有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100RAK4 (EDINETへの外部リンク)
東京インキ株式会社 研究開発活動 (2023年3月期)
当社グループは、「配合設計技術」、「プロセス制御技術(混合・溶解・分散)」、「成形加工技術」を基盤技術とし、これまで長年にわたり印刷インキおよびプラスチック用着色剤とその関連製品の生産に携わってまいりました。
これらの基盤技術に新規技術の調査・探求、研究成果を融合させて改良を加え、暮らしに役立つより良い製品の創出に努力を重ねております。近年、情報通信伝達技術の目覚ましい発達により、新たなサービスの利用が可能となってきており、更に踏み込んだ製品の評価・解析技術力の向上と知的財産権の保全強化に注力した研究開発活動を継続しております。
生産・技術部門では、原材料から製品に至る過程での化学物質管理を一層強固にするため、設計・生産段階への化学物質に関する最新情報を一元管理するデーターベースによる審査・承認の仕組みの整備も積み重ね、安全・安心を提供する「ものづくり」に力を注いでおります。
次世代事業の製品創出にはSDGs活動が必須となる中で、日本および国際社会の一員として各企業、研究機関等との連携・共同研究による技術開発に努め、環境負荷低減を意識した新製品開発を進めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は973百万円であります。
セグメント別の研究開発活動概要は次のとおりであります。
(インキ事業)
オフセットインキにつきましては、当社の主力製品であるヒートセットオフ輪プロセスインキ「ガイア」、枚葉プロセスインキ「ニューセルボ」に加え、新聞用高濃度インキ「ニューズメジャー」、高感度UVインキ「ジップキュアUVOL」の製品性能向上に引き続き注力いたしました。具体的にはエネルギーコストが著しく高騰する環境下に対応すべく低温乾燥対応品の開発を進めました。また、油性枚葉印刷がLED-UV印刷にシフトしていることに合わせて高感度紫外線硬化型インキの性能向上等を推し進め、「ジップキュアUVOL」の販売は堅調に推移いたしました。更に業界の流れや環境に配慮した製品として高バイオマスオフ輪インキ「GAIA® VLC」、水なし印刷用製品の開発・改良にも注力してまいりました。印刷市場の変化縮小による販売競争の激化に対応するべく、需要家である印刷会社からのニーズを確実に製品に反映した結果、顧客内シェアを確保できました。
また、世界的なインフレに起因する大幅な原材料高に対しての生産効率化と安価原材料への置換の推進や上記既存製品群の改良を行いましたが、急激な変化に追いつけず収益改善効果はわずかとなりました。
新聞インキにつきましては、新聞発行部数が減少する中で、積極的な開発・改良設計に取り組み、高濃度新聞輪転用プロセスインキ「ニューズメジャークロマ」、高漆黒新聞墨インキ「ニューズメジャークロマブラック」の性能向上を図りました。
その他、オフセット用印刷用補助剤につきましては、印刷機の不要な停止を極力減らす製品づくりや環境負荷低減対応を第一優先に考えた無処理版対応製品の拡充により、使い易さだけでなく安全で環境に貢献する製品の提供に努めてまいりました。今後も、環境に配慮した高収益メーカーとなるべく、地球と人にやさしい設計による製品の提供により、需要家の要望に応えてまいります。
グラビアインキにつきましては、食品包材向けフィルム用インキ、成型品用インキの開発・改良を進め、環境調和製品や機能性、意匠性を有する製品の開発に取り組んでまいりました。環境調和製品につきましては、バイオマス由来材料を使用したインキの品種拡大を進め、バイオマスマーク登録を行ってまいりました。更に非食用米ぬか由来材料を使用したインキの開発にも取り組み、開発したライスインキの拡販を進めました。
機能性製品につきましては、自動蒸気抜け用インキ、遮光性インキ、バリアインキ、マットインキ、ヒートシール剤、モノマテリアル対応インキ、蒸着用コーティング剤等の開発を行ってまいりました。意匠性製品につきましては、電子レンジ用途での金インキや銀インキの採用が広がり、拡販が達成できました。更に輝度を上げた銀インキを開発し、パスター加工代替を狙った新たな製品提案を行い、徐々に販売を増加させております。
今後もさまざまな包装材料分野への展開を進めるとともに、これら機能性、意匠性を有する高付加価値製品を充実させてまいります。
インクジェットインクにつきましては、受託製品の獲得と自社製品の開発に取り組んでまいりました。受託製品では、できるだけ多くの新規獲得を目指しております。
自社製品につきましては、建材塗料代替となる外壁用・内壁用UVインクジェットインク、マーキング用や加飾用等の機能性UVインクも順調に推移しております。今後も機能性UV硬化インクを中心とした開発に取り組み、さまざまな分野、用途において採用を目指してまいります。
当連結会計年度におけるインキ事業の研究開発費は346百万円であります。
(化成品事業)
マスターバッチにつきましては、主力のポリオレフィン用カラー・添加剤マスターバッチに加え、汎用エンプラ用、バイオプラスチック用各種マスターバッチ製品の拡充、および環境負荷を低減する製品開発を進めてまいりました。これらの活動において、容器包装リサイクルの推進に寄与するマテリアルリサイクル用相容化剤マスターバッチ「モノヘルパー®」およびPET用リサイクル成形加工助剤「プラヘルパー®α」を上市いたしました。
また、既存のマスターバッチに加え、加工時の熱エネルギーを削減できる液体タイプのマスターバッチ「リキッドカラー HiFormer®」は、供給機に高度な制御技術を適用した専用の供給機システム開発により、成形品の品質安定性を向上させました。環境性能を求める顧客ニーズに沿ったシステムを開発することで新規分野への拡販を継続して行ってまいります。
今後も環境負荷を低減する製品開発への取り組みを継続するとともに、更に外部環境変化に対応し、新規開発テーマの推進を掲げ事業領域の拡大により目標利益獲得を目指します。新型コロナウイルス感染症の影響、脱プラスチックの動きにより縮小分野もありますが、引き続きシェアの拡大と戦略製品の開発を進めてまいります。
樹脂コンパウンドにつきましては、機能性製品の開発として、各種機能性フィラー等の分散検討に引き続き取り組み、分散・配合技術を駆使した生産技術を確立し、新たな製品開発を目指してまいります。
土岐クリーン工場のクリーン環境下における新製品立ち上げも継続して取り組んでおります。引き続き、差別化製品の確立に向けた量産試作を継続して行い、食品、医療、電子、エネルギー、光学フィルム関連材料を中心に、顧客との共同開発テーマを積極的に進めてまいります。
また、新たな生産プロセスとなる、自動化、省人力化に寄与できる生産技術の導入も進めてまいります。
タイ工場につきましては、日本国内への製品輸入も行う生産拠点の多様化への対応、新規銘柄の開発および品質管理支援を行ってまいりました。これらの活動において売り上げも徐々に上昇してきております。引き続き、東南アジア市場でのニーズに応える製品開発を目指し、取り組んでまいります。
今後も生産・販売・技術が一体となり、マーケット情報を共有してニーズに沿った製品開発を進めてまいります。
当連結会計年度における化成品事業の研究開発費は404百万円であります。
(加工品事業)
ネトロン®につきましては、水処理用資材の開発に注力してまいりました。この取り組みの中で顧客からの製品開発依頼が増加したため、金型設計から試作品の評価まで一貫して対応可能な体制を構築してまいりました。引き続き、製品開発依頼の増加に対応するため、来期に1系列増設を計画しております。これからも新製品開発と安定供給の両輪でネトロン®のトップメーカーとしての責任を果たしてまいります。
土木資材につきましては、国土強靭化の一環である「防災・減災」への取り組みを踏まえ「安心・安全」、「環境・エコ」をコンセプトに主力製品であるジオセルを基軸として開発に注力してまいりました。また、ジオセルを施工する際、省人化・省力化につながる周辺部材についても開発を手掛けてまいりました。今期はジオセル同士を現場で容易に接続する部材「セルジョイント®」および現場で使用している異形鉄筋杭に代わるプラスチック杭「セルアンカー®」を上市いたしました。両製品ともに顧客より、施工性の向上が図れたと高評価をいただいております。特に「セルアンカー®」につきましては、素材を金属からリサイクル樹脂へ代えたことにより、施工後の錆による腐食の心配がなくなり、安全性の向上を図りながら使用済みプラスチック製品の資源循環を促進しております。さらに、農林水産省が推進する自動走行農機等に対応した農地整備に寄与できる製品および工法の開発にも取り組んでまいりました。工法開発では、ジオセルを使用した新工法「グランドセル砕石舗装工法」の開発を進め、国土交通省新技術情報提供システム「NETIS」に登録いたしました。これらに加えて、ジオセルの製品開発並びに技術の蓄積を図るために、製造設備の開発にも着手いたしました。今後も強靭なインフラ整備、防災、減災に役立つ環境にやさしい製品を開発してまいります。
農業資材につきましては、夏季の遮熱と冬季の保温対策に有効な製品開発を継続してまいりました。そのような中、植物の成長に必要な光の波長は透過し、温度に関係する赤外線波長領域は遮断するという、明るさ、遮熱機能および保温機能の複数機能を併せ持った農業用内張カーテン「EKエナジーキーパー」の開発を行いました。本製品により、冬季の燃料費削減、ならびに天候に左右されない安定的な植物栽培を目指しております。また、自社内に農業用ハウスを設置し、開発品や市販品の性能評価を検証しております。これらの活動を通じて、環境負荷を低減し、食料の安定確保に貢献できる製品開発を継続してまいります。
当連結会計年度における加工品事業の研究開発費は118百万円であります。
(その他)
当社の研究開発は、新製品開発、新規事業探索を目的に活動を行ってまいりました。当社のコア技術である分散技術の高度化および環境対応製品をキーワードに、今後成長が期待されるエネルギー分野やセンサー分野に対して、機能性材料の設計へとその活動範囲を徐々に広げてまいりました。
このような中、近年の自動車のEV化や自動運転に伴う電子機器類の熱対策、モーター等の産業用電気機器における放熱性の要求の高まりに対して、放熱材ギャップフィラーの製品開発に注力し、事業化に向け組織的な活動を開始いたしました。また、エネルギー分野においては、燃料電池用導電性インキの開発を行っており、商品化に向けた活動を継続しております。センサー分野につきましては、ナノ粒子の分散技術を活かし、医療用X線診断装置や一般X線分析装置等に搭載している検出器内の部材についてサンプル販売の環境を整え、製品化に向けた活動に取り組んでおります。今後も従来のコア技術と研究開発で確立した応用技術を融合し、機能性を軸とした新製品の開発を進めてまいります。
一方、既存製品の生産プロセスにつきましても「省力化」、「自動化」、「安全性」を考慮したモデルラインを構築中であり、新規生産プロセスおよび新規混練機の開発を行い、合理化された将来の生産ラインを検討しております。今後も液系混合プロセスラインを含め、新規プロセス検討にも注力してまいります。また、当社グループ事業に関わる合理化の検討および生産コスト削減に寄与できるよう努めてまいります。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は105百万円であります。
これらの基盤技術に新規技術の調査・探求、研究成果を融合させて改良を加え、暮らしに役立つより良い製品の創出に努力を重ねております。近年、情報通信伝達技術の目覚ましい発達により、新たなサービスの利用が可能となってきており、更に踏み込んだ製品の評価・解析技術力の向上と知的財産権の保全強化に注力した研究開発活動を継続しております。
生産・技術部門では、原材料から製品に至る過程での化学物質管理を一層強固にするため、設計・生産段階への化学物質に関する最新情報を一元管理するデーターベースによる審査・承認の仕組みの整備も積み重ね、安全・安心を提供する「ものづくり」に力を注いでおります。
次世代事業の製品創出にはSDGs活動が必須となる中で、日本および国際社会の一員として各企業、研究機関等との連携・共同研究による技術開発に努め、環境負荷低減を意識した新製品開発を進めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は973百万円であります。
セグメント別の研究開発活動概要は次のとおりであります。
(インキ事業)
オフセットインキにつきましては、当社の主力製品であるヒートセットオフ輪プロセスインキ「ガイア」、枚葉プロセスインキ「ニューセルボ」に加え、新聞用高濃度インキ「ニューズメジャー」、高感度UVインキ「ジップキュアUVOL」の製品性能向上に引き続き注力いたしました。具体的にはエネルギーコストが著しく高騰する環境下に対応すべく低温乾燥対応品の開発を進めました。また、油性枚葉印刷がLED-UV印刷にシフトしていることに合わせて高感度紫外線硬化型インキの性能向上等を推し進め、「ジップキュアUVOL」の販売は堅調に推移いたしました。更に業界の流れや環境に配慮した製品として高バイオマスオフ輪インキ「GAIA® VLC」、水なし印刷用製品の開発・改良にも注力してまいりました。印刷市場の変化縮小による販売競争の激化に対応するべく、需要家である印刷会社からのニーズを確実に製品に反映した結果、顧客内シェアを確保できました。
また、世界的なインフレに起因する大幅な原材料高に対しての生産効率化と安価原材料への置換の推進や上記既存製品群の改良を行いましたが、急激な変化に追いつけず収益改善効果はわずかとなりました。
新聞インキにつきましては、新聞発行部数が減少する中で、積極的な開発・改良設計に取り組み、高濃度新聞輪転用プロセスインキ「ニューズメジャークロマ」、高漆黒新聞墨インキ「ニューズメジャークロマブラック」の性能向上を図りました。
その他、オフセット用印刷用補助剤につきましては、印刷機の不要な停止を極力減らす製品づくりや環境負荷低減対応を第一優先に考えた無処理版対応製品の拡充により、使い易さだけでなく安全で環境に貢献する製品の提供に努めてまいりました。今後も、環境に配慮した高収益メーカーとなるべく、地球と人にやさしい設計による製品の提供により、需要家の要望に応えてまいります。
グラビアインキにつきましては、食品包材向けフィルム用インキ、成型品用インキの開発・改良を進め、環境調和製品や機能性、意匠性を有する製品の開発に取り組んでまいりました。環境調和製品につきましては、バイオマス由来材料を使用したインキの品種拡大を進め、バイオマスマーク登録を行ってまいりました。更に非食用米ぬか由来材料を使用したインキの開発にも取り組み、開発したライスインキの拡販を進めました。
機能性製品につきましては、自動蒸気抜け用インキ、遮光性インキ、バリアインキ、マットインキ、ヒートシール剤、モノマテリアル対応インキ、蒸着用コーティング剤等の開発を行ってまいりました。意匠性製品につきましては、電子レンジ用途での金インキや銀インキの採用が広がり、拡販が達成できました。更に輝度を上げた銀インキを開発し、パスター加工代替を狙った新たな製品提案を行い、徐々に販売を増加させております。
今後もさまざまな包装材料分野への展開を進めるとともに、これら機能性、意匠性を有する高付加価値製品を充実させてまいります。
インクジェットインクにつきましては、受託製品の獲得と自社製品の開発に取り組んでまいりました。受託製品では、できるだけ多くの新規獲得を目指しております。
自社製品につきましては、建材塗料代替となる外壁用・内壁用UVインクジェットインク、マーキング用や加飾用等の機能性UVインクも順調に推移しております。今後も機能性UV硬化インクを中心とした開発に取り組み、さまざまな分野、用途において採用を目指してまいります。
当連結会計年度におけるインキ事業の研究開発費は346百万円であります。
(化成品事業)
マスターバッチにつきましては、主力のポリオレフィン用カラー・添加剤マスターバッチに加え、汎用エンプラ用、バイオプラスチック用各種マスターバッチ製品の拡充、および環境負荷を低減する製品開発を進めてまいりました。これらの活動において、容器包装リサイクルの推進に寄与するマテリアルリサイクル用相容化剤マスターバッチ「モノヘルパー®」およびPET用リサイクル成形加工助剤「プラヘルパー®α」を上市いたしました。
また、既存のマスターバッチに加え、加工時の熱エネルギーを削減できる液体タイプのマスターバッチ「リキッドカラー HiFormer®」は、供給機に高度な制御技術を適用した専用の供給機システム開発により、成形品の品質安定性を向上させました。環境性能を求める顧客ニーズに沿ったシステムを開発することで新規分野への拡販を継続して行ってまいります。
今後も環境負荷を低減する製品開発への取り組みを継続するとともに、更に外部環境変化に対応し、新規開発テーマの推進を掲げ事業領域の拡大により目標利益獲得を目指します。新型コロナウイルス感染症の影響、脱プラスチックの動きにより縮小分野もありますが、引き続きシェアの拡大と戦略製品の開発を進めてまいります。
樹脂コンパウンドにつきましては、機能性製品の開発として、各種機能性フィラー等の分散検討に引き続き取り組み、分散・配合技術を駆使した生産技術を確立し、新たな製品開発を目指してまいります。
土岐クリーン工場のクリーン環境下における新製品立ち上げも継続して取り組んでおります。引き続き、差別化製品の確立に向けた量産試作を継続して行い、食品、医療、電子、エネルギー、光学フィルム関連材料を中心に、顧客との共同開発テーマを積極的に進めてまいります。
また、新たな生産プロセスとなる、自動化、省人力化に寄与できる生産技術の導入も進めてまいります。
タイ工場につきましては、日本国内への製品輸入も行う生産拠点の多様化への対応、新規銘柄の開発および品質管理支援を行ってまいりました。これらの活動において売り上げも徐々に上昇してきております。引き続き、東南アジア市場でのニーズに応える製品開発を目指し、取り組んでまいります。
今後も生産・販売・技術が一体となり、マーケット情報を共有してニーズに沿った製品開発を進めてまいります。
当連結会計年度における化成品事業の研究開発費は404百万円であります。
(加工品事業)
ネトロン®につきましては、水処理用資材の開発に注力してまいりました。この取り組みの中で顧客からの製品開発依頼が増加したため、金型設計から試作品の評価まで一貫して対応可能な体制を構築してまいりました。引き続き、製品開発依頼の増加に対応するため、来期に1系列増設を計画しております。これからも新製品開発と安定供給の両輪でネトロン®のトップメーカーとしての責任を果たしてまいります。
土木資材につきましては、国土強靭化の一環である「防災・減災」への取り組みを踏まえ「安心・安全」、「環境・エコ」をコンセプトに主力製品であるジオセルを基軸として開発に注力してまいりました。また、ジオセルを施工する際、省人化・省力化につながる周辺部材についても開発を手掛けてまいりました。今期はジオセル同士を現場で容易に接続する部材「セルジョイント®」および現場で使用している異形鉄筋杭に代わるプラスチック杭「セルアンカー®」を上市いたしました。両製品ともに顧客より、施工性の向上が図れたと高評価をいただいております。特に「セルアンカー®」につきましては、素材を金属からリサイクル樹脂へ代えたことにより、施工後の錆による腐食の心配がなくなり、安全性の向上を図りながら使用済みプラスチック製品の資源循環を促進しております。さらに、農林水産省が推進する自動走行農機等に対応した農地整備に寄与できる製品および工法の開発にも取り組んでまいりました。工法開発では、ジオセルを使用した新工法「グランドセル砕石舗装工法」の開発を進め、国土交通省新技術情報提供システム「NETIS」に登録いたしました。これらに加えて、ジオセルの製品開発並びに技術の蓄積を図るために、製造設備の開発にも着手いたしました。今後も強靭なインフラ整備、防災、減災に役立つ環境にやさしい製品を開発してまいります。
農業資材につきましては、夏季の遮熱と冬季の保温対策に有効な製品開発を継続してまいりました。そのような中、植物の成長に必要な光の波長は透過し、温度に関係する赤外線波長領域は遮断するという、明るさ、遮熱機能および保温機能の複数機能を併せ持った農業用内張カーテン「EKエナジーキーパー」の開発を行いました。本製品により、冬季の燃料費削減、ならびに天候に左右されない安定的な植物栽培を目指しております。また、自社内に農業用ハウスを設置し、開発品や市販品の性能評価を検証しております。これらの活動を通じて、環境負荷を低減し、食料の安定確保に貢献できる製品開発を継続してまいります。
当連結会計年度における加工品事業の研究開発費は118百万円であります。
(その他)
当社の研究開発は、新製品開発、新規事業探索を目的に活動を行ってまいりました。当社のコア技術である分散技術の高度化および環境対応製品をキーワードに、今後成長が期待されるエネルギー分野やセンサー分野に対して、機能性材料の設計へとその活動範囲を徐々に広げてまいりました。
このような中、近年の自動車のEV化や自動運転に伴う電子機器類の熱対策、モーター等の産業用電気機器における放熱性の要求の高まりに対して、放熱材ギャップフィラーの製品開発に注力し、事業化に向け組織的な活動を開始いたしました。また、エネルギー分野においては、燃料電池用導電性インキの開発を行っており、商品化に向けた活動を継続しております。センサー分野につきましては、ナノ粒子の分散技術を活かし、医療用X線診断装置や一般X線分析装置等に搭載している検出器内の部材についてサンプル販売の環境を整え、製品化に向けた活動に取り組んでおります。今後も従来のコア技術と研究開発で確立した応用技術を融合し、機能性を軸とした新製品の開発を進めてまいります。
一方、既存製品の生産プロセスにつきましても「省力化」、「自動化」、「安全性」を考慮したモデルラインを構築中であり、新規生産プロセスおよび新規混練機の開発を行い、合理化された将来の生産ラインを検討しております。今後も液系混合プロセスラインを含め、新規プロセス検討にも注力してまいります。また、当社グループ事業に関わる合理化の検討および生産コスト削減に寄与できるよう努めてまいります。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は105百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00904] S100RAK4)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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