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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TNTP (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 武田薬品工業株式会社 研究開発活動 (2024年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当年度の研究開発費の総額は7,299億円であります。なお、当社の研究開発費の予算は、全社的に決定されており、特定の支出は開発の結果および優先事項に応じて再配分の対象となる場合があるため、当社の研究開発費について、疾患領域あるいは臨床試験段階毎の内訳を報告しておりません。
医薬品の研究開発のプロセスは、長期にわたり多額の費用を伴い、その期間は10年を越えることもあります。このプロセスには、新薬の有効性および安全性の評価のための複数の試験、データを審査し販売承認の可否を判断する規制当局に対する申請が含まれます。こうした精査の過程を通過し、臨床での治療に用いることができる候補物質はごく僅かです。承認取得後も、上市後の製品に対しては、ライフサイクルマネジメント、メディカルアフェアーズやその他の投資を含め、継続的な研究開発活動による支援が行われます。
臨床試験は、地域的および国際的な規制ガイドラインを遵守し、通常5から7年もしくはそれ以上を費やして実施されるものであり、相応の費用を伴います。通常、臨床試験は医薬品規制調和国際会議(ICH)が制定したガイドラインに沿って実施されます。これに関わる規制当局は、米国では食品医薬品局(FDA)、欧州連合では欧州医薬品庁(EMA)、日本では厚生労働省(MHLW)、中国では国家薬品監督管理局(NMPA)です。
ヒトの臨床試験は以下の3相で実施されます(各相が一部重複することもあります):
・臨床第1相(P-1)試験
少人数の健康な成人の志願者を被験者として、薬物の安全性、吸収、分布、代謝、排泄について評価するために実施
・臨床第2相(P-2)試験
少人数の志願患者さんを被験者として、安全性、有効性、用量および用法を評価するために実施
臨床第2相試験はP-2aとP-2bの2つのサブカテゴリーに分割されることがあります。P-2a試験は通常臨床上の有効性または生物学的活性を示すためにデザインされたパイロット試験であり、P-2b試験は薬物が最少の副作用で生物学的活性を示す最適用量を探索するために行われます。
・臨床第3相(P-3)試験
大人数の志願患者さんを被験者として、既存の薬剤またはプラセボと比較した安全性および有効性を評価するために実施
これら3相のうち、臨床第3相にかかる開発費用が最も大きく、臨床第3相試験へ進めるか否かの決定は、医薬品開発における重要なビジネス判断となります。臨床第3相試験を通過した候補薬物については、管轄の規制当局に新薬承認申請書(NDA)、生物製剤承認申請(BLA)または医薬品販売承認申請(MAA)を提出し、規制当局より承認を取得した場合に上市が可能となります。NDA、BLA、MAAの作成には、膨大な量のデータの収集、検証、分析が必要であり、多額の費用が伴います。製品上市後も、保健当局により有害事象の市販後調査や、当該医薬品のリスク・ベネフィットに関する追加情報を提供するための市販後試験の実施を求められることがあります。
当社の研究開発は、サイエンスにより、患者さんの人生を根本的に変えうるような非常に革新性が高い医薬品を創製することに注力しています。当社は、「革新的なバイオ医薬品」、「血漿分画製剤」および「ワクチン」の3つの分野において研究開発活動を実施しています。「革新的なバイオ医薬品」に対する研究開発は、当社の研究開発投資の中で最も高い比率を占めています。「革新的なバイオ医薬品」における重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー)には、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても、未だ有効な治療法が確立されていない高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が存在する疾患に対し、当社はベスト・イン・クラスあるいはファースト・イン・クラスとなりうる画期的な新規候補物質を創出してまいりました。当社は希少疾患に対してコミットしており、当社が探求している患者さんの人生を根本的に変えうるような医薬品の多くは、当社の重点疾患領域および血漿分画製剤領域における希少疾患を治療するものとなります。当社では新たな研究開発能力、さらには次世代プラットフォームに対して社内および外部との提携によるネットワークを通じて投資し、細胞療法および遺伝子治療の領域の強化を図っています。また、当社はデータとデジタル技術を活用し、イノベーションの質を向上させ、実行を加速させています。
当社のパイプラインは、当社事業の短期的および長期的かつ持続的な成長を支えるものです。初回の承認取得後も上市後の製品に対して、地理的拡大や効能追加に加え、市販後調査および剤型追加の可能性を含めた継続的な研究開発活動による支援体制が整っています。当社の研究開発チームは、販売部門との緊密な連携を通じ既発売品の価値の最大化を図り、販売活動を通じて得られた知見を研究開発戦略やポートフォリオに反映します。
自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。
当社の主要な研究開発施設には以下を含みます:
• グレーターボストン地区研究開発サイト:当社のボストン研究開発サイトは米国マサチューセッツ州ケンブリッジに位置しています。本サイトは当社のグローバルでの消化器系・炎症性疾患領域、オンコロジー、ならびにその他の希少疾患品目の研究開発の中心であり、加えて血漿分画製剤やワクチンなど他の疾患領域の研究開発や免疫調節および生物学的製剤の研究も支援しています。最先端の細胞療法の製造施設を備えた、当社の細胞療法研究の拠点です。さらに当社は、ケンドール・スクエアに新たに建設中の約60万平方フィートの最新鋭の研究開発およびオフィス施設について、15年間のリース契約を締結し、2026年より入居する予定です。
• 湘南ヘルスイノベーションパーク:日本の神奈川県藤沢・鎌倉地域に位置する湘南ヘルスイノベーションパーク(以下、「湘南アイパーク」)は、当社の湘南研究所を外部に開放する形で、2018年に設立された日本初の製薬企業発サイエンスパークであり、当社のニューロサイエンス研究の主要拠点です。当社はより多様なパートナーを招致し、湘南アイパークのさらなる成功を目指すため、2020年に信託設定、2023年には湘南アイパークの運営事業を当社が設立した会社に承継しました。当社は、アンカーテナントとして今後も日本におけるライフサイエンスの研究活性化に注力します。
• サンディエゴ研究開発サイト(注):米国カリフォルニア州サンディエゴにある当社の研究開発拠点であり、消化器系・炎症性疾患およびニューロサイエンス領域における研究開発を支援しています。本研究サイトは、バイオテックのような形態で研究を行う拠点であり、構造生物学および生物物理学などの社内技術を駆使し、社内外で行われる研究を促進します。
• オーストリア ウィーン研究開発サイト:オーストリア ウィーンに位置する当社の研究開発サイトであり、研究開発および血漿分画製剤のプログラムを支援しています。本研究サイトは、生物学的製剤の研究開発に注力するとともに血漿分画製剤の製造施設を備えています。ウィーンのドナウシュタット地区には、アクセシビリティ、快適性、環境の持続可能性に関する基準に準拠したTotal Quality Building(TQB)としての認証を受けられるようデザインされたグリーンビルディングとして、新たな研究開発施設が2026年に設立される予定です。
(注)2024年5月、当社はサンディエゴ研究開発サイトを閉鎖することを決定しました。
当社の2023年4月以降の主要な研究開発活動の進捗は、以下のとおりです。

研究開発パイプライン
消化器系・炎症性疾患
消化器系・炎症性疾患において、消化管疾患、肝疾患および免疫介在性の炎症性疾患の患者さんに革新的で人生を変えうるような治療法をお届けすることにフォーカスしています。炎症性腸疾患(IBD)においては、ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)に関する皮下注射製剤の開発および活動性の慢性回腸嚢炎をはじめとする適応症拡大を含め、フランチャイズのポテンシャルを最大化しています。加えて、GATTEX/レベスティブの地理的拡大により当社の消化器系疾患におけるポジショニングの拡大を目指しています。また、当社は、自社創製、社外との提携および事業開発を通じて炎症性疾患(消化器系、皮膚科系、リウマチ性の疾患に加え、厳選した希少血液疾患および腎疾患(mezagitamab (TAK-079)など))、肝疾患、神経性消化器疾患における機会を探索し、パイプラインの構築を進めております。そのうち、後期開発段階にあり、複数の免疫介在性炎症性疾患の治療薬としてベスト・イン・クラスとなる可能性を有する経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬zasocitinib(TAK-279)は、事業開発を通じて獲得した候補物質の一例です。また、後期開発段階にあるfazirsiran(TAK-999)は、α-1アンチトリプシン欠損関連肝疾患に対するファースト・イン・クラスのRNA干渉治療薬となる可能性があり、社外との提携を通じたパイプライン構築の一例です。
(注)アジンマ(apadamtase alfa/cinaxadamtase alfa(遺伝子組換え)(開発コード:TAK-755))およびmezagitamab(TAK-079)は、2023年度第4四半期より消化器系・炎症性疾患領域において開発が継続されています。

[ENTYVIO/エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ]
- 2023年4月、当社は、ENTYVIO点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する維持療法として、ENTYVIO皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請(BLA)を米国食品医薬品局(FDA)に再提出し、受理されたことを公表しました。今回の再提出は、2019年12月の審査完了報告通知(CRL)におけるFDAの指摘内容に対応することを目的としていました。CRLの受領以降、当社はFDAと緊密に連携し、当局の指摘内容に取り組んでまいりました。今回の再提出パッケージには、ENTYVIO皮下注射製剤の使用について検討するために収集した追加データが含まれていました。同通知の内容は、ENTYVIO点滴静注製剤、臨床安全性および有効性データ、ならびにENTYVIO皮下注射製剤のBLAを支持する検証試験であるVISIBLE1試験の結論とは関連していませんでした。VISIBLE1試験では、0週および2週時点に非盲検下にてENTYVIO点滴静注製剤を2回投与後、6週時点で臨床的改善が得られた中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者216例を対象に、ENTYVIO皮下注射製剤の維持療法としての安全性および有効性を評価しました。主要評価項目は、52週時点における臨床寛解であり、これは完全Mayoスコアが2ポイント以下、かつすべてのサブスコアが1以下と定義しました。2023年9月、当社は、ENTYVIO点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する維持療法として、ENTYVIO皮下注射製剤が、FDAによって承認されたことを公表しました。
- 2023年9月、当社は、中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能または効果として、エンタイビオ皮下注108mgペン/同皮下注108mgシリンジ(エンタイビオSC)について、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、エンタイビオSCの中等症から重症の活動期クローン病の維持療法としての有効性および安全性を評価した国際共同臨床第3相試験であるMLN0002SC-3031試験およびMLN0002SC-3030試験に基づくものです。
- 2024年4月、当社は、ENTYVIO点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期クローン病に対する維持療法として、ENTYVIO皮下注射製剤がFDAにより承認されたことを公表しました。本承認は、VISIBLE2試験(SC CD試験)のデータに基づきます。本試験は、0週および2週時点に非盲検下にてENTYVIOの点滴静注製剤による静脈内投与を2回実施後、6週時点で臨床的改善を達成した、中等症から重症の活動期クローン病成人患者全409例を対象に、ENTYVIO皮下注射製剤による維持療法の安全性と有効性をプラセボと比較して評価した無作為二重盲検臨床第3相試験です。52週時点における長期の臨床的寛解率において、ENTYVIO皮下注射製剤108mgを維持療法として2週間ごとに投与した群では、プラセボ投与群と比較し統計学的に有意に高い結果(ENTYVIO皮下注射群:48%、プラセボ投与群:34%、p<0.01)を示しました。臨床試験において、ENTYVIO皮下注射製剤の安全性プロファイルは、点滴静注製剤の既知の安全性プロファイルと概ね一致していましたが、皮下注射製剤の副作用として注射部位反応(注射部位の紅斑、発疹、そう痒症、腫脹、挫傷、血腫、疼痛、蕁麻疹、浮腫)が追加されました。

[アロフィセル 一般名:ダルバドストロセル]
- 2023年10月、当社は、クローン病に伴う複雑痔瘻の治療薬アロフィセルの有効性および安全性を評価する臨床第3相ADMIRE-CD II試験において、主要評価項目である24週時点の複合寛解率を達成しなかったことを公表しました。アロフィセルの安全性プロファイルは過去の試験と一致し、安全性に関する新たな所見は認められませんでした。データ解析から得られた結果は、今後、医学学会または査読付き学術誌において発表する予定です。アロフィセルは、これまでに完了しているADMIRE-CD試験の良好な結果に基づき、欧州連合(EU)、イスラエル、スイス、セルビア、英国および日本において承認されています。

[アジンマ 一般名:apadamtase alfa/cinaxadamtase alfa(遺伝子組換え)(開発コード:TAK-755)]
- 2023年6月、当社は、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対する予防的治療法として、TAK-755補充療法の安全性および有効性を評価する無作為化対照非盲検クロスオーバー国際共同ピボタル臨床第3相試験の中間解析の良好な結果およびTAK-755の薬物動態(PK)の特性に加えて、臨床第3b相継続試験からのTAK-755の予防効果に関する長期データを2023年の国際血栓止血学会(ISTH)で発表しました。本ピボタル試験では、TAK-755の予防的治療を受けている期間中に急性TTPイベントが発現した患者はいませんでした。また、TAK-755は、血漿製剤を用いた治療(血漿療法)と比較して血小板減少症事象の発現率を60%低減させました(ハザード比[HR]0.40;95%信頼区間[CI]:0.3–0.7)。試験治療下で発現した有害事象は、血漿療法群で50%であったのに対し、TAK-755の投与を受けた12歳以上68歳以下の患者において10.3%であり、良好な安全性および忍容性プロファイルが確認されるとともに血漿療法よりも安全性が高い可能性が示されました。加えて、12歳以上のcTTP患者36例を対象に、単回輸注後(0~168時間)のADAMTS13の薬物動態の特性を評価し、血漿療法と比較しました。TAK-755による治療を受けた患者は、血漿療法を受けた患者と比較して、ADAMTS13の活性レベルが5倍増加し(Cmax:TAK-755群 100% vs. 血漿療法群 19%)、かつ変動が少ないという結果でした(変動係数[CV]:23.8% vs. 56%)。
また、cTTP患者29例を対象にTAK-755の長期予防投与の安全性および有効性を評価した臨床第3b相継続試験の中間解析の結果、TAK-755の予防投与による安全性プロファイルは一貫して良好であり、中和抗体の産生は認められませんでした。TAK-755の予防投与期間中に発現した急性TTPイベントはなく、亜急性TTPイベントおよびTTP症状の発現率は、ピボタル試験におけるTAK-755予防投与時の発現率と同程度でした。
- 2023年11月、当社は、米国食品医薬品局(FDA)により、cTTPの成人および小児患者の予防的治療薬ならびに酵素補充療法としてADZYNMAの承認を取得したことを公表しました。本剤は、cTTPを対象としたファスト・トラック指定、希少疾病用医薬品指定および希少小児疾患指定を受け、生物学的製剤承認申請(BLA)は優先審査指定を受けていました。また、FDAは本承認に対して希少小児疾患優先審査権を付与しました。本承認は、cTTPを対象とした初の無作為比較非盲検クロスオーバー臨床第3相試験の有効性、薬物動態、安全性および忍容性データの解析、ならびに継続試験のデータを含む包括的なエビデンスに基づきます。ADZYNMAは、欠乏したADAMTS13酵素を補充することによりcTTP患者のアンメット・メディカル・ニーズに対応するFDAに承認された初めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)です。
- 2024年3月、当社は、アジンマ静注用1500について、12歳以上の患者を対象に、cTTPを効能または効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、主に12歳から68歳のcTTP患者(日本人5例を含む)を対象とした初のグローバル臨床第3相試験である281102試験における有効性、薬物動態、安全性および忍容性の中間解析データ、および継続試験であるTAK-755-3002試験における長期的安全性および有効性のデータに基づくものです。
- 2024年5月、当社は、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、cTTPの小児および成人患者のADAMTS13欠乏症の治療薬としてTAK-755の承認を例外的な状況下において推奨したことを公表しました。欧州委員会の肯定的見解は、cTTPを対象とした初の無作為化比較対照非盲検クロスオーバー第3相試験から得られた有効性、薬物動態、安全性および忍容性データの中間解析を含む包括的エビデンスによって支持されました。

[EOHILIA 一般名:ブデソニド(開発コード:TAK-721)]
- 2024年2月、当社は、米国食品医薬品局(FDA)より、11歳以上の好酸球性食道炎(EoE)患者を対象に12週間の投与を適応としてEOHILIA(ブデソニド経口懸濁液)の承認を取得したことを公表しました。今回のFDAによるEOHILIAの2mg1日2回投与の承認は、EoE患者(それぞれ11~56歳および11~42歳)を対象にした2つの多施設共同無作為化二重盲検並行群間プラセボ対照12週試験(試験1および試験2)の有効性および安全性データに基づくものです。

[開発コード:TAK-279 一般名:zasocitinib]
- 2023年11月、当社は、活動性の乾癬性関節炎患者を対象としてzasocitinibを評価する無作為化二重盲検プラセボ対照臨床第2b相試験の良好な結果を、米国リウマチ学会(ACR)Convergence 2023のLate-Breaking Sessionにおいて発表しました。本試験では、1日1回投与した患者群において12週時点で米国リウマチ学会が定めた基準による20%以上の改善(ACR20)を示した患者の割合がzasocitinib群では53.3%(15mg)および54.2%(30mg)であり、プラセボ群の29.2%と比較して統計学的に有意に高く(p=0.002)主要評価項目を達成しました。本試験においてzasocitinibは重要な副次評価項目でも改善を示し、安全性および忍容性プロファイルは、尋常性乾癬を対象とした臨床第2b相試験と一致していました。本臨床第2b相試験の結果に基づき、乾癬性関節炎を対象としたzasocitinibの臨床第3相開発プログラムを開始する予定です。また当社は、2023年度第3四半期に尋常性乾癬を対象としたzasocitinibの臨床第3相開発プログラムを開始済みであり、クローン病、潰瘍性大腸炎などの免疫介在性炎症性疾患を対象としてzasocitinibを評価する予定です。

[開発コード:TAK-079 一般名:mezagitamab]
- 2024年6月、当社は、持続性もしくは慢性の一次性免疫性血小板減少症(特発性血小板減少性紫斑病:ITP)の患者を対象としたmezagitamabの安全性、忍容性および有効性を評価する臨床第2b相無作為化二重盲検プラセボ対照試験(TAK-079-1004試験)の良好な結果を第32回国際血栓止血学会(International Society on Thrombosis and Haemostasis Congress:ISTH)の口頭Late-Breakthrough Sessionで発表しました。TAK-079-1004試験は、慢性もしくは持続性のITP患者を対象に、3つの用量(100 mg、300mgおよび600 mg)を週1回、8週間にわたり皮下投与した後に8週間を超えて安全性追跡調査を行い、プラセボと比較評価しました。主要評価項目は、グレード3以上の有害事象、重篤な有害事象、および投与中止に至った有害事象を含む、試験治療下で有害事象を発現した患者の割合です。副次評価項目は、血小板反応、血小板反応の完全寛解、臨床的に意義のある血小板反応、止血血小板反応です。臨床第2b相試験の結果、評価した3つの用量すべてにおいて、mezagitamabの投与により血小板反応がプラセボと比較して大幅に改善することが示されました。Mezagitamab群では、血小板数の迅速かつ持続的な増加(治療閾値50,000/μL以上)が認められ、その効果が最終投与(8週目)から16週目まで8週間持続したことから、血小板反応に対する迅速な効果および治療後の効果が示されました。本試験で新たな安全性シグナルは検出されず、ITP患者においてmezagitamabの良好な安全性および忍容性プロファイルが示され、安全性プロファイルはこれまでに実施されたmezagitamabの試験と一致していました。当社は、ITP患者を対象としたmezagitamabの国際共同臨床第3相試験を2024年度下期に開始する予定です。なお、mezagitamabは米国食品医薬品局(FDA)よりITPを対象にオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を取得し、本プログラムはファストトラック(優先審査)の対象とされています。

ニューロサイエンス(神経精神疾患)
当社は、高いアンメット・ニーズが存在する神経疾患および神経筋疾患を対象に、革新的治療法に研究開発投資を集中させ、当社の専門知識やパートナーとの提携を生かし、パイプラインを構築しています。疾患の生物学的理解、トランスレーショナルなツール、革新的なモダリティの進展により、当社は希少神経疾患、特にオレキシン2受容体作動薬フランチャイズ(TAK-861、danavorexton(TAK-925)など)によるナルコレプシーや特発性過眠症などの睡眠・覚醒障害、およびsoticlestat(TAK-935)による希少てんかんの治療薬の開発に注力しています。当社はさらに、神経筋疾患、神経変性疾患および運動障害のうち患者セグメントを明確に定義できる疾患に特化した投資を行っています。

[開発コード:TAK-861]
- 2024年2月、当社は、ナルコレプシータイプ1(NT1)の患者を対象として開発中のTAK-861の無作為化二重盲検プラセボ対照反復投与臨床第2b相試験の良好なトップライン結果が得られたことを公表しました。当社は、ナルコレプシーにおける臨床第2b相試験として、NT1を対象とした試験とナルコレプシータイプ2(NT2)を対象とした試験の2つの試験を実施しました。本試験結果と世界各地の医薬品規制当局との協議に基づき、当社はNT1を対象とするTAK-861の国際共同臨床第3相試験を2024年度上期に速やかに開始する予定です。現時点では 、NT2を対象としたTAK-861の開発を進める予定はありません。NT1およびNT2を対象とするいずれの試験においても、TAK-861の安全性および忍容性は概ね良好でした。
- 2024年6月、米国睡眠学会および睡眠研究学会の第38回年次総会であるSLEEP2024において、NT1を対象としたTAK-861の臨床第2b相試験の良好な結果を発表しました。NT1患者112名を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照反復投与試験であるTAK-861-2001試験で、主要評価項目と副次評価項目において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が示され、有効性は8週間の投与期間にわたり持続しました。主要評価項目の覚醒維持検査(MWT)では、プラセボと比較して本試験で評価したTAK-861のすべての用量で統計学的に有意かつ臨床的に意味のある睡眠潜時の延長が認められました(プラセボとのLS平均差はすべてp≤0.001)。エプワース眠気尺度(ESS)および1週間あたりのカタプレキシー発現率(WCR)を含む主な副次評価項目でも一貫した結果が得られ、眠気およびカタプレキシー(筋緊張の突然の消失)の頻度に関する主観的評価項目がプラセボと比較して顕著に改善しました。本試験を完了した被験者の大部分は長期継続投与(LTE)試験に登録され、一部の患者は投与期間が1年に達しました。TAK-861の安全性および忍容性は概ね良好であり、治験薬と関連のある重篤な有害事象または有害事象による投与中止はありませんでした。臨床第2b相試験および現在実施中のLTEにおいて、肝毒性や視覚障害の事例は認められていません。主な有害事象は不眠症、尿意切迫、頻尿および唾液分泌過多でした。大部分の有害事象の重症度は軽度から中等度であり、そのほとんどが投与後1~2日以内に発現し、一過性でした。米国食品医薬品局(FDA)は、臨床第2b相試験のデータに基づき、TAK-861をNT1患者の日中の過度の眠気(EDS)治療薬としてブレークスルーセラピーに指定しました。

[開発コード:TAK-935 一般名:soticlestat]
- 2024年6月、当社は、soticlestatについてSKYLINE試験およびSKYWAY試験のトップラインデータを発表しました。SKYLINE(TAK-935-3001)試験は、難治性のドラベ症候群(DS)患者を対象としてsoticlestat+標準治療とプラセボ+標準治療を比較評価した臨床第3相多施設共同無作為化二重盲検試験です。Soticlestatは、プラセボと比較した、けいれん発作の発現頻度のベースラインからの減少という主要評価項目をわずかに達成しませんでした(p値=0.06)。6つの重要な副次評価項目のうち、soticlestatは16週間の投与期間にわたり、レスポンダーの割合、介護者および医師による全般印象改善尺度-改善の指標、並びに発作強度および持続時間のスケールにおいて臨床的に意義があり、名目上有意な結果を示しました(すべてp値≤0.008)。SKYWAY(TAK-935-3002)試験は、難治性のレノックス・ガストー症候群(LGS)の患者を対象としてsoticlestat+標準治療とプラセボ+標準治療を比較評価した臨床第3相多施設共同無作為化二重盲検試験です。Soticlestatはプラセボと比較して、major motor drop(MMD)発作の発現頻度のベースラインからの減少という新たな主要評価項目を達成しませんでした。SKYLINE試験およびSKYWAY試験では、事前に特定したサブグループの患者において、soticlestatは16週間の投与期間にわたり、主要評価項目および副次評価項目である介護者および医師の全般印象改善尺度-改善、並びに発作強度および持続時間スケールで臨床的に意義があり、名目上有意な治療効果が示されました。SKYLINE試験およびSKYWAY試験のいずれにおいてもsoticlestatの忍容性は概ね良好であり、これまでの臨床試験と一致する安全性プロファイルが示されました。今後の方針を決定するため、(SKYLINE試験、SKYWAY試験および臨床第2相試験のELEKTRA試験で)得られているデータ全体について規制当局と協議をする予定です。また、当社は両臨床第3相試験の結果を今後の学会で発表する予定です。

オンコロジー
オンコロジー領域では、患者さんを通じて得られるインスピレーションおよびあらゆるイノベーションを活用することで、がんの治癒を目指しています。本疾患領域では、(1)既発売品(ニンラーロ、アドセトリス、アイクルシグなど)を通じた血液がん領域におけるさらなるプレゼンスの構築、(2)既発売品(アルンブリグ、FRUZAQLA(米国において上市、中国本土、香港およびマカオを除く他の地域における開発が進行中))による固形がん領域の拡充、(3)高度に革新的な治療薬候補および基盤技術からなる最先端のパイプラインの進捗の3つの分野にフォーカスしています。

[カボメティクス 一般名:カボザンチニブ]
- 2024年1月、当社は、1種類の新規ホルモン療法による1回の前治療歴があり転移を有する去勢抵抗性前立腺がんで測定可能な軟部組織病変を有する患者を対象に、カボメティクスと抗PD-L1(Programmed Death-Ligand 1)ヒト化モノクローナル抗体アテゾリズマブの併用療法と、2剤目の新規ホルモン療法(NHT群)を比較した、Exelixis社が主導する国際共同臨床第3相CONTACT-02試験の結果が、2024年米国臨床腫瘍学会泌尿器癌シンポジウム(ASCO GU)の口頭セッションで発表されたことを公表しました。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)ITT(intent-to-treat)集団(400例)の追跡期間中央値14.3ヵ月において、ハザード比(HR)は0.65(95%信頼区間[CI]:0.50-0.84、p=0.0007)であり、PFS中央値(mPFS)は、カボメティクスとアテゾリズマブ併用群で6.3ヵ月であったのに対し、NHT群は4.2ヵ月でした。これはITT集団(507例)のPFSとほぼ同じでした(HRは0.64(95%信頼区間:0.50-0.81、p=0.0002))。もうひとつの主要評価項目である全生存期間(OS)中央値は、ITT集団の追跡期間中央値12.0ヵ月において、カボメティクスとアテゾリズマブ併用群の16.7ヵ月に対し、NHT群では14.6ヵ月であり(HR:0.79、95%CI:0.58-1.07、p=0.13)、改善傾向を示しました。本試験で認められたカボメティクスおよびアテゾリズマブの安全性プロファイルは、それぞれの単剤で既知の安全性プロファイルと一致しており、併用レジメンによる新たな安全性への懸念は特定されませんでした。

[アドセトリス 一般名:ブレンツキシマブ ベドチン]
- 2023年10月、当社は、欧州委員会(EC)より、未治療のⅢ期CD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者に対するドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(AVD)との併用療法として、悪性リンパ腫治療剤アドセトリスの承認を取得したことを公表しました。この決定は、2023年9月の欧州医薬品評価委員会(CHMP)の承認を推奨する肯定的見解に沿ったものです。本承認は、未治療のⅢ期またはⅣ期の成人ホジキンリンパ腫患者を対象に、アドセトリス+AVD療法をドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチンおよびダカルバジン併用群(ABVD)と比較した無作為化臨床第3相ECHELON-1試験の結果に基づきます。本試験では、主要評価項目である修正無増悪生存期間(PFS)および重要な副次評価項目である全生存期間(OS)が達成され、未治療のⅢ期またはⅣ期古典的ホジキンリンパ腫に対してアドセトリス+AVD併用療法を受けた成人患者のOSに統計学的に有意な改善が示されました。アドセトリスの安全性プロファイルはこれまでの臨床試験と一致しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
- 2023年11月、当社は、アドセトリスについて、再発又は難治性のCD30陽性の皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)を新たな効能・効果として、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。本承認は、再発または難治性のCD30陽性のCTCL患者を対象とした、海外臨床第3相臨床ALCANZA試験ならびに国内臨床第2相医師主導SGN-35-OU試験の結果に基づきます。
- 2024年6月、当社とファイザー株式会社は、第60回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会および第29回欧州血液学会(EHA)年次総会において、German Hodgkin Study Group(GHSG)が、アドセトリスと化学療法との併用療法を評価する臨床第3相HD21試験の良好な結果についてレイトブレーキングオーラルプレゼンテーションにて発表することを公表しました。GHSGが発表する4年時点での解析では、欧州における現在の標準治療レジメンと比較して優れた無増悪生存率(PFS)と忍容性の改善が示されました。HD21試験は、臨床第3相無作為化国際共同前向き非盲検試験であり、IIb/III/IV期古典的ホジキンリンパ腫と新たに診断された患者を対象に、アドセトリスとエトポシド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダカルバジンおよびデキサメタゾンの併用療法(BrECADD)を、標準治療であるブレオマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジンおよびprednisone(eBEACOPP)と比較して評価するデザインです。ASCOにおける発表では、GHSGが実施したHD21試験の4年PFS解析の詳細が発表されます。48ヵ月後、BrECADDはBEACOPPと比較して優れた有効性を示しました[BrECADD群PFS:94.3%、eBEACOPP群PFS:90.9%、ハザード比(HR):0.66(95% CI:88.7-93.1; p<0.035)]。3年時点の解析ですでに報告したように、BrECADDによる治療はBEACOPPと比較して治療関連罹患(TRMB)の発現率の有意な低下(n=738、42% vs 59%、p<0.001)ならびに臨床的に意味のある有害事象の減少とも関連していました。BrECADD群の患者におけるアドセトリスの安全性プロファイルは、承認された他のアドセトリス併用レジメンと一致しており、安全性に関して新たなシグナルは認められませんでした。

[ニンラーロ 一般名:イキサゾミブ]
- 2023年9月、当社は、ニンラーロカプセル 2.3mg/3mg/4mgの剤形追加として、厚生労働省に対しニンラーロカプセル0.5mgの製造販売承認申請を行ったことを公表しました。当社は多発性骨髄腫患者の維持療法における、より適切な用量調節の実現を目指し、ニンラーロの低用量製剤による新たな治療選択肢(1.5mg用量(0.5mg/カプセル×3))を提供すべく、今回の製造販売承認申請を行いました。

[EXKIVITY 一般名:mobocertinib]
- 2023年10月、当社は、プラチナ製剤ベースの化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異陽性を伴う局所進行性または転移性非小細胞肺がんの成人患者の治療薬EXKIVITYについて、米国食品医薬品局(FDA)との議論の結果、米国における自主的取り下げに向けてFDAと協働していくことを公表しました。EXKIVITYが既に承認されている国においては全世界で同様に自主的取り下げを開始する予定であり、現在販売されているその他の国では規制当局と今後の対応について協議を進めています。この決定は、臨床第3相EXCLAIM-2検証試験の結果に基づいています。この試験で主要評価項目が達成されなかったため、FDAから付与された迅速承認および他の国々における条件付き承認の検証データの要件を満たしませんでした。EXCLAIM-2試験は、EGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がんの一次治療におけるEXKIVITY単剤療法とプラチナ製剤ベースの化学療法との安全性および有効性を検討するために計画された臨床第3相多施設共同非盲検試験です。EXCLAIM-2試験において新たな安全性シグナルは認められませんでした。試験の全データは、今後の医学学会もしくは査読付き学術誌にて発表する予定です。

[FRUZAQLA 一般名:フルキンチニブ]
- 2023年6月、当社とHUTCHMED社は、治療歴を有する転移性大腸がん(mCRC)患者を対象にフルキンチニブを評価する臨床第3相試験FRESCO-2試験結果がThe Lancetに掲載されたことを公表しました。FRESCO-2試験は、治療歴を有するmCRC患者を対象に、フルキンチニブ+最良支持療法(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討する、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同臨床第3相試験です。FRESCO-2試験は主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、フルキンチニブの投与により、統計学的に有意で臨床的に意味のある全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の改善が示されました。FRESCO-2試験におけるフルキンチニブの安全性プロファイルは、これまでに報告されたフルキンチニブの試験結果と一致しています。
- 2023年9月、当社は前治療歴を有するmCRCに対する治療薬フルキンチニブについて、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。今回の製造販売承認申請は、国際共同臨床第3相FRESCO-2試験および臨床第3相FRESCO試験に基づくものです。
- 2023年11月、当社は、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法、および抗EGFR療法(RAS野生型で医学的に適切な場合)の治療歴があるmCRC成人患者に対し、FRUZAQLAが米国食品医薬品局(FDA)によって承認されたことを公表しました。FRUZAQLAは、バイオマーカーのステータスにかかわらず、治療歴を有するmCRC患者の治療薬として、米国で承認された初めてかつ唯一の3種類のVEGFRキナーゼすべてに対して選択性を有する阻害薬です。FRUZAQLAの承認は、中国で実施されたFRESCO試験およびグローバル試験であるFRESCO-2試験の2つの大規模臨床第3相試験のデータに基づきます。
- 2024年6月、当社は、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法ならびに抗EGFR療法による治療歴があり、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤又はレゴラフェニブのいずれかによる治療中に進行した、もしくはこれらに不耐のmCRC成人患者に対する単剤療法として、FRUZAQLAが欧州委員会によって承認されたことを公表しました。今回の承認は、国際共同第3相試験であるFRESCO-2試験の結果に基づいています。

[アイクルシグ 一般名:ポナチニブ]
- 2024年3月、当社は、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)と新たに診断された成人患者の化学療法併用下での治療薬としてのアイクルシグについて、米国食品医薬品局(FDA)より、医薬品承認事項変更申請(sNDA)の承認を取得したことを公表しました。本適応症は、グローバル臨床第3相PhALLCON試験から得られた導入療法終了時の微小残存病変(MRD)陰性完全寛解(CR)率の達成に基づく迅速承認において承認されました。アイクルシグはイマチニブと比較して優越性を示し、本試験におけるアイクルシグの安全性プロファイルはイマチニブと同等であり新たな安全性シグナルは確認されませんでした。本適応症の承認継続には、検証試験における臨床的有用性の確認と説明が条件となる場合があります。本迅速承認申請は優先審査指定を受け、リアルタイムオンコロジーレビュー(RTOR)プログラム(完全な申請書を提出する前に申請の構成要素の審査を可能にすることでがん治療薬の提供を迅速化することを目的とするFDAイニシアチブ)下で評価されました。

[ベクティビックス 一般名:パニツムマブ]
- 2024年2月、当社は、ベクティビックスの切除不能進行再発大腸がんの初回薬物療法に関する国内臨床第3相試験であるPARADIGM試験に参加した患者から、治療開始前に採取した血液を用いて血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を解析し、治療効果との関連を検討したバイオマーカー研究に関する論文が、生物医学ジャーナルNature Medicineに掲載されたことを公表しました。本研究の結果、抗EGFR抗体薬の治療耐性との関連が報告されている10個の遺伝子異常(KRAS、NRAS、BRAF(V600E)、PTENおよびEGFR細胞外ドメインの変異、HER2及びMET増幅並びにALK、RET及びNTRK1融合)を認めない集団において、mFOLFOX6+ベバシズマブ併用療法群と比較し、mFOLFOX6+ベクティビックス併用療法群で原発巣の占拠部位に関わらず全生存期間の延長を認めました(ベクティビックス併用療法群:40.7か月、ベバシズマブ併用療法群:34.4か月、HR:0.76(95% CI: 0.62-0.92))。なお、本研究におけるベクティビックス投与時の安全性プロファイルはこれまで公表された臨床試験結果と同様の内容でした。本研究の結果、原発巣占拠部位による治療選択と比較し、患者の血液を用いた血中循環腫瘍DNAの解析はベクティビックスによる治療がより有用となりうる患者の特定に繋がる可能性を示唆しました。

その他の希少疾患品目
当社の研究開発は、3つの重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー)にわたり、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても、未だ有効な治療法が確立されていない高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が存在する疾患に注力しています。その他の希少疾患品目においては、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在する複数の疾患に焦点をあて取り組んでいます。遺伝性血管性浮腫においては、タクザイロをはじめとするライフサイクルマネジメントプログラムへの継続的な研究開発投資を通じて、既存の治療パラダイムの変革を目指します。希少血液疾患においては、アドベイト、アディノベイト/ADYNOVIを通じて、出血性疾患治療における現在のニーズへ対応することに注力しています。また、LIVTENCITYにおいては、移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症の治療を再定義することを目指しています。当社は、希少疾患の患者さんに対し革新的な医薬品を届けるという当社のビジョンを実現するための取り組みに注力します。当社は、希少疾患において当社が有する専門能力の活用が可能であり、希少疾患に対する当社のコミットメントおよびリーダーシップを高める可能性のある、後期開発段階の事業開発機会の探索を今後も継続する予定です。

[アディノベイト/ADYNOVI 一般名:ルリオクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え)]
- 2023年6月、当社は、アディノベイトについて、用法および用量に関する製造販売承認事項一部変更承認を日本において取得したことを公表しました。本承認により、患者の臨床状態や活動レベルに応じ、投与量だけではなく投与間隔を含む用法および用量を調整することで、最適な定期投与による個別化治療への貢献が可能となります。今回の承認は、主に国際共同臨床第3相試験であるCONTINUATION試験および海外臨床第3相試験 PROPEL試験の成績に基づくものです。

[オビザー 一般名:スソクトコグ アルファ(遺伝子組換え)]
- 2024年3月、当社は、グリコシル化されたBドメイン欠損遺伝子組換えブタ血液凝固第VIII因子オビザー静注用500について、後天性血友病A(AHA)患者における出血抑制を効能または効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、主に18歳以上の日本人AHA患者5例を対象とした国内臨床第2/3相試験および18歳以上の非日本人AHA患者を対象とした海外臨床第2/3相試験に基づくものです。

[LIVTENCITY 一般名:maribavir]
- 2023年12月、当社は、LIVTENCITYについて、造血幹細胞移植(HSCT)または固形臓器移植(SOT)後の、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、シドフォビルまたはホスカルネットによる治療に対して難治性(遺伝子耐性有無にかかわらず)のサイトメガロウイルス(CMV)感染・感染症の成人患者を対象として中国国家食品薬品監督管理局(NMPA)より承認を取得したことを公表しました。NMPAによる本承認は、臨床第3相SOLSTICE試験の結果に基づきます。LIVTENCITYは2021年に中国医薬品審査評価センター(CDE)によりブレークスルー・セラピー指定を付与されていました。LIVTENCITYは中国において本適応症を有する初めてかつ唯一のCMV特異的UL97プロテインキナーゼ阻害薬です。
- 2024年6月、当社は、リブテンシティ錠200mgについて、臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗CMV療法に難治性のCMV感染症を効能または効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、主にHSCTまたはSOT後で既存の抗CMV治療に難治性のCMV感染・感染症を有する患者を対象とした海外第3相非盲検試験(SOLSTICE 試験)および日本人のHSCTまたはSOT後でCMV 感染・感染症を有する患者を対象とした国内第3相非盲検試験に基づくものです。

血漿分画製剤
当社は、血漿分画製剤(PDT)に特化したPDTビジネスユニットを設立し、血漿の収集から製造、研究開発および商用化まで、エンド・ツー・エンドのビジネスの運営に注力しています。本領域では、様々な希少かつ複雑な慢性疾患に対する患者さんにとって生命の維持に必要不可欠な治療薬の開発を目指しています。本領域に特化した研究開発部門は、既発売の治療薬の価値最大化、新たな治療ターゲットの特定および血漿収集から製造に至るまで血漿分画製剤のバリューチェーン全体にわたる効率性の最適化という役割を担っています。短期的には、当社の幅広い免疫グロブリン製剤ポートフォリオ(HYQVIA、キュービトル、GAMMAGARD LIQUIDおよびGAMMAGARD S/D)における効能追加、地理的拡大および総合的な医療テクノロジーの活用を通じたより良い患者体験を追求しています。血液製剤およびスペシャリティケアのポートフォリオにおいては、PROTHROMPLEX(4F-PCC)、ファイバおよびセプーロチンにおける効能追加や剤型追加の開発機会の追求を優先しています。また、当社は、グローバルに販売している20種類以上にわたる治療薬ポートフォリオに加え、20% fSCIg(TAK-881)およびliquid low IgA IG(TAK-880)といった次世代の免疫グロブリン製剤の開発、およびその他の早期段階の治療薬候補(高シアル化免疫グロブリン(hsIgG)を含む)の開発を行っています。

[HYQVIA 一般名:遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ含有皮下注(ヒト)免疫グロブリン10%(開発コード:TAK-771)]
- 2023年4月、当社は、HYQVIAについて、米国食品医薬品局(FDA)より、原発性免疫不全(PI)治療薬として対象年齢を2歳から16歳までの小児患者へ拡大する生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の承認を取得したことを公表しました。FDAによる小児PI患者の治療薬としてのHYQVIAの承認は、2歳から16歳までの44例の小児PI患者を対象に実施したピボタル前向き非盲検非対照臨床第3相試験のエビデンスに基づきます。HYQVIAは、主要評価項目である急性の重篤な細菌感染症(aSBIs)の発現率につき、12ヵ月の治療期間において有効性が確認されました。年間の平均aSBI発現率は0.04であり、事前に設定された達成規準である被験者1例あたりの年間aSBI発現率1未満に対し統計学的に有意に低率(片側上限99%信頼区間 0.21、p<0.001)であったことから、小児PI患者に対するHYQVIAの有効性が確認されました。すべての患者が12ヵ月間(1年間の観察期間)の試験参加期間を完了した時点で行われた中間解析の結果では、成人と同様な安全性プロファイルが確認されました。
- 2023年6月、当社は、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者を対象とした維持療法としてのHYQVIAを評価するピボタル臨床第3相ADVANCE-CIDP1試験の結果を発表しました。ADVANCE-CIDP1試験は、前向き無作為化プラセボ対照二重盲検多施設共同臨床第3相試験であり、静注用免疫グロブリン(IVIG)による治療で病勢が安定している成人CIDP患者を1:1の割合でHYQVIA群(n=62)、プラセボ群(n=70)へ無作為に割り付け、再発または試験治療の中止に至らない限り6ヵ月間の治療を行いました。主要評価項目は、CIDPの症状の増悪をInflammatory Neuropathy Cause and Treatment(INCAT)スコアで評価する再発率です。副次評価項目には、機能的悪化、再発までの期間、Rasch-built Overall Disability Scale(R-ODS)スコアの皮下注製剤開始前のベースライン時からの変化および安全性が含まれます。本試験の結果において、HYQVIAはプラセボと比較して臨床的に意義のある再発率の低下を示し(9.7% vs. 31.4%、p=0.0045)、その他の解析ではHYQVIAはプラセボと比較して再発までの期間の延長を示しました。また、その他の評価項目でも良好なデータが得られ、良好な忍容性が確認されました。これらの結果は、2023年6月にデンマークで開催された2023年末梢神経学会(PNS)年次総会で発表され、同時にthe Journal of the Peripheral Nervous System (JPNS)に掲載されました。
- 2024年1月、当社は、CIDPの成人患者における神経筋障害および機能障害の再発予防の維持療法としてHYQVIAがFDAにより承認されたことを公表しました。本承認は、ADVANCE-CIDP1試験および単群非盲検継続試験であるADVANCE-CIDP3試験の結果に基づきます。HYQVIAはFDAが承認した唯一の免疫グロブリン(IG)とヒアルロニダーゼの組合せ製剤であり、皮下注用免疫グロブリン製剤(SCIG)です。ヒアルロニダーゼ成分により皮膚と筋肉の間の皮下組織における大量のIGの拡散と吸収が促進されるため、CIDPの成人患者ではHYQVIAを最長で1か月に1回(2、3または4週ごと)の間隔で投与できます。またHYQVIAは皮下投与のため、医療従事者が医療機関または患者の自宅で投与することが可能であり、適切なトレーニングを受けた後、患者や介護者が自己注射することも可能です。
- 2024年1月、当社は、あらゆる年齢のCIDP患者を対象に、IVIGによる治療で安定した後の維持療法としてHYQVIAが欧州委員会(EC)により承認されたことを公表しました。本承認は、CIDP患者の再発予防のための維持療法としてHYQVIAの有効性と安全性を評価したピボタル臨床第3相ADVANCE-CIDP1試験のデータに基づいています。
- 2024年2月、当社は、TAK-771について、無又は低ガンマグロブリン血症を予定する効能または効果として、厚生労働省に対し製造販売承認申請を行ったことを公表しました。無又は低ガンマグロブリン血症は、原発性免疫不全症(PID)または続発性免疫不全症(SID)による抗体が無いまたは低い状態で、重篤な感染症の再発リスクが増加することを特徴とする疾患です。本申請は、主に有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価するために実施された、原発性免疫不全症(PID)の日本人患者を対象とした臨床第3相TAK-771-3004試験ならびにPID患者を対象とした3つの海外臨床第2/3相試験(160603試験、160902試験および161503試験)に基づきます。
- 2024年6月、当社は、CIDP患者におけるHYQVIAの安全性および有効性を評価する長期継続試験である臨床第3相ADVANCE-CIDP3試験のデータを発表しました。本結果はHYQVIAの良好な長期安全性および忍容性と低い再発率を示しており、CIDPに対する維持療法としての使用を支持しています。これらの結果は、末梢神経学会(PNS)年次総会のポスターセッションで発表される予定です。ADVANCE-CIDP3試験はCIDPを対象とした臨床試験として、これまでで最長の延長試験です。本試験はADVANCE-CIDP1試験から85名の患者を登録し、主要評価項目は安全性、忍容性および免疫原性でした。HYQVIAの投与期間中央値は33カ月(0カ月から77カ月)で、全追跡期間の累積は220人年でした。HYQVIAの安全性および忍容性プロファイルは既知のプロファイルと一致しており、新たな安全性に関する懸念は認められませんでした。

[キュービトル 一般名:皮下注(ヒト)免疫グロブリン20%]
- 2023年9月、当社は、キュービトルについて、2歳以上の患者を対象に、無又は低ガンマグロブリン血症を効能または効果として、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。無又は低ガンマグロブリン血症は、原発性免疫不全症(PID)または続発性免疫不全症(SID)による抗体が無いあるいは低い状態で、重篤な感染症の再発リスクが増加することを特徴とする疾患です。皮下投与の免疫グロブリン製剤の日本における承認取得は、当社として初めてです。本申請は、有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価するための、日本人のPID患者を対象とした臨床第3相試験、ならびに北米と欧州のPID患者を対象とした臨床第2/3相試験に基づくものです。日本の患者17例を対象とした試験において、有効性および安全性が確認されました。キュービトル投与期間中に、重篤または重度の有害事象は報告されておらず、良好な忍容性を示しました。主な有害事象は、頭痛および注射部位腫脹各4例(23.5%)、注射部位紅斑3例(17.6%)でした。これまでに報告されている臨床試験においても本剤の有効性および安全性が確認されています。

[GAMMAGARD LIQUID 一般名:(ヒト)免疫グロブリン10%]
- 2024年1月、当社は慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者における神経筋障害および機能障害改善のための静注用人免疫グロブリン製剤(IVIG)治療薬として、GAMMAGARD LIQUIDが、米国食品医薬品局(FDA)により承認されたことを公表しました。本剤は、導入時用量とそれに続く維持時用量が含まれる導入療法としての使用が可能です。GAMMAGARD LIQUIDは、CIDPの治療において免疫グロブリン製剤未投与の患者に対して、または6か月を超える期間の維持療法としては検討されていません。本承認は、HYQVIAのADVANCE-CIDP1試験において再発した成人のCIDP患者を対象にGAMMAGARD LIQUIDの有効性および安全性を評価した無作為化プラセボ対照二重盲検ADVANCE-CIDP2試験の結果に基づいています。

[セプーロチン 一般名:乾燥濃縮ヒトプロテインC(開発コード:TAK-662)]
- 2024年3月、当社は、セプーロチン静注用1000単位について、先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症、電撃性紫斑病の治療および血栓形成傾向の抑制を効能または効果として厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、主に日本人の4~27歳の先天性プロテインC欠乏症患者5例を対象とした国内臨床第1/2相試験および非日本人の先天性プロテインC欠乏症患者を対象とした2つの海外臨床第2/3相試験(IMAG-098試験、400101試験)に基づくものです。

ワクチン
ワクチンでは、イノベーションを活用し、デング熱(QDENGA(開発コード:TAK-003))、新型コロナウイルス感染(COVID-19)(ヌバキソビッド筋注)など、世界で最も困難な感染症に取り組んでいます。当社パイプラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、政府機関(日本、米国)や主要な世界的機関とのパートナーシップを締結しています。これらのパートナーシップは、当社のプログラムを実行し、それらのポテンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。

[QDENGA 一般名:4価弱毒生デング熱ワクチン(開発コード:TAK-003)]
- 2023年7月、当社はTAK-003について、現行の生物学的製剤承認申請(BLA)の審査サイクル内では解決が困難なデータ収集に関する米国食品医薬品局(FDA)との議論の結果、米国におけるTAK-003のBLAを自主的に取り下げたことを公表しました。TAK-003の米国における今後の計画は、旅行者およびプエルトリコなどの米国のデング熱流行地域に居住する人々のニーズを考慮し検討される予定です。TAK-003の有効性および安全性プロファイルは、8つのデング熱流行地域に居住する2万例を超える小児および成人を対象とした4.5年間の臨床第3相試験を含む強固な臨床試験プログラムにより示されています。この臨床試験は、世界保健機関(WHO)による第二世代のデング熱ワクチンに関するガイダンスに基づいており、デング熱流行地域において被験者脱落防止と治験実施計画書遵守を達成できるようデザインされていました。TAK-003は、複数のデング熱の流行国および非流行国で承認されており、今後数年で更なる承認が見込まれています。
- 2023年10月、当社は、WHOの予防接種に関する戦略的諮問委員会(SAGE)が、QDENGAの使用に関する推奨を発表したことを公表しました。
SAGEは、以下の推奨を発表しました。
- 本ワクチンは、公衆衛生上のインパクトを最大化し、血清反応陰性者における潜在的リスクを最小限に抑えるため、デング熱による疾病負担と感染率が高い地域での導入を検討すること。
- 6歳から16歳の小児を対象とする。この年齢範囲で、デング熱による入院の発生率がピークに達する年齢の約1-2年前にワクチンを導入すること。2回接種とし、接種間隔は3ヵ月とすること。
- 本ワクチンは、よく検討された適切なコミュニケーションおよびコミュニティとの連携と併せて導入すること。
SAGEは、第2世代デング熱ワクチンに関するWHOのガイダンスに従ってデザインされた臨床第3相TIDES(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)試験を含む、28,000人を超える小児および成人を対象とした19件にわたる臨床第1、2、3相試験のデータをレビューしました。
2024年5月、WHOはポジションペーパーを更新し、デング熱による疾病負担と感染率が高い地域において、6~16歳の小児にQDENGAを使用することを推奨しました。


パイプラインの現状
当社グループの各疾患領域および事業分野における研究開発活動の概要は、以下に示すとおりです。後出する主要な疾患領域および事業分野において開示されている当社グループパイプライン上の治療薬の候補物質は、それぞれ異なる開発段階にあり、現在開発中の候補物質の開発中止や新たな候補物質の臨床ステージ入りにより、パイプラインの内容は今後変わる可能性があります。以下に示す候補物質が製品として上市に至るかは、前臨床試験や臨床試験の結果、様々な医薬品の市場動向、規制当局からの販売承認取得の有無など、様々な要因に影響されます。本表では当社が承認取得を目指しているパイプラインの主な効能および2023年度中に承認されたパイプラインを掲載しています。掲載している効能以外にも、将来の効能・剤型追加の可能性を検討するために臨床試験を行っています。以下の表記載は、米国・欧州・日本・中国に限定していますが、当社グループはその他の地域でも開発活動を行っています。以下、「グローバル」の表記は、米国・欧州・日本・中国を指します。下記の表にあるパイプラインのモダリティは、「低分子」、「ペプチド・オリゴヌクレオチド」、「細胞および遺伝子治療」、「生物学的製剤他」のいずれかに分類しています。
2024年5月9日(決算発表日)における当社グループの消化器系・炎症性疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード

製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
MLN0002
<vedolizumab>
ENTYVIO
(グローバル)
エンタイビオ(日本)
ヒト化抗α4β7インテグリンモノクローナル抗体
(注射剤)
生物学的製剤他潰瘍性大腸炎(皮下投与製剤)米国承認(23/9)
クローン病(皮下投与製剤)日本
米国
承認(23/9)
承認(24/4)
同種造血幹細胞移植を受けている患者における移植片対宿主病の予防(静脈注射製剤)欧州
日本
P-Ⅲ
P-Ⅲ
潰瘍性大腸炎・クローン病(小児)(静脈注射製剤)グローバルP-Ⅲ
TAK-438
<vonoprazan>
タケキャブ(日本)
VOCINTI(中国)
カリウムイオン競合型
アシッドブロッカー
(経口剤)
低分子酸関連疾患(ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助)中国承認(23/11)
TAK-755(注1)
<apadamtase alfa/ cinaxadamtase alfa>
アジンマ(米国)
ADAMTS13酵素補充療法
(注射剤)
生物学的製剤他先天性血栓性血小板減少性紫斑病米国
日本
欧州

中国
承認(23/11)
承認(24/3)
申請(23/5)
(注2)
P-Ⅲ
免疫性血栓性血小板減少性紫斑病米国
欧州
P-Ⅱb
P-Ⅱb
TAK-721
<budesonide>
EOHILIA(米国)
糖質コルチコステロイド
(経口剤)
低分子好酸球性食道炎米国承認(24/2)
TAK-633
<teduglutide>
GATTEX(米国)
レベスティブ
(欧州、日本)
GLP-2アナログ(注射剤)ペプチド・オリゴヌクレオチド短腸症候群中国承認(24/2)
Cx601
<darvadstrocel>
アロフィセル
(欧州、日本)
同種異系脂肪由来
幹細胞懸濁剤(注射剤)
生物学的製剤他難治性のクローン病に伴う複雑痔瘻
(小児)
欧州
日本
P-Ⅲ
P-Ⅲ
TAK-999(注3)
<fazirsiran>
GalNAcベースRNA干渉(RNAi)(注射剤)ペプチド・オリゴヌクレオチドα‑1アンチトリプシン欠乏症に伴う肝疾患米国
欧州
P-Ⅲ
P-Ⅲ


開発コード

製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-625(注4)
<maralixibat>
回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬
(経口剤)
低分子アラジール症候群日本P-Ⅲ
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症日本P-Ⅲ
TAK-121(注5)
<rusfertide>
ヘプシジンミメティックスペプチド(注射剤)ペプチド・オリゴヌクレオチド真性多血症米国P-Ⅲ
TAK-279
<zasocitinib>
チロシンキナーゼ2
(TYK2)阻害薬
(経口剤)
低分子乾癬米国
欧州
日本
P-Ⅲ
P-Ⅲ
P-Ⅲ
乾癬性関節炎P-Ⅱb
クローン病P-Ⅱb
潰瘍性大腸炎P-Ⅱb(注6)
TAK-227/ZED1227
(注7)
トランスグルタミナーゼ2阻害薬(経口剤)低分子セリアック病P-Ⅱb
TAK-062
<zamaglutenase>
グルテン分解酵素
(経口剤)
生物学的製剤他セリアック病P-Ⅱ
TAK-101
(注8)
Tolerizing Immune Modifying nanoParticle(TIMP)(注射剤)生物学的製剤他セリアック病P-Ⅱ
TAK-079
<mezagitamab>
抗CD38モノクローナル
抗体(注射剤)
生物学的製剤他免疫性血小板減少症P-Ⅱ
IgA腎症P-Ⅰ

(注1)KMバイオロジクス社との提携
(注2)2024年5月に、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、先天性血栓性血小板減少性紫斑病の小児および成人患者のADAMTS13欠乏症の治療薬として、TAK-755の承認を例外的な状況下において推奨
(注3)Arrowhead Pharmaceuticals社との提携
(注4)Mirum社との提携
(注5)Protagonist Therapeutics社との提携、開発は同社が実施
(注6)被験者登録中
(注7)Zedira社およびDr. Falk Pharma社との提携
(注8)COUR Pharmaceuticals社との提携


2024年5月9日(決算発表日)における当社グループのニューロサイエンス(神経精神疾患)領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード

製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-935
<soticlestat>
CH24H阻害薬 (経口剤)低分子ドラベ症候群グローバルP-Ⅲ
(注1)
レノックス・ガストー症候群グローバルP-Ⅲ
(注1)
TAK-861オレキシン2受容体
アゴニスト(経口剤)
低分子ナルコレプシータイプ1P-Ⅱb
TAK-653/
NBI-1065845(注2)
AMPA受容体増強薬
(経口剤)
低分子抗うつ薬による効果が不十分な大うつ病(MDD)P-Ⅱ
TAK-341/MEDI1341
(注3)
抗α‑シヌクレイン抗体
(注射剤)
生物学的製剤他多系統萎縮症(MSA)P-Ⅱ
TAK-594/DNL593(注4)脳内移行性を有するプログラニュリン融合蛋白質
(注射剤)
生物学的製剤他前頭側頭型認知症P-Ⅱ
TAK-925
<danavorexton>
オレキシン2受容体
アゴニスト(注射剤)
低分子麻酔後の回復P-Ⅱ
ナルコレプシーP-Ⅰ
TAK-360オレキシン2受容体
アゴニスト(経口剤)
低分子ナルコレプシータイプ2・特発性過眠症P-Ⅰ


(注1)2024年6月、当社はドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群の患者を対象とした臨床第3相試験のトップライン結果を公表
(注2)Neurocrine社との提携、開発は同社が実施
(注3)AstraZeneca社との提携、パーキンソン病対象のP-Ⅰ試験を完了
(注4)Denali Therapeutics社との提携、開発は同社が実施


2024年5月9日(決算発表日)における当社グループのオンコロジー領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード

製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
SGN-35(注1)
<brentuximab
vedotin>
アドセトリス
(欧州、日本、中国)
CD30モノクローナル抗体薬物複合体
(注射剤)
生物学的製剤他ステージIII ホジキンリンパ腫
(フロントライン)
欧州承認(23/10)
再発・難治性の皮膚T細胞リンパ腫日本承認(23/11)
ホジキンリンパ腫におけるBrECADDレジメン(brentuximab vedotin、etoposide、cyclophosphamide、doxorubicin、dacarbazine、dexamethasone)(フロントライン)(注2)欧州申請(24/4)
TAK-113(注3)<fruquintinib>
FRUZAQLA(米国)
VEGFR阻害薬
(経口剤)
低分子治療歴を有する転移性大腸がん(mCRC)米国
欧州

日本
承認(23/11)
申請(23/6)(注4)
申請(23/9)
<ponatinib>
ICLUSIG(米国)
BCR-ABL阻害薬(経口剤)低分子フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(フロントライン)米国承認(24/3)
フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(小児適応)P-Ⅰ(注5)
<cabozantinib>
(注6)
カボメティクス
(日本)
マルチターゲットキナーゼ阻害薬(経口剤)低分子転移性去勢抵抗性前立腺がん
(アテゾリズマブとの併用)
(注7)
日本P-Ⅲ
TAK-676
<dazostinag>
STINGアゴニスト
(注射剤)
低分子固形がんP-Ⅱ
TAK-500STINGアゴニスト抗体薬物複合体(注射剤)生物学的製剤他固形がんP-Ⅰ
TAK-186T細胞誘導抗体(注射剤)生物学的製剤他EGFR発現固形がんP-Ⅰ
TAK-280T細胞誘導抗体(注射剤)生物学的製剤他B7‑H3発現固形がんP-Ⅰ
TAK-012可変デルタ1 (Vδ1)
ガンマ・デルタ(γδ)T細胞(注射剤)
細胞および
遺伝子治療
再発・難治性の急性骨髄性白血病P-Ⅰ

(注1)Pfizer社との提携
(注2)German Hodgkin Study Groupが実施したHD21試験のデータに基づく申請
(注3)HUTCHMED社との提携
(注4)2024年6月、欧州委員会(EC)より承認取得
(注5)ICLUSIGのフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(小児適応)の臨床試験は患者登録を中止
(注6)Exelixis社との提携
(注7)中外製薬との提携、P-Ⅲ試験は当社が実施


2024年5月9日(決算発表日)における当社グループのその他の希少疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード

製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-620(注1)
<maribavir>
LIVTENCITY
(米国、欧州)
ベンズイミダゾールリボシド系阻害薬
(経口剤)
低分子移植後の(バル)ガンシクロビル、
シドフォビル、ホスカルネットに治療抵抗性・難治性のサイトメガロウイルス感染(症)
中国承認(23/12)
臓器移植(造血幹細胞移植も含む)におけるサイトメガロウイルス感染症日本申請(23/11)(注2)
移植後のサイトメガロウイルス感染(十歳代を含む小児)欧州P-Ⅲ
TAK-743
<lanadelumab>
タクザイロ
(グローバル)
血漿カリクレイン阻害薬(注射剤)生物学的製剤他遺伝性血管性浮腫(小児)欧州承認(23/11)
TAK-577
VONVENDI
(米国、日本)
VEYVONDI(欧州)
フォン・ヴィレブランド因子[遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他フォン・ヴィレブランド病の予防(成人)欧州承認(23/11)
フォン・ヴィレブランド病の出血時および周術期の補充療法(成人)中国申請(23/1)
フォン・ヴィレブランド病の出血時および周術期の補充療法(小児)グローバルP-Ⅲ
TAK-672(注3)
オビザー
(米国、欧州)
ブタ第VIII因子
[遺伝子組換え]
(注射剤)
生物学的製剤他後天性血友病A(AHA)中国
日本
承認(24/2)
承認(24/3)
TAK-660
アディノベイト
(米国、日本)
ADYNOVI(欧州)
抗血友病因子
[遺伝子組換え]
PEG修飾(注射剤)
生物学的製剤他血友病A(小児)欧州P-Ⅲ
血友病A中国P-Ⅲ

(注1)GSK社との提携
(注2)2024年6月、厚生労働省より製造販売承認取得
(注3)Ipsen社との提携


2024年5月9日(決算発表日)における当社グループの血漿分画製剤のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード

製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-771(注1)
<IG Infusion 10% (Human) w/ Recombinant Human Hyaluronidase>
HYQVIA(米国、欧州)
遺伝子組換え型
ヒトヒアルロニダーゼ含有
免疫グロブリンG補充療法
(皮下注射製剤)
生物学的製剤他原発性免疫不全症候群(小児)米国承認(23/4)
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎米国
欧州
承認(24/1)
承認(24/1)
原発性免疫不全症候群・続発性免疫不全症候群日本申請(24/2)
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎・
多巣性運動ニューロパチー
日本P-Ⅲ
TAK-664
<IG Infusion 20% (Human)>
キュービトル
(米国、欧州、日本)
免疫グロブリン20%
[ヒト由来]
(皮下注射製剤)
生物学的製剤他原発性免疫不全症候群・続発性免疫不全症候群日本承認(23/9)
続発性免疫不全症候群欧州承認(24/1)
<Anti-Inhibitor Coagulant Complex>
ファイバ
(米国、欧州、日本)
プロトロンビン活性複合体
濃縮物[ヒト由来]
(注射剤)
生物学的製剤他インヒビター保有血友病AまたはB患者におけるFEIBA STAR試験に基づくラベル変更。従来比で最大5倍の注入速度かつ希釈液量が50%に低下米国
欧州
承認(23/6)
承認(23/12)
TAK-339
<IG Infusion 10% (Human)>
GAMMAGARD LIQUID (米国)
KIOVIG (欧州)
免疫グロブリン10%
[ヒト由来]
(静脈注射および皮下注射
製剤)
生物学的製剤他慢性炎症性脱髄性多発根神経炎米国承認(24/1)
TAK-662
セプーロチン
(米国、欧州)
プロテインC濃縮物
[ヒト由来](注射剤)
生物学的製剤他重症先天性プロテインC欠乏症日本承認(24/3)
TAK-880
<10% IVIG
(Low IgA)>
免疫グロブリン 10%
[ヒト由来](注射剤)
(IgA低含有)
生物学的製剤他原発性免疫不全症候群・
多巣性運動ニューロパチー
欧州
米国
申請(24/3)
審査完了通知受領(23/5)
TAK-330
PROTHROMPLEX TOTAL(欧州)
4因子含有プロトロンビン
複合体濃縮製剤[ヒト由来]
(注射剤)
生物学的製剤他血液凝固障害、手術時の直接経口抗凝固薬(DOAC)使用に伴う出血傾向の抑制米国P-Ⅲ
TAK-961
<5% IVIG>
献血グロベニン-I
(日本)
免疫グロブリン 5%
[ヒト由来](注射剤)
生物学的製剤他自己免疫性脳炎(AE)日本P-Ⅲ
TAK-881
<Facilitated 20% SCIG>
遺伝子組換え型
ヒトヒアルロニダーゼ
含有免疫グロブリンG
20% 補充療法(注射剤)
生物学的製剤他原発性免疫不全症候群米国
欧州
P-Ⅲ

(注1)Halozyme社との提携


2024年5月9日(決算発表日)における当社グループのワクチンのパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード
製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-003(注1)
QDENGA(欧州)(注2)
4価デング熱ワクチン
(注射剤)
生物学的製剤他4種すべての血清型によるあらゆる重症度のデング熱ウイルスによる感染症の予防、ただし4歳以上が対象米国申請取り下げ(23/7)
4種すべての血清型によるあらゆる重症度のデング熱ウイルスによる感染症の予防、ただし4歳以上が対象
(追加接種としての延長投与)
P-Ⅲ

(注1)2022年10月に、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、欧州およびEU-M4all制度に参加しているデング熱流行国におけるTAK-003の承認を推奨。2022年12月、欧州においてQDENGA(TAK-003)の承認取得
(注2)QDENGA(TAK-003)は、インドネシア、ブラジル、英国、アルゼンチン、コロンビア、マレーシアおよびタイにおいて承認を取得済み

開発中止品目
2023年4月1日以降に中止したプロジェクトは以下のとおりです。
開発コード適応症/剤型追加
(国/地域、開発段階)
中止および終了理由
SGN-35
<brentuximab
vedotin>
末梢性T細胞リンパ腫 非特定型(PTCL-NOS)(フロントライン)(欧州、申請)欧州医薬品庁(EMA)との協議を経て、当社はType-II variation申請の取り下げを決定。
<niraparib>乳がん(日本、P-Ⅲ)適格性基準に基づく対象患者を十分に登録することが困難となったため、GSK社はグローバル臨床第3相ZEST試験への患者登録を完全に中止。これを受け、当社も日本における患者登録を中止。
TAK-788
<mobocertinib>
EGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がん(セカンドライン以降)
(日本、P-Ⅲ)
EGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がんのフロントラインにおける検証試験の中止を受け、全世界で自主的取り下げを決定。
EGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がん(フロントライン)
(グローバル、P-Ⅲ)
Cx601
<darvadstrocel>
難治性のクローン病に伴う複雑痔瘻
(米国、P-Ⅲ)
ALOFISELの臨床第3相ADMIRE-CDⅡ試験は主要評価項目を満たさず。これを受け、米国での申請を予定していない。
TAK-577フォン・ヴィレブランド病の予防
(成人)(中国、P-Ⅲ)
中国における現在の医療ニーズを踏まえた事業上の決定。
MLN9708
<ixazomib>
自家造血幹細胞移植後の初発の多発性骨髄腫の維持療法(TOURMALINE-MM3試験)
(米国、欧州、P-Ⅲ)
本試験の最終解析結果により、当社は米国および欧州において本適応症での開発を継続しないことを決定。(NINLAROは日本、韓国、タイ、台湾およびブラジルにおいて維持療法の適応症が承認済み。)
TAK-141/JR-141
<pabinafusp alfa>
ハンター症候群(中枢性および身体症状)提携に関する当社の戦略的評価の結果に基づき、当社は、ハンター症候群の治療薬であるpabinafusp alfa(JR-141・TAK-141)を商業化するための特定の地域を対象とした独占的な提携およびライセンス契約を終了することをJCRファーマと合意。JCRファーマは、これまで通りJR-141の臨床開発を主導し、参加している患者さんのために臨床第3相試験を継続する予定。
TAK-611異染性白質ジストロフィー(P-Ⅱ)TAK-611の臨床第2相試験は主要および副次評価項目を満たさず、さらなる開発を支持する結果ではなかった。
TAK-041/
NBI-1065846
大うつ病(MDD)における無快楽症
(P-Ⅱ)
TAK-041/NBI-1065846の臨床第2相試験は主要および副次評価項目を満たさず、MDDにおけるさらなる開発を支持する結果ではなかった。
TAK-071パーキンソン病(P-Ⅱ)患者さんおよび当社に対するTAK-071の価値を最大化するための事業上の決定であり、外部化を検討中。
TAK-573
<modakafusp alfa>
再発・難治性の多発性骨髄腫(P-Ⅱ)戦略的判断に基づきmodakafusp alfa (TAK-573)の開発プログラムを中止することを決定。
固形がん(P-Ⅰ)
TAK-861ナルコレプシータイプ2(P-Ⅱ)当社は、ナルコレプシータイプ2を対象としたTAK-861の開発を進めることを予定していない。
TAK-951悪心、嘔吐(P-Ⅱ)臨床データは、さらなる開発を支持する結果ではなかった。
TAK-981
<subasumstat>
複数のがん種(P-Ⅱ)現在得られているデータおよび臨床開発タイムラインを踏まえたポートフォリオの優先順位付けによる、subasumstat (TAK-981) の臨床開発を中止する戦略的決定。




開発コード適応症/剤型追加
(国/地域、開発段階)
中止および終了理由
TAK-007再発・難治性のB細胞性悪性腫瘍
(P-Ⅱ)
再発・難治性のB細胞性悪性腫瘍を対象としたTAK-007の臨床開発を中止するデータに基づく決定。TAK-007は自己免疫疾患を対象に検討される予定。
TAK-079
<mezagitamab>
重症筋無力症(P-Ⅱ)開発優先度の低下に伴い、現時点において重症筋無力症を対象としたTAK-079の開発を進めることを予定していない。
TAK-079
<mezagitamab>
全身性エリテマトーデス(P-Ⅰ/Ⅱ)開発優先度の低下に伴い、現時点において全身性エリテマトーデスを対象としたTAK-079単剤療法の開発を進めることを予定していない。
TAK-105悪心、嘔吐(P-Ⅰ)臨床第1相試験のデータは、さらなる開発を支持する結果ではなかった。
TAK-920/DNL919アルツハイマー病(P-Ⅰ)臨床第1相試験のデータおよび本疾患の治療薬の開発状況から総合的に判断し、開発を中止。Denali社と当社は前臨床段階にあるバックアップ化合物につき、併用療法の可能性を含めた研究に注力する。
TAK-102固形がん(P-Ⅰ)当社におけるパイプラインの優先順位付けおよび他家細胞療法への戦略的シフトにより、TAK-102およびTAK-103のさらなる開発を継続しないことを決定。(TAK-102およびTAK-103の)安全性あるいは有効性に関する懸念によるものではない。
TAK-103固形がん(P-Ⅰ)
TAK-940固形がん(P-Ⅰ)当社におけるパイプラインの優先順位付けおよび他家細胞療法への戦略的シフトにより、TAK-940のさらなる開発を継続しないことを決定。TAK-940の安全性あるいは有効性に関する懸念によるものではない。
TAK-426ジカウイルスによる感染症の予防
(P-Ⅰ)
現在のジカウイルス感染の疫学情報から、本ワクチンの使用機会が限定的であることが想定されるため、TAK-426のさらなる開発を継続しないことを決定。
TAK-755
<apadamtase alfa/
cinaxadamtase alfa>
鎌状赤血球症(米国、P-Ⅰ)開発優先度の低下に伴い、現時点において鎌状赤血球症を対象としたTAK-755の開発を進めることを予定していない。
TAK-647代謝障害関連脂肪肝炎 (MASH) (旧名称:非アルコール性脂肪肝炎(NASH))(P-Ⅰ)当社におけるポートフォリオの優先順位付けにより、代謝障害関連脂肪肝炎(MASH)を対象としたTAK-647のさらなる開発を継続しないことを決定。




ライセンスおよび共同研究開発契約
①ライセンスおよび共同研究開発契約の概要
当社は通常の事業において、製品開発および商業化のために第三者とライセンス契約や業務提携を行うことがあります。当社の事業は、こうした個々の契約に大きく依存するものではありませんが、これらの契約は全体として、社内外のリソースを組み合わせて活用することで新製品の開発や上市を可能にするという当社の戦略の一部を構成しています。これまで製品上市に寄与してきた契約の一部に関する概要は以下の通りであります。
- アドセトリス:2009年、当社はPfizer Inc.(以下、「Pfizer社」)(2023年12月、Seagen, Inc.はPfizer社により買収)と、アドセトリスのグローバル共同開発および世界各国(同社が本剤を販売している米国、カナダを除く)における販売の提携契約を締結しました。本提携関係に基づき、当社による開発および販売の進捗に関してマイルストン支払いを行いました。また、契約対象地域におけるアドセトリスの正味売上高に基づき10%台半ばから20%台半ばの割合で段階的なロイヤルティを支払います。当社とPfizer社は、本提携関係のもとで実施される選択された開発活動の費用を均等に共同で負担しますが、2024年3月31日現在、当社のアドセトリス提携契約に基づく販売マイルストンの残存支払見込額はありません。本提携関係は、いずれか一方の当事者による正当な事由または両者の合意をもって解除することができます。当社は本提携関係を自由に解除でき、Pfizer社は一定の状況において本提携関係を解除できます。両社により提携解除がなされなかった場合、本契約は全ての支払い義務の満了をもって自動的に終了します。
- トリンテリックス:2007年、当社はH. Lundbeck A/S(以下、「Lundbeck社」)とライセンス、開発、供給および販売契約を締結し、同社の保有する気分障害・不安障害治療薬パイプライン上の複数の化合物について米国および日本における独占的な共同開発および共同販売権を取得しました。本契約に基づき、当社とLundbeck社は、米国および日本でトリンテリックスを販売しており、また、開発資金の大部分を当社が負担することとし、関連化合物の共同開発に合意しました。トリンテリックスによる収益は当社が計上し、当社はLundbeck社に対し正味売上高の一部に加え、当社による本剤の売上に基づき10%台前半から半ばの割合で段階的なロイヤルティを支払います。また、本提携関係に基づき、当社はLundbeck社に対し、開発および販売の進捗に関して一定の開発および販売マイルストンを支払うことに合意しておりますが、2024年3月31日現在、当社のトリンテリックス提携契約に基づく販売マイルストンの残存支払見込額はありません。本契約は無期限に存続しますが、両者の合意または正当な事由をもって解除されます。

②将来に向けた研究プラットフォームの構築/研究開発における提携の強化
自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。
- 2023年8月、当社は、ImmunoGen, Inc.(ImmunoGen社)より日本を対象としたmirvetuximab soravtansine-gynx(MIRV)の独占的開発・販売に関するライセンス権を取得したことを公表しました。MIRVは、抗葉酸受容体α(FRα)抗体に微小管阻害剤を結合させた抗体薬物複合体(ADC)という特徴を有する静脈注射剤であり、卵巣がん治療のために開発された初のADCです。MIRVは、1~3種類の全身治療レジメンの前治療歴を有するFRα高発現のプラチナ製剤抵抗性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの成人患者の治療薬として米国で迅速承認を受けています(その後本承認を取得)。MIRVは、FRα高発現のプラチナ製剤抵抗性の再発・難治性卵巣がんを対象とした海外臨床第3相MIRASOL試験において、既存の化学療法と比較して全生存率(OS)の有意な延長を示した初めての薬剤です。2024年2月、ImmunoGen社はAbbVie Inc.により買収されました。
- 2024年1月、当社とProtagonist Therapeutics, Inc.(Protagonist Therapeutics社)は、天然型ホルモンヘプシジンの注射用ヘプシジンミメティクスペプチドであり、現在ピボタル臨床第3相VERIFY試験が進行中である真性多血症 (PV) の治療薬候補としてのrusfertideの開発・商業化に関する全世界でのライセンスおよび提携契約を締結したことを公表しました。Protagonist Therapeutics社のペプチド技術プラットフォームを通じて発見されたrusfertideの作用機序は、鉄の恒常性を調節し、体内の鉄の吸収、貯蔵、分散を制御すると考えられています。PVにおけるrusfertideの臨床第2相REVIVE試験の無作為化部分は、主要評価項目を達成しました。2年間の非盲検延長試験による長期追跡データは米国血液学会2023年年次総会で発表され、PV患者において持続的なヘマトクリット制御、瀉血使用の減少、長期忍容性が示され、新たな安全性シグナルは認められませんでした。Protagonist Therapeutics社は引き続き臨床第3相試験の完了と米国規制当局による承認まで、研究開発を担当します。当社は米国以外での開発権を有し、グローバルでの商業化活動のリードを担います。
- 2024年4月、当社と公益財団法人がん研究会(がん研究会)は、がん領域の開発提携に関する契約を締結したことを公表しました。当社とがん研究会は、本契約に基づき、グローバル早期臨床試験の推進や橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ・リバーストランスレーショナルリサーチ)を推進すること等を目的として、双方の強みを活かした交流を行い、現在進行している医薬品開発における必要な情報共有や協議を行っていきます。これにより、優れた画期的な抗がん剤を創出し、いち早くがん患者とその家族の元にお届けすることを目指します。
- 2024年4月、当社、アステラス製薬株式会社(アステラス製薬)および株式会社三井住友銀行は、日本発の革新的な医薬品の創出に向けた創薬シーズのインキュベーションを行う合弁会社の設立に関する基本合意契約を締結したことを公表しました。3社は合弁会社の設立に加えて、当社およびアステラス製薬で培われたグローバル創薬研究開発のノウハウに基づいたサポートを合弁会社に提供し、新薬開発のオープンイノベーションならびに創薬シーズの社会実装の促進ならびに革新的な医薬品開発を行うスタートアップ企業創出につなげます。合弁会社は、設立後、国内のアカデミア・製薬企業・スタートアップ企業などが有する有望な創薬シーズへのアクセスをはじめ、共同研究等を通じてインキュベーション活動を開始予定です。
- 2024年5月、当社とAC Immune SA(AC Immune社)は、AC Immune社がもつ毒性アミロイドβ(Aβ)を標的とする能動免疫療法に関する全世界の独占的オプションとライセンス契約を締結したことを公表しました。本契約には、AC Immune社がアルツハイマー病治療薬として開発中のACI-24.060が含まれます。ACI-24.060は、抗Aβ能動免疫療法候補薬で、 プラークの形成やアルツハイマー病を進行させると考えられている毒性Aβに対する強力な抗体反応を誘導するように設計されています。ACI-24.060は、脳内のプラークを除去し、かつプラーク形成を効果的に抑制することで、アルツハイマー病の進行を遅らせる可能性があります。ACI-24.060については現在、前駆期アルツハイマー病の被験者とダウン症候群の成人患者を対象に被験薬の安全性、忍容性と免疫原性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照臨床第1b/2相試験(ABATE試験)を実施しています。AC Immune社は、ABATE試験を完了させる責任を負います。当社がオプションを行使した場合、当社はオプション行使以降の臨床開発を当社の費用負担で行い、世界各地での申請業務と全世界での商業化の責任を負います。
- 2024年6月、当社はAscentage Pharma社とolverembatinibの独占的ライセンスを獲得するためのオプション契約を締結したことを公表しました。olverembatinibは、慢性骨髄性白血病(CML)およびその他の血液がんを対象に現在開発が進められており、ベスト・イン・クラスとなりうる経口の第三世代BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)です。当社がオプションを行使した場合、中国本土、香港、マカオ、台湾およびロシア以外の全地域でolverembatinibの開発および商業化に関する全世界的な権利を有することになります。本契約の一環として、Ascentage Pharma社は引き続きライセンスオプション行使前のolverembatinibのすべての臨床開発について単独で責任を負います。Olverembatinibは現在、TKI抵抗性の慢性期CML(CP-CML)またはT315I変異を有する移行期CML(AP-CML)の成人患者、および第一世代および第二世代TKIに抵抗性および/または不耐容を示すCP-CML成人患者の治療薬として、中国で承認・販売されています。


③研究開発における提携
下表では、「①ライセンスおよび共同研究開発契約の概要」以外の、研究開発における当社の提携および外部化提携を記載しており、全ての共同研究開発活動を記載しているものではありません。「内容/目的」欄の記述は、別途記載されていない限り契約締結時点のものを示しています。

消化器系・炎症性疾患領域
提携先内容/目的
Arrowhead Pharmaceuticals米国α-1アンチトリプシン欠乏症による肝疾患(AATLD)を対象とし、臨床段階にあるRNA干渉(RNAi)治療薬fazirsiran(TAK‑999、ARO‑AAT)の開発に向けた提携およびライセンス契約。ARO‑AATは、AATLDの進行を引き起こす変異型α‑1アンチトリプシン蛋白の産生を低減する目的で設計されたファースト・イン・クラスの治療薬となる可能性がある。
COUR Pharmaceuticals米国COUR社からグリアジンタンパク質含有のImmune Modifying NanoparticleであるTIMP-GLIA(TAK‑101)の全世界での独占的な開発および製品化の権利を獲得。
Engitix英国Engitix社独自の細胞外マトリックス探索プラットフォームの活用による、肝線維症およびクローン病や潰瘍性大腸炎などの線維性の炎症性腸疾患に対する新規治療薬の特定と開発に関する共同研究およびライセンス契約。
Genevant Sciences Corporation米国肝星細胞を標的とするGenevant社のLNPプラットフォームを活用し、肝線維症の進行を阻止または回復させるため当社が設計したRNAiオリゴヌクレオチドを送達することを目的とした提携およびライセンス契約。
KMバイオロジクス日本血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)を対象とするが、同疾患に限らず、rADAMTS13(TAK-755)を治療に用いるための開発提携およびライセンス契約。
Mirum Pharmaceuticals米国アラジール症候群(ALGS)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)および胆道閉鎖症(BA)を対象としたmaralixibat(TAK-625)の日本における開発および販売に関する独占的ライセンス契約。
Pfizer米国2016年に締結されたTAK-647の全世界における開発および販売に関する独占的ライセンス契約。当社は、ポートフォリオの優先順位付けにより代謝障害関連脂肪肝炎(MASH)を対象としたTAK-647のさらなる開発を継続しないことを決定。
Protagonist Therapeutics米国真性多血症を対象とした、天然型ホルモンへプシジンの注射用へプシジンミメティクスペプチドであるrusfertide(TAK-121)の全世界を対象とした開発および商業化に関するライセンス・提携契約。
Sosei Heptares英国Sosei Heptares社のStaR®技術および構造生物学の専門性を活用し、Gタンパク質共役受容体(GPCR)に作用する構造ベース創薬により消化器系疾患の新規治療薬の開発を目的とする提携・ライセンス契約。
UCSD/Fortis Advisors米国UCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)からのライセンス技術を活用し、好酸球性食道炎治療薬としてブデソニド経口製剤(TAK-721)を開発。
Zedira/Dr. Falk Pharmaドイツセリアック病におけるグルテンに対する免疫反応を予防するよう設計された、ファースト・イン・クラスの治療薬となる可能性のある組織トランスグルタミナーゼ2(TG2)阻害薬TAK-227/ZED1227の開発および販売に関する提携・ライセンス契約。当社は米国およびその他の地域(欧州、カナダ、オーストラリアおよび中国を除く)における独占的権利を保有。



ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域
提携先内容/目的
AcuraStem米国AcuraStem社の、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対するPIKFYVEを標的とした治療薬について、全世界の開発および商業化に関する独占的ライセンス契約。
Anima Biotech米国遺伝的に特定された神経疾患に対するmRNA翻訳調節薬に関する戦略的な共同研究・開発。
AstraZeneca英国多系統萎縮症(MSA)およびパーキンソン病の治療薬候補として、alpha‑synuclein抗体であるMEDI1341/TAK-341の共同開発・販売契約。
BioMarin米国髄腔内投与により外因性アリルスルファターゼA酵素の中枢神経系への直接補充を可能にする技術の導入。急速に進行し、最終的には生命を脅かす希少な神経変性疾患である異染性白質ジストロフィー(MLD)患者において長期的な治療を行う(TAK-611)。
BridGene Biosciences米国BridGene社のケモプロテオミクスプラットフォームを用いて、「undruggable」なターゲットに対する低分子医薬品の発見を目指す共同研究。
Denali Therapeutics米国Denali社が有する脳へのバイオ治療薬移行性を高めるTransport Vehicle(TV)プラットフォーム技術を用いた、最大3つの神経変性疾患治療薬候補の開発および販売に関する戦略的オプションおよび提携契約。当社は2021年度第3四半期に、DNL593/TAK‑594およびDNL919/TAK‑920に関するオプション権を行使。2023年度第2四半期にDNL919/TAK-920の開発を中止し、ATV:TREM2バックアップの探索を継続中。
ルクサナバイオテク日本Luxna社の画期的な人工修飾核酸技術の、神経疾患領域における複数の未公開の標的遺伝子に対する全世界での独占的ライセンス契約。
Neurocrine Biosciences米国TAK‑041/NBI-1065846、TAK-653/NBI-1065845およびTAK-831/NBI-1065844(luvadaxistat)を含む7つの当社の早期から中期開発段階の精神疾患領域パイプラインに関する開発および製品化に関する提携。当社は開発マイルストン、販売マイルストン、および正味売上高に応じたロイヤルティを取得する権利を有する。特定の開発段階において、当社はすべての臨床試験プログラムについて、1つひとつのパイプラインごとに、50:50の利益配分を受ける、または受けない選択をすることができる。2021年6月、当社はTAK-831/NBI-1065844(luvadaxistat)の更なる開発費用の分担をしないことを決定。当社は、引き続きTAK-831/NBI-1065844(luvadaxistat)に関するマイルストンおよびロイヤルティを受領する権利を保持。2023年11月、Neurocrine社はTAK-041/NBI-1065846の臨床第2相試験は主要および副次評価項目を満たさず、さらなる開発を支持しない旨を公表。
ぺプチドリーム日本神経筋疾患および神経変性疾患に対するペプチド‑薬物複合体(PDCs)の創製に関する共同研究および独占的ライセンス契約。
Wave Life Sciencesシンガポール神経疾患に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド医薬品の共同開発および共同販売に関する複数のプログラムにおけるオプション契約。


オンコロジー領域
提携先内容/目的
AbbVie(注1)米国抗葉酸受容体α(FRa)陽性の卵巣がんを対象とした、mirvetuximab soravtansine-gynxの日本における開発および商業化に関する独占的ライセンス契約。
Adimab米国オンコロジー領域において、3つのモノクローナル抗体及び3つのCD3二重特異性抗体の創薬・開発・販売。
Crescendo Biologics英国がん領域におけるHumabody®を用いた治療薬の創製、開発および販売。
Egle Therapeuticsフランス腫瘍特異的制御性T細胞の新規標的を特定し、独自の抗サプレッサーに基づく免疫療法を開発。
Exelixis, Inc.米国オンコロジー治療薬cabozantinibに関して、日本における進行性腎細胞癌及び肝細胞癌をはじめ適応拡大を含めた独占的な開発・販売権を獲得。
F-star英国F-star社の独自のFcab™およびmAb2 ™プラットフォームを活用する、非開示の、がん免疫標的を対象とした二重特異性抗体に関する研究提携および研究、開発および販売に関してロイヤリティを伴う全世界を対象とした独占的ライセンス契約。当社は、本契約に基づくすべての研究、開発および販売に関する活動を担う。
GSK英国新規がん治療薬niraparibに関して、日本における全てのがん、および韓国及び台湾においては前立腺がんを除く全てのがんに関する独占的開発・販売権を獲得。
Heidelberg Pharmaドイツ抗体薬物複合体に関する2標的に関するライセンスを含む研究提携(アルファアマニチン毒素及び独占権を有するリンカー)。
HUTCHMED中国HUTCHMED(China)Limitedおよびその子会社であるHUTCHMED Limitedとの、全世界(中国本土、香港およびマカオを除く)を対象とした、転移性大腸がんを含む全ての適応症におけるfruquintinib(TAK-113)のさらなる開発および商業化に関する独占的ライセンス契約。
KSQ Therapeutics米国KSQ社のCRISPRomics®技術を用いたがんに対する新規免疫ベース治療に関する、研究・開発・商業化における戦略的提携。
Kumquat Biosciences米国新規の低分子阻害薬によるがん免疫療法の単剤および/または併用療法としての開発および商業化に関する戦略的な独占的提携。
MD Anderson Cancer Center(MDACC)米国MDACCのプラットフォームおよび専門性と、当社の開発、製造ならびに商業化の能力を活用し、B細胞性の悪性腫瘍やその他のがんの治療に対して、臍帯血由来キメラ抗原受容体を発現したNK(CAR-NK)細胞療法を提供するための独占的ライセンス契約および共同研究契約。当社は、再発・難治性のB細胞性悪性腫瘍を対象としたTAK-007の開発を継続しないことをデータに基づき決定。
Memorial Sloan Kettering Cancer Center米国多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病および追加対象として固形がんの治療を目的とした新規のキメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T)の細胞療法を開発するための戦略的な共同研究契約およびライセンス契約を締結。本共同研究は、現在、Memorial Sloan Ketteringの細胞工学センターの責任者であるMichel Sadelainが共同で実施。当社におけるパイプラインの優先順位付けおよび他家細胞療法への戦略的シフトにより、当社はTAK-940のさらなる開発を継続しないことを決定。
ノイルイミューン・バイオテック日本山口大学玉田耕治教授により開発された次世代型キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T)療法の研究開発。当社は本提携により創出されたノイルイミューン・バイオテック社のパイプラインや製品の開発・販売権を導入できる独占的オプションを有する。本共同研究の成果を受け、NIB-102とNIB-103を導入済み。2023年12月、当社におけるパイプラインの優先順位付けおよび他家細胞療法への戦略的シフトにより、当社はTAK-102とTAK-103のさらなる開発を継続しないことを決定。
Teva Pharmaceutical IndustriesイスラエルTEV-48573/TAK-573(modakafusp alpha、Anti-CD38-AttenukineTM)の全世界の権利及びTeva社のAttenukineTMプラットフォーム技術を活用する複数のターゲットの研究提携。戦略的判断に基づきmodakafusp alfa (TAK-573) の開発プログラムを中止することを決定。

(注1)2024年2月、ImmunoGen社はAbbVie社により買収


血漿分画製剤
提携先内容/目的
Halozyme米国HYQVIAの拡散と吸収を高めることを目的としたHalozyme社の独自基盤技術ENHANZE™の導入。
Kamadaイスラエル静脈投与α1プロテアーゼインヒビター(GLASSIA)の開発および商用化の導入契約;GLASSIAの米国、カナダ、オーストラリアおよびニュージーランドにおける独占的供給および流通;継続中の市販後コミットメントの実施。
Johnson & Johnson/Momenta Pharmaceuticals米国Johnson & Johnson社に買収されたMomenta Pharmaceuticals社との、臨床開発段階にある高シアル化免疫グロブリン(hsIgG)候補物質に関するライセンス契約。
PreviPharma欧州新規標的タンパク質の開発に関する研究提携およびオプション契約。



ワクチン
提携先内容/目的
米国政府
The Biomedical Advanced Research and Development Authority(BARDA)
米国当社が有するジカ熱ワクチン候補(TAK-426)の米国での開発に関するパートナーシップ。当社は取得したデータを利用し、世界中の流行地域での承認申請に用いるオプション権を保有。当社はTAK-426のさらなる開発を継続しないことを決定。
Novavax米国厚生労働省および日本医療研究開発機構(AMED)からの助成対象となったNovavax社のCOVID‑19ワクチン「ヌバキソビッド®筋注」の日本における開発、製造、商業化に関するNovavax社との提携。当社と厚生労働省は、需要を含めた複数の事項を条件とする1億5千万回接種分のNovavax社ワクチンの供給に関する契約を締結。2023年2月、厚生労働省は既に当社から納入済みのものを除く残余数量の購入予定を取り消し。当社は、Novavax社と協力しオミクロン株を含む変異株に対応したワクチンの開発を進める。2024年4月に当社は、新型コロナウイルス感染症ワクチン「ヌバキソビッド®筋注」の2人用のバイアル製剤(2-8℃の冷蔵保存)について、厚生労働省に対し、製造販売承認申請を行った。



その他/複数の疾患領域
提携先内容/目的
Asklepios Biopharmaceuticals米国血友病AおよびBを対象とする第Ⅷ因子の遺伝子治療を目的とする複数の研究開発提携。
Bridge Medicines米国Sanders TriInstitutional‑ Therapeutics Discovery Institute, Bay City Capital およびDeerfield Management と提携し、Bridge Medicinesを設立。 Bridge Medicines ‑は、資金面、運用面、管理面での支援を行い、プルーフ・オブ・コンセプト(POC)試験の検証から臨床試験への移行まで継ぎ目なく実施。
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)日本当社重点領域疾患(ニューロサイエンス、オンコロジー、消化器系・炎症性疾患を含む)でのiPS細胞の臨床応用およびiPS細胞のトランスレーショナルサイエンスが注目される追加領域での探索。
Charles River Laboratories米国Charles River Laboratories社が有するエンド・ツー・エンドの創薬および安全性評価プラットフォームを活用し、当社の重点疾患領域における複数のプログラム群を候補化合物の段階まで進めるため提携。
Code Bio米国Code Bio社の3DNAプラットフォームを用いた、肝疾患を対象とした標的遺伝子治療薬の設計・開発、および中枢神経系を標的とした希少疾患プログラムの追加試験の実施についての共同研究およびライセンス契約。なお当社は、4つのプログラムについて、独占的ライセンスを受けるためのオプション権を保有。
Codexis, Inc.米国リソソーム蓄積症および血液因子欠乏症の治療を含む、特定の適応症に対する新規遺伝子治療の研究・開発を目的とする戦略的提携・ライセンス契約。
Evozyne米国最大4つの希少疾患を対象に、次世代遺伝子治療薬の開発に活用できるタンパク質の研究開発における共同研究およびライセンス契約。
GSK英国GSK社およびミシガン大学とのヒトサイトメガロウイルス感染症治療薬としてのTAK-620(maribavir)導入契約。
Ipsenフランス後天性血友病A治療薬としてのオビザー開発のための譲渡(購入)契約。緊急および非緊急の手術におけるインヒビター保有先天性血友病A患者への適用開発も含む。
Massachusetts Institute of Technology米国人工知能(AI)の開発と応用を促進し、人の健康と医薬品開発に貢献するためのMIT‑Takedaプログラム。 Abdul Latif Jameel Clinic for Health in Machine Learning(J‑Clinic)に設置する新しいプログラムは、当社およびMITの専門知識を組み合わせて活用し、当社の投資によってサポートされる。
Schrödinger米国Schrödinger社の保有するin silico技術に基づく創薬力と当社の疾患領域に対する深い知見および構造生物学における専門性を融合した、複数の創薬標的に関する共同研究。




知的財産
特許や登録商標を用いて可能な限り自社の製品や技術を守ることは、当社グループの事業戦略において重要な部分を占めています。当社グループが市場競争力を維持し高めるためには、営業秘密、当社独自のノウハウ、技術的イノベーションおよび第三者との契約の取り決めが欠かせません。当社がビジネス上の成功を収めることが出来るかどうかは、強固な特許を取得し行使する能力や、営業秘密を保護し続ける能力、第三者の知的財産権を侵害することなく事業を行う能力、付与されたライセンスの条件を遵守する能力に依存する場合があります。新薬の開発は長期間にわたり、研究開発は多くの費用を必要とします。また、治療薬候補のうち上市されるものはごくわずかであることから、知的財産の保護は新薬の研究開発への投資の回収において重要な役割を担っています。
当社グループは米国、日本、欧州の主要国において可能な限り当社独自の技術の特許保護を求めていきます。その他の国々についても、可能な国々において、選別したうえで特許保護を求めていきます。いずれの場合にも特許保護自体を取得するか、ライセンサーを通じて特許出願をサポートするよう努めています。特許は、当社グループが使用する技術を保護するための主要な手段です。特許は、特許期間中の医薬品に関する発明に基づく他社による製造、使用、販売、販売の提示を排除する権利を特許権者に付与します。当社グループのバイオ医薬品を保護するために、有効成分をカバーする物質特許、薬の用途、製造方法、製剤に関する特許等、様々な種類の特許を使用しています。
当社グループの医薬品(特に、低分子化合物医薬品)は、主に物質特許によって保護されています。物質特許の存続期間終了をもって当該医薬品の市場独占権は失われる場合がありますが、その後も当該物質の用途、用法、製造方法、新規組成物または剤型に関する特許等の非物質特許によって、商業利益が保護されることがあります。物質特許が満了した場合でも、各国の関連法規制によるデータ保護制度により対象製品が保護されることもあります。
米国では、原則として最も早い通常の特許出願日から20年で特許は満了しますが、米国特許商標庁の審査遅延による特許の発行遅延があった場合は特許期間の調整が行われる可能性があります。また、製品、製品を使用した治療法、製品の製造方法に関する米国の医薬特許は、米国食品医薬品局(FDA)による製品の承認審査期間に応じて特許期間延長の対象となる場合があります。このような場合の存続期間の延長は5年を上限としており、製品の承認取得から14年を超える延長は認められません。FDAの遅延に基づく期間延長が認められるのは、1製品につき1件の特許のみです。FDAは、新規化合物またはオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に対しては、特許による独占権に加えて、データあるいは市場の独占権を追加付与することがあり、これらは既にある特許保護期間と並行して存続します。データ保護規制またはデータ独占権は、ジェネリック医薬品を発売し得る競合他社が、先発品の安全性および有効性を確立する際にスポンサーが作成した臨床試験データを新規化合物については5年間、オーファンドラッグについては7年間使用できないようにするものです。市場独占権は、同一薬剤を同効(同じ適応症)に 対して販売することを禁止するものです。
日本では、有効成分については、特許庁により特許が付与されます。患者さんの疾患の治療・診断方法に関する特許請求項は日本では特許の対象となりませんが、特定の疾患、適応症の治療に使用する医薬組成物に関する特許請求項は、特許の対象となります。日本では原則として出願より20年で特許は満了します。医薬特許は、医療品製造承認取得までに要した時間により、5年を限度として延長されることがあります。米国と異なり、日本では1製品につき1つ以上の特許を延長することができます。また、日本ではデータ保護制度として「再審査期間」を設けており、その期間は新有効成分含有医薬品については8年、新効能・新医療用配合剤については4年から6年、オーファンドラッグについては10年となっています。
欧州連合(EU)では、欧州特許庁(EPO)または欧州各国で特許を申請することができます。EPOの制度では、EU全体およびスイス、トルコ等のいくつかのEU非加盟国での特許を一括申請することができます。EPOが特許を付与すれば、特許権者が指定する国々において特許が有効となります。EPOまたは欧州諸国のいずれかが認める特許の存続期間は、延長や調整があり得ますが、原則として出願から20年です。医薬品の特許は、補充的保護証明書(SPC)制度のもと、さらに追加の独占期間を付与されます。SPCは、特許権者が欧州医薬品庁または各国の規制当局から販売承認を受けるのに要した時間を補償する制度です。SPCによる特許期間の最長の延長期間は5年であり、欧州で最初の販売承認を取得した日から最長15年まで特許期間を延長することができます。認可された小児臨床試験計画(PIP)によるデータが提出されたオーファン以外の製品であれば、その医薬品に係るSPCのさらなる6ヶ月の小児延長が認められます。SPC制度を含め、承認後の特許は、各国の法制度により運用されています。特許およびSPCに関する規制はそれぞれ欧州特許庁およびEUのレベルで作られましたが、国ごとの運用の違いにより、例えば、EU各国の国内裁判所で無効申立てされた場合など、必ずしも同じ結果にはつながりません。また、EUは承認されたヒト用医薬品につき、特許保護と並行してデータ独占権を与えています。現在承認されている医薬品に関する制度は、通常「8+2+1」と呼ばれています。これは、まず初めに競合他社が関連データに依拠することができないデータ保護期間が8年間、続いて競合他社が販売承認申請のために当該データを使用できるものの、競合品を上市することができない市場独占期間が2年間、さらに、スポンサーが最初のデータ保護期間8年間の間に、他の治療薬が存在しない適応症か「既存治療薬に比べて有意な臨床的有効性」が認められる新たな適応症を追加した場合、追加で1年間の市場独占権を認めるものです。これは各国での承認にもEUの中央審査による承認にも当てはまります。また、EUには米国に類似したオーファンドラッグの独占制度があります。医薬品がオーファンドラッグとして指定された場合、10年間の市場独占権が与えられ、この間当該医薬品と同じ適応症を持つ同様の医薬品には販売承認が付与されません。特定の条件下では、小児臨床試験計画の完了によるさらに2年間の小児用医薬品に係る延長が認められます。
当社グループ製品の関連特許満了後の後発品の市場参入や、競合他社によるOTC医薬品の発売等、当社グループは世界中で知的財産に関わる課題に直面しています。当社グループのグローバルジェネラルカウンセルは、法務ならびに知的財産権の業務についても監督責任を負っています。当社グループの知的財産部は、下記3つの優先事項に注力することにより、当社グループの全社的な戦略をサポートしています。
・疾患領域別ユニットの戦略に沿った自社製品および研究開発パイプラインの価値の最大化および関連する権利の保護
・パートナーとの提携サポートによる外部イノベーションのよりダイナミックな活用の促進
・新興国市場を含む世界各国での知的財産権取得および保護
当社グループの知的財産権が侵害されることは、それらの権利から得ることが期待される収益が失われるリスクとなるため、当社グループは特許やその他の知的財産を管理するための内部プロセスを整備しています。当該プロセスでは、第三者からの侵害に継続的に警戒するとともに、当社グループの自社製品および活動が第三者の知的財産権を侵害しないよう、研究開発段階から注意を払っています。
通常の事業活動において、当社グループの特許は第三者から無効の申し立てを受ける可能性があります。当社グループは、当事者として知的財産権に関する訴訟等に関与しております。係属中の重要な訴訟の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 32 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。


下表では、記載された製品について、対象地域ごとに、存続している物質特許および規制上の保護期間(以下、「RP」)(米国およびEU)もしくは再審査期間(以下、「RP」)(日本)ならびに満了日を記載しております。特許期間の延長(PTE)、補充的保護証明書(SPC)、小児用医薬品に係る独占期間(PEP)は当局により認められたものについては満了日に反映され、申請手続中で認められていないものについては、延長された満了日を別途記載しています。
当社グループのバイオ医薬品は、下記の特許満了期間に関わらず、同じ適応症に対する類似製品またはバイオシミラーを製造する他社との競争に直面するか、今後直面する可能性があります。また、欧州の特許の一部は、SPCにより、いくつかの国で下表に記載の満了期限を超えて対象製品に追加的な保護が付与される場合があります。
製品名特許満了日(日本)
(注1)(注2)
特許満了日(米国)
(注1)
特許満了日(EU)
(注1)
消化器系疾患領域:
ENTYVIO
エンティビオ/エンタイビオ
特許:—

RP: 2028年7月(注2)
特許:—

RP: 2026年5月(注7)
特許:—

RP: 2025年5月(注7)
DEXILANT
デクスラント
未発売特許: —特許: —
PANTOLOC /CONTROLOC
(PANTOPRAZOLE)
パントプラゾール
未発売特許: —特許: —
TAKECAB
タケキャブ(注3)
特許: 2031年8月
特許: —(注3)特許: —(注3)
GATTEX/レベスティブ特許: —

RP: 2031年6月(注2)
特許: —(注5)特許: —

RP: 2024年9月
LIALDA/MEZAVANT(注3)
リアルダ
特許: —(注3)
特許: —特許: —
RESOLOR/MOTEGRITY未発売特許: —特許: —
ALOFISEL
アロフィセル
特許:—

RP:2031年9月(注2)
未発売特許:—

RP: 2028年3月
EOHILIA未発売特許:—

RP:2031年2月
未発売
希少代謝性疾患領域:
ELAPRASE(注3)
エラプレース
特許: —(注3)
特許: —特許: —
REPLAGAL
リプレガル
特許: —未発売特許: —
VPRIV
ビプリブ
特許: —

RP: 2024年7月(注2)
特許: —特許: —


製品名特許満了日(日本)
(注1)(注2)
特許満了日(米国)
(注1)
特許満了日(EU)
(注1)
希少血液疾患領域:
ADVATE
アドベイト
特許: —
特許: —特許: —
ADYNOVATE/ADYNOVI
アディノベイト
特許: 2026年1月
特許: 2026年2月

RP: 2027年11月
特許:2029年2月

RP: 2028年1月
FEIBA(注6)
ファイバ
特許: —特許: —
特許: —
HEMOFIL(注6)
ヘモフィル
未発売特許: —未発売
IMMUNATE(注6)未発売未発売特許: —
IMMUNINE(注6)未発売未発売特許: —
VONVENDI特許: —

RP: 2030年3月(注2)
特許: 2030年12月

RP: 2027年12月
特許: —

RP: 2028年8月
RECOMBINATE未発売特許: —未発売
ADZYNMA特許: —

RP: 2034年3月(注2)
特許: —

RP: 2035年11月
未発売
遺伝性血管性浮腫領域:
FIRAZYR
フィラジル
特許: —

RP: 2028年9月(注2)
特許: —特許: —
TAKHZYRO
特許:2031年1月
PTEが認められれば2036年1月まで延長

RP: 2032年3月(注2)
特許:2032年8月

RP: 2030年8月
特許:2033年11月


RP: 2028年11月
CINRYZE(注6)
未発売特許: —特許: —
希少疾患-その他
LIVTENCITY未発売特許: —

RP:2028年11月
特許: —

RP: 2032年11月


製品名特許満了日(日本)
(注1)(注2)
特許満了日(米国)
(注1)
特許満了日(EU)
(注1)
血漿由来の免疫疾患治療領域:
GAMMAGARD
LIQUID(注6)
未発売
特許: —
特許: —
HYQVIA(注6)未発売

特許: —

RP: 2026年9月
特許: —
CUVITRU(注6)特許: —

RP: 2031年9月
特許: —

RP: 2028年9月
特許: —

RP: 2027年7月
FLEXBUMIN(注6)未発売特許: —特許: —
HUMANALBUMIN(注6)
アルブミン
未発売特許: —未発売
GLASSIA(注6)未発売特許: —未発売
ARALAST(注6)未発売特許: —未発売
オンコロジー領域:
VELCADE(注3)
ベルケイド
特許: —(注3)特許: —特許: —(注3)
LEUPLIN/ENANTONE
リュープリン/ENANTONE
特許: —
特許: —特許: —
NINLARO
ニンラーロ
特許: 2031年7月

RP: 2027年3月(注2)
特許: 2029年11月
特許: 2031年11月

RP: 2026年11月
ADCETRIS(注4)
アドセトリス
特許: 2028年7月(注8)

RP: 2028年5月(注2)(注9)
特許: —(注4)特許: 2027年10月

RP: 2023年10月
ICLUSIG(注3)
アイクルシグ
特許: —(注3)特許: 2027年1月特許: —(注3)
ALUNBRIG
アルンブリグ
特許: 2032年11月

RP: 2029年1月(注2)
特許: 2031年4月

RP: 2024年4月
特許: 2029年5月
SPCが認められれば2033年11月まで延長

RP: 2028年11月
VECTIBIX(注4)
ベクティビックス
特許: —特許: —(注4)特許: —(注4)
EXKIVITY未発売特許: 2035年5月
PTEが認められれば2035年9月まで延長

RP: 2028年9月
未発売


製品名特許満了日(日本)
(注1)(注2)
特許満了日(米国)
(注1)
特許満了日(EU)
(注1)
ZEJULA(注4)
ゼジューラ
特許: 2033年1月

RP: 2028年9月(注2)
特許: —(注4)特許: —(注4)
CABOMETYX(注4)特許: 2029年9月

RP: 2028年3月(注2)
特許: —(注4)特許: —(注4)
FRUZAQLA未発売特許: 2028年5月
PTEが認められれば2032年3月まで延長

RP:2028年11月
未発売
ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域:
VYVANSE/ELVANSE
バイバンス/ビバンセ
特許: 2029年6月

RP: 2027年3月(注2)
特許: —特許: 2024年6月(いくつかの国では2028年2月または2029年9月まで延長)
TRINTELLIX(注4)
トリンテリックス
特許: 2027年10月

RP: 2027年9月(注2)
特許: 2026年12月特許: —(注4)
ADDERALL XR未発売特許: —未発売
INTUNIV
インチュニブ
特許: —

RP: 2025年3月(注2)
特許: —特許: —

RP: 2025年9月
その他:
AZILVA-F
アジルバ
特許: —未発売未発売
FOSRENOL(注3)
ホスレノール
特許: —(注3)特許: — 未発売
QDENGA未発売未発売特許: —

RP: 2032年12月

(注1) 表中の「—」は物質特許の満了または該当なしを表します。
(注2) 日本では、後発品の承認申請は、先発品の再審査期間終了後に行われ、規制当局による審査の後、承認、薬価収載されます。したがって、後発品は再審査期間の満了後から一定の期間を経て市場に参入します。
(注3) 本製品は、第三者への導出契約を締結しているため、全ての地域で当社グループが販売を行っているわけではありません。
(注4) 本製品は、特定の地域限定で第三者からの導入契約を締結しているため、全ての地域で当社グループが販売を行っているわけではありません。詳細については「ライセンスおよび共同研究開発契約」をご参照ください。
(注5) 2024年3月時点で発売された後発品はありません。GATTEX/レベスティブの後発品の正確な参入時期について現時点では定かではありません。
(注6) これらの医薬品は血漿分画製剤です。
(注7) 当社グループは、ENTYVIOの製剤、投与方法、製造工程といった様々な項目について特許権を保有しており、そのうち一部は2032年に満了する予定です。なお、2032年より前にバイオシミラーの上市を目指す場合には、特許権侵害や関連するすべての特許の有効性を確認する必要があるため、バイオシミラーの正確な参入時期について​現時点では定かではありません。
(注8) 次に関する特許期間の延長(PTE): (a) ホジキンリンパ腫(フロントライン)、(b) 再発・難治性のPTCL(ALCLを除く)、および (c) 再発・難治性のホジキンリンパ腫、再発・難治性のPTCLおよびホジキンリンパ腫(フロントライン)の小児用(再発・難治性のホジキンリンパ腫および再発・難治性のALCLのPTEは、2026年4月に満了)。
(注9) 小児ホジキンリンパ腫(フロントライン)のみのRP(再発・難治性のホジキンリンパ腫、再発・難治性のALCL、ホジキンリンパ腫(フロントライン)、PTCLと再発・難治性の小児ホジキンリンパ腫、および再発・難治性の小児PTCLについてのRPは、2024年1月に満了、再発・難治性CTCLのRPは2029年9月に満了。)

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00919] S100TNTP)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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