート量、施工時に使用する安定液量などを削減でき、コストや地球環境への負荷の低減に繋がります。
今後は、超高層建物や高さに対して幅が狭い中層建物などの合理的な杭工法として積極的に適用していきます。

(2) 「コンクリート散水養生 自動認識ロボット」を開発

コンクリートの散水養生における乾湿状況を自動で認識できる「コンクリート散水養生 自動認識ロボット」を、ユアサ商事㈱と共同で開発し、実用化に向けた実証試験を行いました。
コンクリート打設後の散水養生は、コンクリートの強度や仕上がりを左右するため、乾湿状況の管理が非常に重要です。しかし、適切な湿潤状態を維持するには目視による常時確認が必要で、大変な労力がかかるうえ、養生期間において湿潤状態が維持されていることを定量的に自動記録する技術の開発も進んでいないことから、効率的な湿潤養生管理を実現する技術の開発に着手しました。
「コンクリート散水養生 自動認識ロボット」は、桐生電子開発(同)と共同開発した光学センサ(特許出願中)を搭載しており、コンクリート表面の乾湿状況を定量評価し自動認識することで、コンクリート打設後の湿潤養生管理を適切に行うとともに、点検・記録作業の省人化を可能とします。
今後は、建設現場に即した操作性や耐久性の向上、自動散水設備との連携及びロボットの小型化等の改良を進め、2024年度からの一般販売(ユアサ商事による)を目指します。

(3) 「音環境プレゼンテーションシステム」に工事騒音評価機能を追加

建物計画時に設計仕様の音環境を一般の方にもわかりやすく体感してもらうことを目的に開発した、完成建物の音環境をクラウド上で計算して再現し、試聴することができる「音環境プレゼンテーションシステム」に工事騒音評価機能を追加しました。適用可能な音域を工事騒音で問題となりやすい重低音域の周波数まで拡充するとともに、複数の工事騒音や暗騒音の影響を考慮した試聴音を再生できるよう改良しました。
今後は、設計案件だけでなく、施工案件にも積極的に活用していきます。

(投資開発事業)

研究開発活動は特段行われていません。

(その他)

研究開発活動は特段行われていません。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00083] S100QZIS)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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